Gosick Episode 3
♪ ~
~ ♪
( 銃声 )
( 一弥 ( かず や ) ) う っ …
あ … はっ !
あ あっ !
モ … モーリス さん が …
はっ … ジュ リィ さん !
( ジュリィ ) 私 も 見つけ た の よ
壁 の ランプ に 隠し て あった こいつ を
( ネッド ) 君 の 銃 も 投げる ん だ
( ジュリィ ) な っ …
( ネッド ) ただ で さえ お互い 疑心 暗鬼 に なって る
それとも 武器 を 持って い たい 理由 が ある の かい ?
チッ
フンッ
( ジュリィ ) あっ … ( 一弥 ) す … すいません
( ジュリィ ) ん … ありがとう
さあ 行く わ よ
あっ はい
あ …
( ヴィクトリカ ) 久 城 ( くじょう )
君 帝国 軍人 の 三男 だ と 叫 ん で い た が ―
か の 国 で は 三男 は いる 意 味 が ある の か ?
言って おく けど ―
三男 だ けど 僕 が 一 番 成績 優秀 な ん だ から ね
か の 国 で は 優秀 な 三男 は 長男 に 昇格 する の か ?
し ・ ま ・ せ ・ ん !
そう 単なる 意地 だ よ
兄貴 たち ばかり が 優遇 さ れる もん だ から ―
対抗 しよ う と 思って 猛 勉強 し た ん だ
意地 … か
久 城 君 は 善人 な だけ で なく 素直 だ な
あ …
( ネッド ) う わ あっ ! ( 一弥 ) あっ !
( ジュリィ ) ネッド ! ?
( 一同 ) ハァ ハァ ハァ …
( ジュリィ ) あっ …
( 一弥 ) ネッド さん !
( ジュリィ ) う っ … あ …
う っ …
ダメ だ 脈 が ない
同じ … だ わ
( ヴィクトリカ ) こっち に 来 た まえ 久 城
( 一弥 ) え ? ちょっと 待って
ネッド さん の 死因 を 調べ ない と
いい から 来い 久 城
ヴィクトリカ こんな 時 まで
わがまま も いいかげん に … あっ
( ヴィクトリカ ) 怖い ん だ …
お 願い だ そば に 来 て
頼む 久 城
あ …
( 一弥 ) やっぱり …
ヴィクトリカ は ずっと おびえ て …
( 一弥 ) いっ ぐ っ !
このまま で は 殺さ れる ぞ
( 一弥 ) えっ ! ?
( ジュリィ ) どう し た の ?
説明 は 後 だ
走れ !
え えっ ! ? あっ !
あっ はっ …
( 一同 ) ハァ ハァ ハァ ハァ …
( ヴィクトリカ ) 手近 な 部屋 に 隠れろ
そして 武器 を 探す の だ
( 一同 ) ハァ ハァ …
ん ?
う っ …
( ヴィクトリカ ) 来る ぞ ( 一弥 ) あっ
ねっ ねえ ヴィクトリ …
( 物音 ) あっ …
( ネッド ) ヘヘッ
あっ
野 兎 ( の うさぎ ) は 狩ら なく て は いけ ない
俺 は ―
猟犬 だ から な !
う っ あっ !
( ネッド ) ふん っ
はっ !
う … う う …
ヴィクトリカ !
( ネッド ) な っ … ぐ っ
う あっ
( ヴィクトリカ ) あ あっ はっ … ( ジュリィ ) 逃げる わ よ !
待って くれ あれ を !
( ネッド ) う っ あっ ふ っ … ふん っ !
う あ あっ !
( ネッド ) ぐ あっ ! が っ あっ …
( ジュリィ ) うん ( ヴィクトリカ ) あ …
( 一弥 ) 行 こ う ! ( ヴィクトリカ ) は っ …
( 一同 ) ハァ ハァ ハァ …
( ジュリィ ) 無線 室 よ
はい これ
ありがとう
とても 大切 な もの な の ね
久 城
は いはい
ねえ ヴィクトリカ どう し て 分かった の ?
ネッド さん が 死 ん で ない って
そう よ あの 時 だって 脈 は 確か に 止まって た のに
あの 時 ?
う うん 何でも ない わ
テニス ボール だ よ
あの 男 は ずっと テニス ボール を 弄 ( もてあそ ) ん で い た
あれ で 強く 脇 を 締める と 一時的 に 脈 が 止まる の だ
ああ …
なるほど 最初 から 分かって い た から ―
彼 を 呼 ん だ の ね
“ 怖い から そば に い て ” って
( ヴィクトリカ ) むっ あれ は 本心 で は ない
ああ でも 言わ ない と この 帝国 軍人 の 三男 が ―
動 こ う と し なかった から だ
う う … その 呼び 方 ―
人 から さ れる と なんか 腹 立つ ん です けど
( ヴィクトリカ ) だ が 三男 だ ろ う
( 一弥 ) そう だ けど …
( ジュリィ ) キャーッ ! ( 一弥 ) あっ ?
