9.2 壁に 書かれた 文字 -TheWritingontheWall
「サラザール ・スリザリン って 、狂った 変人 だって こと 、それは 知ってた さ 」授業が 終わり 、夕食 前に 寮に カバンを 置きに 行く 生徒で 、廊下は ごった返していた が 、人混みを 掻き分けながら ロンが ハリーと ハーマイオニーに 話しかけた 。 「でも 、知らなかった なあ 、例の 純血 主義の なんのって スリザリンが 言いだした なんて 。 僕なら お金を もらったって 、そんな やつの 寮に 入る もんか 。 はっきり 言って 、組分け 帽子が もし 僕を スリザリンに 入れてたら 、僕 、汽車に 飛び乗って まっすぐ 家に 帰ってたな ......」
ハーマイオニーも 「そう、そう」と頷いたが、ハリーは何も言わなかった。 胃袋が ドスンと 落ち込んだ ような 気味の悪さ だった 。
組分け 帽子が ハリーを スリザリンに 入れる ことを 本気で 考えた という ことを 、ハリーは ロンにも ハーマイオニーにも 一度も 話して いなかった 。
一 年 前 、 帽子 を かぶった とき 、 ハリー の 耳元 で 聞こえた ささやき 声 を 、 ハリー は 昨日 の こと の よう に 覚えて いる 。
「君は 偉大に なれる 可能性が ある んだよ 。 その すべては 君の 頭の 中に ある 。 スリザリンに 入れば まちがいなく 偉大に なる 道が 開ける ......」
しかし 、スリザリンが 、多くの 闇の 魔法使いを 卒業させた という 評判を 聞いていた ハリーは 、心の 中で 「スリザリンは ダメ !」と 必死で 思い続けていた 。
すると 帽子が 「よろしい 、君が そう 確信している なら ......むしろ グリフィンドール !」と 叫んだ のだった 。
人波に 流されて 行く 途中 、コリン・クリーピーがそばを通った。 「やー 、ハリー !」
「 や ぁ 、 コリン 」 ハリー は 機械 的に 忚 えた 。 「 ハリー 、 ハリー 、 僕 の クラス の 子 が 言って た ん だ けど 、 君って ......」 しかし 、 コリン は 小 さ 過ぎて 、 人波 に 逆らえ ず 、 大広間 の 方 に 流されて 行った 。 「あとで ね 、ハリー !」と 叫ぶ 声を 残して コリン は 行ってしまった 。
「クラス の 子が あなたの こと 、なんて 言ってた の かしら ?」
ハーマイオニー が いぶかった 。
「僕 が スリザリン の 継承者 だ と か 言ってた んだ ろ 」
昼食 の とき 、ジャスティン ・フィンチ ・フレッチリー が 、ハリー から 逃げて 行った 様子 を 急に 思い出して 、ハリー は また 数 センチ 胃 が 落ち込む ような 気 が した 。
「ここ の 連中 と きたら 、何でも 信じ込む んだ から 」ロン が 吐き捨てる ように 言った 。 混雑 も 一段落 して 、三人 は 楽に 次の 階段 を 上る ことが できた 。 「『秘密の 部屋 』が ある って 、君 、ほんとうに そう 思う ?」ロン が ハーマイオニー に 問いかけた 。 「わからない けど 」
ハーマイオニー は 眉根 に シワ を 寄せた 。
「ダンブルドアが ミセス・ノリスを治してやれなかった。 という ことは 、わたし 考えたんだ けど 、猫を 襲った のは 、もしかしたら ウーン ――ヒト じゃないかもしれない 」
ハーマイオニーが そう 言った とき 、三人は ちょうど 角を 曲がり 、ずばり あの 事件が あった 廊下の 端に 出た 。 三人は 立ち止まって 、三人は 顔を 見合わせた 。 現場 は ちょうど あの 夜 と 同じ ようだった 。 松明 の 腕 木 に 硬直 した 猫 が ぶら下がって いない こと と 、壁 を 背 に 椅子 が ぽつん と 置かれて いる こと だけ が あの 夜 とは 違って いる 。 壁 には 「秘密の 部屋 は 開かれたり 」と 書かれた まま だ 。
