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イタズラなKiss2〜Love in TOKYO, イタズラなKiss2〜Love in TOKYO#11

イタズラ な Kiss 2〜 Love in TOKYO #11

( 学生 ) こないだ の さ テスト どう だった ?

( 入江 裕樹 ( いりえ ゆうき )) 満点 だ よ

マジ か …

なんで 満点 取れ んだ よ … あれ で

あれ で って 言う な よ

難しかった じゃん

難しい よ

♪~

次 の テスト さあ 満点 取れる ?

取れる ん じゃない かなあ 勉強 すれば ね

( 裕樹 ) さっき から 何 ?

どう した んだ よ ?

野良猫 が ついてきて る みたいだ から …

野良 猫 ?

まあいっか

( 佐川 好美 ( さがわ このみ )) あの … 入江 君 !

あの … 私 …

あの …

何 ?

私 F 組 の 佐川 好美 です

F 組 の 佐川 …

何 ? 入江 知って る の この 子 ?

いや

入江 君 は 私 の こと 知ら ない と 思う けど

私 は 入江 君 の こと ずっと 前 から 知って て …

だから 何 ?

私 入江 君 と 友達 に なり たい の !

( 学生 ) うっ ひょ ~!

入江 すっげ ~ モテて ん じゃん

んな ん じゃね ~ よ

ダメ … です か ?

F 組 の バカ な 奴 なんて 友達 に なんか なり たくない

( 入江 琴子 ( ことこ )) えーっ !

告白 !?

ちょ … 琴子 さん !

あ … ごめん でも 好美 ちゃん 展開 早 すぎ !

まだ 一言 も 裕樹 君 と

しゃべった こと なかった ん でしょう ?

まあ 私 も そう だった から 人 の こと 言え ない けど …

でも この間 琴子 さん と 話したら ―

少し 勇気 が 出て きて

当たって 砕けろ の 精神 で 行った んです !

そっかあ … で 裕樹 君 は 何て ?

今度 の 期末 テスト で ―

100 番 以内 に 入ったら 考えて やる って

100 番 以内 !? うわあ 懐かしい ~ その 響き

でも もう いい んです !

私 もう 裕樹 君 の こと 諦めよう と 思って …

へ !?

自分 の 気持ち 裕樹 君 に 伝えた から

なんか スッキリ し ちゃった し

それ に 100 番 以内 なんて 絶対 無理 だ し …

何 言って ん の ! なんで 諦め ちゃう の

100 番 以内 に 入れば いい ん でしょ ?

上等 じゃない の !

琴子 さん そんな ムチャ な こと が できる わけ が …

だって 私 F 組 です よ !

私 だって F 組 だった けど ―

その昔 意地 で 100 番 取った こと あった んだ から !

( 好美 ) えー ? すごーい !

やって でき ない こと なんて ない わ

でも 今 から 必死 で 勉強 した ところ で ―

100 番 以内 なんて …

大丈夫 よ ! 私 が 手伝って あげる

こう なった の も 半分 私 の せい だ し …

テスト 勉強 私 が 見て あげる !

え ~! ホントです か ?

任せて !

私 なんだか やる気 が 出て きた !

100 番 以内 に 入って 裕樹 君 を 見返して やる ぞ ~

オー !!

♪~

( 玄関 の チャイム )

はい

あ … こ … こんにちは

何 だ お前 何 の 用 だ よ ?

あっ えーっと …

( 琴子 ) あー いらっしゃい ! 好美 ちゃん

琴子 さん

( 裕樹 ) え … 何 ? 知り合い ?

ちょっと ね

好美 ちゃん の 勉強 ―

今日 から 私 が 教える こと に なった の

は !? 琴子 が ?

好美 ちゃん は ―

大船 に 乗った つもり で いて くれたら いい から ね !

はい !

さあ ! 私 の 部屋 に 行き ましょ !

( 好美 ) お邪魔します

おいっ !

なんか ドキドキ し ちゃい ました ~

いい な ~ 琴子 さん は 裕樹 君 と 一緒に 住めて

そーお ?

好美 ちゃん も 将来 裕樹 君 と 住む ため の 第一歩 !

まずは 100 番 以内 に 入ら なきゃ ね !

よろしく お 願い し ます !

はい よろしく お 願い し ます さあ ! 頑張る ぞ !

さて と ! 何 から やり ます か ~

うん ちょっと 待って よ …

これ は ~

この 公式 … 入れる ん じゃない ?

あの ー 琴子 さん …

もう 1 時間 以上 経って ます けど …

まだ 1 問 も …

だっ 大丈夫 よ もう 少し で 解け そうだ から

あ … ほらっ お菓子 でも 食べて リフレッシュ しよう ! ねっ ?

( ドア が 開く 音 )

( 入江 直樹 ( なおき )) ただいま

( 琴子 ) お かえり なさい 入江 く~ん !

お邪魔 して ます

どうも

何 して ん の ?

この 子 斗南 中学 で 裕樹 君 と 同級生 の 好美 ちゃん

今 ね 期末 テスト の 勉強 私 が 教えて あげて る の

こいつ に 教えて もらって も 役 に 立つ か どう か わかんない よ

えっ ?

ちょっと 何 言って る の !

私 は 好美 ちゃん を 100 番 以内 に 入れる 義務 が ある んです から

100 番 以内 …

ああ …

なんか あった な そういう の

そう そう ! 思い出す でしょ ?

ここ が 4 に なる でしょ で 4 の 二乗 は ?

密室 で 二人っきり で 勉強 …

思えば あの 時 から ―

私 達 の 距離 縮まって いた の ね !

密室 で 二人きり …

ま … 時間 の 無駄 に なら ない ように

ちょっと 入江 君 勉強 の 邪魔 し ないで よね !

はいはい

( 琴子 ) さっ 始め ます か

( 好美 ) はいっ

何 して んだ

べーつに 通りかかった だけ だ よ

が 勉強 見て やれば ? その方 が 確実 だろ

ヤダ よ あんな バカ 女 に …

あいつ が 100 番 以内 に 入ったら 僕 が 困る んだ から

ふーん

深い 事情 が ある んだ な

浅い よっ !

( 好美 ) こ … 琴子 さん …

ああ …

ああ ごめん

私 …

どうも 数学 の 公式 見て る と ―

眠く なっ ちゃう んだ よ ねえ

( 好美 ) 琴子 さん !―

琴子 さん !

もう 寝 ないで !―

ああ … どーしよう

( ドア の 開閉 音 )

おいっ メシ が …―

ったく しょーがねー 奴 だ な

何 が 教える だ

私 そろそろ 帰り ます

どこ まで できた の ?

あっ えーっと 1 問 できて …

3 時間 で ?

はい

範囲 は ?

えっと あ …

ここ から …

ここ まで … です

これ 以上 時間 を 無駄に させる わけにもいかない し

何か 事情 が ある みたいだ から 俺 が 教える よ

で っ でも 私 バカ だ から イライラ し ちゃい ます よ ?

慣れ てる よ そういう 子 教える の

えっと … 答え は ―

2 xy カッコ 3 x マイナス 2 y …

カッコ 閉じる ?

正解

うわー すごーい ! 解けた !

すごーい …

( ドア が 開く 音 )

( 裕樹 ) おいっ !

ん …? え … 入江 君 に … 裕樹 君 ?

私 寝 ちゃって た !?

お前 お 兄ちゃん に 迷惑 かけ ん な よ !―

お 兄ちゃん 医師 国家 試験 近い んだ から ―

もしも の こと が あったら どーすん だ よ !

( 裕樹 ) 僕 が 教えて やる から

明日 から 期末 テスト まで の 1 週間 …

学校 が 終わって から 夜 9 時 まで だけ だ から な !

( 好美 ) うん !

( ドア が 閉まる 音 )

ん ? どう なって ん の ?

裕樹 君 が 好美 ちゃん に ?

琴子 さん の おかげ です !

なんだか … よく わからない けど …

やった ー !!

よしっ つかみ は OK よ !