( ジュリィ ) う っ あっ う う っ … ( ネッド ) フッ フフフ …
( ネッド ) ふん っ ! ( ジュリィ ) あっ う っ …
フッ …
( 一弥 ) ん っ
ヴィクトリカ 君 は この 中 へ
無線 で 助け を 呼 ん で ! ( ネッド ) ハハ …
( ヴィクトリカ ) だ が 久 城 君 は !
僕 が 君 を ここ へ 連れ て き た ん だ
( 一弥 ) 無事 に 帰す 責任 が … ( ヴィクトリカ ) 違う !
君 ここ に は 私 が 来 たかった の だ よ
私 が 招待 状 を 見つけ て 君 を だ ね …
僕 は 君 を 助け ない と ―
帝国 軍人 の 三男 と し て !
あっ …
う う … いや 違う
そう じゃ なく て ただ … ただ 僕 は ―
君 を 助け たい ん だ !
久 城 …
( ヴィクトリカ ) あ あっ ! ( 一弥 ) う う っ
( ドア を たたく 音 )
( ヴィクトリカ ) 久 城 頼む そば に い て !
( ヴィクトリカ ) 久 城 頼む そば に い て !
一緒に 帰 ろ う
1 人 じゃ イヤ だ よ 久 城 !
う っ …
ヘヘ …
う う っ う わ あっ !
( ネッド ) う あっ ! ( 一弥 ) ぐ っ ぐ う っ !
( ネッド ) ぐ っ ふん !
( 一弥 ) ぐ あっ ! う っ …
( ネッド ) ハァ … ハァ …
ふん ! ふん ! ふん !
ふん ! ふん !
( 一弥 ) あの 時 みたい だ …
倒れ た まま で 何 も でき なく って
でも あの 時 と 違う の は …
ここ で 倒れ たら 全て は 終わる
僕 の 命 だけ じゃ ない
ヴィクトリカ まで !
( 一弥 ) う っ !
ぬ っ … ぐ あっ
ええ いっ !
て いっ ! だ あっ !
( もみ合う 声 )
( 一弥 ) う わ あっ ぐ っ …
ヘヘッ …
くっ …
ヘヘ … ぐ あっ
あっ …
が っ あっ あ … ああ …
う っ う う っ ああ … う っ
ハハッ …
は ぁ …
大丈夫 ? 少年
はっ ヴィクトリカ !
フッ …
( ドア が 開く 音 ) は っ …
ヘヘッ
久 城 …
はっ
ん …
見 た ところ どうやら 無事 の よう だ ね 君
( 一弥 ) うん
何 を 見 て いる の ?
( ヴィクトリカ ) 美しい もの は 嫌い じゃ ない の だ よ
あ …
フフ …
あっ
( グレ ヴィール ) お嬢さん お手 を
( ジュリィ ) あなた は ?
名 警部 です
あっ
はっ …
( ジュリィ ) どう し て 分かった の ? ―
犯人 が 私 だって
( ヴィクトリカ ) あなた は ウソ を つい た
自己 紹介 の 際 資産 家 の 令嬢 だ と
( 一弥 ) なんで それ が ウソ だ って ?
( ヴィクトリカ ) この 人 の 癖 は こう だ
少し 歩く と ターン する 動き
な ?
“ な ? ” って 何 が ?
これ は 広い 屋敷 で 育った 人間 の 動き で は ない
( ジュリィ ) あっ … ( ヴィクトリカ ) 5 歩 歩く と ―
壁 に ぶつかる ほど 狭い 場所 に 居 続け た 人 間 が 持つ 癖 な の だ よ
( ジュリィ ) ん …
例えば 刑務所 の 独房 もしくは 病室 ―
屋敷 の 屋根 裏 部屋
( グレ ヴィール ) ん ? お っ ほん
今 の は 一般 論 だ 深い 意味 は ない
えっ どう いう こと ?
続けよ う もう 1 つ 大事 な こと が ある
モーリス を 撃った 武器
あなた は あれ を 最初 から 持って い た
えっ ! ?
( ヴィクトリカ ) 久 城 君 ラウンジ で これ が ―
君 の 頭 に 当たった の を 覚え て いる か ?
( 一弥 ) うん 相当 痛かった から ね
( ヴィクトリカ ) しか し ―
私 が この バッグ を 拾った 時 に は ―
まるで 羽根 の よう に 軽かった
( 一弥 ) ああ … ( ジュリィ ) う っ
は ぁ …
私 たち は 皆 孤児 だった わ
10 年 前 鉄 格子 の はめ られ た 黒い 馬車 に 乗 せ られ て …
意識 を 失い あの 呪わ れ た 船 で 目覚め た
国籍 が 違った から 会話 すら おぼつかなかった けど ―
同じ 境遇 だ から こそ 通じ合 える もの も あった
なのに …
( 雷鳴 )
( イタリア 人 の 少年 ) おい 誰 が 殺し た ん だ ?
