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はじめの一歩 (Hajime no Ippo. THE FIGHTING!), Hajime no Ippo (Fighting Spirit) Episode 39

Hajime no Ippo (Fighting Spirit) Episode 39

( ゴング )

「 さあ ルン サク と 日本 の イチロー ・ ミヤタ 」

「 勝敗 は 判定 に 持ち込 さ れ まし た 」

「 すばらしい ファイト を 見せ た イチロー ・ ミヤタ 」

「 ルン サク も 頑張り まし た 」

「 レフェリー が 集計 を 読み上げ ます 」

「 さあ 判定 は ! 」

ドロー !

読み違え じゃ ない の か ! ジャッジ は 何 を 見 てる ん だ !

2 度 の ダウン を 取った

ポイント だって 1 つ も 取ら れ て い ない はず だ が

こんな デタラメ あって いい もの か !

≪ なん だ 判定 に ケチ を つける な !

≪ ドロー な ん だ ぞ ! ≪ 見苦しい ぞ !

≪ 帰れ ! 帰れ ! 帰れ ! …

ホーム タウン ディシジョン

敵地 に 来 れ ば しかたない こと だ ろ う な

日本 でも あり える

間 柴 戦 以来 の 再起 戦 だった のに

《 アイツ が 5 位 を 相手 に 華々しく NKO を 飾った って いう のに 》

《 俺 は タイ まで 来 て 無名 の 選手 と 引き分け か 》

《 天才 だ と か 華麗 だ と か 言わ れ て デビュー し て 》

《 一体 何 やって ん だ 》

タイ に 来 て 約 2 か月

食べ物 に は 慣れ た けど この 暑 さ だけ は たまり ませ ん ね

日本 人 も 割と よく 見かけ ます ね

その ほとんど が 観光 客 ばかり だ けど

一郎 君 と 同い年 ぐらい です か

この 暑 さ で 汗 は 出 て いる のに アイツ の 減量 は 相変わらず きつい

身長 172 センチ の フェザ ー 級 ボクサ ー は 他 に も いる が

一郎 の 場合 骨格 が それ を 許さ ない

本来 ライト 級 が ベスト ウエート な ん だ

限界 を 求める 減量 は

全て の 欲 を 断ち切ら なけ れ ば なら ない

擦れ違う 同 世代 の 若者 と は まるで 異質 の 人生 だ

アイツ は 18 歳 に し て 若者 の 権利 を 自ら 放棄 し て しまった

《 そう いえ ば 最近 》

《 アイツ の 笑った 顔 を 見 た こと が ない な 》

次 の 試合 の 申し込み が 来 てる ん です が

ちょっと これ は …

ジミー ・ シス ファー 戦績 は 10 戦 10 勝 10 KO

ジミー ・ シス ファー 東洋 太平洋 圏 内 で

最も 注目 さ れ て いる ホープ か

ええ ムエタイ で 32 戦 32 K O と 無 敗 を 誇った まま

ボクシング に 転向 し た あの ジミー です

国 内 で は 既に スーパー スター に なり つつ あり ます が

そんな 選手 が なぜ 一郎 君 を ?

そう だ 一郎 は 体 の いい かま せ 犬 と し て 指名 さ れ た ん だ

そんな ! どう し ます ?

そう だ な 今 一郎 に 必要 な の は 勝ち星 の はず だ から な

( 子供 たち の 掛け声 )

何 だい 気分 悪い ぜ 大きい 声 で 言って みろ よ

チッ 日本 語 じゃ 通じ ねえ か

パヤオ あんた 日本 語 少し 分かった よ な

通訳 し て くれよ

「 日本 人 やはり ハングリー 違う 」 と

「 タイ 人 に とって 強い 選手 と 戦う いっぱい お 金 もらう チャンス 」

「 でも 日本 人 逃げ た 」 と

逃げ た ? 誰 が

わ … 私 逃げ た 思わ ない しかたない 思う よ

ジミー 強 すぎる 対戦 避ける 当然

どう いう こと な ん だ ! 父さん

気 に する こと は ない 次 の 試合 は ジュニア ライト で 行く

ジュニア ライト ? 減量 も グッと 楽 に なる だ ろ う

本来 の お前 の スピード も パワー も 生か せる

フェザー に は もう こだわる な

こだわり たい ん だ

この 世界 に 入った 時 何 の 不安 も なかった

頭 の 中 じゃ

世界 まで 一直線 の 道 しか 描 い て い なかった よ

だけど その 道 の 前 に アイツ が 割り込 ん で き た

それ を よけ ち まったら

これ から 出 て くる ヤツ 全部 よけ ち まう よ

そんな こと し たら どんどん 遠回り し ち まう

ジミー ・ シス ファー の こと は 知って いる

少なくとも 現 時点 じゃ 格 上 さ 勝 てる 相手 じゃ ない かも しれ ない

だけど !

減量 から 逃げ て 目 の 前 の 敵 から 逃げ て

世界 に なんか たどりつ ける もん か !

逃げ ちゃ いけ ない ん だ

お前 を ジミー と 戦わ せる わけ に は いか ん

なぜ ! 今 の お前 と じゃ

実力 差 が あり 過ぎる

まるで 必ず 負ける と いった 口ぶり だ ね

何 が ある か 分から ない の が ボクシング じゃ ない の かい !

かま せ 犬 だ ぞ ! そんな リング に 息子 を 上げる わけ に は いか ん

トレーナー と し て の 意見 を 聞き たい よ !

ならば 言 お う ! ジミ ー ・ シスファ ー に は お前 の カウンタ ー は 通用 し ない !

間 柴 戦 で 分かった こと が ある

確か に お前 の パンチ は 切れる

それゆえ 一撃 必殺 の もの だ と 思って おった

しかし …

お前 の パンチ は 軽い の だ

スパッと 切ら れ た 傷口 ほど 回復 は 早い

重く いつ まで も 体 の 芯 に 残る よう な

パンチ の 質 で は ない の だ

パンチ の 質 と は 持って 生まれた もの だ

これ ばかり は どう しよう も ない まして ジミー は ムエタイ 出身

足 の 打撃 が 加わる 戦い を 32 も 勝ち抜 い た ツワモノ よ

お前 の カウンター の 1 つ や 2 つ で は まず 倒れ ん

気付 い て い た よ

自分 の パンチ の 質 くらい 分かって た さ

だけど 俺 は この 拳 に 頼る しか ない ん だ !