あと は 恋 に ! テスト に ! 一石二鳥 大作戦 よ ~!

はいっ !

お前 だんだん お袋 に …

んっ ? 何 ?

いや

( 琴子 ) なんだか 久々 に 燃える !―

この 気持ち !

( 琴子 ) 裕樹 君 の スパルタ 家庭 教師 は 続き …

♪~

おいっ !

合って ん じゃん

えっ すごーい !

やった ー !

次 !

はい

マイナス 2 y イコール 0

y プラス 3 x マイナス 2 y プラス 3…

すいません

( 琴子 ) いよいよ 最終日

( 琴子 ) 好美 ちゃん 裕樹 くーん お茶 に し ません ?

はーい

どう ? 順調 ?

はい おかげ さま で

裕樹 君 厳しい でしょ ? 嫌 な こと 言わ れて ない ?

あ … いや …

バカ だ から しょうがねー だろ ?

( 琴子 ) まーた そんな こと 言って ~

好美 ちゃん 気 に し ないで ね

裕樹 君 あんなふうに 言って る けど

ほらあ 男の子 って ―

好きな 女の子 に わざと イジワル する もん だ から ~

えっ ? そう な んです か ?

誰 が こんな 奴 !

またまた ~

じゃーん ! これ でも ?

えっ 何 です か ?

いい から 開けて みて

この 写真 て …

お 義母 ( か あ ) さん が 撮った んだ けど ね いい 写真 でしょう ~?―

好美 ちゃん を 優しく 見つめる まなざし と か …

裕樹 君 も 意地張って ないで 好き なら 好き って 認め なさい よ !

ホント 二人 お似合ーい

そんな … これ もらって いい んです か ?

もちろん !

私 お守り に し ます ありがとう ございます !

( 裕樹 ) ふざけんな よ !

こんな バカな 奴 の 勉強 を 見させられた あげく ―

写真 まで 撮られる なんて …

僕 は …

僕 は … お前達 の オモチャ じゃない んだ !―

大迷惑 な んだ よ !

( 好美 ) ご … ごめんなさい …

ごめんなさい !

あ … こっ 好美 ちゃん !

♪~

( 好美 の すすり泣き )

ひゃっ !

痛った …

( 裕樹 ) 何 やって んだ よ

ゆっ … 裕樹 君 …

ひでえ 格好 だ な

どうして ?

約束 した だろ ?

期末テスト まで の 1 週間

毎日 夜 9 時 まで 勉強 見て やる って

まだ 7 時半

勝手に 約束 破 んな よ

ああ … そっか

ごめん

( 裕樹 ) それ と …

忘れ物

お 守り なん だろ ?

ありがとう !

離せ よ …

見て ! ほら …

わかった から …

( 好美 ) ほら ! これ も …

( 裕樹 ) 離せ よ ! 帰る ぞ !

ったく お前 も たいがい に しろ よ

( 琴子 ) だって お 義母 さん に 頼まれた んだ もーん

( シャッター 音 )

( シャッター 音 )

裕樹 も 俺 と 似た ような 道 を 進む かも しれ ない な

裕樹 も 俺 と 似た ような 道 を 進む かも しれ ない な

( シャッター 音 )

( シャッター 音 )

気の毒 に

え ? 誰 が 気の毒な の ?

( シャッター 音 )

( 琴子 ) い … 入江 君 受験票 持った ?

筆箱 ある よ ね ?

( 直樹 ) ああ

落ち着け よ 受験 する の は 俺 だ ぞ

そう だ けど さ …

ねえ やっぱり 私 も 試験 会場 まで つい てく

来る な

入江 君 ! 万が一 …

万が一 何 だ よ ?

万が一 その …

あ ?

ダメ だったら …

その 時 は 来年 私 と 一緒に 卒業 できる って いう ―

大 イベント が ある から 安心 して ! ね !

そんな 気 さらさら ない ね

じゃあ

入江 くーん ファイト ~!

( 琴子 ) いよいよ 入江 君 の 医師 国家 試験 ―

発表 当日

( 裕樹 ) おいっ 琴子 !

オリ の 中 の クマ みたいに ウロウロ す んな よ

( 琴子 ) あ ~ だって !

発表 の 2 時 まで あと 1 分 でしょ ?

じっと なんて して らんない よ

( 入江 紀子 ( のりこ )) 落ち着いて 琴子 ちゃん

リラーックス ! はい 吸って ~ 吐いて ~

( 裕樹 ) あっ 2 時 だ

( 琴子 ) どっ … どう だった !? 合格 ?

( 直樹 ) あ …

あっ !

俺 …

はっ ウソ !―

そ … そう 大丈夫 …

長い 人生 そんなに 急いで どーする んだ … よねっ

1 度 や 2 度 の 失敗 も …

んな わけねー だ ろ

えっ ! じゃあ …

お 兄ちゃん おめでとう !

おめでとう ~!

ありがとう

今日 は お 祝い ね ~

入江 く~ん ! おめでとう !

( 琴子 ) これ で 入江 君 も 本当の お 医者 様 に なる の ね !

おい 琴子 !

では 失礼 し ます

( 田辺 ( たなべ )) 入江 君 !―

悪い 話 ではない から よく 考え なさい

はい

( ドア が 閉まる 音 )

はぁ …

さて と …

どーする かな …

( 紀子 ) あっ ! そう だ わ

お 兄ちゃん の 卒業 式 お家 で パーティー 開き ましょう

いい です ね ~

たくさん 来て くれた 方 が いい から

琴子 ちゃん は 看護 学科 の みなさん ご 招待 して ね

あ ~ はい …

裕樹 は 好美 ちゃん を 呼んで ちょーだい

なんで あいつ を ?

だって 好美 ちゃん は 裕樹 の お 友達 でしょ ?

別に 友達 なんか じゃ …

( 琴子 ) 何 言って ん の ?

だって ほら 期末 テスト 入った んでしょ ? 100 番 以内 !

97 番

え ?

97 番 だ よ

まあ ~ すごい じゃない !

じゃあ 確定 ね !

まあ 僕 の 教え 方 が よかった んだ

そう ねえ …

でも 琴子 ちゃん の 時 に も 思った ん けど ―

F 組 の 子 が 100 番 以内 に 入る って ―

すごく 大変 だった と 思う の よ ~

ああ 恋 の 力 って すごい わ ね ~

だから ! 僕 の 教え 方 が …

( 琴子 ) 勉強 の つらさ より も ―

一緒に いる 時間 が 二人 の 愛 を 育てる と いう か …

裕樹 君 も 好美 ちゃん と

すっかり 仲良く なった みたいだ し ?

琴子 ! 勝手な こと 言う な よ

でも なんだか んだ 言って ―

あなた も 好美 ちゃん と お 友達 に なり たかった の ね ~

だから ~!

( 相原 重雄 ( あいはら しげお )) そういえば 直樹 君 の 卒業 式 って いつ だ っけ ?

3 月 20 日 です

ああ そう か … いよいよ 直樹 君 も お 医者 さん か

また 卒業生 代表 で 答辞 読む の

ねえ 入江 君 ?

入江 君 どうした の ?

えっ

あ … 何 ?

卒業 式 入江 君 が 答辞 読む んだ よ ね ?

ああ

やっぱり !

じゃ ビデオ 持って 行か なきゃ ね !

裕樹 の 卒業 式 も ある し ―

この際 思い切って 新しい の 買おう かしら ?

琴子

ん ?

それ から みんな に も 話 が ある んだ

あら なあに ? 改まって …

今日 教授 から 話 が あった んだ けど

俺 の 勤める 病院 ―

神戸 の 病院 に しよう と 思って る んだ

え … こ … 神戸 って …

だって 入江 君 斗南 大病院 に 行く ん じゃなかった の ?

最初 は その つもり だった けど ―

もっと 専門 分野 を 勉強 し たい んだ

そんな …

だから その 専門 の 病院 に …

だって ! だって …

神戸 って すごく すごく 遠い んだ よ !

