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世界の昔話, イーダちゃんの花

イーダちゃんの花

イーダ ちゃん の 花

「 きのう は あんなに きれいだった お 花 が 、 みんな しおれちゃ った わ 。 ねえ 、 どうして な の ? 」 小さな イーダ は 、 学生 さん に 尋ね ました 。 学生 さん は いつも 楽しい お 話 を して くれる ので 、 イーダ は 大好きです 。 学生 さん は 、 妹 に 話し かける 様 に 言い ました 。 「 それ は ね 、 この 花 たち は 夜中 に なる と 、 みんな で ダンス パーティー を する んだ よ 。 それ で 踊り 疲れて 、 頭 を たれて いる の さ 」 「 うそ よ 。 お 花 は ダンス なんか 出来 ない わ 」 イーダ が 言う と 、 学生 さん は ニッコリ ほほえんで 。 「 うそ じゃ ない よ 。 あたり が 暗く なって 人間 たち が 寝しずまって しまう と 、 花 たち は 踊り 回る んだ 。 花びら を チョウチョウ みたいに ヒラヒラ と はばたか せて 、 お 城 まで 踊り に 飛んで いったり も する の さ 。 そして その お 城 で は 、 一 番 美しい バラ の 花 が 王座 に 座って いる んだ よ 」 「 へ ー っ 、 そう か 。 お 花 たち は 踊り くたびれて 、 ぐったり して いた の ね 」 イーダ は 納得 する と 、 その 夜 、 花束 を かかえて おもちゃ 部屋 に 行き ました 。 それ から 人形 の ソフィー を ベッド から どか す と 、 花束 を ベッド の 中 に 横たえて 上 から ふとん を かけて やり ました 。

その 晩 、 イーダ は なかなか 寝 付け ませ ん でした 。 「 あの お 花 たち 、 今夜 も ダンス パーティー に 出かける の かしら ? それとも おとなしく 、 ソフィー の ベッド で 寝て いる かしら 。 ・・・ 心配だ わ 」 すると どこ から か 、 ピアノ の 音 が かすかに 聞こえ 始め ました 。 「 あっ ! きっと 、 お 花 たち の ダンス が 始まる んだ わ 」 イーダ は じっと して い られ なく なって べ ッド から 抜け出す と 、 そっと おもちゃ 部屋 の 中 を のぞき ました 。 すると 部屋 の 中 は 窓 から 差し 込む 月 明かり で 昼 の 様 に 明るく 、 その ただ中 に は 花 たち が 二 列 に 並んで いる で は あり ませ ん か 。 やがて 花 たち は 互い の 葉 を つなぎ あって 、 輪 を えがき ながら 踊り 始め ます 。 特に 、 ヒヤシンス と チューリップ の ダンス は 素敵です 。 ピアノ を ひいて いる の は 、 黄色い ユリ の 花 でした 。 すると 音楽 に つら れて 、 引き出し の 上 に 腰かけて いた 人形 の ソフィー まで も が 床 に 飛びおりる と 、 踊り の 輪 の 中 に 入り 始め ました 。 「 まあ 、 知ら なかった わ 。 ソフィー も 、 お 花 の 仲間 だった なんて 」 イーダ は 、 おどろいて つぶやき ました 。 すると 広間 の ドア が さっと 開いて 、 たくさんの 花 たち が 踊り ながら 入って 来 ました 。 金 の かんむり を かぶって いる 二 本 の バラ の 花 が 、 花 の 王さま と お 后 さま です 。 花 の 音楽 隊 が 、 エンドウ 豆 の ラッパ を 吹き 鳴らし ます 。 スミレ 、 スズラン 、 ヒナギク 、 サクラソウ など も 、 みんな 月 明かり の 下 で 一晩 中 踊り あかし ました 。

次の 日 の 朝 、 イーダ は 目覚める と 、 すぐ に 花 の ところ へ 行き ました 。 花 たち は 昨日 より も 、 ずっと しおれて い ました 。 イーダ は 、 人形 の ソフィー に 話し かけ ました 。 「 あなた 、 わたし に 何 か 、 かくして いる 事 は ない ? 」 「・・・・・・」 でも ソフィー は 、 何も 答えて くれ ませ ん でした 。 「・・・ まあ 、 いい わ 。 お 花 さん 、 また きれいに 咲いて ちょうだい ね 」 イーダ は そう 言って 、 しおれた 花 を 庭 の 花壇 に うえて やり ました 。

