舌 切り 雀
むかし 、むかし 、ある ところ に おじいさん と おばあさん が いました 。 おじいさん は 、とても こころ の 優しい 人 でした が 、おばあさん は たいそう いじわるな 人 でした 。 おじいさん は 、1 羽 の 雀 を 大切に 飼っていました 。 毎日 毎日 、まるで 自分 の 子供 の ように 世話をしていました 。ある 日 、おじいさん が 出かけている 間 、おばあさん は 洗濯をしていました 。 洗濯 に 使おう と 用意していた のり を 、おじいさん の 雀 が 、すっかり 全部 なめてしまった ので 、おばあさん は たいへん 怒りました 。
おばあさん は 、雀 を 捕まえて 「この 舌 が そんな 悪い こと を したんだ ね 。 切って しまおう 。 」と いって 、むりやり 舌 を 切ってしまいました 。 雀 は 、「いたい 、いたい 」と 泣きながら 、どこ か へ 飛んで いってしまいました 。帰ってきた おじいさん は 、雀 を 探しました が 、家 に は いません 。 「おばあさん 、雀 は どこ へ いった か な ? 」と 聞く と 、おばあさん は 、昼間 の こと を 話しました 。「わたし の 大事な のり を すっかり なめてしまった ものだ から 、舌 を 切って おいだしました よ 。」 おじいさん は 、「それ は かわいそうな こと を した 。雀 は 、だいじょうぶ か な 。」 と 、大変 がっかり しました 。 おじいさん は 、雀 の こと が 心配 で たまらず 、探し に でかけました 。山 の 中 を 歩き ながら 、「舌切り 雀 の お宿 は どこ だ 、ちゅんちゅんちゅん 。」 と 探し回りました ずいぶん 長い 間 、そう やって 探している と 、どこ から か 、「舌切り 雀 の お宿 は 、ここ だ 。 ちゅん ちゅん ちゅん 。 」と 聞こえてきました 。 おじいさん が 、その 声 の する ほう に 行ってみる と 、そこ に は かわいらしい 雀 の おうち が ありました 。 家 の 前 で は あの 舌 を 切られた 雀 が おじいさん を 待って いました 。 「おじいさん 、ようこそ いらっしゃいました 。 」「おお 、お前 が 心配 で 、ずっと 探していたんだ よ 。 」「それ は それ は 、ありがとう ございます 。 さ 、こちら へ お 入り ください 。」 雀 に 案内 されて 、家 の 中 へ 入った おじいさん は 、雀 の 兄弟 や 家族 、友達 から 大 歓迎 を うけました 。 おいしい お 料理 に 、とても 楽しい 雀 の 踊り 。 おじいさん は 、大喜び で 過ごして いました が 、「もう 日 も 暮れる 。 そろそろ 帰る こと に しよう 。 」と 言いました 。雀 たち は 、「せっかく 来て くださった のです から 、今夜 は ここ に お泊まり ください 。」 と 引き止めました 。 でも 、おじいさん は 、「いやいや 、おばあさん も 待っている こと だし 、今日 は 帰ります 。 また 、遊び に きます よ 。」 「そう です か 、それ は 残念 です 。 で は 、おみやげ を お 持ちいたしましょう 。」 雀 は 、奥 から つづら を 二つ 出してきて 、おじいさん に たずねました 。「こちら に 重い つづら と 、軽い つづら が あります 。 どちら が よろしい です か ? 」おじいさん は 、「私 は 、もう 年 だし 、帰り の みちのり も 遠い 。 軽い つづら に しよう 。 」こう 言って 、おじいさん は 、軽い つづら を もって 帰りました 。 おばあさん は 、おじいさん の 帰り が 遅い ので 、「いったい どこ へ いった のだろう 。」 と ぶつぶつ いい ながら 待っていました 。
そこ へ 、おじいさん が おみやげ の つづら を もって 帰ってきました 。 「おじいさん 、いったい どこ へ 行って いた の です か ? 」「今日 は 、雀 の お宿 へ 行って 、おいしい 料理 や 雀 の 踊り を 見てきた よ 。 それ に こんな おみやげ まで もらった よ 。」 おばあさん は 、つづら を みる と 、急に 機嫌 が よく なって 、「おや 、まあ 、そう でした か ? いったい 何 が 入って いる んでしょう ね 。 」と 、いい ながら 、つづら の ふた を あけました 。する と 、中 に は たくさん の 金 や 銀 、さんご と いった 宝物 が 入っていました 。 おじいさん も おばあさん も びっくり してしまいました 。 おじいさん は 、「いや 、驚いた 。 帰り に 、雀 が つづら を 二つ 出してきて 、「重い ほう と 軽い ほう と どちら が いい ですか ? 」と 聞く から 、わたし は 軽い ほう を 選んだんだ よ 。 」と 、おばあさん に 話しました 。
おばあさん は 、その 話 を 聞く と 、怒って 言いました 。 「どうして 重い ほう を もらって こなかった ん です か ? もっと たくさん の 宝物 が はいっていた に ちがいない じゃ ありません か 。」 次の 日 、おばあさん は 、雀 の 宿 へ 出かけていきました 。 「舌 切り 雀 の お宿 は 、どこ だ ? ちゅんちゅん ちゅん 」。 すると 、「舌 切り 雀 の お宿 は 、ここ だ 。 ちゅん ちゅん ちゅん 」と 聞こえてきました 。 おばあさん が 声 の する ほう に 行って みる と 、舌 を 切られた 雀 が 家 の 前 で 待っていました 。 「おばあさん 、ようこそ いらっしゃいました 。 どうぞ お 入り ください 。」おばあさん が 中 へ 入る と 、雀たち が お 料理 や 踊り の 用意 を して います 。でも 、おばあさん は 、「そんな もの は 、どうでも いい 。 早く おみやげ の つづら を だして おくれ 。 」と 雀 を せかしました 。 雀 は 、しかたなく つづら を ふたつ 出してきて 、「そう です か 、それでは 、重い ほう と 軽い ほう 、どちら が よろしい です か ? 」と 聞きました 。おばあさん は 、「それ は もちろん 重い ほう だ 。」 と 、さっそく それ を 背中 に 担いで 出て 行ってしまいました 。おばあさん は 、重い つづら を 背負って 歩いている うち に 、ずいぶん 疲れて しまいました 。 山道 の 途中 で 、「これ は 、とっても 重い 。 いったい どの くらい 宝物 が 入っている か 、見てやろう 。 」と 、座って つづら の ふた を 開けました 。 すると 、中 から 気味 の 悪い おばけ が たくさん 飛び出してきて 、「この 欲張り ばばあ め 。 」と 、おばあさん を 脅かしました 。 おばあさん は 、「ひやー 、たすけて くれー 。 」と 叫び ながら 、山道 を 走って 逃げて いきました 。
おしまい 。