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Aozora Bunko Readings (4-5mins), 118. 最初の印象 - 大倉燁子

118. 最初の印象 - 大倉燁子

最初の 印象 -大倉 燁子

江戸川 先生 に 始めて お目にかかった の は もう 二十 年 近く も 前 の こと です 。 ・・

池袋 の お宅 の お座敷 で 、先生 を お待ち する 間 、私 の 心 は 好奇心 と 不安 が 交錯 して いました 。 ・・

と 、いう の は 、その頃 。 ・・

「江戸川 乱歩 先生 の お 書斎 に は ドクロ が つるして ある 。 お化け の 人形 が ぶら下っている 、その 無気味な 雰囲気 の 中 で 、先生 は 深夜 人 の 寝鎮る のを 待って 、蝋燭 の 灯 で 仕事 を される 」等々 の記事 が 雑誌 に 掲載 されたり 、人 の 噂 に のぼっていた からです 。 ・・

とにかく 先生 は 普通の 方 で は ない 、だから ああいう 小説 が お 書け に なる のだ と 私 は 思って いました 。 が 、それ に また 異常な 魅力 を 感じ 、いつも 驚異 な 眼 で 御作 を 拝見して いた のです 。 エキセントリック な 方 だ 、と は 思って いました 。 作品 全体 に 漂う 、幻想 、怪奇 、猟奇 から 考えて も 、そういう 御 生活 を して いられる のは 当然な こと 、これ は 事実 だろう と 思って いました 。 ・・

それ から 大変 気難しい 方 だ と も 聞いて いました 。 私 は 怖れ を なして 一度 尻込み して お目にかかりたい という 希望 を 捨てよう か と 思った のです 。 ・・

「そんなに 心配 する こと は ありません 。 とても 親切な いい 方 です よ 。 僕 は 原稿 を 持って行って は 、教えて 頂いて いる んです が ――」・・

これ は たった 一人 の 先生 の お弟子 だ と 自称 していた ある 青年 が 、私 の 心 を はげまして くれた 言葉 でした 。 ・・

そういう いろいろな こと を 、頭 に 浮べ ながら 、軽卒 に お訪ね した こと を 、半分 後悔 し ながら 、ぼんやり と お庭 を 眺めて いました 。 ・・

ところが 、お座敷 に 姿 を お見せ下さった 先生 は 、ゴシップ や 想像 を 裏切って 、気軽な 明るい 、いかにも 社交的な 朗らかな 方 なのに まず びっくり してしまいました 。 ・・

いい加減の 噂 は する もの で は ない 、また 噂 を 信ずる もの で は ない 、と 、つくづく 思った こと でした 。 お目にかかった 瞬間 に 私 の 不安 は 一っぺん に 吹き飛んで しまいました 。 あの 青年 の 云った 言葉 が ほんと だった のです 。 ・・

その こと を 後 で 青年 に 話しましたら 、青年 得意に なって 、・・ 「先生 に は いろんな 面 が ある から 一口 に こういう 方 だ と 、云いきる こと は 出来ません よ 。 僕 は 一 度 浅草 に お伴 を した 時 、公園 の 砂利 の 上 に 座って 乞食 の 真似 を された 。 その 時 なんざ あ 絶対に 明るい 社交的な 方 とは 見えませんでした から ね 」・・ その後 、いく 度 も お目にかかって から 、この 青年 の あと の 話 は 、嘘 だった な と 思いました 。 何 んで も 優れた 方 は 常人 で なく 、変った 方 に して 、置きたい もの な のでしょう 。 ・・

しかし 、彼 の 言葉 を ほんと と すれば 、先生 に は いろいろな 面 が お あり だ そうです から 、お 書斎 での 御 生活 は あるいは あの 円満な 社交 と は きり離されて おられる の かも 知れません 。 それ は 外部 の もの の 覗う こと の 出来ぬ もの でしょう 。 それ から もっと 、もっと 面白い 面 も 持って いらっしゃる の かも 知れません 。 ・・

先生 を 心から 尊敬 し ほんとうに 御 親切な 方 だ と 思った の は 終戦 後 です 。 私 は お金 を つかい果して 困った 揚句 、突然 先生 の ところ へ 伺って 本 の 出版 に ついて お願いした のです 。 時期 が おそい 、 もう 少し 早かったら 何 ん と かして 上げられた のに 、 と おっしゃいました 。 私 は がっかり して 帰る と 二三 日 過ぎて から 、先生 の 御頼み である 書店 の 主人 が 訪ねて くれました 。 私 は 救わ れた のです 。 時期 を 失して しまった 私 の 出版 に ついて 、先生 が どんなに お 骨折り 下すった か は その 書店 の 主人 の 口ぶり でも 想像 が つきました 。 ・・

印税 も 一度に 渡して しまう と 直ぐ 使って しまう から 、毎月 に 割って 渡して やって くれ と お言葉 添え が あった そうです 。 そこ まで 考えて 下さる 御 親切な 方 が ある もの か 、と つくづく 思いました 、そして 私 は この 時 この 御 親切 は 一生 忘れ まい と 心 に 誓った こと でした 。

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