Hajime no Ippo ( Fighting Spirit ) Episode 39
( ゴング )
「 さあ ルン サク と 日本 の イチロー ・ ミヤタ 」
「勝敗 は 判定 に 持ち込 さ れ まし た 」
「 すばらしい ファイト を 見せ た イチロー ・ ミヤタ 」
「ルン サク も 頑張り ました 」
「 レフェリー が 集計 を 読み上げます 」
「さあ 判定 は !」
ドロー !
読み違え じゃ ない の か !ジャッジ は 何 を 見てる ん だ !
2 度 の ダウン を 取った
ポイント だって 1 つ も 取られ て いない はず だ が
こんな デタラメ あって いい もの か !
≪なん だ 判定 に ケチ を つける な !
≪ドロー な ん だ ぞ !≪見苦しい ぞ !
≪ 帰れ ! 帰れ ! 帰れ ! …
ホーム タウン ディシジョン
敵地 に 来れ ば しかたない こと だろう な
日本 でも あり える
間 柴 戦 以来 の 再起 戦 だった のに
《 アイツ が 5 位 を 相手 に 華々しく NKO を 飾ったって いう のに 》
《 俺 は タイ まで 来 て 無名 の 選手 と 引き分け か 》
《 天才 だ と か 華麗 だ と か 言わ れ て デビュー し て 》
《 一体 何 やって ん だ 》
タイ に 来て 約 2 か月
食べ物 に は 慣れた けど この 暑さ だけ は たまりません ね
日本 人 も 割と よく 見かけ ます ね
その ほとんど が 観光客 ばかり だ けど
一郎 君 と 同い年 ぐらい です か
この 暑さ で 汗 は 出ている のに アイツ の 減量 は 相変わらず きつい
身長 172 センチ の フェザ ー 級 ボクサ ー は 他 に も いる が
一郎 の 場合 骨格 が それ を 許さ ない
本来 ライト 級 が ベスト ウエート なん だ
限界 を 求める 減量 は
全て の 欲 を 断ち切ら なけれ ば ならない
擦れ違う 同 世代 の 若者 と は まるで 異質 の 人生 だ
アイツ は 18 歳 に し て 若者 の 権利 を 自ら 放棄 し て しまった
《 そう いえ ば 最近 》
《 アイツ の 笑った 顔 を 見 た こと が ない な 》
次 の 試合 の 申し込み が 来てる ん です が
ちょっと これ は …
ジミー ・ シス ファー 戦績 は 10 戦 10 勝 10 KO
ジミー ・ シス ファー 東洋 太平洋 圏 内 で
最も 注目 さ れ て いる ホープ か
ええ ムエタイ で 32 戦 32 K O と 無 敗 を 誇った まま
ボクシング に 転向 し た あの ジミー です
国 内 で は 既に スーパー スター に なり つつ あり ます が
そんな 選手 が なぜ 一郎 君 を ?
そう だ 一郎 は 体 の いい かま せ 犬 と して 指名 さ れた ん だ
そんな !どう し ます ?
そう だ な 今 一郎 に 必要 な の は 勝ち星 の はず だ から な
(子供 たち の 掛け声 )
何 だい 気分 悪い ぜ 大きい 声 で 言って みろ よ
チッ 日本 語 じゃ 通じ ねえ か
パヤオ あんた 日本 語 少し 分かった よ な
通訳 し て くれよ
「 日本人 やはり ハングリー 違う 」 と
「タイ 人 に とって 強い 選手 と 戦う いっぱい お金 もらう チャンス 」
「 でも 日本人 逃げ た 」 と
逃げ た ?誰 が
わ …私 逃げ た 思わ ない しかたない 思う よ
ジミー 強 すぎる 対戦 避ける 当然
どう いう こと な ん だ !父さん
気 に する こと は ない 次 の 試合 は ジュニア ライト で 行く
ジュニア ライト ?減量 も グッと 楽 に なる だろう
本来 の お前 の スピード も パワー も 生かせる
フェザー に は もう こだわる な
こだわり たい ん だ
この 世界 に 入った 時 何 の 不安 も なかった
頭 の 中 じゃ
世界 まで 一直線 の 道 しか 描い て い なかった よ
だけど その 道 の 前 に アイツ が 割り込ん で きた
それ を よけ ち まったら
これ から 出てくる ヤツ 全部 よけ ちまう よ
そんな こと し たら どんどん 遠回り し ちまう
ジミー ・ シス ファー の こと は 知って いる
少なくとも 現時点 じゃ 格上 さ 勝てる 相手 じゃない かも しれない
だけど !