「あそこ 、フィルチ が 見張って いる 所 だ 」ロン が 呟いた 。 廊下 には 人っ子 一人 いない 。 三 人 は 顔 を 見合わせた 。 「 ちょっと 調べたって 悪く ないだ ろ 」 ハリー は カバン を 放り出し 、 四 つ ん 這い に なって 、 何 か 手掛り は ない か と 探し回った 。 「焼け焦げ だ !あっちに も ――こっちに も ――」ハリー が 言った 。 「来て みて !変だ わ 」ハーマイオニー が 呼んだ 。 ハリー は 立ち上がって 、壁 の 文字 の すぐ 脇 に ある 窓 に 近づいて いった 。
ハーマイオニー は 一番 上 の 窓 ガラス を 指差して いる 。 二十 匹 あまり の クモ が 、ガラス の 小さな 割れ目 から ガザガザ と 先を 争って 這い出そう と していた 。 慌てた クモ たち が 全部 一 本 の 綱 を 上って 行った か の よう に 、 クモ の 糸 が 長い 銀色 の 綱 の よう に 垂れ下がって いる 。
「クモ が あんなふうに 行動 する の を 見た こと ある ? 」ハーマイオニー が 不思議 そうに 言った 。 「う うん 」ハリー が 忚 えた 。
「 ロン 、 君 は ! ロン !」
ハリー が 振り返る と 、ロン は ずっと 彼方 に 立って いて 、逃げ出したい の を 必死で こらえて いる ようだった 。 「どうし たんだい ?」ハリー が 聞いた 。
「僕 ――クモ が ――好きじゃない 」ロン の 声 が 引きつっている 。
「まあ 、知らなかった わ 」ハーマイオニー が 驚いた ように ロン を 見た 。
「クモなんて へ 魔法薬 で 何回も 使った じゃない ...!」
「死んだ やつなら かまわない んだ 」
ロンは 、窓に だけに 目を 向けない ように 気を つけながら 言った 。
「あいつらの 動き方が いやな んだ ...」
ハーマイオニー が クスクス 笑った 。
「 何 が おかしい ん だ よ 」
ロン は むき に なった 。
「 わけ を 知りたい なら 言う けど 、 僕 が 三 つ の とき 、 フレッド の おもちゃ の 箒 の 柄 を 折った ん で 、 あいつったら 僕 の ―― 僕 の テディ ・ ベア を バカで かい 大 蜘妹 に 変えちゃった ん だ 。 考えて も みろ よ 。 いやだ ぜ 。 熊 の ぬいぐるみ を 抱いてる ときに 急に 脚 が ニョキニョキ 生えてきて 、そして ...! 」
ロンは 身震い して 言葉を 途切らせた 。 ハーマイオニーは まだ 笑いを こらえている のが 見え見えだ 。
ハリーは 話題を 変えた 方が よさそうだ と 見て取った 。
「 ねえ 、 床 の 水溜り の こと 、 覚えてる ? あれ 、 どっから 来た 水 だろう 。 だれ か が 拭き取っちゃった けど 」「 この あたり だった 」 ロンは 気を 取り直して フィルチの 置いた 椅子から 数歩 離れた ところまで 歩いて 行き 、床を 指差し ながら 言った 。
「この ドアの ところだった 」ロンは 、真鈴の 取っ手に 手を 伸ばしたが 、やけどを したかのように 急に 手を 引っ込めた 。 「どうしたの ?」
ハリーが 聞いた 。
「ここ は 入れ ない 」ロン が 困った ように 言った 。 「女子 トイレ だ 」「あら 、ロン 。 中に は 誰 も いない わよ 」ハーマイオニー が 立ち上がって やってきた 。 「そこ 、『嘆きのマートル 』の 場所 だ もの 。 いらっしゃい 。 覗いて みて みましょう 」「故障 中 」と 大きく 書かれた 掲示 を 無視 して 、ハーマイオニー が ドア を 開けた 。 ハリー は 今 まで 、こんなに 陰気で 憂鬱な トイレ に 足 を 踏み入れた こと が なかった 。
大きな 鏡 は ひび割れ だらけ 、しみ だらけ で 、その 前 に あちこち 縁 の 欠けた 石造り の 手洗い台 が 、ずらっと 並んでいる 。 床 は 湿っぽく 、燭台 の 中 で 燃え尽きそうに なっている 数本 の 蝋燭 が 、鈍い 灯り を 床 に 映していた 。
