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2 - Harry Potter, 13.2.2 重大秘密の日記 - The Very Secret Diary

13.2.2 重大 秘密 の 日記 -TheVerySecretDiary

ハリー は 両足 が 固い 地面 に 触れた ような 気 が して 、震え ながら 立ち上がった 。

すると 周り の ぼんやり した 物 影 が 、突然 はっきり 見える ように なった 。

自分 が どこ に いる の か 、ハリー に は すぐ わかった 。

居眠り 肖僕 画 の かかって いる 円形 の 部屋 は ダンブルドア の 校長室 だ ――しかし 、机 の むこう に 座っている のは ダンブルドア で は なかった 。

皺くちゃ で 弱々しい 小柄な 老人 が 、パラパラ と 白髪 の 残る 禿頭 を 見せて 、蝋燭 の 灯り で 手紙 を 読んで いた 。

ハリー が 一度 も 会った こと の ない 魔法使い だった 。

「すみません 」ハリー は 震える 声 で 言った 。

「突然 お邪魔 する つもり は なかった んです が ......」

しかし 、その 魔法使い は 下 を 向いた まま 、尐し 眉 を ひそめて 読み 続けて いる 。

ハリー は 尐し 机 に 近づき 、突っかえ ながら 言った 。 「 あの ー 、 僕 、 すぐに 失礼 した 方 が ?」

それでも 無視 され 続けた 。 どうも ハリー の 言う こと が 聞こえて さえ いない ようだ 。 耳 が 違い かも しれない と 思い 、ハリー は 声 を 張りあげた 。

「お邪魔 して すみませんでした 。 すぐ 失礼 します 」ほとんど 怒鳴る ように 言った 。 その 魔法使い は ため息 を ついて 、羊 皮 紙 の 手紙 を 丸め 、立ち上がり 、ハリー に は 目 も くれず に そば を 通り過ぎて 、窓 の カーテン を 閉めた 。

窓 の 外 は ルビー の ように 真っ赤な 空 だった 。 夕陽 が 沈む ところ らしい 。 老人は 机に 戻って 椅子に 腰掛け 、手を 組み 、親指を もてあそびながら 入口の 扉を 見つめていた 。

ハリーは 部屋を 見回した 。 不死鳥の フォークスも いない 。 クルクル 回る 銀の 仕掛け 装置も ない 。 これ は リドル の 記憶 の 中 の ホグワーツ だ 。 つまり ダンブルドア では なく 、この 見知らぬ 魔法使い が 校長 なんだ 。 そして 自分 は せいぜい 幻 みたいな 存在 で 、五十 年 前 の 人 たち に は まったく 見え ない のだ 。 誰 か が 扉 を ノック した 。

「お 入り 」老人 が 弱々しい 声 で 言った 。

十六 歳 ぐらい の 尐年 が 入って きて 、三角 帽子 を 脱いだ 。 銀色 の 監督 生 バッジ が 胸 に 光って い る 。 ハリー より ずっと 背 が 高かった が 、この 尐年 も 真っ黒 の 髪 だった 。

「ああ 、リドル か 」校長 先生 は 言った 。

「ディペット 先生 、何か ご用 でしょうか ?」リドル は 緊張 している ようだった 。

「お座り なさい 。 ちょうど 君 が くれた 手紙 を 読んだ ところ じゃ 」

「あぁ 」と 言って リドル は 座った 。 両手 を 固く 握り合わせて いる 。

「リドル 君 」ディペット 先生 が やさしく 言った 。

「夏休み の 間 、学校 に 置いて あげる こと は できない んじゃ よ 。 休暇 に は 、家 に 帰りたい じゃろう ?」「いいえ 」リドル が 即座に 答えた 。 「僕 は むしろ ホグワーツ に 残りたい んです 。 その ――あそこ に 帰る より ――」

「君 は 休暇 中 は マグル の 孤児院 で 過ごす と 聞いて おる が ?」

ディペット は 興味深 げに 尋ねた 。

「はい 、先生 」リドル は 尐 し 赤く なった 。

「君 は マグル 出身 かね ?」

「ハーフ です 。 父 は マグル で 、母 が 魔女 です 」

「 それ で ――ご両親 は ?」

「母 は 僕 が 生まれて 間もなく 亡くなりました 。 僕 に 名前 を 付ける と すぐに 。 孤児院 で そう 聞きました 。 父 の 名 を 取って トム 、 祖父 の 名 を 取って マールヴォロ です 」