コイツ が 俺 を 裏切った なんて 認め ち まったら

もう 俺 は 戦 え ない

わがまま は 分かって る で も 俺

ジミー と 戦う よ

同じ だ な あの 時 の 私 と えっ ?

私 は 自分 の 非 力 さ を 嘆き 引退 し た

自分 の 限界 を 知り つつ リング に 上がる こと は

プライド が 許さ なかった アイツ も 同じ 思い な の かも しれ ん

まさか そこ まで

( 打撃 音 )

おお ! また パートナー を 潰し て しまった

マネジャー 試合 相手 どころ か

スパーリング パートナー を 探す の も 大変 です ね

イチロー ・ ミヤタ が 試合 を 受諾 し た こ と 知 っと り ます か ?

それ は もう ! ジミー の 試合 は みんな が 注目 し て い ます から

ジミー の 強 さ は ムエタイ に おい て 既に 実証 済み

ボクシング に 転向 し た の は 世界 に 認め られる ため な の です

今度 の 試合 は その 足がかり に なる と

信じ て い ます よ

《 カウンター が 通用 し ない 》

《 ならば スピード と コンビ ネーション で 勝負 だ 》

《 手数 を 出し 続け て 最悪 でも 判定 で 勝ち を 拾う 》

《 バカヤロー 何 が 判定 だ よ 》

《 どの 道 勝つ ため に は NKO しか ない ん だ 》

《 でも どう やって ? 》

何 だ ? あっ いや …

イチロー の シャドー 流れる よう に きれい ね 見 ほれ て しまった よ

同じ 職業 の 僕 に も 見え ない パンチ ある

まるで 切れ味 の いい 刃物 ね

どう し た ? 何 か 気 に 障った か

いや 何でも ない よ

ジミー ・ シス ファー も

こう いう 中 から はい上がって き た ん だ ろ う な

ジミー は 子供 たち に 夢 を 与える ボクサー

みんな 頑張れ ば 彼 の よう に な れる と 思って る

子供 に も 大 人気 って やつ か この 国 じゃ 俺 は 完全 に 悪役 だ な

そんな こと ない 少なくとも 僕 は 応援 し てる

それ に ファン だって いる よ

ファン ?

よう 何 か 用 か よ

こ … こんにち は 日本 語 分かる の かい ?

チャナ ! これ 僕 の 弟 チャナ いい ます

イチロー の ファン って チャナ の こと

さっ あの 話 イチロー に 言って みろ

じれったい ! みんな に いじめ られる それ が 原因 よ

は ~ … 参った な

俺 の 知り合い で も そっくり な ヤツ が いる よ

嫌 な ヤツ で よ

嫌 に なる くらい 強い って こと さ

頑張れ ば チャナ だって な れる よ

カウンター

僕 は ムエタイ で は なく ボクシング を 目指し て ます

タイ に は ジミー の よう な ファイター が 多い けど

僕 は ボクサー タイプ が 好き です でき れ ば

イチロー の よう な カウンター が 打 てる よう に なり たい です !

この 間 の 試合 見 て チャナ

いっぺん で イチロー の ファン に なった

お 願い し ます もっと もっと すごい カウンター 見 たい です

悪い な チャナ

《 俺 の カウンター は そんな 偉 そう な 代物 じゃ ない 》

《 もっと すごい の が あれ ば 悩ま ない さ 》

《 もっと ? 》

《 今 の カウンター より もっと すごい 》

《 俺 は うぬぼれ て い た ん じゃ ない か ? 》

《 自分 の カウンター が 完成 さ れ た もの と し て 》

《 これ 以上 ない と 》

《 今 以上 の カウンター が 俺 に あれ ば 》

《 正確 無比 は もちろん 切れる 上 に 重い 》

《 当たれ ば 確実 に 立ち上が れ ない と いう 》

《 カウンター を 超える カウンター が ! 》

《 カウンター を 超える カウンター 》

フィニッシュ は 例外 なく インファイト から の 左右 の フック

オーソドックス な ファイター

ダウン 経験 なし

知れ ば 知る ほど ジミー の 強 さ が 浮き彫り に なって き ます ね

ところで 一郎 は ? サウナ に

まだ 出 て ない の か ? いか ん !

( ドア が 開く 音 )

一郎 ! 一郎 君 !

一郎 ! 一郎 !

寝 ち まった の か

気 を 失った の も 分から ない なんて

《 まだ たどりつか ない の か 》

( 雷鳴 )

飲ま ず 食わ ず で 汗 を 出し て も 体重 が 落ち ない

とても ジミ ー 相手 に 10 ラウンド や れる スタミナ は 望 め ませ ん ね

… と なる と 早い 回 の KO しか ない

ああ ! しかし カウンター が 通用 し ない わけ だ し

《 イチロー 風邪 でも ひ い たら 》

≪ す っ げ え な ! スコール って 初 体験

《 日本 語 ? 》

イヤ だ び しょ ぬれ どうせ なら

また 水着 に なっちゃ え ば ? バカ 何 言って ん の よ !

ほれ 行く ぞ

チャナ …

迎え に 来 て くれ た の か ?

う … うん

せっかく だ けど この 雨 じゃ 傘 差し て も 意味 ねえ か

う … うん

イチロー は …

イチロー は 笑わ ない ん だ ね

ここ に 来る 日本 人 みんな 楽し そう に し てる

でも イチロー の 笑った 顔 見 た こと ない

ジム の 人 たち イチロー は ジミー に 勝 て ない と 言って る

日本 人 だ から ハングリー じゃ ない から

だけど イチロー は ご飯 食べ ない 水 も 飲ま ない

タイ の 人 たち より も ハングリー な 生活 し てる

タイ の ボクサー お 金 欲しい から リング 上がる

でも 日本 人 違う 思う

痛い 思い する リング に なぜ 上がる の ? 楽しい の ?