往復 6 時間 以上 かかっ ちゃう んだ よ

どうやって …

通わない それ は 無理 だ よ

え … じゃあ …

この 家 を 出て 神戸 に 住む つもり だ

お 兄ちゃん ! 本気で 言って る の !?

ああ

そこ の 権威 ある 先生 から も 誘い を 受けて る んだ

そこ で 何年 か 勉強 して 帰る の は その後 …

入江 君 ! じゃあ …

私 神戸 の 学校 探さ なきゃ ! 間に合う かな …

お前 は 残れ

え …

俺 一人 で 行く から ―

お前 は こっち に 残って ちゃんと 勉強 しろ

やだ そんな の 入江 君 と 離れる なんて !

( 直樹 ) お前 は 1 年間 こっち で ちゃんと 勉強 して ―

卒業 して から 来れば いい

イヤ ! 1 年 も 入江 君 と 離れる なんて 絶対 イヤ !

だって 私 バカ だ から !

来年 もし 看護 師 に なれ なかったら 1 年 じゃ 済まされない よ !

( 紀子 ) 琴子 ちゃん

そしたら 入江 君 と 離れた まま に なっ ちゃう そんな の イヤ !

じゃあ 俺 は お前 が 看護 師 に なる の を 待って ―

それ から 神戸 に 行けば いい の か ?

お 兄ちゃん ! なんて こと を 言う の !?

琴子 ちゃん の 気持ち も 考え なさい あなた 達 は 夫婦 な の よ !

ああ

夫婦 は 離れ ちゃダメ よ !

自分 の こと ばっかり 考えて ないで …

わかって る よ

( 琴子 ) わかって ない ―

入江 君 は わかん ない よ ―

私 は … 入江 君 の 何倍も 何 十倍 も 好きだ から

私 の 気持ち …

離れる の が …

離れる の が どんだけ つらい か わかんない よ !

だって …

入江 君 は …

私 と 離れた って 全然 平気 だ もん ね ―

それ 決める 時 だって ―

私 の こと …

全然 頭 に 入って なかった でしょ !

私 だけ 寂しい なんて ずるい よ !

琴子 ちゃん …

あっ あ …

( ドア が 閉まる 音 )

( 琴子 ) どう しよう …―

どう しよう … どうしたらいい の ?―

私 入江 君 を 困らせてる ―

( 泣き声 )

こんなんじゃ 入江 君 の 妻 失格 だ ね ―

わかって る わかって る よ ―

でも … でも ね …―

入江 君 と 離れ たくない の

♪~

琴子

お前 また 夕飯 とら なかった の か ?

うん

でも もう 眠い から

琴子 …

( 琴子 ) おやすみ

おかえりなさい

あ … ただいま なんだ まだ 起きて た んだ

お 義父 ( とう ) さん ちょっと 話 いい です か ?

琴子 は どう ?

相変わらず ふてくされて ん の か ?

ええ

この 話 を する 前 から ―

こう なる こと は 覚悟 して いた んです けど

でも 実際 あんな 琴子 を 見て る と …

あいつ 直樹 君 に 惚れ まくって る から なあ

お 義父 さん

俺 やっぱり 琴子 を 神戸 に 連れて いこう と 思って …

え … 直樹 君 でも …

今 から 看護 学校 探して 編入 して 何とか なる と 思う んです

ただ …

知ら ない 土地 で 知ら ない 人間 の 中 で ―

ちゃんと 落ち着いて 勉強 できる の かな って ―

俺 も たぶん 自分 の こと で 手一杯 で …

あいつ の こと ―

ちゃんと 構って やれる 余裕 が ある か ―

心配 だった んです

あいつ に は ちゃんと 看護 師 に なって もらい たい し

お互い …

1 年間 離れた 方 が いい と 思って た んです けど

直樹 君 …

あいつ …

俺 が あいつ に 惚れて る こと

あんまり 知ら ない みたいだ から

♪~

( 琴子 の すすり泣き )

( 琴子 ) 入江 君 …

( 三浦 孝之 ( みうら たかゆき )) 在校生 代表

医学部 三浦 孝之

( 拍手 )

( 教員 ) 答辞 医学部 入江 直樹

はい

( 直樹 ) 答辞 ―

斗南 の 学舎 で 過ごした 日々 を 今 思い返せば ―

忘れがたい 数々 の 思い出 が

いくつも 脳裏 に よみがえり ます …

( 琴子 ) 高 3 の 卒業 式 は ―

どんな 気持ち で 入江 君 を 見て た っけ …―

あの 時 は じんこ や 理美 ( さとみ )―

金 ( きん ) ちゃん が いて …―

第二 ボタン 断られた っけ …

( 琴子 ) でも 思って た こと は 同じ ―

入江 君 が 好き !―

バカ の ひとつ 覚え みたい に いっつも 入江 君 が 好き

卒業 生 代表 医学部 医学科

入江 直樹

( 拍手 )

( 琴子 ) 昔 も 今 も それ だけ は 変わんない よ

ここ は 1 回生 の 時 入江 君 が いた 理工 学部 の キャンパス

松本 裕子 ( まつもと ゆうこ ) も いた な ~

( 松本 裕子 ) 選択 科目 何 に する か 決めた ?

いや まだ 決めて ない

懐かし ~ テニス 部 …

二人 で ダブルス 出た んだ よ ね

スムース

入江 君 と ランチ した 学食 …

金 ちゃん と よく モメた なあ

なんだ この 差 は ?

( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) なん や お客さん

金 ちゃん !?

シャー !

医学科 の 講義室 …

ここ から よく 入江 君 のぞいた っけ

( 品川 真里菜 ( しながわ まりな )) いた いた !

( 桔梗 幹 ( ききょう もとき )) さすが 入江 さん オーラ が 違う わ

( 小倉 智子 ( おぐら ともこ )) うん

( 琴子 ) もう あんな 光景 は 見られ ない んだ よ ね

入江 君 …

入江 君 …

入江 く~ん !!

( 直樹 ) 何 だ よ

( 琴子 ) うわ !

でけえ 声

( 琴子 ) どっ ど … どうして ?

たぶん ここ に いる と 思って さ

え …

お前 に 話 が ある んだ

家 で 話す より いい と 思って

神戸 の 話 な んだ けど …

私 !

私 …

絶対 に 1 年 で 看護 師 に なる

それ から 神戸 に 行く

絶対 に 行く ! だ から …

待って て ね

浮気 …

し ないで ね

毎日 電話 して も …

怒ら ないで ね

それ から …

それ から ?

休み に …

会い に …

誰か … 人 が 来 ちゃう よ

いい よ 見られた って …

♪~

( 直樹 ) ここ で いい よ

え ? ホーム まで 送る よ

( 直樹 ) いい から ―

お前 が 来たら なんやかんや で 新幹線 止め そうだ し

はあ ? ん もう …

でも …

つらく なる から ここ で バイバイ した 方 が いい かな ?

( 直樹 ) ああ じゃあな

あっ … の … あの …

着いたら 電話 して ね

( 直樹 ) ああ

あっ … あっ お 弁当 …

( 直樹 ) 中 で 買う よ !

新神戸 岡山 の 次 だ から ね ! 寝すごさ ない ように

新大阪 の 次 だろ ?

ああ …

もう … ホント 行って いい か ?

うん …

お 別れ の キス … して も いい よ

なんて ね

( 直樹 ) 勉強 頑張れよ

うん 入江 君 も ね 頑張って ね !

ああ

♪~

ガンバレ ガンバレ 入江 君 !

ガンバレ 琴子

ガンバレ …

私 達 …

♪~

( 真里菜 ) いつまで 包帯 巻いて ん の よ !

3 日 も 入江 君 の 声 聞いて ない んです ~

( 幹 )1 週間 以内 に 神戸 に 行く に 千円

( 智子 ( ともこ )) 明日 行く に 五 千円

( 琴子 ) や … やっ ちゃった

( 琴子 ) 見つけた !―

私 の エネルギー が どんどん 満たされて いく …

( 幹 ) 妻 が いない と 独身 気分 に なっ ちゃって ―

つい 羽 伸ばし ちゃう もの よ

( 椎名 奈美 ( しいな なみ )) 見いつけた !