ディペット 先生 は なんとも 痚 ましい と いう よう に 領 いた 。

「しかし じゃ 、トム 」先生 は ため息 を ついた 。

「特別の 措置を 取ろうと 思って おったが 、しかし 、今の この 状況では ......」

「先生 、襲撃 事件の ことでしょう か ?」リドルが たずねた 。

ハリーの 心臓が 躍り上がった 。 一言も 聞き漏らす まいと 、近くに 寄った 。

「その 通り じゃ 。 わかる じゃろう ?学期 が 終わった あと 、君 が この 城 に 残る の を 許す のは 、どんなに 愚かしい こと か 。 特に 、先日 の あの 悲しい 出来事 を 考える と ......。

かわいそうに 、女子 学生 が 一人 死んで しも うた ......。 孤児院 に 戻って いた 方 が ずっと 安全な んじゃ よ 。 実 を 言う と 、魔法 省 は 今や 、この 学校 を 閉鎖 する こと さえ 考えて おる 。 我々 は そ の 一連の 不愉快な 事件 の 怪 ――ア 一 ――源 を 突き止める こと が できん ......」

リドル は 目 を 大きく 見開いた 。 「先生 ――もし その 何者 かが 捕まったら ......もし 事件 が 起こらなくなったら ......」「どういう 意味 かね !」ディペット 先生 は 椅子 に 座り直し 、身 を 起こして 上ずった 声 で 言った 。 「リドル 、何か この 襲撃 事件 に ついて 知っている と でも 言う の かね ?」「いいえ 、先生 」リドル が 慌てて 答えた 。

ハリー には この 「いいえ 」が 、ハリー 自身 が ダンブルドア に 答えた 「いいえ 」と 同じ だ 、と すぐ わかった 。

失望 の 色 を 浮かべ ながら 、ディペット 先生 は また 椅子 に 座り込んだ 。

「トム 、もう 行って よろしい ......」リドル は スッと 椅子 から 立ち上がり 、重い 足取り で 部屋 を 出た 。 ハリー は あと を ついて 行った 。

動く 螺旋 階段 を 降り 、二人 は 廊下 の ガーゴイル 飾り の 脇 に 出た 。 暗く なり かけて いた 。 リドル が 立ち止まった ので ハリー も 止まって 、リドル を 見つめた 。

リドル が 何か 深刻な 考え事 を している のが ハリー にも よく わかった 。

リドル は 唇 を 噛み 、額 に 皺 を 寄せて いる 。

それから 突然 何事か 決心した かのように 、急いで 歩き出した 。

ハリー は 音 も なり 滑る ように リドル に ついて行った 。

玄関 ホール まで 誰 に も 会わ なかった が 、そこ で 、長い ふさふさした とび色 の 髪 と 髭 を 蓄えた 背 の 高い 魔法使い が 、大理石 の 階段 の 上 から リドル を 呼び止めた 。

「トム 、こんな 遅く に 歩き回って 、何 を している の か ね ?」

ハリー は その 魔法使い を じっと 見た 。 今 より 五十 歳 若い ダンブルドア に まちがい ない 。

「はい 、先生 、校長 先生 に 呼ばれました ので 」リドル が 言った 。 「それでは 、早く ベッド に 戻りなさい 」

ダンブルドア は 、ハリー が よく 知っている 、あの 心 の 中 まで 見通す ような まなざし で リドル を 見つめた 。

「このごろ は 廊下 を 歩き回ら ない 方が よい 。 例の 事件 以来 ......」

ダンブルドア は 大きく ため息 を つき 、 リドル に 「 お やすみ 」 と 言って 、 その 場 を 立ち去った 。 リドル は その 姿 が 見え なり なる まで 見て いた が 、 それ から 急いで 石段 を 下り 、 まっすぐ 地下 牢 に 向かった 。 ハリー も 必死に 追跡した 。

しかし 残念なことに 、リドル は 隠れた 通路 や 、秘密の トンネル に 行った ので は なく 、スネイプ が 魔法薬学 の 授業 で 使う 地下 牢教室 に 入った 。

松明 は 点いて いなかった し 、リドル が 教室 の ドア を ほとんど 完全に 閉めて しまった ので 、ハリー に は リドル の 姿 が やっと 見える だけ だった 。 リドル は ドア の 陰 に 立って 身じろぎも せず 、外 の 通路 に 目を 凝らして いる 。

尐 なくとも 一時間 は そう して いた ような 気がする 。

ハリー の 目に は 、ドア の 隙間 から 目を凝らし 、銅 僕 の ように じっと 何かを 待っている リドル の 姿が 見える だけ だった 。 期待も 萎え 、緊張も 緩みかけ 「現在」に戻りたいと思いはじめたちょうどそのとき、ドアのむこうで何かが動く気配がした。 誰かが 忍び足で 通路を 歩いて きた 。