一つ一つ 区切られた トイレ の 小部屋 の 木 の 扉 は ペンキ が 剥げ落ち 、引っ掻き傷 だらけ で 、その うち の 一枚 は 蝶番 が はずれて ぶら下がっていた 。
ハーマイオニー は シーッ と 指 を 唇 に 当て 、一番 奥 の 小部屋 の 方 に 歩いて行き 、その 前 で 「こんにちは 、マートル 。 お元気 ?」と 声をかけた 。
ハリー と ロン も 覗き に 行った 。 「嘆きの マートル 」は 、トイレ の 水槽 の 上 で ふわふわ し ながら 、顎 の にきび を つぶして いた 。
「ここ は 女子 の トイレ よ 」マートル は ロン と ハリー を うさんくさ そうに 見た 。
「この 人 たち 、女 じゃない わ 」
「ええ 、そう ね 」ハーマイオニー が 相槌 を 打った 。
「わたし 、この 人たち に 、ちょっと 見せたかった の 。 つまり ――えーと ――ここ が 素敵な とこ だって ね 」
ハーマイオニー が 古ぼけて 薄汚れた 鏡 や 、濡れた 床 の あたり を 漠然と 指差した 。
「何 か 見なかった かって 、聞いて みて 」ハリー が ハーマイオニー に 耳打ち した 。 「なに を こそこそ してる の !」マートル が ハリー を じっと 見た 。
「なんでもない よ 。 僕たち 聞きたい ことが ......J ハリー が 慌てて 言った 。 「みんな 、わたし の 陰口 を 言う の は やめて 欲しい の 」マートル が 涙 で 声 を 詰まらせた 。
「わたし 、たしかに 死んでる けど 、感情 は ちゃんと ある の よ 」
「マートル 、だーれも あなた の 気持 を 傷つけよう なんて 思ってない わ 。 ハリー は ただ ――」ハーマイオニー が 言った 。
「傷つけよう と 思って ないで すって !ご 冗談 でしょう !」マートル が 喚いた 。
「わたし の 生きてる 間 の 人生 って 、この 学校 で 、悲惨 そのもの だった 。 今度 は みんな が 、死んだ わたし の 人生 を 台無し に しに やってくる の よ !」
「あなた が 近ごろ 何か おかしな もの を 見なかった か どうか 、それ を 聞きたかった の 」ハーマイオニー が 急いで 聞いた 。
「ちょうど あなた の 玄関 の ドア の 外 で 、ハロウィーン の 日 に 、猫 が 襲われた もの だ から 」
「あの 夜 、この あたり で 誰 か 見かけ なかった ?」ハリー も 聞いた 。
「そんな こと 、気に して いられなかった わ 」マートル は 興奮 気味に 言った 。 「ビープズ が あんまり ひどい もの だ から 、わたし 、ここ に 入り込んで 自殺 しよう と した の 。 そしたら 、当然だけど 、急に 思い出した の 。 わたしって ――わたしって ――」「もう 死んでた 」ロンが 助け舟を 出した 。 マートルは 悲劇的な すすり泣きとともに 空中に 飛び上がり 、向きを変えて 、真っ逆さまに 便器の中に 飛び込んだ 。
三人に 水飛沫を 浴びせ 、マートルは 姿を消した が 、くぐもった すすり泣きの 聞こえてくる 方向からして 、トイレの U字溝の どこかで じっと している らしい 。
ハリー と ロン は 口 を ポカンと 開けて 突っ立って いた が 、ハーマイオニー は やれやれ と いう 仕種 を しながら こう 言った 。
「まったく 、あれでも マートル にしては 機嫌 が いい 方 なのよ ......さあ 、出ましょうか 」マートルの ゴボゴボ という すすり泣き を 背に 、ハリーが トイレの ドアを 閉めるか 閉めないか するうちに 、大きな 声が 聞こえて 、三人は 飛び上がった 。 「ロン !」
階段の てっぺんで パーシー ・ウィーズリー が ピタッと 立ち止まって いた 。 監督 生 の バッジ を きらめかせ 、徹底的に 衝撃 を 受けた 表情 だった 。
「 そこ は 女子 トイレ だ !」パーシー が 息を呑んだ 。
「君たち 男子 が 、いったい 何を !―― 」
