Kinono Tabi : The Beautiful World ( Kino's Journey ) Episode 8
♪~
~ ♪
(キノ )人 は 誰 でも 空 を 行く 鳥 を 見る と さ ―
旅 に 出 たく なる そうだ
(エルメス )誰 の 言葉 ?
(キノ )忘れ た
( ニー ミャ ) 私 は 夢 で いつも 空 を 飛 ん で いる
いくら 飛んで も また 飛びたく なる
(フィアンセ )ニー ミャ !
ニー ミャ !
いる ん だ ろ ?ニー ミャ !
( ニー ミャ ) あ ! あ …
(フィアンセ )あ …ニー ミャ !
今日 こそ は 一緒 に 行って もらう よ 親戚 へ の あいさつ 回り
( ニー ミャ ) これ 私 の フィアンセ 子供 の ころ から の 腐れ縁
あ !大変 急が なくっちゃ
ねえ !ついに 完成 し た の よ あれ が !
国 長 ( くに お さ ) に 許可 を もらい に 行か なきゃ !
(フィアンセ )ハァ …まだ そんな こと を …
許可 なんか 出る もん か !だいたい あんな もの が 本当 に …
(ラッパ の 音 )
旅人 が 来 た らしい 珍しい な
(ニー ミャ )5年ぶりに旅人がこの国を訪れたその日
私 は 最後 の じか 談判 に 行く ところ だった
自分 の 夢 を 懸けて
(フィアンセ )あ !ニー ミャ !
( ニー ミャ ) そもそも 私 が こんな 倉庫 に ―
住む こと に なった のに は 訳 が ある
ここ に は もともと ―
1 人 の 魔法使い が 住んで いた の だ
この 国 で 魔法使い と いう の は ―
沼 と 森 しか なかった この 土地 に 畑 と 作物 を もたらし た と いう
他 の 国 で は 建国 の 神様 と 呼ぶ ような 存在 だった
ここ に 住んでいた の は もちろん 本当 の 魔法使い など で は ない
町 を 離れ て 1 人 で 暮らす 変わり者 の 老人 の こと を ―
私 たち 子供 が 勝手 に そう 呼んで い た の だ
(ニー ミャ )わ あ !(男の子 )わ あ !逃げろ ー !
( ニー ミャ ) なんでも あの 老人 は 若い とき に 外国 へ 留学 し ―
戻って き て から は すっかり 人 と 話 が 合わなく なって いた らしい
この 国 で “ 役 に 立つ こと ” と は ―
収穫 量 を 増やす ような 技術 や 知識 を 意味 し て い た
あの 老人 が 外国 で 学んだ こと は ―
この 国 で は “役に立たない こと ”ばかり だった の だろう
彼 の 最期 は 寂しい もの だった
いつの間にか 誰 に も みとられずに 天 に 召された の だ
そして 私 の 運命 の 変わる とき が 来た
両親 を はやり 病 で 立て続け に 亡くし ―
私 は 叔母 に 引き取られた
私 から 財産 を 奪った 叔母 は 安値 で 買った 倉庫 に 私 を 住まわ せ た
(ドア の 開く 音 )
う わ っ !
( ニー ミャ ) でも …
でも それ が 私 を 変え て くれた !
う わ あー !
(フィアンセ )ニー ミャ …
( ニー ミャ ) あなた も 祈って て くれる ?
うまく いき ます ように って !ウフッ
(フィアンセ )あ …ニー ミャ !
ハァ …
( ニー ミャ ) 倉庫 で 暮らす よう に なった 私 は ―
そこ で ある もの を 発見 し た の だ
(ニー ミャ の せき込み )
( ニー ミャ ) それ は 老人 が 書き残し た ―
1 冊 の 百科事典 だった
そこ に は 彼 が 世界 中 を 回って 見聞き し た ー
知識 の すべて が 記さ れ て い た
わ あー !
( ニー ミャ ) 私 は 夢中 に なって 読 ん だ
外国 の さまざま な 科学 や 文化
だが その ほとんど が ―
この 国 で は “役に立たない ”と 言われる 知識 ばかり だった
私 は 老人 が ここ に 閉じこもって い た 気持ち が ―
分かった 気 が し た
それ から 私 は ―
“一風 変わった 女の子 ”と して 有名 に なった
百科事典 の 知識 で いろんな 装置 を 作って ―
みんな を 驚かせ たり し た から だ
( 男の子 ) うわ ー !
( 一同 ) うわ ー !
