Shiki Episode 1
お ー い ! 清水 恵 ちゃ ー ん ! 恵 ちゃ ー ん !
お ー い ! お ー い !
恵 ちゃ ー ん ! 恵 ちゃ ー ん !
どこ だ ー ! い たら 返事 し て くれ ー !
( 野犬 の うなり 声 )
お ー い ! 恵 ちゃ ー ん !
( 武雄 ) お ー い ! ! 恵 ! !
( 武藤 ) 恵 ちゃ ー ん ! 返事 し て くれ ー !
愛し ‥ 愛し 合う の さ もっと
激しい 渇き に 狂い そう
目 を 閉じ て 罪深き くちづけ
お前 の 匂い 狂わせる
真 夜中 に 目覚め て 狂気 愛 飲み干す
おい で この 腕 の 中 " あっ ち の 闇 は 苦い ぞ "
君 は 惑い 揺らめく
やがて 永遠 に なる " こっち の 闇 は 甘い ぞ "
僕 は 深く 突き刺す
おい で この 腕 の 中 " あっ ち の 闇 は 苦い よ "
君 は 惑い 揺らめく
( セミ しぐれ )
( 弥栄子 ) おや 恵 ちゃん 。 また おしゃれ さん し て →
お 出掛け かい ? ( 恵 ) う っ … 。
( 笈 太郎 ) ハハ … 。 この 辺 に そんな 気張って 行く と こ ない だ ろ う に 。
う ぅ … 。
( 村人 ) 近ごろ 乳 の 出 が いまいち で なぁ 。
もう … 。
( 村人 ) 違う 草 食わし て 気分 を 変え て み たら どう だ ぁ ?
( 村人 ) 草 ねぇ … 。
( 武子 ) そう いえ ば 聞い た かい ? 恵 ちゃん 。 →
村 の あちこち の お 地蔵 さま が 壊さ れ た って 。
( 笈 太郎 ) とんで も ねえ な 。 →
どうせ そこら の 悪 たれ が … 。 ( 恵 ) わたし 急ぐ から っ !
何 よ 何 よ 何 が お 地蔵 さま よ ! こんな の ただ の 石ころ じゃ ない ! !
ん ー っ え いっ !
う っ !
こんな 村 だ ー いっ 嫌い よ ! !
( 恵 ) 《 おしゃれ に 飲め る カフェ ひと つ ない ! 》 →
《 出 て って やる ! 卒業 し たら 絶対 都会 の 大学 に 行く ん だ から 》
《 そして 芸能 界 に スカウト さ れ たり 夜 は クラブ で ハング アウト な の 》
《 わたし に とって この 村 で 大事 な こと なんて たった の 2 つ 》
《 1 つ は 古い お 屋敷 が 壊さ れ て 突然 建て られ た 大きな 洋館 》
《 すてき 。 どんな 人 が 引っ越し て くる の か な 》
《 もう 1 つ は … 》
( 恵 ) 《 都会 から 引っ越し て き た 結城 君 》
( 梓 ) 夏野 君 ! お茶 入れ た わ よ 。 一息 入れ たら ?
( 夏野 ) ああ 。
《 カッコイイ なぁ ! 》
《 結城 君 と あの 洋館 で 暮らせ たら 最高 な ん だ けど なぁ 》
ゲホ っ !
くっ … 。 ん ん ん … ! あー もう ! !
( カメラ の シャッター 音 )
( 高見 ) あなた が 第 1 発見 者 で し た か 若 御 院 。
( 静 信 ) はい 。 けさ 上 外 場 で こちら の 家 の 親族 に →
ご 不幸 が あり まし て 。 ( 高見 ) ああ 聞い て ます 。
え ー と 後藤 田 秀司 さん 。 確か 夏 風邪 を こじら せ た と か 。
( 静 信 ) はい 。 それ で 枕 経 の 後 →
山 入 の こちら に も 電話 し た の です が →
つながら ない ので … 。 ( 高見 ) 直接 い らし た と 。
( 静 信 ) はい 。 そして 三重子 さん と 秀正 さん が →
亡くなって いる の を 見つけ て 慌て て →
隣 の 大川 さん に 電話 を 借り に 行ったら →
大川 さん も … 。
( 高見 ) なるほど 。 →
ほか に 人影 を 見 た と か そういう こと は ?