琴子

あの 親子 椎名 さん て いう んだ けど …


イタズラ な Kiss 2〜 Love in TOKYO #11 いたずら||||| Mischievous Kiss 2 - Love in TOKYO #11

( 学生 ) こないだ の さ テスト どう だった ? がくせい|こない だ|||てすと||

( 入江 裕樹 ( いりえ ゆうき )) 満点 だ よ いりえ|ひろき|||まんてん||

マジ か …

なんで 満点 取れ んだ よ … あれ で |まんてん|とれ||||

あれ で って 言う な よ |||いう||

難しかった じゃん むずかしかった|じゃ ん

難しい よ むずかしい|

♪~

次 の テスト さあ 満点 取れる ? つぎ||てすと||まんてん|とれる

取れる ん じゃない かなあ 勉強 すれば ね とれる||じゃ ない|か なあ|べんきょう||

( 裕樹 ) さっき から 何 ? ひろき|||なん

どう した んだ よ ?

野良猫 が ついてきて る みたいだ から … のら ねこ|||||

野良 猫 ? のら|ねこ

まあいっか まあ いっか

( 佐川 好美 ( さがわ このみ )) あの … 入江 君 ! さがわ|よしみ|さ が わ|||いりえ|きみ

あの … 私 … |わたくし

あの …

何 ? なん

私 F 組 の 佐川 好美 です わたくし||くみ||さがわ|よしみ|

F 組 の 佐川 … |くみ||さがわ

何 ? 入江 知って る の この 子 ? なん|いりえ|しって||||こ

いや

入江 君 は 私 の こと 知ら ない と 思う けど いりえ|きみ||わたくし|||しら|||おもう|

私 は 入江 君 の こと ずっと 前 から 知って て … わたくし||いりえ|きみ||||ぜん||しって|

だから 何 ? |なん

私 入江 君 と 友達 に なり たい の ! わたくし|いりえ|きみ||ともだち||||

( 学生 ) うっ ひょ ~! がくせい||ひ ょ

入江 すっげ ~ モテて ん じゃん いりえ||モテ て||じゃ ん

んな ん じゃね ~ よ ||じゃ ね|

ダメ … です か ? だめ||

F 組 の バカ な 奴 なんて 友達 に なんか なり たくない |くみ||ばか||やつ||ともだち||||たく ない

( 入江 琴子 ( ことこ )) えーっ ! いりえ|ことこ|こと こ|

告白 !? こくはく

ちょ … 琴子 さん ! |ことこ|

あ … ごめん でも 好美 ちゃん 展開 早 すぎ ! |||よしみ||てんかい|はや|

まだ 一言 も 裕樹 君 と |いちげん||ひろき|きみ|

しゃべった こと なかった ん でしょう ?

まあ 私 も そう だった から 人 の こと 言え ない けど … |わたくし|||||じん|||いえ||

でも この間 琴子 さん と 話したら ― |この あいだ|ことこ|||はなしたら

少し 勇気 が 出て きて すこし|ゆうき||でて|

当たって 砕けろ の 精神 で 行った んです ! あたって|くだけろ||せいしん||おこなった|ん です I went with the spirit of hitting and breaking!

そっかあ … で 裕樹 君 は 何て ? そっか あ||ひろき|きみ||なんて

今度 の 期末 テスト で ― こんど||きまつ|てすと|

100 番 以内 に 入ったら 考えて やる って ばん|いない||はいったら|かんがえて||

100 番 以内 !? うわあ 懐かしい ~ その 響き ばん|いない|うわ あ|なつかしい||ひびき

でも もう いい んです ! |||ん です

私 もう 裕樹 君 の こと 諦めよう と 思って … わたくし||ひろき|きみ|||あきらめよう||おもって

へ !?

自分 の 気持ち 裕樹 君 に 伝えた から じぶん||きもち|ひろき|きみ||つたえた|

なんか スッキリ し ちゃった し |すっきり|||

それ に 100 番 以内 なんて 絶対 無理 だ し … ||ばん|いない||ぜったい|むり||

何 言って ん の ! なんで 諦め ちゃう の なん|いって||||あきらめ|ちゃ う|

100 番 以内 に 入れば いい ん でしょ ? ばん|いない||はいれば|||

上等 じゃない の ! じょうとう|じゃ ない|

琴子 さん そんな ムチャ な こと が できる わけ が … ことこ|||||||||

だって 私 F 組 です よ ! |わたくし||くみ||

私 だって F 組 だった けど ― わたくし|||くみ||

その昔 意地 で 100 番 取った こと あった んだ から ! そのむかし|いじ||ばん|とった||||

( 好美 ) えー ? すごーい ! よしみ||すご - い

やって でき ない こと なんて ない わ

でも 今 から 必死 で 勉強 した ところ で ― |いま||ひっし||べんきょう|||

100 番 以内 なんて … ばん|いない|

大丈夫 よ ! 私 が 手伝って あげる だいじょうぶ||わたくし||てつだって|

こう なった の も 半分 私 の せい だ し … ||||はんぶん|わたくし||||

テスト 勉強 私 が 見て あげる ! てすと|べんきょう|わたくし||みて|

え ~! ホントです か ? |ほんと です|

任せて ! まかせて

私 なんだか やる気 が 出て きた ! わたくし||やる き||でて|

100 番 以内 に 入って 裕樹 君 を 見返して やる ぞ ~ ばん|いない||はいって|ひろき|きみ||みかえして||

オー !! おー

♪~

( 玄関 の チャイム ) げんかん||ちゃいむ

はい

あ … こ … こんにちは

何 だ お前 何 の 用 だ よ ? なん||おまえ|なん||よう||

あっ えーっと …

( 琴子 ) あー いらっしゃい ! 好美 ちゃん ことこ|||よしみ|

琴子 さん ことこ|

( 裕樹 ) え … 何 ? 知り合い ? ひろき||なん|しりあい

ちょっと ね

好美 ちゃん の 勉強 ― よしみ|||べんきょう

今日 から 私 が 教える こと に なった の きょう||わたくし||おしえる||||

は !? 琴子 が ? |ことこ|

好美 ちゃん は ― よしみ||

大船 に 乗った つもり で いて くれたら いい から ね ! おおふな||のった|||||||

はい !

さあ ! 私 の 部屋 に 行き ましょ ! |わたくし||へや||いき|ま しょ

( 好美 ) お邪魔します よしみ|おじゃま します

おいっ ! お いっ

なんか ドキドキ し ちゃい ました ~ |どきどき||ちゃ い|

いい な ~ 琴子 さん は 裕樹 君 と 一緒に 住めて ||ことこ|||ひろき|きみ||いっしょに|すめて

そーお ? そ - お

好美 ちゃん も 将来 裕樹 君 と 住む ため の 第一歩 ! よしみ|||しょうらい|ひろき|きみ||すむ|||だい ひと ほ

まずは 100 番 以内 に 入ら なきゃ ね ! |ばん|いない||はいら||

よろしく お 願い し ます ! ||ねがい||

はい よろしく お 願い し ます さあ ! 頑張る ぞ ! |||ねがい||||がんばる|

さて と ! 何 から やり ます か ~ ||なん||||

うん ちょっと 待って よ … ||まって|

これ は ~

この 公式 … 入れる ん じゃない ? |こうしき|いれる||じゃ ない

あの ー 琴子 さん … |-|ことこ|

もう 1 時間 以上 経って ます けど … |じかん|いじょう|たって||

まだ 1 問 も … |とい|

だっ 大丈夫 よ もう 少し で 解け そうだ から |だいじょうぶ|||すこし||とけ|そう だ|

あ … ほらっ お菓子 でも 食べて リフレッシュ しよう ! ねっ ? ||お かし||たべて|||

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( 入江 直樹 ( なおき )) ただいま いりえ|なおき|な おき|

( 琴子 ) お かえり なさい 入江 く~ん ! ことこ||||いりえ||

お邪魔 して ます おじゃま||

どうも

何 して ん の ? なん|||

この 子 斗南 中学 で 裕樹 君 と 同級生 の 好美 ちゃん |こ|と みなみ|ちゅうがく||ひろき|きみ||どうきゅう せい||よしみ|

今 ね 期末 テスト の 勉強 私 が 教えて あげて る の いま||きまつ|てすと||べんきょう|わたくし||おしえて|||

こいつ に 教えて もらって も 役 に 立つ か どう か わかんない よ ||おしえて|||やく||たつ||||わかん ない|

えっ ?