(ニー ミャ )もっとも 失敗 作 の ほう が 多かった けど
二十 に なった 私 は 私 を ダマ して いた 叔母 から ―
家 と 財産 を 取り返し た
悲しかった けれど ―
私 は 忘れ かけ て い た 子供 の ころ の 夢 を ―
もう 一 度 思い出す 余裕 が できた
それ は …
“空 を 飛び たい ”という こと !
う わ っ !
( ニー ミャ ) 百科 事典 を あさった 私 は ―
外国 の 逸話 の 中 に 空 を 飛ぼう と した 男 の 話 を 見つけた
だけど それ は …
男 の 失敗 を おもしろおかしく 語った 笑い話
ひと 事 と は 思え なかった
人 が 鳥 の よう に 空 を 飛ぶ なんて 夢 物語 な ん だろう か ?
ハァ …
( ニー ミャ ) 諦め かけ た とき …
(ニー ミャ )ん ?
( ニー ミャ ) それ は 唐突 に 訪れ た
あっ !は …わ あ ~!イッテ …
( ニー ミャ ) 国 長 は どこ ?
(役人 )また 君 か いな
( 役人 ) 国 長 は お 忙し いっピ よ
( ニー ミャ ) ちょっと お 願い が ある だけ だって ば !
(役人 )ダメダメ !
(役人 )国 長 は 今 5 年 ぶり の 旅人 さん を 歓迎 中 だっ ピ よ
(国長 )という わけ で 第 16代 国長 の 時代 に は ―
収穫 量 が 4,7 % も 上がり ―
かく いう 私 ( わたくし ) も これ まで すでに …
3 % !3%です ぞ ~
収穫 を 増やす こと に 成功 し ―
大通り の 銅像 に 奉納 する 収穫 祭 で は ―
年率 0,5 % の …
年率 0,5 % の …
(役人 )ダメ だって のに !
年率 0,5 % の …
年率 0,5 % の …
(役人 )何 度 言え ば 分かる っ ピ !
国 長 !お 願い が あり ます !
あ ~これ から 話 が おもしろく なる とこ だって のに …
( ニー ミャ ) 国 長 例 の 件 を 許可 し て ください
(国 長 )また あの 話 か ダメ だ !
偉大 な 建国 の 神様 を 何 だ と 思っとる !
( ニー ミャ ) 成功 し たら 国 長 の 功績 に も なる ん です よ !
フフン !その 手 に は 乗ら ん
どうせ 無理 に 決まっ とる から な
(ニー ミャ )な …何て 石 頭 な の !?
言い たい こと は それ だけ かな ?
お 引き取り 願え !(ニー ミャ )ちょ …うっ !
(役人 )来る っ ピ (ニー ミャ )ちょっと 待って !
国民 の 訴え を 聞く の は 国長 の 義務 でしょ ?
(ニー ミャ )ちょっと 離し て よ !(国 長 )もう 十分 聞い た よ
( ニー ミャ ) この 分からず屋 ー !
(国 長 )いやはや お 見苦しい
国 長 は いつ でも どんな 訴え でも ―
とりあえず は 聞く と いう 決まり が あり まし て な
(キノ )なるほど
それ で 今 の 方 は どんな こと を 訴えた ん です か ?
( 国 長 ) それ が …
中央 通り に ある 銅像 を 撤去 しろ と …
あえなく 惨敗 か …
(モト ラド の 走行 音 )
(キノ )こんにちは
( ニー ミャ ) さっき の 旅人 さん ね
ごめんなさい 騒がせ ちゃ って
いえ おかげ で 解放 さ れ まし た
(エルメス )そう そう 話 長く て 退屈 し て た とこ
ずっと 寝てた ろ エルメス
(エルメス )うん よく 寝た
(ニー ミャ )ウフッ
(エルメス )ねえ この 銅像 を なくし て ―
どう する つもり だった の ?
(ニー ミャ )聞い て くれる ?
(キノ )ぜひ お 聞き し たい です
ねえ 旅人 さん たち うち に 来 ない ?