( 静 信 ) あり ませ ん 。 ( 高見 ) 分かり まし た 。 ご 協力 … 。
( 静 信 ) あの 死因 は ?
( 高見 ) 検視 に よる と 三重子 さん は 自然 死 で し た 。 →
ほか の お ニ 人 は バラバラ な 上 に 腐敗 も 激しく て →
詳しく は まだ です が 刃物 で 切断 さ れ た 形跡 も なく →
欠損 も ある こと から 野犬 の 仕業 で は ない か と … 。
( 静 信 ) 野犬 ? ( 高見 ) ええ 。
最近 この 辺り で は 多い ん です よ 。 →
では ご 協力 ありがとう ござい まし た 。
( 警察 官 ) 山 入 地区 の 居住 者 は この 世帯 だけ です よ ね 。
( 高見 ) はい 。 この 地区 は 無人 に なって しまい まし た 。
( 敏夫 ) 検視 に 立ち会って き た 。 まだ 鼻 が 利か ん 。
( 静 信 ) 自然 死 か … 。 何 か 事件 か と 思った よ 。
( 敏夫 ) この 暑 さ だ 老人 に は こたえる 。
だが どう 見 て も じいさん 2 人 より →
ばあさん は 後 に 死 ん でる 。
( 静 信 ) えっ … 。
面白い だ ろ う ? つまり 三重子 ばあさん は →
ここ 何 日 か 死体 と 暮らし て た こと に なる ん だ 。
くっ … 。
ハァ ハァ ハァ … !
( かおり ) おはよう ! 恵 ちゃん 。
( 恵 ) は っ ! ! 何 ! ?
( かおり ) えっ ? ( 恵 ) 何 な の ! ?
学校 行く ん でしょ ?
( 恵 ) 《 せっかく の 夏 休み に 補習 って だけ で 最低 な の に →
何で こいつ が 来 ん の よ ! ? 》
いい ん だ よ 気 に し なく て 。 わたし も 朝 練 ある ん だ 。
それ より 聞い た ? 寺 の 若 御 院 が 山 入 で →
3 人 も 死 ん でる の 見つけ た って 。
あー やめ て 。 どう だって いい わ 。 老人 ばっかり な ん だ から →
死人 が 多く て 当たり 前 よ 。 ( かおり ) でも … 。
( 昭 ) ハァ ハァ … 。 かおり ! 恵 ! 見ろ よ すげ ぇ ぜ !
山 入 の こと 新聞 に 載って る よ ! →
ほら !
( 恵 ) う う う う … 。 あー もう いや あぁ ー っ ! !
( かおり ) どう し た の ! ? 恵 ちゃん ! ( 恵 ) 何でもない わ よ ! !
溝辺 町 外 場 の 山中 だって 。
( 恵 ) もう もう もう ! ! 分かって ない 分かって ない !
はっ … 。
結城 君 … 。
おはよう 結城 君 。 →
また 南 の 方 見 てる の ね 。 都会 の 方 を 。
《 また 来 た か 》
また 無視 さ れ ちゃ った … 。 しょうがない よ ね 。
結城 君 わたし の こと 嫌い だ もん ね 。
バス 来 ない ね 。
こんな 村 早く 出 て いき たい 。
《 やった ! ! 結城 君 初めて こっち 向 い た ! ! 》
( クラクション )
( 加奈 美 ) ちょ っ … 。 何 な の ! ? →
母さん わたし 出る から 。 もう !
ちょっと ライト 消し なさい ! クラクション も やめ て !
( 加奈 美 ) いったい 何 時 だ と 思って る の ! ?
( 加奈 美 ) 引っ越し ?
( 辰巳 ) やっ 。 どうも すみません 。 道 に 迷って しまって … 。 →
何度 も この 辺り を 走り回って いる ん です が →
すっかり 進退 窮まって しまった もの で 。
どちら へ いらっしゃる の ?
恐れ入り ます ! 外 場 と いう 集落 な の です が 。
外 場 。 ( 辰巳 ) はい 。
ここ よ 。 ( 辰巳 ) は っ ?
そこ の 信号 に 書 い て ある けど 。 ( 辰巳 ) は あ ! ?
( 加奈 美 ) まっ 分かり にくい わ よ ね 。
( 辰巳 ) すみ ませ ー ん ! !
( 加奈 美 ) その 信号 を 曲がった 所 が 村 の 入り口 。 →
あなた も しか して 兼 正 の 人 ? ( 辰巳 ) 兼 正 ?