減量 から 逃げ て 目 の 前 の 敵 から 逃げ て
世界 に なんか たどりつける もん か !
逃げ ちゃ いけ ない ん だ
お前 を ジミー と 戦わ せる わけ に は いかん
なぜ !今 の お前 と じゃ
実力 差 が あり 過ぎる
まるで 必ず 負ける と いった 口ぶり だ ね
何 が ある か 分からない の が ボクシング じゃない の かい !
かま せ 犬 だ ぞ !そんな リング に 息子 を 上げる わけ に は いかん
トレーナー と し て の 意見 を 聞き たい よ !
ならば 言 お う ! ジミ ー ・ シスファ ー に は お前 の カウンタ ー は 通用 しない !
間 柴 戦 で 分かった こと が ある
確か に お前 の パンチ は 切れる
それゆえ 一撃 必殺 の もの だ と 思って おった
しかし …
お前 の パンチ は 軽い の だ
スパッと 切られた 傷口 ほど 回復 は 早い
重く いつ まで も 体 の 芯 に 残る よう な
パンチ の 質 で は ない の だ
パンチ の 質 と は 持って 生まれた もの だ
これ ばかり は どう しよう も ない まして ジミー は ムエタイ 出身
足 の 打撃 が 加わる 戦い を 32 も 勝ち抜い た ツワモノ よ
お前 の カウンター の 1 つ や 2 つ で は まず 倒れ ん
気付 い て い た よ
自分 の パンチ の 質 くらい 分かって た さ
だけど 俺 は この 拳 に 頼る しか ない ん だ !
コイツ が 俺 を 裏切った なんて 認め ち まったら
もう 俺 は 戦えない
わがまま は 分かって る で も 俺
ジミー と 戦う よ
同じ だ な あの 時 の 私 と えっ ?
私 は 自分 の 非力 さ を 嘆き 引退 し た
自分 の 限界 を 知り つつ リング に 上がる こと は
プライド が 許さ なかった アイツ も 同じ 思い な の かも しれん
まさか そこ まで
(打撃 音 )
おお !また パートナー を 潰し て しまった
マネジャー 試合 相手 どころ か
スパーリング パートナー を 探す の も 大変 です ね
イチロー ・ ミヤタ が 試合 を 受諾 し た こ と 知っと ります か ?
それ は もう !ジミー の 試合 は みんな が 注目 し て い ます から
ジミー の 強さ は ムエタイ に おい て 既に 実証 済み
ボクシング に 転向 し た の は 世界 に 認め られる ため な の です
今度 の 試合 は その 足がかり に なる と
信じ て い ます よ
《 カウンター が 通用 しない 》
《 ならば スピード と コンビ ネーション で 勝負 だ 》
《 手数 を 出し 続け て 最悪 でも 判定 で 勝ち を 拾う 》
《 バカヤロー 何 が 判定 だ よ 》
《 どの 道 勝つ ため に は NKO しか ない ん だ 》
《 でも どう やって ? 》
何 だ ?あっ いや …
イチロー の シャドー 流れる ように きれい ね 見 ほれ て しまった よ
同じ 職業 の 僕 に も 見えない パンチ ある
まるで 切れ味 の いい 刃物 ね
どう した ?何か 気に 障った か
いや 何でも ない よ
ジミー ・ シス ファー も
こう いう 中 から はい上がって きた んだ ろう な
ジミー は 子供 たち に 夢 を 与える ボクサー
みんな 頑張れ ば 彼 の ように なれる と 思ってる
子供 に も 大人気 って やつ か この 国 じゃ 俺 は 完全 に 悪役 だ な
そんな こと ない 少なくとも 僕 は 応援 し てる
それ に ファン だって いる よ
ファン ?
