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Aozora Bunko Readings (4-5mins), 113. 大きな蝙蝠傘 - 竹久夢二

113. 大きな蝙蝠傘 - 竹久夢二

大きな 蝙蝠 傘 -竹 久 夢 二

それ は たいそう 大きな 蝙蝠 傘 でした 。 ・・

幹子 は 、この 頃 田舎 の 方 から 新しく こちら の 学校 へ 入ってきた 新入生 でした 。 髪 の 形 も 着物 も 、東京 の 少女 に 較べる と 、かなり 田舎 染みて 見えました 。 けれど 、幹子 は そんな 事 を 少しも 気にかけないで 、学科 の 勉強 とか 運動 とか 、つまり 、少女 の すべき こと だけ を やってのける と言った 質 の 少女 でした 。 たとえば 青い 空 に 葉 を さしのべ 、太陽 の 方 へ 向いて ぐんぐん 育って ゆく 若木 の ように のんびり した 少女 でした 。 ・・

それにしても 、幹子 が 毎日 学校 へ 持ってくる 蝙蝠 傘 は 非常に 大きな もの で 、忽ち 学校中 の 評判 に なりました 。 ・・

どこ の 級 に も 、頓智 が あって たいへん 口 が 軽く 、気 の 利いた こと を 言って は 皆 を 笑わせる こと の 好きな 愚 な 生徒 が 一人 や 二人 は ある もの です 。 幹子 の 級 に も 、時子 と 朝子 という 口 の わるい 生徒 が ありました 。 ・・

ある 日 、幹子 は 学校 へ ゆく 途中 で 、この 口 の わるい 連中 に 出会いました 。 むろん この 時 、幹子 は 例の 蝙蝠 傘 を 持って いた ので 、忽ち それ が 冷笑 の 的 に なりました 。 ・・

「あら 何 処 の 紳士 か と 思ったら 、幹子 さん だった わ 、幹子 さん お早う 」・・

時子 が 言った 。 なるほど 幹子 の 蝙蝠 傘 は 、黒い 毛 繻子 張 で 柄 の 太い 大きな もの だ から 、どう 見て も 、祖父様 の 古い の を さした と しか 見えません でした 。 事実 また そう であった かも しれません 。 この 場合 「何処 の 紳士 か と 思ったら 」という の は 、ほんとに 適評 だった ので 、皆 は どっと 笑い くずれました 。 ・・

幹子 も 一緒に なって 笑い ながら 「お 早う 」と 挨拶 して 、つまらない お友達 に かまって はいられない と 言った ように 、さっさと そこ を 通りぬけて 、まっすぐに 学校 の 方 へ 歩いた 。 ・・

「あの くらい 蝙蝠 傘 が 大きかったら 日 に やけ ないで 好い わね 」・・

「ええ 、だから 幹子 さん は 、お色 が 白い わ よ 」・・

そう 言って 冷笑 して いる の も 幹子 の 耳 へ 這入った 。 けれど 幹子 は 何 を 言われて も 平気で いた 。 ・・

「でも 幹子 さん の 田舎 じゃ あれ でたいへん ハイカラ な の かも 知れない わ 」・・

「そう ね 。 私 は こう 思う の 、幹子 さん の お父様 は きっと 薬屋さん に 違いない わ 。 だから 幹子 さん を いまに 薬 売 に する んだ わ 。 ほら 、よく 薬 売 が あんな 大きな 蝙蝠 傘 を さして 来る でしょう 。 「本家 、讃岐 は 高松 千 金 丹 ……つて 歌って 来る じゃないの 」そう 言って 時子 は 、面白く 節 を つけて 歌って 見せた 。 ・・

「そう よ 、そう よ 」・・

「きっと そう だ わ 」・・

と 口口 に 言う のでした 。 ・・

この 時 、幹子 は 静かに 気 に も かけ ない ような 風 で 振返り ながら 、・・

「私 が 薬屋 に なったら 、好い 薬 を 売って あげます から 、安心 して いらっしゃい な 」・・

幹子 は 、笑い ながら そう 言って 、すたすた と 行って しまった 。 ・・

そう 言わ れ る と 、口 の わるい 連中 も 、さすがに 何も 言え ないで 黙って いた 。 ・・

それ から 四五 日 して から 学校 の 授業 中 、俄に 雨 が 降りだして 、授業 の 終る 頃 に は 流れる ように 降ってきた 。 ・・

今 こそ 、 この 冷笑 の 種 に なった 大きな 蝙蝠 傘 が 役 に たつ 時 が 来た 。 ・・

幹子 は 、時子 や 朝子 が 、小さな 美しい 蝙蝠 傘 を 持てあましている の を 見かねて 、・・

「皆様 この 中 へ 這 入って いらっしゃい な 、大きい から みんな 這 入れて よ 」・・

三人 は 仲よく 、大きな ハイカラな 蝙蝠 傘 の お蔭 で 、少しも 雨 に ぬれないで 家 へ 帰る こと が 出来た のでした 。

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