ちょっと 何 言って る の ! |なん|いって||

私 は 好美 ちゃん を 100 番 以内 に 入れる 義務 が ある んです から わたくし||よしみ|||ばん|いない||いれる|ぎむ|||ん です|

100 番 以内 … ばん|いない

ああ …

なんか あった な そういう の

そう そう ! 思い出す でしょ ? ||おもいだす|

ここ が 4 に なる でしょ で 4 の 二乗 は ? |||||||ふた じょう|

密室 で 二人っきり で 勉強 … みっしつ||ふた りっきり||べんきょう

思えば あの 時 から ― おもえば||じ|

私 達 の 距離 縮まって いた の ね ! わたくし|さとる||きょり|ちぢまって|||

密室 で 二人きり … みっしつ||ふた ひときり

ま … 時間 の 無駄 に なら ない ように |じかん||むだ||||よう に

ちょっと 入江 君 勉強 の 邪魔 し ないで よね ! |いりえ|きみ|べんきょう||じゃま|||

はいはい は いはい

( 琴子 ) さっ 始め ます か ことこ||はじめ||

( 好美 ) はいっ よしみ|は いっ

何 して んだ なん||

べーつに 通りかかった だけ だ よ べ - つ に|とおりかかった|||

が 勉強 見て やれば ? その方 が 確実 だろ |べんきょう|みて||そのほう||かくじつ|だ ろ

ヤダ よ あんな バカ 女 に … |||ばか|おんな|

あいつ が 100 番 以内 に 入ったら 僕 が 困る んだ から ||ばん|いない||はいったら|ぼく||こまる||

ふーん ふ - ん

深い 事情 が ある んだ な ふかい|じじょう||||

浅い よっ ! あさい|

( 好美 ) こ … 琴子 さん … よしみ||ことこ|

ああ …

ああ ごめん

私 … わたくし

どうも 数学 の 公式 見て る と ― |すうがく||こうしき|みて||

眠く なっ ちゃう んだ よ ねえ ねむく||ちゃ う|||

( 好美 ) 琴子 さん !― よしみ|ことこ|

琴子 さん ! ことこ|

もう 寝 ないで !― |ね|

ああ … どーしよう |ど - しよう

( ドア の 開閉 音 ) どあ||かいへい|おと

おいっ メシ が …― お いっ|めし|

ったく しょーがねー 奴 だ な った く|しょ - が ね -|やつ||

何 が 教える だ なん||おしえる|

私 そろそろ 帰り ます わたくし||かえり|

どこ まで できた の ?

あっ えーっと 1 問 できて … ||とい|

3 時間 で ? じかん|

はい

範囲 は ? はんい|

えっと あ …

ここ から …

ここ まで … です

これ 以上 時間 を 無駄に させる わけにもいかない し |いじょう|じかん||むだに||わけに も いか ない|

何か 事情 が ある みたいだ から 俺 が 教える よ なん か|じじょう|||||おれ||おしえる|

で っ でも 私 バカ だ から イライラ し ちゃい ます よ ? |||わたくし|ばか|||いらいら||ちゃ い||

慣れ てる よ そういう 子 教える の なれ||||こ|おしえる|

えっと … 答え は ― |こたえ|

2 xy カッコ 3 x マイナス 2 y … |かっこ||まいなす|

カッコ 閉じる ? かっこ|とじる

正解 せいかい

うわー すごーい ! 解けた ! うわ -|すご - い|とけた

すごーい … すご - い

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( 裕樹 ) おいっ ! ひろき|お いっ

ん …? え … 入江 君 に … 裕樹 君 ? ||いりえ|きみ||ひろき|きみ

私 寝 ちゃって た !? わたくし|ね||

お前 お 兄ちゃん に 迷惑 かけ ん な よ !― おまえ||にいちゃん||めいわく||||

お 兄ちゃん 医師 国家 試験 近い んだ から ― |にいちゃん|いし|こっか|しけん|ちかい||

もしも の こと が あったら どーすん だ よ ! |||||ど - す ん||

( 裕樹 ) 僕 が 教えて やる から ひろき|ぼく||おしえて||

明日 から 期末 テスト まで の 1 週間 … あした||きまつ|てすと|||しゅうかん

学校 が 終わって から 夜 9 時 まで だけ だ から な ! がっこう||おわって||よ|じ|||||

( 好美 ) うん ! よしみ|

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

ん ? どう なって ん の ?

裕樹 君 が 好美 ちゃん に ? ひろき|きみ||よしみ||

琴子 さん の おかげ です ! ことこ||||

なんだか … よく わからない けど … ||わから ない|

やった ー !! |-

よしっ つかみ は OK よ !

あと は 恋 に ! テスト に ! 一石二鳥 大作戦 よ ~! ||こい||てすと||いっせきにちょう|だい さくせん|

はいっ ! は いっ

お前 だんだん お袋 に … おまえ||おふくろ|

んっ ? 何 ? |なん

いや

( 琴子 ) なんだか 久々 に 燃える !― ことこ||ひさびさ||もえる

この 気持ち ! |きもち

( 琴子 ) 裕樹 君 の スパルタ 家庭 教師 は 続き … ことこ|ひろき|きみ|||かてい|きょうし||つづき

♪~

おいっ ! お いっ

合って ん じゃん あって||じゃ ん

えっ すごーい ! |すご - い

やった ー ! |-

次 ! つぎ

はい

マイナス 2 y イコール 0 まいなす||いこーる

y プラス 3 x マイナス 2 y プラス 3… |ぷらす||まいなす||ぷらす

すいません

( 琴子 ) いよいよ 最終日 ことこ||さいしゅう にち

( 琴子 ) 好美 ちゃん 裕樹 くーん お茶 に し ません ? ことこ|よしみ||ひろき|く - ん|おちゃ|||ませ ん

はーい は - い

どう ? 順調 ? |じゅんちょう

はい おかげ さま で

裕樹 君 厳しい でしょ ? 嫌 な こと 言わ れて ない ? ひろき|きみ|きびしい||いや|||いわ||

あ … いや …

バカ だ から しょうがねー だろ ? ばか|||しょうが ね -|だ ろ

( 琴子 ) まーた そんな こと 言って ~ ことこ|ま - た|||いって

好美 ちゃん 気 に し ないで ね よしみ||き||||

裕樹 君 あんなふうに 言って る けど ひろき|きみ||いって||

ほらあ 男の子 って ― ほら あ|おとこのこ|

好きな 女の子 に わざと イジワル する もん だ から ~ すきな|おんなのこ|||||||

えっ ? そう な んです か ? |||ん です|

誰 が こんな 奴 ! だれ|||やつ

またまた ~

じゃーん ! これ でも ? じゃ - ん||

えっ 何 です か ? |なん||

いい から 開けて みて ||あけて|

この 写真 て … |しゃしん|

お 義母 ( か あ ) さん が 撮った んだ けど ね いい 写真 でしょう ~?― |ぎぼ|||||とった|||||しゃしん|

好美 ちゃん を 優しく 見つめる まなざし と か … よしみ|||やさしく|みつめる|||

裕樹 君 も 意地張って ないで 好き なら 好き って 認め なさい よ ! ひろき|きみ||いじ はって||すき||すき||みとめ||

ホント 二人 お似合ーい ほんと|ふた り|お にあ - い

そんな … これ もらって いい んです か ? ||||ん です|

もちろん !