( ニー ミャ ) 散らかってる けど 1人 と 1 台 くらい 泊ま れる わ
ありがとう ございます
(エルメス )助かった ね キノ
フフッ さあ どうぞ
さっき の 答え を 教える わ
私 が なぜ あの 銅像 を どけて ほしかった か
それ は ね これ の ため よ
わ あ …
何 です か ?これ
まだ 名前 は ない ん だけど ね
私 は これ に 乗って 空 を 飛び たい の よ
空 …飛ぶ ん です か ?どう やって …
それ は ね …
角度 の ついた 板 を 固定 し 猛 スピード で 走れば ―
風 の 抵抗 で 上 に 持ち上がる
つまり 空 に 浮かび 上がれる はず
それ を 思い つい て から 悪戦苦闘 の 日々 が 始まった
せっかく 取り戻し た 家 も 財産 も ―
すべて 空 を 飛ぶ 夢 の ため に 注ぎ込んだ
( ニー ミャ ) 国 の 外れ で 拾った エンジン を 改造 し て ―
推進 力 の 問題 は 解決 し た
あと は …
と いう わけ どう ?
( ニー ミャ ) 私 の 説明 を 聞い た あと ―
その 旅人 は ひと言 こう 言って くれた
(キノ )よく 思いつき まし た ね
あ …
フフ …
(エルメス )でも さ ―
それ だ と ある 程度 の 距離 を 持つ まっすぐ な 道 が 必要 だ ね
そう そう なの よ !
だから 銅像 を どけて ほしかった んです ね
ねえ 旅人 さん 他 の 国 に こんな 機械 は ある ?
空 を 飛ぶ 機械 なんて 人間 に 作れる と 思う ?
(キノ )僕 と エルメス が 訪れた 国 に は ―
とても 科学 の 発達 し た 所 が ありました
でも 空 を 飛ぶ 機械 は まだ 見 た こと は あり ません
やっぱり …
(キノ )だ けど 世界 の どこ か に は ある かも しれません し ―
も し なければ ―
あなた が 空 を 飛ぶ 初めて の 人間 に なる の かも しれません ね
( 足音 )
(キノ )そう な ん です この 国 に 来た の も 偶然 と いう か …
(エルメス )そうそう たまたま 棒 を 倒し たら ―
こっち の 方角 を 指し た ん だ よね キノ
(ニー ミャ )ふ ー ん
すてき な 道 の 決め 方 ね 憧れ ちゃう わ
( ノック ) ( 国 長 ) ニー ミャ ・ チュ ハチ コワ !
ここ を 開けて もらおう って いう か 開けろ !
( ニー ミャ ) は いはい は い はい !
あら 皆さん お そろい で 何 の ご用 です の ?
これ を 見 た まえ !
近隣 から の 苦情 が 相次 い て おり 私 も これ 以上 放って お けん の だ よ
君 の あの ヘンテコ な 機械 は 解体 さ れる こと が 決定 し た
そんな !
明日 解体 作業 を 行う
これ は 国 長 の 権限 に よる 最終 決定 だ
異議 は 認め られ ん
以上 で ある (ニー ミャ )待って !
(フィアンセ )ニー ミャ …
あなた まで …
(フィアンセ )聞い て くれ ニー ミャ
僕 は 君 に 普通 の 奥さん に なって ほしい ん だ
言い たく ない けど
もう ご 両親 の 遺産 も ほとんど 残って ない ん だろう ?
悲しむ よ おじさん たち
ねえ 今晩 ここ に い て いい かい ?じっくり 話 が し たい ん だ
ダメ よ する こと が ある から
なら 僕 も 手伝う よ ニー ミャ
今日 は 帰って
(ニー ミャ )モト ラド さん 教え て (エルメス )何 ?
(ニー ミャ )モト ラド さん なら 分かる でしょ ?
私 の 理論 は 間違って る ?あの 機械 は 飛ばない ?
(エルメス )話 を 聞い て すぐ に 分かった
見 た ところ あれ は 飛ぶ よ
(ニー ミャ )そう よ ね !よーし !時間 が ない わ
明日 の 朝 あれ を 飛ばし て
石 頭 ども に 思い知ら せ て やる ん だ から !
(エルメス )あと は 道路 だけ だ ね
( ニー ミャ ) そう !
機体 が 風 に 乗る まで 走る に は どう 考え て も …
あの 銅像 が 邪魔 !
手前 に 盛り上がり を 作って 銅像 を 飛び越え れ ば ?
モト ラド なら それ で 障害 物 を 乗り越え られる から
きっと できる
はっ!
(キノ )かも しれない かな ?なんて …
そう ね !それ なら 銅像 を どけ なくて も いける かも !
(エルメス )キノ さえ てる じゃ ん
(ニー ミャ )ダメ !これ だ と ジャンプ し て も すぐ に 落ち ちゃう
最初 の 速度 が 足り ない の
(エルメス )残念
(キノ )うーん …
パース エイダー の 弾 みたい に ―
火薬 で 一気に 撃ち 出せれ ば いい ん です けど ね
バーン !って …
( ニー ミャ ) そんな こと し たら この 機体 が 壊れ ちゃ …
それ よ !弾丸 じゃ なく て その 反動 を 利用 すれ ば いい ん だ わ !