イチロー 全然 楽しく な さ そう

ボクシング する 理由 分から ない !

ご … ごめんなさい でも

イチロー 少し つら そう だった から

早く 帰 ろ う 体 冷え て しまう よ

サンキュー チャナ

「 笑わ ない 」 か そう だ な

だけど な こんな 考え 方 俺 だけ かも しれ ねえ けど

ある と 思う ん だ きっと

( 波 の 音 )

ボクサー だけ に しか 味わ え ない 笑える 瞬間 って やつ が

イチロー

「 すごい カウンター が 見 たい 」 って 言って たよ な

う … うん

そ っか 見 たい か

( 打撃 音 )

また ダウン だ この ところ ずっと 調子 悪かった けど

今日 は 一 段 と ヒド い

もう 試合 まで 何 日 も ない のに

ま … まだ だ 続け て くれ パヤオ

で … でも イチロー 頼む よ

( ゴング )

カウンター チャンス !

そんな ! 絶好 の チャンス だった のに

ああ ! あんな に 頭 から 突っ込 ん で

止め ま しょ う よ 今日 は もう 駄目 です よ

《 おかしい 調子 が 悪い に し て は パンチ が 切れ てる 》

駄目 だ タイミング すら ズレ てる

見 て られ ませ ん ! 止め ます から ね 宮 田 さん

ストップ ! パヤオ ここ まで だ

一郎 君 大丈夫 かい ?

一郎 君 !

《 どう し た ? クリーン ヒット は ほとんど もらって ない のに 》

《 体 の 芯 に 残って いる もの が ある 》

《 今 まで の イチロー の パンチ と は 明らか に 違う 》

《 何 だ ? これ は 》

《 近づき つつ ある よう だ な カウンター を 超える カウンター 》

《 その 答え に 》

《 もう 少し だ もう 少し 》

なんとか 計量 パス し まし た ね

しかし ジミー の ほう は 肌 の 艶 と いい 張り と いい

コンディション は 最高 …

ナーバス に なって る よう です ね 無理 も ない

ああ ! もう クソ !

《 なんて ザマ だ 控え室 で コンセントレ ー ション も でき ない なんて 》

《 カッコ つけ て 日本 飛び出し て 思い知った こと と いえ ば 》

《 自分 の 小 者 ぶり だけ か よ 賭け 率 30 対 1 だ ぞ 》

《 ここ まで 情け ねえ 前評判 で 戦った ボクサー って 》

《 一体 何 人 いる ん だ ? 》

《 まさに お あつらえ向き の かま せ 犬 って わけ か 》

《 要 は ビビッ てん じゃ ねえ か よ ! 》

クソ ! クソ !

《 もう 試合 まで 何分 も ね え ん だ キッチリ 覚悟 決め や がれ ! 》

《 い た ! 》

《 い た じゃ ない か 》

《 前評判 悪く て も 戦って る ボクサー が 》

《 アイツ は いつも こんな 気持ち だった の か ? 》

《 控え室 で こんな プレッシャー と 戦って い た の か ? 》

《 そして 勝ち抜 い て 》

≪ 早く ! 早く ! 試合 終わっちゃ う よ !

しかたない だ ろ 仕事 だった ん だ から

《 イチロー 必ず 必ず 勝って よ ね 》

「 さあ いよいよ 始まり ます 注目 の 10 回 戦 」

「 赤 コーナー に は タイ 国 ボクシング 界 の 期待 を 」

「 一身 に 受け て ジミー ・ シス ファー が 」

「 歓声 に 応え ます 」

「 そして 青 コーナー に は 日本 から の 刺客 イチロー ・ ミヤタ 」

「 セコンド アウト 」

一郎 …

「 割れ ん ばかり の ジミー コール だ ! 」

( ジミー コール )

「 そして 待ちに待った ゴング が 」

「 今 … 」

( ゴング ) 「 鳴り まし た ! 」

< ジョルト カウンター >

< 前足 に 体重 を 乗せ た 構え から >

< 体 ごと たたきつける よう に 打ち込む カウンター >

< 決まれ ば 恐るべき 破壊 力 で 相手 を マット に 沈める >

< でも 失敗 すれ ば その 威力 は 自分 に 跳ね返って くる >

< ボクサー と し て の 全て を 失う か 勝利 を 得る か >

< それ は まさに 命 を 削って 打ち出す >

< 究極 の カウンター な ん だ ! >

< 次回 … >


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( ゴング )

「 さあ ルン サク と 日本 の イチロー ・ ミヤタ 」 ||さく||にっぽん||| Crocodile Farm

「 勝敗 は 判定 に 持ち込 さ れ まし た 」 しょうはい||はんてい||もちこ||||

「 すばらしい ファイト を 見せ た イチロー ・ ミヤタ 」 |ふぁいと||みせ|||

「 ルン サク も 頑張り まし た 」 |さく||がんばり|| Runsak also gave it his best!

「 レフェリー が 集計 を 読み上げ ます 」 れふぇりー||しゅうけい||よみあげ|

「 さあ 判定 は ! 」 |はんてい|

ドロー !

読み違え じゃ ない の か ! ジャッジ は 何 を 見 てる ん だ ! よみちがえ|||||じゃっじ||なん||み|||

2 度 の ダウン を 取った たび||だうん||とった He has two knockdowns in his favor.

ポイント だって 1 つ も 取ら れ て い ない はず だ が ぽいんと||||とら||||||| Also, not a single point was scored against him.

こんな デタラメ あって いい もの か !

≪ なん だ 判定 に ケチ を つける な ! ||はんてい|||||

≪ ドロー な ん だ ぞ ! ≪ 見苦しい ぞ ! |||||みぐるしい| It's a draw, got it?!

≪ 帰れ ! 帰れ ! 帰れ ! … かえれ|かえれ|かえれ Go home!