( 加奈 美 ) あぁ 村 の 地名 みたい な もの 。
高台 の 洋館 に 越し て き た ん じゃ ない の ?
( 辰巳 ) ああ そう です ! やっ ! 桐 敷 と 申し ます ! →
転居 早々 とんだ ご 迷惑 を お 掛け し まし た !
( 妙 ) やれやれ 。 やっぱり →
変わった 人 たち が 越し て き た よう だ ね 。
そう み たい ね 。
( 笈 太郎 ) なあ 兼 正 が 越し て き た って 話 聞い た かい ?
( 弥栄子 ) ああ 。 夜 の 夜中 の 2 時 に →
「 ちぐさ 」 で 道 を 聞い た って 話 だ ろ う ?
何でも 若い 男 だった って な 。
( 武子 ) トラック と 高級 車 と もう 1 台 だって よ 。
( 村人 ) あー ? トラクター か ぁ ?
は ぁ ~ 。
( 主人 ) 《 おや ? 》 ( 奥さま ) 《 あら ! 》 →
《 こんな ださ い 村 に 何て かわいらしい お嬢さん 》
《 えっ … 》
( 奥さま ) 《 うち で お茶 でも いかが ? 》
( 恵 ) 《 えっ でも … 》 ( 主人 ) 《 そうだ 。 そう し なさい 》
( 奥さま ) 《 どう ? お嬢さん 。 うち の 娘 に なら ない ? 》
( 主人 ) 《 ハハハハ ! 無 茶 を 言っちゃ いか ん 》 →
《 だけど これ から も 自分 の 家 だ と 思って 遊び に 来 て くれ た まえ 》
《 は … はい 》
うーん !
駄目 駄目 駄目 ! ( かおり ) 恵 ちゃ ー ん !
散歩 ? →
あっ 。 やっと 越し て き た ん だって ね 。 →
娘 さん が いる らしい よ 。 う わ っ 。
( 恵 ) 娘 さん いる の ?
うん 。 わたし たち より 少し 下 の 娘 さん と →
だんな さん と 奥さん の 3 人 家族 だって 。
ふ ぅ ~ ん 。 それ で ? どういう 人 たち な の ?
いや … 。
近所 の おばさん たち の 立ち話 を 小 耳 に 挟 ん だ だけ だ から 。 →
別に 興味 ない し 通り過ぎ … 。 ( 恵 ) 興味 ない の ?
えっ ? 恵 ちゃん 興味 ある の ? ( 恵 ) 当たり 前 でしょ !
( かおり ) 変 な 人 たち な のに 。 ( 恵 ) 変 ! ? どこ が よ ! !
だって 夜中 に 引っ越し て き た し 変 な 家 だ し … 。
( 恵 ) だ から どこ が 変 な の よ ! ?
( かおり ) どう 見 た って 外 場 に 似合わ ない よ 。 →
何だか 暗 そう だ し 住 ん だ ら 気 が 重く なり そう 。
め … めぐ … 。
( かおり ) えっ ? どう し た の ?
( 恵 ) 《 くだらない ! くだらない ! 》 →
《 くっ だ ら ない ! 》 →
《 やぼったい 住人 。 やぼったい 村 》 →
《 それ を 少しも 恥ずかしい と 思って い ない ! 》 →
《 あの 家 が 変 な ん じゃ ない 。 あんた たち が 変 な の よ ! ! 》 →
《 Tシャツ に 突っ掛け で 散歩 に 出る の は いい のに →
わたし が 着替え て ちょっと お 使い に 行く と 笑わ れる 》
( 恵 ) こんな 村 大 っ 嫌い ! →
大 っ 嫌い ! →
だ ー いっ 嫌い ! ! 嫌い ! ! 嫌い ! !
《 見 てる 》
《 わたし を 見 てる 》
《 見 てる わ 》
《 大丈夫 。 ほか の 住人 と は 違う ん だ から 》
《 モデル 歩き だって 練習 し てる ん だ から 》
ひ っ !
痛 たた た た 。
あ ~ !
待て !
ウエイト !
( ため息 )
( 佐知子 ) かおり 。 あんた 今日 恵 ちゃん に 会った ?