「ちょっと 探して た だけ だ よ 」ロン が 肩をすぼめて 、なんでもない と いう 身ぶりを した 。
「ほら 、手掛かり を ね ......」パーシー は 体 を 膨らま せた 。
ハリー は それ が ウィーズリー おばさん そっくり だ と 思った 。
「そこ ――から ――とっとと ――離れる んだ 」
パーシー は 大股 で 近づいて きて 、腕 を 振って 三人 を そこ から 追い立て はじめた 。
「人が 見たら どう 思う か わからない のか ?みんなが 夕食の 席に ついている のに 、また ここに 戻ってくる なんて ......」
「なんで 僕たちが ここに いちゃ いけない んだよ 」ロンが 熱くなった 。
急に 立ち止まり 、パーシーを にらみつけた 。
「いいかい 。 僕たち 、 あの 猫 に 指 一 本 触れてない ん だ ぞ !」
「僕 も ジニー に そう 言って やった よ 」パーシー も 語気 を 強めた 。
「だけど 、あの 子 は 、それでも 君たち が 退学 処分 に なる と 思ってる 。 あんなに 心 を 痚めて 、目 を 泣き腫らしてる ジニー を 見る の は 初めて だ 。 尐 し は あの 子 の こと も 考えて やれ 。 1 年生 は みんな 、 この 事件 で 神経 を すり減らしてる ん だ ――」
「 兄さん は ジニー の こと を 心配 してる ん じゃない 」 ロン の 耳 が 今や 真っ赤 に なり つつ あった 。 「 兄さん が 心配 してる の は 、 首席 に なる チャンス を 、 僕 が 台無し に するって こと な ん だ 」「 グリフィンドール 、 五 点 減点 !」 パーシー は 監督 生 バッジ を 指 で いじり ながら パシッ と 言った 。 「これ で おまえ に は いい 薬 に なる だろう 。 探偵 ごっこ は もう やめ に しろ 。 さ も ない と ママ に 手紙 を 書く ぞ !」
パーシー は 大股 で 歩き 去った が 、その 首筋 は ロン の 耳 に 負けず 劣らず 真っ赤だった 。
その 夜 、ハリー 、ロン 、ハーマイオニー の 三人 は 、談話室 で できるだけ パーシー から 離れた 場所 を 選んだ 。
ロン は まだ 機嫌 が 直ら ず 、「妖精 の 魔法 」の 宿題 に インク の しみ ばかり 作って いた 。
インク じみ を 拭おう と ロン が 何気なく 杖 に 手 を 伸ばした とき 、杖 が 発火 して 羊 皮 紙 が 燃え だ した 。
ロン も 宿題 と 同じ ぐらい に カッカ と 熟く なり 、「標準 呪文 集 ・二 学年 用 」を バタン と 閉じて しまった 。
驚いた ことに 、ハーマイオニー も ロンに 「右倣え 」を した 。
「だけど いったい 何者 かしら ?」
ハーマイオニー の 声 は 落ち着いて いた 。 まるで それまで の 会話 の 続き の ように 自然 だった 。
「でき損ない の スクイブ や マグル 出身 の 子 を ホグワーツ から 追い出したい と 願ってる のは ......誰 J 「それでは 考えて みましょう 」ロン は わざと 頭 を ひねって 見せた 。 「我々 の 知っている 人 の 中 で 、マグル 生まれ は くず だ !と 思っている 人物 は 誰 でしょう ?」
ロン は ハーマイオニー の 顔 を 見た 。 ハーマイオニー は 、まさか 、と いう 顔 で ロン を 見返した 。
「もし かして 、あなた 、マルフォイ の こと を 言ってる の ?」
「モチ の ロン さ !」ロン が 言った 。
「あいつ が 言った こと 聞いたろう !『次 は おまえたち だ ぞ 、『穢れた 血 』め !』って 。 しっかり しろ よ 。 あいつ の 腐った ねずみ 顔 を 見た だけで 、あいつ だって わかり そうな もん だろ 」
「マルフォイ が 、スリザリン の 継承 者 !」
ハーマイオニー が 、 それ は 疑わしい と いう 顔 を した 。