よう 何 か 用 か よ
こ …こんにち は 日本 語 分かる の かい ?
チャナ !これ 僕 の 弟 チャナ いい ます
イチロー の ファン って チャナ の こと
さっ あの 話 イチロー に 言って みろ
じれったい !みんな に いじめ られる それ が 原因 よ
は ~…参った な
俺 の 知り合い で も そっくり な ヤツ が いる よ
嫌 な ヤツ で よ
嫌 に なる くらい 強い って こと さ
頑張れ ば チャナ だって な れる よ
カウンター
僕 は ムエタイ で は なく ボクシング を 目指し てます
タイ に は ジミー の ような ファイター が 多い けど
僕 は ボクサー タイプ が 好き です できれば
イチロー の ような カウンター が 打てる ように なりたい です !
この 間 の 試合 見 て チャナ
いっぺん で イチロー の ファン に なった
お 願い し ます もっと もっと すごい カウンター 見 たい です
悪い な チャナ
《 俺 の カウンター は そんな 偉 そう な 代物 じゃない 》
《 もっと すごい の が あれ ば 悩まない さ 》
《 もっと ? 》
《 今 の カウンター より もっと すごい 》
《 俺 は うぬぼれ て い た ん じゃない か ? 》
《 自分 の カウンター が 完成 さ れ た もの と し て 》
《 これ 以上ない と 》
《 今 以上 の カウンター が 俺 に あれ ば 》
《 正確 無比 は もちろん 切れる 上 に 重い 》
《 当たれ ば 確実 に 立ち上が れない と いう 》
《 カウンター を 超える カウンター が ! 》
《 カウンター を 超える カウンター 》
フィニッシュ は 例外 なく インファイト から の 左右 の フック
オーソドックス な ファイター
ダウン 経験 なし
知れ ば 知る ほど ジミー の 強さ が 浮き彫り に なって きます ね
ところで 一郎 は ?サウナ に
まだ 出て ない の か ?いかん !
(ドア が 開く 音 )
一郎 ! 一郎 君 !
一郎 ! 一郎 !
寝 ち まった の か
気 を 失った の も 分から ない なんて
《 まだ たどりつか ない の か 》
( 雷鳴 )
飲ま ず 食わ ず で 汗 を 出し て も 体重 が 落ち ない
とても ジミ ー 相手 に 10 ラウンド や れる スタミナ は 望 めません ね
…と なる と 早い 回 の KO しか ない
ああ !しかし カウンター が 通用 し ない わけ だ し
《 イチロー 風邪 でも ひ い たら 》
≪すっげえ な !スコール って 初 体験
《 日本語 ? 》
イヤ だ び しょ ぬれ どうせ なら
また 水着 に なっちゃ え ば ?バカ 何 言って ん の よ !
ほれ 行く ぞ
チャナ …
迎え に 来て くれた の か ?
う …うん
せっかく だ けど この 雨 じゃ 傘 差し て も 意味 ねえ か
う …うん
イチロー は …
イチロー は 笑わ ない ん だ ね
ここ に 来る 日本人 みんな 楽しそう に してる
でも イチロー の 笑った 顔 見 た こと ない
ジム の 人たち イチロー は ジミー に 勝てない と 言ってる
日本 人 だ から ハングリー じゃ ない から
だけど イチロー は ご飯 食べ ない 水 も 飲ま ない
タイ の 人 たち より も ハングリー な 生活 し てる
タイ の ボクサー お 金 欲しい から リング 上がる
でも 日本 人 違う 思う
痛い 思い する リング に なぜ 上がる の ?楽しい の ?
イチロー 全然 楽しく な さ そう
ボクシング する 理由 分から ない !