( かおり ) うん ? ラブ の 散歩 の とき 会った よ 。
( 佐知子 ) 恵 ちゃん の お 母さん から 電話 で →
恵 ちゃん まだ 帰って ない ん だ って 。
( 昭 ) 何 ? 恵 行方 不明 ?
( かおり ) バ … バカ ! ちょっと 遅く なって る だけ でしょ 。
( 昭 ) でも もう 9 時 だ ぜ !
お 母さん ! 恵 ちゃん 兼 正 の 坂 を 上って っ た よ 。
( 富雄 ) 何 だ と ー ! ! →
清水 ん と この 娘 が 山 の 方 へ 向かって 行方 不明 ! ?
おい 篤 ! 行く ぞ っ !
( 篤 ) 清水 っ つ っ たら 下 外 場 じゃ ねえ か 。 →
あっ ち の 消防 団 に 任せりゃ … 。 →
う っ ! ! ( 富雄 ) 山 狩り だ ! !
お ー い !
お ー い !
恵 ちゃ ー ん ! お ー い !
お ー い !
恵 ちゃ ー ん ! 恵 ちゃ ー ん !
( 富雄 ) お ー い ! 恵 ちゃ ー ん !
お ー い ! ( 武藤 ) 恵 ちゃ ー ん !
( 結城 ) お ー い ! お ー い !
( 武藤 ) 恵 ちゃ ー ん !
こりゃ 時間 が かかる ん じゃ ない の か ?
見つかれ ば いい が ね … 。 こりゃ 時間 が かかる ん じゃ ない の か ?
見つかれ ば いい が ね … 。
お ー い ! ! 恵 ! !
うん ?
( 篤 ) い た ぞ ー ! !
( 武雄 ) 食事 も 取ら ず に ずっと 横 に なった きり で →
ちょっと 心配 に なり まし て 。
( 敏夫 ) どう し た ? 恵 ちゃん 。 おなか すか ない の か ?
外傷 は ない 。 ま ぁ 虫 刺され ぐらい だ な 。
熱 は なし 。 脈 は やや 速く 血圧 は かなり 低い 。
貧血 だ な 。
念のため に 血液 検査 を する から 少し 血 を もらう よ 。
眠い の … 。 ( 敏夫 ) あぁ ? 眠い ?
とても … 。
( 康幸 ) 山 から 切り出し た モミ は →
だいたい 卒塔婆 やら 棺 の 材料 に なる ん です 。
昔 っ から の うち の 村 の 特産 品 って やつ です か ね 。 →
アッハハハハハ !
( 康幸 ) や あ かおり ちゃん 。 ラブ の 散歩 かい ?
( かおり ) うん 。 ( 康幸 ) こちら は ね 桐 敷 の 奥さん 。
千鶴 さん って いう ん だ って 。 ほら 兼 正 の 。
( ノック )
恵 ちゃん 。 具合 どう ?
そう だ 。 恵 ちゃん すごい の 。 びっくり !
夕方 あの 洋館 の 奥さま に 会っちゃ っ た 。
あか抜け て て 女優 さん みたい で … 。 ( 恵 ) 《 そう よ 》
わたし Tシャツ 姿 が ちょっと 恥ずかしかった よ 。
( 恵 ) その とおり よ 。 ( かおり ) えっ ?
( 恵 ) 知って る わ わたし の 方 が … 。
奇麗 な 人 よ とても 。
ああ 。 尾崎 だ 。
な … !
恵 ちゃん が … ?
《 清水 が 死 ん だ 》
《 もう この 障子 を 閉める 必要 も なくなった わけ だ 》
大きな 夢 目指し 歩 い て い た
迷い 迷って 終わり の ない 旅
あの 時 は 雪 混じり の 雨 で
涙 か どう か わから なかった
さよなら もう 二 度 と 会え ない
私 が 、 選 ん だ 未来 へ また 一 歩 踏み出す よ
大きな 壁 を 超え て
好き だった のに どうして ?
「 最期 だ 」 なんて 言った の ?
今 で は ちゃんと わかる
だから ねぇ " walk " 強く . . .
生徒 氏 は 表裏 一体 の もの だ
に も 関わら ず
僕 は 恵 ちゃん の 死 を 痛ましく 思った
彼女 が 思い描 い て い た 未来 と
実際 に 訪れ て い た で あ ろ う
喜び 悲しみ
それ を 何者 か に よって
不当 に 剥奪 さ れ た の だ と いう に しよ う かな
逃れる こと が でき なかった