火薬 を 詰めた 筒 を 何 本 も 付けて 連続 燃焼 させて ガス を 噴射すれば
猛 ダッシュ できる !
これ で 飛べる わ !
ありがとう 旅人 さん !(キノ )あ …あ あっ
(エルメス )さて おもしろく なって きた ぞ
( キノ ) は ー い 皆さん 気 を つけ て ください
(女性 )何 やん の ?
(キノ )この ロープ から 中 に は 入ら ない で ください ね
危険 です から
(国 長 )旅人 さん !何 です か これ は !
(キノ )あ …国 長 さん たち も 気 を つけて ください
いったい …あ !
(エンジン の 始動 音 )
( フィアンセ ) ニー ミャ ! ニー ミャ やめる ん だ 危ない ぞ !
(人々 の ざわめき )
爆発 し た !
(エルメス )いや 大丈夫 だ よ
( 男性 ) あんな 重い もの が 空 に … ( 男性 ) 飛 ん だ 飛 ん だ ぞ !
(女性 )信じ られ ない
(国 長 )飛んだ …
(ニー ミャ )飛んでる …
飛んでる わ
間違って なかった
計算 も 実験 も 私 の 人生 も …
ムダ じゃ なかった う っ …
(2人 )わ あー !
(キノ )感想 は ?
(エルメス )ちょっと うらやましい かな それ だけ
さ あて 皆 さ ー ん !
あれ を 無事 に 降ろす に は まっすぐ な 長い 道 が 必要 な んです !
よ ー し みんな あの 邪魔 な 銅像 を 動かす ん だ !
( 一同 ) お ー ! ( フィアンセ ) ニー ミャ !
みんな …
(一同 )よい しょ よい しょ …
(フィアンセ )ニー ミャ !ハァ …
ニー ミャ 無事 かい ? ( ニー ミャ ) 平気 !
どう ?新婚 旅行 は これ で 行き ましょ
(フィアンセ )ニー ミャ 君 は …(国 長 )は はーっ !
(ニー ミャ )え ?(フィアンセ )ん ?
(国 長 )ニー ミャ 様
あなた は 魔法使い だった ので ございます ね !
(ニー ミャ )えっ と …何 の こと ?
(フィアンセ )僕 も 知ら なかった よ (ニー ミャ )何 を ?
気付か なかった と は いえ 今 までの 無礼 を お許し ください !
(一同 )魔法使い 様 お 許し ください
あの ー … ん ?
(エルメス )ちょっと 感動 し ちゃった
成功 おめでとう ございます
じゃあ 僕ら は これ で
(エンジン の 始動 音 )え ?ちょっと 待って
あなた たち の おかげ な の よ もう 少し ゆっくり し て って !
ごめんなさい 話 が ややこしく なり そう です んで
楽しかった です とっても
あ …ちょっと !
あ …
( ニー ミャ ) その 旅人 が この 国 に 来 た の は ―
偶然 や 気まぐれ だった の かも しれない けど ―
私 に は “必然 ”に 思えた
彼ら が い なかったら 私 は 失意 の 一生 を 送って い た だ ろ う
本当 に 言葉 に でき ない ほど 感謝 し て いる
(キノ )それにしても 驚いた な
(エルメス )そう だ よ ね 成功 し た とたん ―
“魔法 だ !”“お 許し を !”は ない よ ね
いや そう いう こと じゃ なくて さ
(エルメス )え ?どう いう こと ?
まさか あの 機械 が ホント に 飛ぶ と は 思わ なかった
(エルメス )キノ さん ?今 何て 言い まし た ?
(キノ )人 が 飛ぶ と は 思わ なかった って
彼女 の 教えて くれた 理屈 は 理解 できた けど
まさ かね
(エルメス )キノ ~じゃ 何で 協力 し て た の さ !
何で って …別に
でも さ 飛ぶ もん だ ねえ
ん ?どう した の ?エルメス
(エルメス )いや ちょっと …
人間 の 持つ ポテンシャル の 高 さ と 低 さ に つい て 悩んでる とこ
(キノ )ふーん
飛ぶ ん だ ねえ ホント の 魔法 みたい だった な
(エルメス )ハァ …はい はい
♪ ~
~ ♪