ホーム タウン ディシジョン ほーむ|たうん|

敵地 に 来 れ ば しかたない こと だ ろ う な てきち||らい||||||||

日本 でも あり える にっぽん|||

間 柴 戦 以来 の 再起 戦 だった のに あいだ|しば|いくさ|いらい||さいき|いくさ||

《 アイツ が 5 位 を 相手 に 華々しく \ NKO を 飾った って いう のに 》 ||くらい||あいて||はなばなしく|nko||かざった|||

《 俺 は タイ まで 来 て 無名 の 選手 と 引き分け か 》 おれ||たい||らい||むめい||せんしゅ||ひきわけ|

《 天才 だ と か 華麗 だ と か 言わ れ て デビュー し て 》 てんさい||||かれい||||いわ|||でびゅー||

《 一体 何 やって ん だ 》 いったい|なん|||

タイ に 来 て 約 2 か月 たい||らい||やく|かげつ

食べ物 に は 慣れ た けど この 暑 さ だけ は たまり ませ ん ね たべもの|||なれ||||あつ||||||| I've gotten used to the food, but this heat is hard to take.

日本 人 も 割と よく 見かけ ます ね にっぽん|じん||わりと||みかけ||

その ほとんど が 観光 客 ばかり だ けど |||かんこう|きゃく|||

一郎 君 と 同い年 ぐらい です か いちろう|きみ||おないどし|||

この 暑 さ で 汗 は 出 て いる のに アイツ の 減量 は 相変わらず きつい |あつ|||あせ||だ||||||げんりょう||あいかわらず| He's sweating a lot due to the heat...

身長 172 センチ の フェザ ー 級 ボクサ ー は 他 に も いる が しんちょう|||||きゅう||||た|||| There are other featherweight boxers measuring 5'7"...

一郎 の 場合 骨格 が それ を 許さ ない いちろう||ばあい|こっかく||||ゆるさ|

本来 ライト 級 が ベスト ウエート な ん だ ほんらい|らいと|きゅう||べすと|うえーと|||

限界 を 求める 減量 は げんかい||もとめる|げんりょう|

全て の 欲 を 断ち切ら なけ れ ば なら ない すべて||よく||たちきら|||||

擦れ違う 同 世代 の 若者 と は まるで 異質 の 人生 だ すれちがう|どう|せだい||わかもの||||いしつ||じんせい|

アイツ は 18 歳 に し て 若者 の 権利 を 自ら 放棄 し て しまった ||さい||||わかもの||けんり||おのずから|ほうき||| At the tender age of 18, he gave up the right to be young of his own accord.

《 そう いえ ば 最近 》 |||さいきん Come to think of it...

《 アイツ の 笑った 顔 を 見 た こと が ない な 》 ||わらった|かお||み||||| I haven't seen him smile recently.

次 の 試合 の 申し込み が 来 てる ん です が つぎ||しあい||もうしこみ||らい|||| The application for the next match is here, but it's a little...

ちょっと これ は …

ジミー ・ シス ファー 戦績 は 10 戦 10 勝 10 KO |||せんせき||いくさ|か|ko Jimmy Sisfar. His fight history is 10 matches, 10 wins, 10 KOs.

ジミー ・ シス ファー 東洋 太平洋 圏 内 で |||とうよう|たいへいよう|けん|うち| Jimmy Sisfar?

最も 注目 さ れ て いる ホープ か もっとも|ちゅうもく|||||ほーぷ|

ええ ムエタイ で 32 戦 32 K O と 無 敗 を 誇った まま |||いくさ|k|o||む|はい||ほこった| Yes, it's the same former Muay Thai Jimmy who switched over to boxing...

ボクシング に 転向 し た あの ジミー です ぼくしんぐ||てんこう|||||

国 内 で は 既に スーパー スター に なり つつ あり ます が くに|うち|||すでに|すーぱー|すたー||||||

そんな 選手 が なぜ 一郎 君 を ? |せんしゅ|||いちろう|きみ| so why would a fighter like that approach Ichiro-kun?

そう だ 一郎 は 体 の いい かま せ 犬 と し て 指名 さ れ た ん だ ||いちろう||からだ|||||いぬ||||しめい||||| That's right. Ichiro was nominated...

そんな ! どう し ます ?

そう だ な 今 一郎 に 必要 な の は 勝ち星 の はず だ から な |||いま|いちろう||ひつよう||||かちぼし||||| Good question.

( 子供 たち の 掛け声 ) こども|||かけごえ

何 だい 気分 悪い ぜ 大きい 声 で 言って みろ よ なん||きぶん|わるい||おおきい|こえ||いって|| What is it? You're making me uncomfortable!

チッ 日本 語 じゃ 通じ ねえ か |にっぽん|ご||つうじ||

パヤオ あんた 日本 語 少し 分かった よ な ||にっぽん|ご|すこし|わかった|| Payao, you know a little Japanese, don't you?

通訳 し て くれよ つうやく|||

「 日本 人 やはり ハングリー 違う 」 と にっぽん|じん|||ちがう| They say the Japanese must not be hungry.

「 タイ 人 に とって 強い 選手 と 戦う いっぱい お 金 もらう チャンス 」 たい|じん|||つよい|せんしゅ||たたかう|||きむ||ちゃんす

「 でも 日本 人 逃げ た 」 と |にっぽん|じん|にげ||

逃げ た ? 誰 が にげ||だれ| Ran away? Who did?

わ … 私 逃げ た 思わ ない しかたない 思う よ |わたくし|にげ||おもわ|||おもう|

ジミー 強 すぎる 対戦 避ける 当然 |つよ||たいせん|さける|とうぜん Jimmy is too strong. It is natural to avoid confrontation.

どう いう こと な ん だ ! 父さん ||||||とうさん What's this about, Dad?!