私 お守り に し ます ありがとう ございます ! わたくし|おもり|||||

( 裕樹 ) ふざけんな よ ! ひろき|ふざけ ん な|

こんな バカな 奴 の 勉強 を 見させられた あげく ― |ばかな|やつ||べんきょう||み させられた|

写真 まで 撮られる なんて … しゃしん||とら れる|

僕 は … ぼく|

僕 は … お前達 の オモチャ じゃない んだ !― ぼく||おまえたち||おもちゃ|じゃ ない|

大迷惑 な んだ よ ! だい めいわく|||

( 好美 ) ご … ごめんなさい … よしみ||

ごめんなさい !

あ … こっ 好美 ちゃん ! ||よしみ|

♪~

( 好美 の すすり泣き ) よしみ||すすりなき

ひゃっ ! ひ ゃっ

痛った … いたった

( 裕樹 ) 何 やって んだ よ ひろき|なん|||

ゆっ … 裕樹 君 … |ひろき|きみ

ひでえ 格好 だ な ひで え|かっこう||

どうして ?

約束 した だろ ? やくそく||だ ろ

期末テスト まで の 1 週間 きまつ てすと|||しゅうかん

毎日 夜 9 時 まで 勉強 見て やる って まいにち|よ|じ||べんきょう|みて||

まだ 7 時半 |じ はん

勝手に 約束 破 んな よ かってに|やくそく|やぶ||

ああ … そっか

ごめん

( 裕樹 ) それ と … ひろき||

忘れ物 わすれもの

お 守り なん だろ ? |まもり||だ ろ

ありがとう !

離せ よ … はなせ|

見て ! ほら … みて|

わかった から …

( 好美 ) ほら ! これ も … よしみ|||

( 裕樹 ) 離せ よ ! 帰る ぞ ! ひろき|はなせ||かえる|

ったく お前 も たいがい に しろ よ った く|おまえ|||||

( 琴子 ) だって お 義母 さん に 頼まれた んだ もーん ことこ|||ぎぼ|||たのまれた||も - ん

( シャッター 音 ) しゃったー|おと

( シャッター 音 ) しゃったー|おと

裕樹 も 俺 と 似た ような 道 を 進む かも しれ ない な ひろき||おれ||にた||どう||すすむ||||

裕樹 も 俺 と 似た ような 道 を 進む かも しれ ない な ひろき||おれ||にた||どう||すすむ||||

( シャッター 音 ) しゃったー|おと

( シャッター 音 ) しゃったー|おと

気の毒 に きのどく|

え ? 誰 が 気の毒な の ? |だれ||きのどくな|

( シャッター 音 ) しゃったー|おと

( 琴子 ) い … 入江 君 受験票 持った ? ことこ||いりえ|きみ|じゅけん ひょう|もった

筆箱 ある よ ね ? ふでばこ|||

( 直樹 ) ああ なおき|

落ち着け よ 受験 する の は 俺 だ ぞ おちつけ||じゅけん||||おれ||

そう だ けど さ …

ねえ やっぱり 私 も 試験 会場 まで つい てく ||わたくし||しけん|かいじょう|||て く

来る な くる|

入江 君 ! 万が一 … いりえ|きみ|まんがいち

万が一 何 だ よ ? まんがいち|なん||

万が一 その … まんがいち|

あ ?

ダメ だったら … だめ|

その 時 は 来年 私 と 一緒に 卒業 できる って いう ― |じ||らいねん|わたくし||いっしょに|そつぎょう|||

大 イベント が ある から 安心 して ! ね ! だい|いべんと||||あんしん||

そんな 気 さらさら ない ね |き|||

じゃあ

入江 くーん ファイト ~! いりえ|く - ん|ふぁいと

( 琴子 ) いよいよ 入江 君 の 医師 国家 試験 ― ことこ||いりえ|きみ||いし|こっか|しけん

発表 当日 はっぴょう|とうじつ

( 裕樹 ) おいっ 琴子 ! ひろき|お いっ|ことこ

オリ の 中 の クマ みたいに ウロウロ す んな よ ||なか||くま||うろうろ|||

( 琴子 ) あ ~ だって ! ことこ||

発表 の 2 時 まで あと 1 分 でしょ ? はっぴょう||じ|||ぶん|

じっと なんて して らんない よ |||らん ない|

( 入江 紀子 ( のりこ )) 落ち着いて 琴子 ちゃん いりえ|としこ||おちついて|ことこ|

リラーックス ! はい 吸って ~ 吐いて ~ ||すって|はいて

( 裕樹 ) あっ 2 時 だ ひろき||じ|

( 琴子 ) どっ … どう だった !? 合格 ? ことこ||||ごうかく

( 直樹 ) あ … なおき|

あっ !

俺 … おれ

はっ ウソ !― |うそ

そ … そう 大丈夫 … ||だいじょうぶ

長い 人生 そんなに 急いで どーする んだ … よねっ ながい|じんせい||いそいで|ど - する||よ ねっ

1 度 や 2 度 の 失敗 も … たび||たび||しっぱい|

んな わけねー だ ろ |わけ ね -||

えっ ! じゃあ …

お 兄ちゃん おめでとう ! |にいちゃん|

おめでとう ~!

ありがとう

今日 は お 祝い ね ~ きょう|||いわい|

入江 く~ん ! おめでとう ! いりえ|||

( 琴子 ) これ で 入江 君 も 本当の お 医者 様 に なる の ね ! ことこ|||いりえ|きみ||ほんとうの||いしゃ|さま||||

おい 琴子 ! |ことこ

では 失礼 し ます |しつれい||

( 田辺 ( たなべ )) 入江 君 !― たなべ|た な べ|いりえ|きみ

悪い 話 ではない から よく 考え なさい わるい|はなし|では ない|||かんがえ|

はい

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

はぁ … は ぁ

さて と …

どーする かな … ど - する|

( 紀子 ) あっ ! そう だ わ としこ||||

お 兄ちゃん の 卒業 式 お家 で パーティー 開き ましょう |にいちゃん||そつぎょう|しき|おいえ||ぱーてぃー|あき|

いい です ね ~

たくさん 来て くれた 方 が いい から |きて||かた|||

琴子 ちゃん は 看護 学科 の みなさん ご 招待 して ね ことこ|||かんご|がっか||||しょうたい||

あ ~ はい …

裕樹 は 好美 ちゃん を 呼んで ちょーだい ひろき||よしみ|||よんで|ちょ - だい

なんで あいつ を ?

だって 好美 ちゃん は 裕樹 の お 友達 でしょ ? |よしみ|||ひろき|||ともだち|

別に 友達 なんか じゃ … べつに|ともだち||

( 琴子 ) 何 言って ん の ? ことこ|なん|いって||

だって ほら 期末 テスト 入った んでしょ ? 100 番 以内 ! ||きまつ|てすと|はいった||ばん|いない

97 番 ばん

え ?

97 番 だ よ ばん||

まあ ~ すごい じゃない ! ||じゃ ない

じゃあ 確定 ね ! |かくてい|

まあ 僕 の 教え 方 が よかった んだ |ぼく||おしえ|かた|||

そう ねえ …

でも 琴子 ちゃん の 時 に も 思った ん けど ― |ことこ|||じ|||おもった||

F 組 の 子 が 100 番 以内 に 入る って ― |くみ||こ||ばん|いない||はいる|

すごく 大変 だった と 思う の よ ~ |たいへん|||おもう||

ああ 恋 の 力 って すごい わ ね ~ |こい||ちから||||

だから ! 僕 の 教え 方 が … |ぼく||おしえ|かた|

( 琴子 ) 勉強 の つらさ より も ― ことこ|べんきょう||つら さ||

一緒に いる 時間 が 二人 の 愛 を 育てる と いう か … いっしょに||じかん||ふた り||あい||そだてる|||

裕樹 君 も 好美 ちゃん と ひろき|きみ||よしみ||

すっかり 仲良く なった みたいだ し ? |なかよく|||

琴子 ! 勝手な こと 言う な よ ことこ|かってな||いう||

でも なんだか んだ 言って ― |||いって

あなた も 好美 ちゃん と お 友達 に なり たかった の ね ~ ||よしみ||||ともだち|||||

だから ~!

