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Aozora Bunko Readings (4-5mins), 114. 永日小品 - 夏目漱石

114. 永日小品 - 夏目漱石

永 日 小 品 -夏目 漱石

金 劇 烈 な 三 面 記事 を 、写真 版 に して 引き伸ばした ような 小説 を 、のべつ に 五六 冊 読んだら 、全く 厭 に なった 。 飯 を 食って いて も 、生活 難 が 飯 と いっしょに 胃 の 腑 まで 押し寄せて 来 そうで ならない 。 腹 が 張れば 、腹 が せっぱ詰って 、いかにも 苦しい 。 そこ で 帽子 を 被って 空 谷子 の 所 へ 行った 。 この 空 谷子 と 云う の は 、こういう 時 に 、話し を する のに 都合 よく 出来上った 、哲学者 みた ような 占者 みた ような 、妙な 男 である 。 無辺際 の 空間 に は 、地球 より 大きな 火事 が ところどころ に あって 、その 火事 の 報知 が 吾々 の 眼 に 伝わる に は 、百年 も かかる んだ から なあ と 云って 、神田 の 火事 を 馬鹿にした 男 である 。 もっとも 神田 の 火事 で 空 谷子 の 家 が 焼けなかった の は たしかな 事実 である 。 ・・

空 谷子 は 小さな 角 火鉢 に 倚れて 、真鍮 の 火箸 で 灰 の 上 へ 、しきりに 何か 書いていた 。 どう だ ね 、相変らず 考え込んでる じゃないか と 云う と 、さも 面倒くさそうな 顔つき を して 、うん 今金 の 事 を 少し 考えて いる ところ だ と 答えた 。 せっかく 空 谷子 の 所 へ 来て 、また 金 の 話 なぞ を 聞かされて は たまらない から 、黙って しまった 。 すると 空 谷子 が 、さも 大 発見 でも した ように 、こう 云った 。 ・・

「金 は 魔物 だ ね 」・・

空 谷子 の 警句 として は はなはだ 陳腐だ と 思った から 、そう さ ね 、と 云った ぎり 相手 に ならず に いた 。 空 谷子 は 火鉢 の 灰 の 中 に 大きな 丸 を 描いて 、君 ここに 金 が ある と する ぜ 、と 丸 の 真中 を 突ッついた 。 ・・

「これ が 何 に でも 変化 する 。 衣服 に も なれば 、食物 に も なる 。 電車 に も なれば 宿屋 に も なる 」・・

「下らん な 。 知れ 切って る じゃ ない か 」・・

「否 、知れ 切って いない 。 この 丸 が ね 」と また 大きな 丸 を 描いた 。 ・・

「この 丸 が 善人 に も なれば 悪人 に も なる 。 極楽 へ も 行く 、地獄 へ も 行く 。 あまり 融通 が 利き 過ぎる よ 。 まだ 文明 が 進ま ない から 困る 。 もう 少し 人類 が 発達 する と 、金 の 融通 に 制限 を つける ように なる の は 分り切っている んだ が な 」・・

「 どうして 」・・

「どうしても 好い が 、――例えば 金 を 五色 に 分けて 、赤い 金 、青い 金 、白い 金 など としても 好かろう 」・・

「そうして 、どう する んだ 」・・

「どう する って 。 赤い 金 は 赤い 区域 内 だけ で 通用 する ように する 。 白い 金 は 白い 区域 内 だけ で 使う 事 に する 。 もし 領分 外 へ 出る と 、瓦 の 破片 同様 まるで 幅 が 利かない ように して 、融通 の 制限 を つける の さ 」・・

もし 空 谷子 が 初対面 の 人 で 、初対面 の 最 先 から こんな 話 を しかけたら 、自分 は 空 谷子 を もって 、あるいは 脳 の 組織 に 異状 の ある 論客 と 認めた かも 知れない 。 しかし 空 谷子 は 地球 より 大きな 火事 を 想像 する 男 だ から 、安心 して その 訳 を 聞いて 見た 。 空 谷子 の 答 は こう であった 。 ・・

「金 は ある 部分 から 見る と 、労力 の 記号 だろう 。 ところが その 労力 が けっして 同 種類 の もの じゃ ない から 、同じ 金 で 代表 さして 、彼 是 相通ずる と 、大変な 間違 に なる 。 例えば 僕 が ここ で 一万 噸 の 石炭 を 掘った と する ぜ 。 その 労力 は 器械的 の 労力 に 過ぎない んだ から 、これ を 金 に 代えた に した ところが 、その 金 は 同 種類 の 器械的 の 労力 と 交換 する 資格 が ある だけ じゃないか 。 しかる に 一 度 この 器械的 の 労力 が 金 に 変形 する や 否や 、急に 大 自在 の 神通力 を 得て 、道徳的 の 労力 と どんどん 引き換え に なる 。 そうして 、勝手 次第に 精神 界 が 攪乱 されて しまう 。 不都合 極 まる 魔物 じゃ ない か 。 だから 色 分 に して 、少し その分 を 知ら しめ なくっちゃ いかん よ 」・・

自分 は 色 分 説 に 賛成 した 。 それ から しばらく して 、空 谷子 に 尋ねて 見た 。 ・・

「器械 的 の 労力 で 道徳 的 の 労力 を 買収 する の も 悪かろう が 、買収 される 方 も 好か あない んだろう 」・・

「そう さ な 。 今 の ような 善 知 善 能 の 金 を 見る と 、神 も 人間 に 降参 する んだ から 仕方 が ない か な 。 現代 の 神 は 野蛮 だ から な 」・・

自分 は 空 谷子 と 、こんな 金 に ならない 話 を して 帰った 。

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