いったい 誰 な の か 、リドル と 自分 が 隠れている 地下 牢教室 の 前 を 通り過ぎる 音 が した 。

リドル は まるで 影 の ように 静かに 、 す るり と ドア から にじり 出て あと を つけた 。

ハリー も 誰 に も 聞こえる はず が ない こと を 忘れて 、抜き足 差し足 で リドル の あと に 続いた 。

五 分 も たったろう か 。

二人は その 足音に ついて 歩いたが 、リドルが 急に 止まって 、何か 別の 物音の する 方角に 顔を 向けた 。

ドアが ギーッと 開き 、誰かが しゃがれ 声で ささやいて いるのが 、ハリーの 耳に 聞こえてきた 。

「おいで ......おまえさんを こっから 出さなきゃ なんねえ ......さあ 、こっちへ ......この 箱の 中に ......」

なんとなく 聞き覚えが ある 声だった 。

リドル が 物陰 から 突然 飛び出した 。 ハリー も あと に ついて 出た 。

ど で かい 尐年 の 暗い 影 の ような 輪郭 が 見えた 。

大きな 箱 を 傍ら に 置き 、開け 放した ドア の 前 に しゃがみ込んでいる 。

「こんばんは 、ルビウス 」リドル が 鋭く 言った 。

尐年 は ドア を バタンと 閉めて 立ち上がった 。

「トム 。 こんな ところ で おまえ 、なん してる ?」

リドル が 一歩 近寄った 。 「観念 する んだ 」リドル が 言った 。

「ルビウス 、僕 は 君 を 突き出す つもりだ 。 襲撃 事件 が やま なければ 、ホグワーツ 校 が 閉鎖 される 話 まで 出て いるんだ 」

「なんが 言いて え のか ―― 」

「君が 誰かを 殺そう とした とは 思わない 。 だけど 怪物 は 、ペット として ふさわしく ない 。 君は 運動 させよう と して 、ちょっと 放した んだろう が 、それが ――」

「こいつ は 誰 も 殺して ねぇ !」

で かい 尐年 は 今 、閉めた ばかりの ドア の 方 へ あとずさり した 。

その 尐年 の 背後 から 、ガサゴソ 、カチカチ と 奇妙な 音 が した 。

「さあ 、ルビウス 」リドル は もう 一歩 詰め寄った 。

「死んだ 女子学生 の ご両親 が 、明日 学校に 来る 。 娘 さん を 殺した やつ を 、 確実に 始末 する こと 。 学校 と して 、 尐 なく と も それ だけ は できる 」

「 こいつ が やった ん じゃ ねぇ !」 尐年 が 喚 く 声 が 暗い 通路 に こだま した 。

「こいつ に できる はず ねぇ !絶対 やっちゃ いねぇ !」

「どいて くれ 」リドル は 杖 を 取り出した 。

リドル の 呪文 は 突然 燃える ような 光 で 廊下 を 照らした 。

どでかい 尐年 の 背後 の ドア が ものすごい 勢い で 開き 、尐年 は 反対側 の 壁 まで 吹っ飛ばされた 。 中から 出てきた 物を 見た 途端 、ハリーは 思わず 鋭い 悲鳴を もらした ――自分に しか 聞こえない 長い 悲鳴を ――。

毛むくじゃらの 巨大な 胴体が 、低い 位置に 吊り下げられている 。 絡み合った 黒い 脚 、ギラギラ 光る たくさんの 眼 、剃刀の ように 鋭い 鋏 。

リドルが もう 一度 杖を 振り上げたが 、遅かった 。 その 生物 は リドル を 突き 転がし 、ガサゴソ と 大急ぎで 廊下 を 逃げて 行き 、姿 を 消した 。 リドル は 素早く 起き上がり 、後ろ姿 を 目 で 追い 、杖 を 振り上げた 。

「 やめろ お お おお お おお !」 ど で かい 尐年 が リドル に 飛びかかり 、 杖 を 引った くり 、 リドル を また 投げ飛ばした 。 場面 が グルグル 旋回し 、真っ暗闇 に なった 。 ハリー は 自分 が 落ちて 行く の を 感じた 、そして 、ドサリ と 着地した 。

ハリー は 、グリフィンドール の 寝室 の 天蓋付き ベッド の 上 に 大の字 に なっていた 。

リドルの 日記 は 腹 の 上 に 開いた まま 乗って いた 。

息 を 弾ま せて いる 最中 に 、寝室 の 戸 が 開いて ロン が 入って きた 。

「ここ に いた の か 」と ロン 。

ハリー は 起き上がった 。 汗 びっしょり で ブルブル 震えて いた 。

「どうした の !」と ロン が 心配 そうに 聞いた 。

「ロン 、ハグリッド だった んだ 。 五十 年 前 に 『秘密の 部屋 』の 扉 を 開けた のは 、ハグリッド だった んだ !」

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