気 に する こと は ない 次 の 試合 は ジュニア ライト で 行く き||||||つぎ||しあい||じゅにあ|らいと||いく

ジュニア ライト ? 減量 も グッと 楽 に なる だ ろ う じゅにあ|らいと|げんりょう||ぐっと|がく|||||

本来 の お前 の スピード も パワー も 生か せる ほんらい||おまえ||すぴーど||ぱわー||いか|

フェザー に は もう こだわる な Don't cling to featherweight anymore.

こだわり たい ん だ I want to cling to it.

この 世界 に 入った 時 何 の 不安 も なかった |せかい||はいった|じ|なん||ふあん|| When I first entered this world, I had no worries.

頭 の 中 じゃ あたま||なか| The only vision in my head was a straight path to the world.

世界 まで 一直線 の 道 しか 描 い て い なかった よ せかい||いっちょくせん||どう||えが|||||

だけど その 道 の 前 に アイツ が 割り込 ん で き た ||どう||ぜん||||わりこ|||| But he barged in front of me.

それ を よけ ち まったら

これ から 出 て くる ヤツ 全部 よけ ち まう よ ||だ|||やつ|ぜんぶ||||

そんな こと し たら どんどん 遠回り し ち まう |||||とおまわり|||

ジミー ・ シス ファー の こと は 知って いる ||||||しって|

少なくとも 現 時点 じゃ 格 上 さ 勝 てる 相手 じゃ ない かも しれ ない すくなくとも|げん|じてん||かく|うえ||か||あいて||||| I know he's vastly superior to me at this time.

だけど !

減量 から 逃げ て 目 の 前 の 敵 から 逃げ て げんりょう||にげ||め||ぜん||てき||にげ| If I run from dieting...

世界 に なんか たどりつ ける もん か ! せかい|||||| I'll never make it to the world!

逃げ ちゃ いけ ない ん だ にげ||||| I can't run away!

お前 を ジミー と 戦わ せる わけ に は いか ん おまえ||||たたかわ|||||| I can't allow you to fight Jimmy.

なぜ ! 今 の お前 と じゃ |いま||おまえ|| Why?!

実力 差 が あり 過ぎる じつりょく|さ|||すぎる

まるで 必ず 負ける と いった 口ぶり だ ね |かならず|まける|||くちぶり|| It sounds just like you're telling me I'll lose for sure.

何 が ある か 分から ない の が ボクシング じゃ ない の かい ! なん||||わから||||ぼくしんぐ|||| Isn't boxing supposed to be unpredictable?!

かま せ 犬 だ ぞ ! そんな リング に 息子 を 上げる わけ に は いか ん ||いぬ||||りんぐ||むすこ||あげる||||| You are a prospective loser.

トレーナー と し て の 意見 を 聞き たい よ ! とれーなー|||||いけん||きき|| I want to hear your opinion as my trainer!

ならば 言 お う ! ジミ ー ・ シスファ ー に は お前 の カウンタ ー は 通用 し ない ! |げん|||||||||おまえ|||||つうよう|| All right, I'll tell you! The counter, your most powerful weapon...

間 柴 戦 で 分かった こと が ある あいだ|しば|いくさ||わかった||| I realized something at the Mashiba fight.

確か に お前 の パンチ は 切れる たしか||おまえ||ぱんち||きれる Yes, your punches are sharp.

それゆえ 一撃 必殺 の もの だ と 思って おった |いちげき|ひっさつ|||||おもって| So sharp, I believed they were deadly with a single blow.

しかし …

お前 の パンチ は 軽い の だ おまえ||ぱんち||かるい|| your punches are light.

スパッと 切ら れ た 傷口 ほど 回復 は 早い すぱっと|きら|||きずぐち||かいふく||はやい The lighter and quicker the cuts, the quicker they are to heal.

重く いつ まで も 体 の 芯 に 残る よう な おもく||||からだ||しん||のこる|| Your punches aren't heavy...

パンチ の 質 で は ない の だ ぱんち||しち|||||

パンチ の 質 と は 持って 生まれた もの だ ぱんち||しち|||もって|うまれた|| The nature of your punch is something you are born with.

これ ばかり は どう しよう も ない まして ジミー は ムエタイ 出身 |||||||||||しゅっしん This is something we have no control over.

足 の 打撃 が 加わる 戦い を 32 も 勝ち抜 い た ツワモノ よ あし||だげき||くわわる|たたかい|||かちぬ|||| He is a powerful fighter with 32 kickboxing wins under his belt.

お前 の カウンター の 1 つ や 2 つ で は まず 倒れ ん おまえ||かうんたー||||||||たおれ| He won't fall from a couple of your counterpunches.

気付 い て い た よ きづ||||| I realized that.

自分 の パンチ の 質 くらい 分かって た さ じぶん||ぱんち||しち||わかって|| I knew the nature of my own punches.

だけど 俺 は この 拳 に 頼る しか ない ん だ ! |おれ|||けん||たよる|||| But I have no choice but to rely on my fists!

コイツ が 俺 を 裏切った なんて 認め ち まったら ||おれ||うらぎった||みとめ|| If I lose faith in my fists...

もう 俺 は 戦 え ない |おれ||いくさ|| I can't fight anymore.

わがまま は 分かって る で も 俺 ||わかって||||おれ I know it's selfish, but...

ジミー と 戦う よ ||たたかう|

同じ だ な あの 時 の 私 と えっ ? おなじ||||じ||わたくし|| It's the same as when it happened to me.

私 は 自分 の 非 力 さ を 嘆き 引退 し た わたくし||じぶん||ひ|ちから|||なげき|いんたい|| I grieved over my own powerlessness.

自分 の 限界 を 知り つつ リング に 上がる こと は じぶん||げんかい||しり||りんぐ||あがる||

プライド が 許さ なかった アイツ も 同じ 思い な の かも しれ ん ぷらいど||ゆるさ||||おなじ|おもい|||||

まさか そこ まで Don't tell me it's gone that far.

( 打撃 音 ) だげき|おと

おお ! また パートナー を 潰し て しまった ||ぱーとなー||つぶし|| Ooh! He crushed another sparring partner.