( ドイツ 人 の 少年 ) 誰 が って …
( フランス 人 の 少女 ) この 船 に は 私 たち しか い ない
この 中 に 犯 人 が いる の よ !
( 一同 ) えっ ! ?
( ジュリィ ) あいつ の 死 を きっかけ に ―
私 たち は お互い を 疑り 合い ―
そして ―
殺し 合った
( 機関 銃 の 音 )
( ジュリィ ) それ で …
( リィ ) あっ う っ … ( アレックス ) 血 が 出 てる
待って 今 …
( リィ ) う っ あっ …
( アレックス ) えっ ? 私 に くれる の ?
( リィ ) うん
だって それ 大切 な もの だって …
( リィ ) うん
( ジュリィ ) そんな 中 で も 小さな 友情 を 見つけ て
( アレックス ) ん …
( アレックス ) ん っ ( リィ ) あっ …
置 い て いか ない 一緒 に 行く
一緒に 逃げる ん だ !
( ジュリィ ) 折れ そう に なる 心 を 支え合って ―
やっと たどりつ い た 場所 は …
( イタリア 人 の 少年 ) あった ぞ 無線 室 だ !
もう すぐ 助かる から ね
( 一同 ) あっ …
( モーリス ) よう こそ 勇敢 な 野 兎 たち よ
( 拍手 )
( 男性 ) 同盟 国 は どこ だ ?
( 男性 ) 国籍 を 言え ! どの 兎 が 生き残った ?
( ヒューイ ) フランス と イタリア ―
アメリカ ( アレックス ) あっ …
( ヒューイ ) それ に ソヴュール だ よ
( アレックス ) あんた は !
ああ 彼 は イギリス そして 猟犬 だ
彼 は 十分 に 活躍 し て くれ た よ
野 兎 を 混乱 さ せ 追い込む 役目 を ね
ヘヘッ
( ロクサーヌ ) 1 人 の 青年 が もう すぐ 死ぬ
それ が 全て の 始まり
世界 は 石 と なって 転がり 始める
( アレックス ) はっ
( 男性 ) ロクサーヌ 様
( ロクサーヌ ) これ にて “ 野 兎 走り ” を 終える
直ちに 箱 を 沈め お告げ どおり に 行動 せよ !
そして 野 兎 たち は 太ら せ よ !
( グレ ヴィール ) “ 野 兎 走り ” だ と ?
( ヴィクトリカ ) 恐らく 大規模 な 占い だった と 推測 さ れる が
( ジュリィ ) 占い ?
ロクサーヌ は 占い の 道具 と し て 野 兎 を 飼って い た
猟犬 を 中 に 放ち ―
どの 野 兎 が 生き残る か で 未来 を 予知 する ため に
その 野 兎 が 私 たち だった ?
うむ 材料 と なる 混沌 ( カオス ) の 欠 片 ( かけら ) が いく つ か ある
世界 中 から 集め られ た 11 の 国籍 の 孤児 たち
ロクサーヌ の 意味 深 な 言葉
そして ―
この 事件 は 10 年 前 の 春 に 起こった と いう こと
( 一弥 ) あっ 10 年 前 と いえ ば ―
サラエボ 事件 が あって 世界 大戦 が 起こって …
あっ 関係ない よ ね
いい や それ が 答え な の だ よ
( 一弥 ) えっ ?
( ヴィクトリカ ) 1914 年 6 月 末
オーストリア 皇太子 が サラエボ で 暗殺 さ れる 事件 が あった
それ を 引き金 と し て 戦争 が 起き た 時 ―
政府 関係 者 は 占い 師 を 使い 世界 の 未来 を 読 も う と し た
大規模 な 舞台 Queen Berry 号 と いう 箱 を 用意 し ―
それぞれ の 国 を 担った 野 兎 を 放って
( ジュリィ ) そんな !
( ヴィクトリカ ) おい 中途半端 な 秀才 の 久 城
戦争 の 結果 を 言って み た まえ
( 一弥 ) あの ねえ … もう
世界 大戦 は 連合 国 の 勝利 に 終わった よ
その 国名 は ?
えー と フランス と イタリア イギリス アメリカ
あと は ソヴュール … え ! ?