「あいつ の 家族 を 見て くれよ 」ハリー も 教科書 を パタン と 閉じた 。
「あの 家系 は 全部 スリザリン 出身 だ 。 あいつ 、いつも それ を 自慢 してる 。 あいつ ら なら スリザリン の 末 商 だって おかしく は ない 。 あいつ の 父親 も どこ から 見て も 悪玉 だ よ 」
「あいつら なら 、何世紀 も 『秘密の 部屋 』の 鍵 を 預かって いた かも しれない 。 親 から 子 へ 代々 伝えて ......」ロン が 言った 。
「そう ね 」ハーマイオニー は 慎重 だ 。
「その 可能性 は ある と 思う わ ......」
「でも 、どう やって 証明 する !」ハリー の 顔 が 曇った 。
「方法 が ない こと は ない わ 」ハーマイオニー は 考え ながら 話した 。
そして 、いっそう 声 を 落とし 、部屋 の むこうに いる パーシー を 盗み 見ながら 言った 。
「もちろん 、難しい の 。 それに 危険 だ わ 。 とっても 。 学校 の 規則 を ざっと 五十 は 破る ことに なる わ ね 」
「 あと 一 カ月 ぐらい して 、 もし 君 が 説明 して も いい と いう お 気持 に お なり に なったら 、 その とき は 僕たち に ご 連絡 ください ませ 、 だ 」 ロン は イライラ して いた 。
「承知しました 、だ 」ハーマイオニー が 冷たく 言った 。 「 何 を やらなければならない か と いう と ね 、わたしたち が スリザリン の 談話室 に 入り込んで 、マルフォイ に 正体 を 気づかれずに 、いくつか 質問する こと なのよ 」「だけど 、不可能 だよ 」ハリー が 言った 。 ロン は 笑った 。
「いいえ 、そんな こと ない わ 」ハーマイオニー が 言った 。
「ポリジュース 薬 が 尐 し 必要な だけ よ 」
「それ 、なに ?」ロン と ハリー が 同時に 聞いた 。
「数 週間 前 、スネイプ が クラス で 話してた ――」
「魔法 薬 の 授業 中 に 、僕たち 、スネイプ の 話 を 闘い てる と 思ってる の ?もっと ましな こと を やってる よ 」
ロン が ぶつぶつ 言った 。
「自分 以外 の 誰 か に 変身 できる 薬 な の 。 考えて も みて よく 。 わたし たち 三 人 で 、スリザリン の 誰 か 三 人 に 変身 する の 。 誰 も わたし たち の 正体 を 知ら ない 。 マルフォイ は たぶん 、なんで も 話して くれる わ 。 今ごろ 、スリザリン 寮 の 談話室 で 、マルフォイ が その 自慢話 の 真っ最中 かも しれない 。 それ さえ 開ければ 」
「 その ポリジュース なんとかって 、 尐 し 危なっかしい な 」 ロン が しかめっ面 を した 「 もし 、 元 に 戻れ なくて 、 永久 に スリザリン の 誰 か 三人 の 姿 の まま だったら どう する ?」 「 しばらく する と 効き目 は 切れる の 」 ハーマイオニー が もどかし げ に 手 を 振った 。 「むしろ 材料を 手に入れるのが とっても 難しい 。 『最も 強力な 薬 』と いう 本に それが 書いてあるって 、スネイプが そう 言ってたわ 。 その 本 、きっと 図書館の 『禁書』の棚にあるはずだわ」
「禁書 」の 棚 の 本 を 持ち出す 方法 は たった 一つ 、先生 の サイン 入り の 許可証 を もらう こと だった 。
「でも 、薬 を 作る つもり は ない けど 、そんな 本 が 読みたい って 言ったら 、そりゃ 変 だって 思われる だろう ?」ロン が 言った 。 「たぶん 」ハーマイオニー は かまわず 続けた 。 「理論 的 な 興味 だけ なんだって 思い込ませれば 、もしかしたら うまく いく かも ......」「なーに 言ってる んだ か 。 先生 だって そんなに 甘く ない ぜ 」ロンが 言った 。 「―― でも ...... だまさ れる と したら 、 よっぽど 鈍い 先生 だ な ......」