マネジャー 試合 相手 どころ か まねじゃー|しあい|あいて||

スパーリング パートナー を 探す の も 大変 です ね |ぱーとなー||さがす|||たいへん||

イチロー ・ ミヤタ が 試合 を 受諾 し た こ と 知 っと り ます か ? |||しあい||じゅだく|||||ち|||| Are you aware that Ichiro Miyata has accepted the match?

それ は もう ! ジミー の 試合 は みんな が 注目 し て い ます から |||||しあい||||ちゅうもく|||||

ジミー の 強 さ は ムエタイ に おい て 既に 実証 済み ||つよ|||||||すでに|じっしょう|すみ Jimmy's strength has already been proven through Muay Thai.

ボクシング に 転向 し た の は 世界 に 認め られる ため な の です ぼくしんぐ||てんこう|||||せかい||みとめ||||| He switched to boxing in order to gain worldwide recognition.

今度 の 試合 は その 足がかり に なる と こんど||しあい|||あしがかり|||

信じ て い ます よ しんじ||||

《 カウンター が 通用 し ない 》 かうんたー||つうよう||

《 ならば スピード と コンビ ネーション で 勝負 だ 》 |すぴーど||こんび|ねーしょん||しょうぶ| In that case, I'll fight him with speed and combinations.

《 手数 を 出し 続け て 最悪 でも 判定 で 勝ち を 拾う 》 てすう||だし|つづけ||さいあく||はんてい||かち||ひろう I'll put out the most punches...

《 バカヤロー 何 が 判定 だ よ 》 |なん||はんてい|| You idiot. What do you mean, points?

《 どの 道 勝つ ため に は \ NKO しか ない ん だ 》 |どう|かつ||||nko|||| In any event, I need a KO to win.

《 でも どう やって ? 》

何 だ ? あっ いや … なん|||

イチロー の シャドー 流れる よう に きれい ね 見 ほれ て しまった よ ||しゃどー|ながれる|||||み||||

同じ 職業 の 僕 に も 見え ない パンチ ある おなじ|しょくぎょう||ぼく|||みえ||ぱんち| It is a punch I can't see, though I am in the same line of work.

まるで 切れ味 の いい 刃物 ね |きれあじ|||はもの| Like a well-sharpened knife.

どう し た ? 何 か 気 に 障った か |||なん||き||さわった| What's wrong? Did I say something wrong?

いや 何でも ない よ |なんでも|| No, it's nothing.

ジミー ・ シス ファー も I bet Jimmy Sisfar had these kind of beginnings.

こう いう 中 から はい上がって き た ん だ ろ う な ||なか||はいあがって|||||||

ジミー は 子供 たち に 夢 を 与える ボクサー ||こども|||ゆめ||あたえる|ぼくさー Jimmy is a boxer who gives children a dream.

みんな 頑張れ ば 彼 の よう に な れる と 思って る |がんばれ||かれ|||||||おもって|

子供 に も 大 人気 って やつ か この 国 じゃ 俺 は 完全 に 悪役 だ な こども|||だい|にんき|||||くに||おれ||かんぜん||あくやく|| So he's a hit with kids, too, huh?

そんな こと ない 少なくとも 僕 は 応援 し てる |||すくなくとも|ぼく||おうえん|| That isn't true. I am definitely cheering for you.

それ に ファン だって いる よ ||ふぁん||| And you have a fan.

ファン ? ふぁん A fan?

よう 何 か 用 か よ |なん||よう|| Hey, do you want something?

こ … こんにち は 日本 語 分かる の かい ? |||にっぽん|ご|わかる|| H-Hello.

チャナ ! これ 僕 の 弟 チャナ いい ます ||ぼく||おとうと|||

イチロー の ファン って チャナ の こと ||ふぁん||||

さっ あの 話 イチロー に 言って みろ ||はなし|||いって| Now tell Ichiro what you told me.

じれったい ! みんな に いじめ られる それ が 原因 よ |||||||げんいん|

は ~ … 参った な |まいった|

俺 の 知り合い で も そっくり な ヤツ が いる よ おれ||しりあい|||||やつ|||

嫌 な ヤツ で よ いや||やつ|| I hate the guy.

嫌 に なる くらい 強い って こと さ いや||||つよい|||

頑張れ ば チャナ だって な れる よ がんばれ|||||| If you work hard, you can be strong, too.

カウンター かうんたー

僕 は ムエタイ で は なく ボクシング を 目指し て ます ぼく||||||ぼくしんぐ||まなざし|| I want to be a boxer, not a Muay Thai kickboxer.

タイ に は ジミー の よう な ファイター が 多い けど たい|||||||ふぁいたー||おおい|

僕 は ボクサー タイプ が 好き です でき れ ば ぼく||ぼくさー|たいぷ||すき|||| but I like the boxer type.

イチロー の よう な カウンター が 打 てる よう に なり たい です ! ||||かうんたー||だ||||||

この 間 の 試合 見 て チャナ |あいだ||しあい|み||

いっぺん で イチロー の ファン に なった ||||ふぁん||

お 願い し ます もっと もっと すごい カウンター 見 たい です |ねがい||||||かうんたー|み||

悪い な チャナ わるい|| I'm sorry, Chana.

《 俺 の カウンター は そんな 偉 そう な 代物 じゃ ない 》 おれ||かうんたー|||えら|||しろもの|| My counter isn't that great a punch.

《 もっと すごい の が あれ ば 悩ま ない さ 》 ||||||なやま|| If I had something more amazing, I wouldn't be worrying.

《 もっと ? 》 Something better?

《 今 の カウンター より もっと すごい 》 いま||かうんたー||| Something better than my counter the way it is now?

《 俺 は うぬぼれ て い た ん じゃ ない か ? 》 おれ||||||||| Was I conceited with myself all this time?

《 自分 の カウンター が 完成 さ れ た もの と し て 》 じぶん||かうんたー||かんせい||||||| Thinking that my counterpunch was complete in itself...

《 これ 以上 ない と 》 |いじょう|| that nothing could be superior.