( 2 人 ) あ …
占い は 当たった の だ よ
あいつ ら は 私 たち の 動き を 基 に その 後 の 政治 を 動かし た の ね
は ぁ …
私 は ショック から 回復 でき ず に ―
長い 間 サナトリウム に い た わ
狭い 部屋 …
あなた の 言う とおり 5 歩 しか 歩 け ない よう な
私 たち は 皆 ばく大 な お 金 を 渡さ れ て い た
“ 太ら せろ ” の 言葉 どおり ね
退院 し た 私 は その お 金 で NQueen Berry 号 …
あの 箱 を 造った の
ねえ 小さな 探偵 さん
いつ から 私 が 犯人 だって 気づ い た の ?
( ヴィクトリカ ) 最初 に 疑った の は ―
あの ラウンジ で 目覚め た 時
( ジュリィ ) え ?
( ヴィクトリカ ) あなた は ドア に 鍵 が かかって いる と 騒 い だ が ―
あれ は ウソ だった
客 を 部屋 に 足止め し 脅し の 文句 を 見せ ―
これ が 何 の 儀式 な の か を 教える ため の
なるほど ね
あなた が 少年 の 手 を しっかり 握って た 理由 が 分かった わ
( ヴィクトリカ ) ん ?
犯人 と は 知ら ず に 私 と 仲良く しゃべって い た から
そう でしょ う ?
( ヴィクトリカ ) ふん ( 一弥 ) ヴィクトリカ
もう いい だ ろ う 時間 だ
( ドア が 閉まる 音 )
( グレ ヴィール ) ん ? あれ は ?
( 警官 ) はい ロクサーヌ 殺し の メイド が 捕まった よう です
( ジュリィ ) あ …
リ … リィ ?
そう リィ も やった の ね
10 年 後 に 復讐 ( ふく しゅう ) を
( ジュリィ ) リィ ! ( リィ ) はっ あ …
( リィ ) あっ ( 警官 ) ああ
あっ ! ああ …
ん …
( 一弥 ) ヴィクトリ カー !
( ヴィクトリカ の あくび )
何 だ ね 騒々しい
( 一弥 ) ハァ ハァ ハァ ハァ …
これ 見 て よ ヴィクトリカ !
“ またまた お 手柄 ブロワ 警部 ”
“ Queen Berry 号 事件 見事 解決 ”
君 の 通報 で 犯人 が 捕まった のに ―
その 後 の 推理 も 君 が 警察 で 説明 し た こと そのまま だ よ !
( あくび )
兄 は 俗 物 だ から な
そう だ よ 大体 あの 警部 は …
ん ? ちょっと 待った
ヴィクトリカ 今 何て 言った ?
“ 兄 は 俗 物 だ ” と 言った が
( 一弥 ) ああ そう … って え えー っ ! ?
まあ 兄妹 と いって も ―
腹違い で は ある が ね
あっ …
彼 は ブロワ 侯爵 家 の 嫡男 様 だ
そして め かけ だった 私 の 母 は 政府 に にらま れ た 危険 人物
私 は ブロワ 家 の 屋敷 の 奥深く に 隔離 さ れ て 育った
そして この 学園 に 入れ られ て から も ―
ブロワ 侯爵 様 の 外出 許可 なし に は ―
ここ から 出 られ ない よう に なって いる の だ
私 は 捕らわれ の 姫 な の だ よ
どう だ 似合わ ない だ ろ う ?
あ …
( あくび )
そう いう わけ で 姫 は 退屈 し て いる
うん … ん ?
君 ちょっと 下界 に 下り て 不思議 な 事件 を 探し て こい
( 一弥 ) そんな 突然 言わ れ て も !
あ あー っ つまら ん ! 退屈 すぎ て 死ぬ かも しれ ない !
久 城 君 ただ で さえ 少ない 友達 が 1 人 減って しまう ぞ
あっ …
( 一弥 ) 友達 …
フッ ねえ ヴィクトリカ
あっ う っ … わ あっ
ちょ っ ちょっと ヴィクトリカ
死 ん だ の ? 退屈 で 死 ん だ の ? ちょっと …
ん ?
( 寝息 )
ね … 寝 てる ?
は ぁ …
( 一弥 ) 捕らわれ の ヴィクトリカ
不思議 な 不思議 な ヴィクトリカ
まだ 分から ない こと ばかり だ けど これ だけ は 分かる
ヴィクトリカ は ―
ヴィクトリカ は 僕 の 友達
ねえ ヴィクトリカ
いつか また 2 人 で 外 に 出かけよ う
そして また 海 に きらめく 光 を 見よ う
約束 だ ぞ
えっ え えー っ ! ?
( ヴィクトリカ ) ふう …
♪ ~
~ ♪
( 一弥 ) 転入 生 の アブリル って いい 子 な ん だ よ
す っ ごく 大人っぽく て
( ヴィクトリカ ) 久 城
発 情 する なら よそ で やって くれ ない か
( 一弥 ) は … 発 情 ! ?