雨 が しょぼしょぼ と 降る 晩
雨 が しょぼしょぼ と 降る 晩
むかしむかし 、雨 が しょぼしょぼ と 降る 晩 の 事 、旅 の 商人 が 宿屋 を 見つけました 。 「夜分 遅く すみません が 、一晩 、泊めて ください 」商人 が 頼む と 、宿屋 の 主人 が 言いました 。 「今日 は 満室 なので 相部屋 に なり ます が 、それでも よろしゅうございますか ? 」「はい 、かまいません よ 」「そうですか 。 では 」商人 が 案内 された 部屋 に は 、旅 の お坊さん が いました 。 「一晩 、よろしく お願いします 」商人 は お坊さん に あいさつ を する と 、お風呂 に 行きました 。 そして 商人 が お風呂 から 帰って 来る と 、 お坊さん が 財布 の お金 を 数えて いました 。 お坊さん の 財布 に は 、 小判 が 何枚 も 光って います 。 ( 坊主 の くせ に 、 ずいぶん 持っとるもん じゃ のう 。 あれ だけ あれば 、 しばらく は 働かなく とも ・・・) 商人 は 、 お坊さん の 小判 が 欲しく なり ました 。 そこで その 晩 おそく 、商人 は 寝ていた お坊さん を 殺して 小判 を 奪う と 宿屋 から 逃げました 。
商人は 遠く の 町 へ 行く と 、その お金 で 小さな 店 を 持ちました 。 やがて 店は 大きく なり 、何人も の 人 を やとう ほどに まで なりました 。
ある 日 、町の 長者 が 商人に 言いました 。 「あんた も そろそろ 、お嫁さん を もらって は どう だね 。 良い 娘 を 紹介 する よ 」そこ で 商人 は 長者 の 紹介 で 、かわいい お嫁さん を もらいました 。 やがて 商人 と お嫁さん の 間 に 、男の子 が うまれました 。 けれど 男の子 は 三つ に なって も 、口 を きこう と しません 。
ところが 、雨 が しょぼしょぼ と 降る 晩 の 事 、「おとう 、小便 」と 、男の子 が 初めて しゃべった の です 。 商人は 喜んで 、「おう 、息子が 口を きいた ぞ ! よしよし 、小便 だ な 。 すぐに 連れて 行って やろう 」と 、男の子 を 抱きかかえて 、かわ や (→トイレ )へ 連れて 行きました 。 そして 商人 が 、男の子 に おしっこ を させている と 、「おとう 。 あの 日 も 、雨 が しょぼしょぼと 降る 晩 だった なあ 」と 、男の子 が 大人 の 様 な 声 で 言った のです 。 「なに を 言って いる のだ 、お前 は 。 ・・・あっ ! 」男の子 の 顔 を 見た 商人 は 、びっくりして 声 を 出せなく なり ました 。 なんと 男の子 の 顔 が 、あの 時 の 旅 の お坊さん の 顔 に なって いた のです 。 お坊さん の 顔 を した 男の子 は 、商人 を にらみつける と 言いました 。 「宿屋 で わし を 殺した の も 、こんな 雨 が しょぼしょぼと 降る 晩 だった なあ 。 今こそ 、うらみを はらして やる ! 」お坊さんの 顔を した 男の子は 、怪力で 雨が 降る 暗闇に 商人を 引きずり込みました 。
商人と 男の子は 、それから 二度と 姿を 見せなかった そうです 。
おしまい