( 相原 重雄 ( あいはら しげお )) そういえば 直樹 君 の 卒業 式 って いつ だ っけ ? あいはら|しげお|あい はら|しげ お|そう いえば|なおき|きみ||そつぎょう|しき||||

3 月 20 日 です つき|ひ|

ああ そう か … いよいよ 直樹 君 も お 医者 さん か ||||なおき|きみ|||いしゃ||

また 卒業生 代表 で 答辞 読む の |そつぎょう せい|だいひょう||とうじ|よむ|

ねえ 入江 君 ? |いりえ|きみ

入江 君 どうした の ? いりえ|きみ||

えっ

あ … 何 ? |なん

卒業 式 入江 君 が 答辞 読む んだ よ ね ? そつぎょう|しき|いりえ|きみ||とうじ|よむ|||

ああ

やっぱり !

じゃ ビデオ 持って 行か なきゃ ね ! |びでお|もって|いか||

裕樹 の 卒業 式 も ある し ― ひろき||そつぎょう|しき|||

この際 思い切って 新しい の 買おう かしら ? このさい|おもいきって|あたらしい||かおう|

琴子 ことこ

ん ?

それ から みんな に も 話 が ある んだ |||||はなし|||

あら なあに ? 改まって … |なあ に|あらたまって

今日 教授 から 話 が あった んだ けど きょう|きょうじゅ||はなし||||

俺 の 勤める 病院 ― おれ||つとめる|びょういん

神戸 の 病院 に しよう と 思って る んだ こうべ||びょういん||||おもって||

え … こ … 神戸 って … ||こうべ|

だって 入江 君 斗南 大病院 に 行く ん じゃなかった の ? |いりえ|きみ|と みなみ|だい びょういん||いく||じゃ なかった|

最初 は その つもり だった けど ― さいしょ|||||

もっと 専門 分野 を 勉強 し たい んだ |せんもん|ぶんや||べんきょう|||

そんな …

だから その 専門 の 病院 に … ||せんもん||びょういん|

だって ! だって …

神戸 って すごく すごく 遠い んだ よ ! こうべ||||とおい||

往復 6 時間 以上 かかっ ちゃう んだ よ おうふく|じかん|いじょう||ちゃ う||

どうやって … どう やって

通わない それ は 無理 だ よ かよわ ない|||むり||

え … じゃあ …

この 家 を 出て 神戸 に 住む つもり だ |いえ||でて|こうべ||すむ||

お 兄ちゃん ! 本気で 言って る の !? |にいちゃん|ほんきで|いって||

ああ

そこ の 権威 ある 先生 から も 誘い を 受けて る んだ ||けんい||せんせい|||さそい||うけて||

そこ で 何年 か 勉強 して 帰る の は その後 … ||なん ねん||べんきょう||かえる|||そのご

入江 君 ! じゃあ … いりえ|きみ|

私 神戸 の 学校 探さ なきゃ ! 間に合う かな … わたくし|こうべ||がっこう|さがさ||まにあう|

お前 は 残れ おまえ||のこれ

え …

俺 一人 で 行く から ― おれ|ひとり||いく|

お前 は こっち に 残って ちゃんと 勉強 しろ おまえ||||のこって||べんきょう|

やだ そんな の 入江 君 と 離れる なんて ! や だ|||いりえ|きみ||はなれる|

( 直樹 ) お前 は 1 年間 こっち で ちゃんと 勉強 して ― なおき|おまえ||ねんかん||||べんきょう|

卒業 して から 来れば いい そつぎょう|||くれば|

イヤ ! 1 年 も 入江 君 と 離れる なんて 絶対 イヤ ! いや|とし||いりえ|きみ||はなれる||ぜったい|いや

だって 私 バカ だ から ! |わたくし|ばか||

来年 もし 看護 師 に なれ なかったら 1 年 じゃ 済まされない よ ! らいねん||かんご|し||||とし||すまさ れ ない|

( 紀子 ) 琴子 ちゃん としこ|ことこ|

そしたら 入江 君 と 離れた まま に なっ ちゃう そんな の イヤ ! そ したら|いりえ|きみ||はなれた||||ちゃ う|||いや

じゃあ 俺 は お前 が 看護 師 に なる の を 待って ― |おれ||おまえ||かんご|し|||||まって

それ から 神戸 に 行けば いい の か ? ||こうべ||いけば|||

お 兄ちゃん ! なんて こと を 言う の !? |にいちゃん||||いう|

琴子 ちゃん の 気持ち も 考え なさい あなた 達 は 夫婦 な の よ ! ことこ|||きもち||かんがえ|||さとる||ふうふ|||

ああ

夫婦 は 離れ ちゃダメ よ ! ふうふ||はなれ|ちゃ だめ|

自分 の こと ばっかり 考えて ないで … じぶん||||かんがえて|

わかって る よ

( 琴子 ) わかって ない ― ことこ||

入江 君 は わかん ない よ ― いりえ|きみ||||

私 は … 入江 君 の 何倍も 何 十倍 も 好きだ から わたくし||いりえ|きみ||なん ばい も|なん|じゅう ばい||すきだ|

私 の 気持ち … わたくし||きもち

離れる の が … はなれる||

離れる の が どんだけ つらい か わかんない よ ! はなれる|||どん だけ|||わかん ない|

だって …

入江 君 は … いりえ|きみ|

私 と 離れた って 全然 平気 だ もん ね ― わたくし||はなれた||ぜんぜん|へいき|||

それ 決める 時 だって ― |きめる|じ|

私 の こと … わたくし||

全然 頭 に 入って なかった でしょ ! ぜんぜん|あたま||はいって||

私 だけ 寂しい なんて ずるい よ ! わたくし||さびしい|||

琴子 ちゃん … ことこ|

あっ あ …

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( 琴子 ) どう しよう …― ことこ||

どう しよう … どうしたらいい の ?― ||どう したら いい|

私 入江 君 を 困らせてる ― わたくし|いりえ|きみ||こまら せてる

( 泣き声 ) なきごえ

こんなんじゃ 入江 君 の 妻 失格 だ ね ― |いりえ|きみ||つま|しっかく||

わかって る わかって る よ ―

でも … でも ね …―

入江 君 と 離れ たくない の いりえ|きみ||はなれ|たく ない|

♪~

琴子 ことこ

お前 また 夕飯 とら なかった の か ? おまえ||ゆうはん||||

うん

でも もう 眠い から ||ねむい|

琴子 … ことこ

( 琴子 ) おやすみ ことこ|お やすみ

おかえりなさい お かえり なさい

あ … ただいま なんだ まだ 起きて た んだ ||||おきて||

お 義父 ( とう ) さん ちょっと 話 いい です か ? |ぎふ||||はなし|||

琴子 は どう ? ことこ||

相変わらず ふてくされて ん の か ? あいかわらず||||

ええ

この 話 を する 前 から ― |はなし|||ぜん|

こう なる こと は 覚悟 して いた んです けど ||||かくご|||ん です|

でも 実際 あんな 琴子 を 見て る と … |じっさい||ことこ||みて||

あいつ 直樹 君 に 惚れ まくって る から なあ |なおき|きみ||ほれ||||

お 義父 さん |ぎふ|

俺 やっぱり 琴子 を 神戸 に 連れて いこう と 思って … おれ||ことこ||こうべ||つれて|||おもって

え … 直樹 君 でも … |なおき|きみ|

今 から 看護 学校 探して 編入 して 何とか なる と 思う んです いま||かんご|がっこう|さがして|へんにゅう||なんとか|||おもう|ん です

ただ …

知ら ない 土地 で 知ら ない 人間 の 中 で ― しら||とち||しら||にんげん||なか|

ちゃんと 落ち着いて 勉強 できる の かな って ― |おちついて|べんきょう||||

俺 も たぶん 自分 の こと で 手一杯 で … おれ|||じぶん||||ていっぱい|

あいつ の こと ―