《 今 以上 の カウンター が 俺 に あれ ば 》 いま|いじょう||かうんたー||おれ||| A counter superior to my current one...

《 正確 無比 は もちろん 切れる 上 に 重い 》 せいかく|むひ|||きれる|うえ||おもい

《 当たれ ば 確実 に 立ち上が れ ない と いう 》 あたれ||かくじつ||たちあが|||| So powerful that if it hit fully, a knockout would be assured.

《 カウンター を 超える カウンター が ! 》 かうんたー||こえる|かうんたー| A counter to surpass all counters!

《 カウンター を 超える カウンター 》 かうんたー||こえる|かうんたー

フィニッシュ は 例外 なく インファイト から の 左右 の フック ||れいがい|||||さゆう||

オーソドックス な ファイター おーそどっくす||ふぁいたー

ダウン 経験 なし だうん|けいけん|

知れ ば 知る ほど ジミー の 強 さ が 浮き彫り に なって き ます ね しれ||しる||||つよ|||うきぼり|||||

ところで 一郎 は ? サウナ に |いちろう||さうな|

まだ 出 て ない の か ? いか ん ! |だ||||||

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

一郎 ! 一郎 君 ! いちろう|いちろう|きみ Ichiro!

一郎 ! 一郎 ! いちろう|いちろう

寝 ち まった の か ね||||

気 を 失った の も 分から ない なんて き||うしなった|||わから||

《 まだ たどりつか ない の か 》

( 雷鳴 ) らいめい

飲ま ず 食わ ず で 汗 を 出し て も 体重 が 落ち ない のま||くわ|||あせ||だし|||たいじゅう||おち|

とても ジミ ー 相手 に 10 ラウンド や れる スタミナ は 望 め ませ ん ね |||あいて|||||||のぞみ||||

… と なる と 早い 回 の KO しか ない |||はやい|かい||ko||

ああ ! しかし カウンター が 通用 し ない わけ だ し ||かうんたー||つうよう|||||

《 イチロー 風邪 でも ひ い たら 》 |かぜ||||

≪ す っ げ え な ! スコール って 初 体験 |||||||はつ|たいけん

《 日本 語 ? 》 にっぽん|ご

イヤ だ び しょ ぬれ どうせ なら いや|||||| Aw, I'm totally soaked.

また 水着 に なっちゃ え ば ? バカ 何 言って ん の よ ! |みずぎ|||||ばか|なん|いって||| Since you're already wet, why don't you strip to your swimsuit again?

ほれ 行く ぞ |いく|

チャナ … Chana...

迎え に 来 て くれ た の か ? むかえ||らい|||||

う … うん

せっかく だ けど この 雨 じゃ 傘 差し て も 意味 ねえ か ||||あめ||かさ|さし|||いみ||

う … うん

イチロー は …

イチロー は 笑わ ない ん だ ね ||わらわ|||| You never smile, do you?

ここ に 来る 日本 人 みんな 楽し そう に し てる ||くる|にっぽん|じん||たのし|||| All the Japanese people who come to Thailand look like they're having fun...

でも イチロー の 笑った 顔 見 た こと ない |||わらった|かお|み||| but I've never seen you smile even once.

ジム の 人 たち イチロー は ジミー に 勝 て ない と 言って る じむ||じん||||||か||||いって| The guys at the gym say that you won't beat Jimmy.

日本 人 だ から ハングリー じゃ ない から にっぽん|じん||||||

だけど イチロー は ご飯 食べ ない 水 も 飲ま ない |||ごはん|たべ||すい||のま| But you don't eat your food!

タイ の 人 たち より も ハングリー な 生活 し てる たい||じん||||||せいかつ||

タイ の ボクサー お 金 欲しい から リング 上がる たい||ぼくさー||きむ|ほしい||りんぐ|あがる Thai boxers get into the ring because they want money.

でも 日本 人 違う 思う |にっぽん|じん|ちがう|おもう

痛い 思い する リング に なぜ 上がる の ? 楽しい の ? いたい|おもい||りんぐ|||あがる||たのしい| Why do you get in the ring if it makes you suffer?

イチロー 全然 楽しく な さ そう |ぜんぜん|たのしく|||

ボクシング する 理由 分から ない ! ぼくしんぐ||りゆう|わから| I don't understand why you box!

ご … ごめんなさい でも

イチロー 少し つら そう だった から |すこし|||| But you look a little pained.

早く 帰 ろ う 体 冷え て しまう よ はやく|かえ|||からだ|ひえ||| Let's go home. You'll get a chill.

サンキュー チャナ さんきゅー|

「 笑わ ない 」 か そう だ な わらわ|||||

だけど な こんな 考え 方 俺 だけ かも しれ ねえ けど |||かんがえ|かた|おれ|||||

ある と 思う ん だ きっと ||おもう||| but I believe in something.

( 波 の 音 ) なみ||おと

ボクサー だけ に しか 味わ え ない 笑える 瞬間 って やつ が ぼくさー||||あじわ|||わらえる|しゅんかん|||

イチロー

「 すごい カウンター が 見 たい 」 って 言って たよ な |かうんたー||み|||いって||

う … うん

そ っか 見 たい か ||み||

( 打撃 音 ) だげき|おと

また ダウン だ この ところ ずっと 調子 悪かった けど |だうん|||||ちょうし|わるかった|

今日 は 一 段 と ヒド い きょう||ひと|だん||| but he's worse than ever today.

もう 試合 まで 何 日 も ない のに |しあい||なん|ひ|||

ま … まだ だ 続け て くれ パヤオ |||つづけ|||

で … でも イチロー 頼む よ |||たのむ|

( ゴング )

カウンター チャンス ! かうんたー|ちゃんす

そんな ! 絶好 の チャンス だった のに |ぜっこう||ちゃんす||

ああ ! あんな に 頭 から 突っ込 ん で |||あたま||つっこ|| Ugh, look at him charge in headfirst!