ご …ごめんなさい でも
イチロー 少し つら そう だった から
早く 帰ろう 体 冷えて しまう よ
サンキュー チャナ
「笑わ ない 」か そう だ な
だけど な こんな 考え方 俺 だけ かも しれ ねえ けど
ある と 思う ん だ きっと
(波 の 音 )
ボクサー だけ に しか 味わえ ない 笑える 瞬間 って やつ が
イチロー
「すごい カウンター が 見 たい 」って 言ってた よ な
う …うん
そっか 見たい か
(打撃 音 )
また ダウン だ この ところ ずっと 調子 悪かった けど
今日 は 一段 と ヒドい
もう 試合 まで 何 日 も ない のに
ま …まだ だ 続け て くれ パヤオ
で …でも イチロー 頼む よ
( ゴング )
カウンター チャンス !
そんな !絶好 の チャンス だった のに
ああ !あんな に 頭 から 突っ込んで
止め ましょう よ 今日 は もう 駄目 です よ
《 おかしい 調子 が 悪い に し て は パンチ が 切れ てる 》
駄目 だ タイミング すら ズレ てる
見 て られ ません !止め ます から ね 宮田 さん
ストップ !パヤオ ここ まで だ
一郎 君 大丈夫 かい ?
一郎 君 !
《 どう し た ? クリーン ヒット は ほとんど もらってない のに 》
《 体 の 芯 に 残って いる もの が ある 》
《 今 まで の イチロー の パンチ と は 明らか に 違う 》
《 何 だ ? これ は 》
《 近づき つつ ある よう だ な カウンター を 超える カウンター 》
《 その 答え に 》
《 もう 少し だ もう 少し 》
なんとか 計量 パス し まし た ね
しかし ジミー の ほう は 肌 の 艶 と いい 張り と いい
コンディション は 最高 …
ナーバス に なってる よう です ね 無理 も ない
ああ !もう クソ !
《 なんて ザマ だ 控え室 で コンセントレ ー ション も できない なんて 》
《 カッコ つけ て 日本 飛び出し て 思い知った こと と いえ ば 》
《 自分 の 小者 ぶり だけ か よ 賭け 率 30 対 1 だ ぞ 》
《 ここ まで 情け ねえ 前評判 で 戦った ボクサーって 》
《 一体 何人 いる ん だ ? 》
《 まさに お あつらえ向き の かま せ 犬って わけ か 》
《 要 は ビビッ てん じゃ ねえ か よ ! 》
クソ ! クソ !
《 もう 試合 まで 何分 も ね え ん だ キッチリ 覚悟 決め や がれ ! 》
《 い た ! 》
《 い た じゃない か 》
《 前評判 悪く て も 戦ってる ボクサー が 》
《 アイツ は いつも こんな 気持ち だった の か ? 》
《 控え室 で こんな プレッシャー と 戦って い た の か ? 》
《 そして 勝ち抜 い て 》
≪早く !早く !試合 終わっちゃう よ !
しかたない だ ろ 仕事 だった ん だ から
《 イチロー 必ず 必ず 勝って よ ね 》
「さあ いよいよ 始まり ます 注目 の 10 回 戦 」
「 赤 コーナー に は タイ 国 ボクシング 界 の 期待 を 」
「一身 に 受け て ジミー ・ シス ファー が 」
「歓声 に 応えます 」
「 そして 青 コーナー に は 日本 から の 刺客 イチロー ・ ミヤタ 」
「セコンド アウト 」
一郎 …
「割れ ん ばかり の ジミー コール だ !」
(ジミー コール )
「そして 待ちに待った ゴング が 」
「 今 … 」
(ゴング )「鳴り まし た !」
<ジョルト カウンター >
<前足 に 体重 を 乗せ た 構え から >
<体 ごと たたきつける よう に 打ち込む カウンター >
<決まれ ば 恐るべき 破壊 力 で 相手 を マット に 沈める >
<でも 失敗 すれ ば その 威力 は 自分 に 跳ね返って くる >
<ボクサー と し て の 全て を 失う か 勝利 を 得る か >
<それ は まさに 命 を 削って 打ち出す >
<究極 の カウンター な ん だ !>
< 次回 … >