ちゃんと 構って やれる 余裕 が ある か ― |かまって||よゆう|||

心配 だった んです しんぱい||ん です

あいつ に は ちゃんと 看護 師 に なって もらい たい し ||||かんご|し|||||

お互い … おたがい

1 年間 離れた 方 が いい と 思って た んです けど ねんかん|はなれた|かた||||おもって||ん です|

直樹 君 … なおき|きみ

あいつ …

俺 が あいつ に 惚れて る こと おれ||||ほれて||

あんまり 知ら ない みたいだ から |しら|||

♪~

( 琴子 の すすり泣き ) ことこ||すすりなき

( 琴子 ) 入江 君 … ことこ|いりえ|きみ

( 三浦 孝之 ( みうら たかゆき )) 在校生 代表 みうら|たかし|み うら|た かゆき|ざいこう せい|だいひょう

医学部 三浦 孝之 いがくぶ|みうら|たかし

( 拍手 ) はくしゅ

( 教員 ) 答辞 医学部 入江 直樹 きょういん|とうじ|いがくぶ|いりえ|なおき

はい

( 直樹 ) 答辞 ― なおき|とうじ

斗南 の 学舎 で 過ごした 日々 を 今 思い返せば ― と みなみ||がくしゃ||すごした|ひび||いま|おもいかえせば

忘れがたい 数々 の 思い出 が わすれがたい|かずかず||おもいで|

いくつも 脳裏 に よみがえり ます … いく つ も|のうり|||

( 琴子 ) 高 3 の 卒業 式 は ― ことこ|たか||そつぎょう|しき|

どんな 気持ち で 入江 君 を 見て た っけ …― |きもち||いりえ|きみ||みて||

あの 時 は じんこ や 理美 ( さとみ )― |じ||じん こ||り び|

金 ( きん ) ちゃん が いて …― きむ||||

第二 ボタン 断られた っけ … だい ふた|ぼたん|ことわられた|

( 琴子 ) でも 思って た こと は 同じ ― ことこ||おもって||||おなじ

入江 君 が 好き !― いりえ|きみ||すき

バカ の ひとつ 覚え みたい に いっつも 入江 君 が 好き ばか||ひと つ|おぼえ|||いっつ も|いりえ|きみ||すき

卒業 生 代表 医学部 医学科 そつぎょう|せい|だいひょう|いがくぶ|いがく か

入江 直樹 いりえ|なおき

( 拍手 ) はくしゅ

( 琴子 ) 昔 も 今 も それ だけ は 変わんない よ ことこ|むかし||いま|||||かわ ん ない|

ここ は 1 回生 の 時 入江 君 が いた 理工 学部 の キャンパス ||かいせい||じ|いりえ|きみ|||りこう|がくぶ||きゃんぱす

松本 裕子 ( まつもと ゆうこ ) も いた な ~ まつもと|ひろこ|まつ もと||||

( 松本 裕子 ) 選択 科目 何 に する か 決めた ? まつもと|ひろこ|せんたく|かもく|なん||||きめた

いや まだ 決めて ない ||きめて|

懐かし ~ テニス 部 … なつかし|てにす|ぶ

二人 で ダブルス 出た んだ よ ね ふた り||だぶるす|でた|||

スムース すむーす

入江 君 と ランチ した 学食 … いりえ|きみ||らんち||さとる しょく

金 ちゃん と よく モメた なあ きむ||||モメ た|

なんだ この 差 は ? ||さ|

( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) なん や お客さん いけさわ|きんのすけ|いけ ざ わ|きん の すけ|||お きゃく さん

金 ちゃん !? きむ|

シャー !

医学科 の 講義室 … いがく か||こうぎ しつ

ここ から よく 入江 君 のぞいた っけ |||いりえ|きみ||

( 品川 真里菜 ( しながわ まりな )) いた いた ! しなかわ|まり な|しな がわ|まり な||

( 桔梗 幹 ( ききょう もとき )) さすが 入江 さん オーラ が 違う わ ききょう|みき||も とき||いりえ||||ちがう|

( 小倉 智子 ( おぐら ともこ )) うん おぐら|さとこ|||

( 琴子 ) もう あんな 光景 は 見られ ない んだ よ ね ことこ|||こうけい||みられ||||

入江 君 … いりえ|きみ

入江 君 … いりえ|きみ

入江 く~ん !! いりえ||

( 直樹 ) 何 だ よ なおき|なん||

( 琴子 ) うわ ! ことこ|

でけえ 声 で け え|こえ

( 琴子 ) どっ ど … どうして ? ことこ|||

たぶん ここ に いる と 思って さ |||||おもって|

え …

お前 に 話 が ある んだ おまえ||はなし|||

家 で 話す より いい と 思って いえ||はなす||||おもって

神戸 の 話 な んだ けど … こうべ||はなし|||

私 ! わたくし

私 … わたくし

絶対 に 1 年 で 看護 師 に なる ぜったい||とし||かんご|し||

それ から 神戸 に 行く ||こうべ||いく

絶対 に 行く ! だ から … ぜったい||いく||

待って て ね まって||

浮気 … うわき

し ないで ね

毎日 電話 して も … まいにち|でんわ||

怒ら ないで ね いから||

それ から …

それ から ?

休み に … やすみ|

会い に … あい|

誰か … 人 が 来 ちゃう よ だれ か|じん||らい|ちゃ う|

いい よ 見られた って … ||みられた|

♪~

( 直樹 ) ここ で いい よ なおき||||

え ? ホーム まで 送る よ |ほーむ||おくる|

( 直樹 ) いい から ― なおき||

お前 が 来たら なんやかんや で 新幹線 止め そうだ し おまえ||きたら|なん やかん や||しんかんせん|とどめ|そう だ|

はあ ? ん もう … は あ||

でも …

つらく なる から ここ で バイバイ した 方 が いい かな ? |||||||かた|||

( 直樹 ) ああ じゃあな なおき||じゃあ な

あっ … の … あの …

着いたら 電話 して ね ついたら|でんわ||

( 直樹 ) ああ なおき|

あっ … あっ お 弁当 … |||べんとう

( 直樹 ) 中 で 買う よ ! なおき|なか||かう|

新神戸 岡山 の 次 だ から ね ! 寝すごさ ない ように しん こうべ|おかやま||つぎ||||ねすごさ||よう に

新大阪 の 次 だろ ? しんおおさか||つぎ|だ ろ

ああ …

もう … ホント 行って いい か ? |ほんと|おこなって||

うん …

お 別れ の キス … して も いい よ |わかれ||きす||||

なんて ね

( 直樹 ) 勉強 頑張れよ なおき|べんきょう|がんばれよ

うん 入江 君 も ね 頑張って ね ! |いりえ|きみ|||がんばって|

ああ

♪~

ガンバレ ガンバレ 入江 君 ! ||いりえ|きみ

ガンバレ 琴子 |ことこ

ガンバレ …

私 達 … わたくし|さとる

♪~

( 真里菜 ) いつまで 包帯 巻いて ん の よ ! まり な||ほうたい|まいて|||

3 日 も 入江 君 の 声 聞いて ない んです ~ ひ||いりえ|きみ||こえ|きいて||ん です

( 幹 )1 週間 以内 に 神戸 に 行く に 千円 みき|しゅうかん|いない||こうべ||いく||せん えん

( 智子 ( ともこ )) 明日 行く に 五 千円 さとこ||あした|いく||いつ|せん えん

( 琴子 ) や … やっ ちゃった ことこ|||

( 琴子 ) 見つけた !― ことこ|みつけた

私 の エネルギー が どんどん 満たされて いく … わたくし||えねるぎー|||みたされて|

( 幹 ) 妻 が いない と 独身 気分 に なっ ちゃって ― みき|つま||||どくしん|きぶん|||

つい 羽 伸ばし ちゃう もの よ |はね|のばし|ちゃ う||

( 椎名 奈美 ( しいな なみ )) 見いつけた ! しいな|なみ|しい な||み い つけた

琴子 ことこ

あの 親子 椎名 さん て いう んだ けど … |おやこ|しいな|||||