止め ま しょ う よ 今日 は もう 駄目 です よ とどめ|||||きょう|||だめ||

《 おかしい 調子 が 悪い に し て は パンチ が 切れ てる 》 |ちょうし||わるい|||||ぱんち||きれ|

駄目 だ タイミング すら ズレ てる だめ||たいみんぐ||ずれ|

見 て られ ませ ん ! 止め ます から ね 宮 田 さん み|||||とどめ||||みや|た|

ストップ ! パヤオ ここ まで だ すとっぷ|||| Stop, Payao! That's enough!

一郎 君 大丈夫 かい ? いちろう|きみ|だいじょうぶ|

一郎 君 ! いちろう|きみ

《 どう し た ? クリーン ヒット は ほとんど もらって ない のに 》 |||くりーん|ひっと|||||

《 体 の 芯 に 残って いる もの が ある 》 からだ||しん||のこって|||| but something left a lasting impression on me.

《 今 まで の イチロー の パンチ と は 明らか に 違う 》 いま|||||ぱんち|||あきらか||ちがう

《 何 だ ? これ は 》 なん||| What is this?

《 近づき つつ ある よう だ な カウンター を 超える カウンター 》 ちかづき||||||かうんたー||こえる|かうんたー It looks like he's getting closer.

《 その 答え に 》 |こたえ|

《 もう 少し だ もう 少し 》 |すこし|||すこし

なんとか 計量 パス し まし た ね |けいりょう|ぱす|||| You managed to pass the weight test somehow.

しかし ジミー の ほう は 肌 の 艶 と いい 張り と いい |||||はだ||つや|||はり|| However, down to his fighting spirit and the glow of his skin...

コンディション は 最高 … こんでぃしょん||さいこう

ナーバス に なって る よう です ね 無理 も ない |||||||むり||

ああ ! もう クソ ! ||くそ

《 なんて ザマ だ 控え室 で コンセントレ ー ション も でき ない なんて 》 |||ひかえしつ|||||||| Look at me, I'm pathetic!

《 カッコ つけ て 日本 飛び出し て 思い知った こと と いえ ば 》 かっこ|||にっぽん|とびだし||おもいしった|||| I put up a front and left Japan...

《 自分 の 小 者 ぶり だけ か よ 賭け 率 30 対 1 だ ぞ 》 じぶん||しょう|もの|||||かけ|りつ|たい||

《 ここ まで 情け ねえ 前評判 で 戦った ボクサー って 》 ||なさけ||まえひょうばん||たたかった|ぼくさー| How many other boxers have had to fight their way...

《 一体 何 人 いる ん だ ? 》 いったい|なん|じん|||

《 まさに お あつらえ向き の かま せ 犬 って わけ か 》 ||あつらえむき||||いぬ||| I really am the perfect loser for the job.

《 要 は ビビッ てん じゃ ねえ か よ ! 》 かなめ|||||||

クソ ! クソ ! くそ|くそ Damn it, damn it!

《 もう 試合 まで 何分 も ね え ん だ キッチリ 覚悟 決め や がれ ! 》 |しあい||なにぶん||||||きっちり|かくご|きめ||

《 い た ! 》 I forgot!

《 い た じゃ ない か 》

《 前評判 悪く て も 戦って る ボクサー が 》 まえひょうばん|わるく|||たたかって||ぼくさー|

《 アイツ は いつも こんな 気持ち だった の か ? 》 ||||きもち||| Is this how he always felt?

《 控え室 で こんな プレッシャー と 戦って い た の か ? 》 ひかえしつ|||ぷれっしゃー||たたかって|||| Did he fight this kind of pressure in the green room?

《 そして 勝ち抜 い て 》 |かちぬ||

≪ 早く ! 早く ! 試合 終わっちゃ う よ ! はやく|はやく|しあい|おわっちゃ|| Hurry, hurry! We'll miss the match!

しかたない だ ろ 仕事 だった ん だ から |||しごと|||| I couldn't help it! I had to work!

《 イチロー 必ず 必ず 勝って よ ね 》 |かならず|かならず|かって||

「 さあ いよいよ 始まり ます 注目 の 10 回 戦 」 ||はじまり||ちゅうもく||かい|いくさ

「 赤 コーナー に は タイ 国 ボクシング 界 の 期待 を 」 あか|こーなー|||たい|くに|ぼくしんぐ|かい||きたい|

「 一身 に 受け て ジミー ・ シス ファー が 」 いっしん||うけ|||||

「 歓声 に 応え ます 」 かんせい||こたえ|

「 そして 青 コーナー に は 日本 から の 刺客 イチロー ・ ミヤタ 」 |あお|こーなー|||にっぽん|||しかく|| And in the Blue Corner, visiting from Japan, is Ichiro Miyata!

「 セコンド アウト 」 |あうと

一郎 … いちろう Jimmy! Jimmy! Jimmy!

「 割れ ん ばかり の ジミー コール だ ! 」 われ|||||こーる| A thunder of calls erupts for Jimmy!

( ジミー コール ) |こーる

「 そして 待ちに待った ゴング が 」 |まちにまった|| And now, the long-awaited opening bell...

「 今 … 」 いま is now...

( ゴング ) 「 鳴り まし た ! 」 |なり||

< ジョルト カウンター > |かうんたー

< 前足 に 体重 を 乗せ た 構え から > まえあし||たいじゅう||のせ||かまえ|

< 体 ごと たたきつける よう に 打ち込む カウンター > からだ|||||うちこむ|かうんたー

< 決まれ ば 恐るべき 破壊 力 で 相手 を マット に 沈める > きまれ||おそるべき|はかい|ちから||あいて||まっと||しずめる

< でも 失敗 すれ ば その 威力 は 自分 に 跳ね返って くる > |しっぱい||||いりょく||じぶん||はねかえって|

< ボクサー と し て の 全て を 失う か 勝利 を 得る か > ぼくさー|||||すべて||うしなう||しょうり||える|

< それ は まさに 命 を 削って 打ち出す > |||いのち||けずって|うちだす

< 究極 の カウンター な ん だ ! > きゅうきょく||かうんたー|||

< 次回 … > じかい