おしまい


イーダちゃんの花 イーダ ちゃん の か Ida's Flowers

イーダ ちゃん の 花 |||か

「 きのう は あんなに きれいだった お 花 が 、 みんな しおれちゃ った わ 。 |||||か||||| ねえ 、 どうして な の ? Hey, why? 」   小さな イーダ は 、 学生 さん に 尋ね ました 。 ちいさな|||がくせい|||たずね| Little Ida asked the student. 学生 さん は いつも 楽しい お 話 を して くれる ので 、 イーダ は 大好きです 。 がくせい||||たのしい||はなし|||||||だいすきです 学生 さん は 、 妹 に 話し かける 様 に 言い ました 。 がくせい|||いもうと||はなし||さま||いい| 「 それ は ね 、 この 花 たち は 夜中 に なる と 、 みんな で ダンス パーティー を する んだ よ 。 ||||か|||よなか||||||だんす|ぱーてぃー|||| それ で 踊り 疲れて 、 頭 を たれて いる の さ 」 「 うそ よ 。 ||おどり|つかれて|あたま||||||| お 花 は ダンス なんか 出来 ない わ 」   イーダ が 言う と 、 学生 さん は ニッコリ ほほえんで 。 |か||だんす||でき|||||いう||がくせい|||にっこり| 「 うそ じゃ ない よ 。 あたり が 暗く なって 人間 たち が 寝しずまって しまう と 、 花 たち は 踊り 回る んだ 。 ||くらく||にんげん|||ねしずまって|||か|||おどり|まわる| 花びら を チョウチョウ みたいに ヒラヒラ と はばたか せて 、 お 城 まで 踊り に 飛んで いったり も する の さ 。 はなびら||||ひらひら|||||しろ||おどり||とんで||||| The petals are fluttering like butterflies, and they even fly to the castle to dance. そして その お 城 で は 、 一 番 美しい バラ の 花 が 王座 に 座って いる んだ よ 」 「 へ ー っ 、 そう か 。 |||しろ|||ひと|ばん|うつくしい|ばら||か||おうざ||すわって|||||-||| お 花 たち は 踊り くたびれて 、 ぐったり して いた の ね 」   イーダ は 納得 する と 、 その 夜 、 花束 を かかえて おもちゃ 部屋 に 行き ました 。 |か|||おどり|||||||||なっとく||||よ|はなたば||||へや||いき| それ から 人形 の ソフィー を ベッド から どか す と 、 花束 を ベッド の 中 に 横たえて 上 から ふとん を かけて やり ました 。 ||にんぎょう||||べっど||ど か|||はなたば||べっど||なか||よこたえて|うえ||||||

その 晩 、 イーダ は なかなか 寝 付け ませ ん でした 。 |ばん||||ね|つけ||| 「 あの お 花 たち 、 今夜 も ダンス パーティー に 出かける の かしら ? ||か||こんや||だんす|ぱーてぃー||でかける|| それとも おとなしく 、 ソフィー の ベッド で 寝て いる かしら 。 ||||べっど||ねて|| ・・・ 心配だ わ 」   すると どこ から か 、 ピアノ の 音 が かすかに 聞こえ 始め ました 。 しんぱいだ||||||ぴあの||おと|||きこえ|はじめ| 「 あっ ! きっと 、 お 花 たち の ダンス が 始まる んだ わ 」   イーダ は じっと して い られ なく なって べ ッド から 抜け出す と 、 そっと おもちゃ 部屋 の 中 を のぞき ました 。 ||か|||だんす||はじまる||||||||||||||ぬけだす||||へや||なか||| すると 部屋 の 中 は 窓 から 差し 込む 月 明かり で 昼 の 様 に 明るく 、 その ただ中 に は 花 たち が 二 列 に 並んで いる で は あり ませ ん か 。 |へや||なか||まど||さし|こむ|つき|あかり||ひる||さま||あかるく||ただなか|||か|||ふた|れつ||ならんで||||||| やがて 花 たち は 互い の 葉 を つなぎ あって 、 輪 を えがき ながら 踊り 始め ます 。 |か|||たがい||は||||りん||||おどり|はじめ| Soon the flowers begin to dance, connecting each other's leaves and forming a circle. 特に 、 ヒヤシンス と チューリップ の ダンス は 素敵です 。 とくに|||ちゅーりっぷ||だんす||すてきです ピアノ を ひいて いる の は 、 黄色い ユリ の 花 でした 。 ぴあの||||||きいろい|ゆり||か| すると 音楽 に つら れて 、 引き出し の 上 に 腰かけて いた 人形 の ソフィー まで も が 床 に 飛びおりる と 、 踊り の 輪 の 中 に 入り 始め ました 。 |おんがく||||ひきだし||うえ||こしかけて||にんぎょう||||||とこ||とびおりる||おどり||りん||なか||はいり|はじめ| 「 まあ 、 知ら なかった わ 。 |しら|| I didn't know that. ソフィー も 、 お 花 の 仲間 だった なんて 」   イーダ は 、 おどろいて つぶやき ました 。 |||か||なかま||||||| I didn't know Sophie was one of the flowers. Ida was frightened and mumbled. すると 広間 の ドア が さっと 開いて 、 たくさんの 花 たち が 踊り ながら 入って 来 ました 。 |ひろま||どあ|||あいて||か|||おどり||はいって|らい| Then the doors to the hall swung open and many flowers danced their way in. 金 の かんむり を かぶって いる 二 本 の バラ の 花 が 、 花 の 王さま と お 后 さま です 。 きむ||||||ふた|ほん||ばら||か||か||おうさま|||きさき|| 花 の 音楽 隊 が 、 エンドウ 豆 の ラッパ を 吹き 鳴らし ます 。 か||おんがく|たい||えんどう|まめ||||ふき|ならし| スミレ 、 スズラン 、 ヒナギク 、 サクラソウ など も 、 みんな 月 明かり の 下 で 一晩 中 踊り あかし ました 。 |すずらん||さくらそう||||つき|あかり||した||ひとばん|なか|おどり|| Violets, lily-of-the-valley, daisies, and primroses all danced the night away under the moonlight.

次の 日 の 朝 、 イーダ は 目覚める と 、 すぐ に 花 の ところ へ 行き ました 。 つぎの|ひ||あさ|||めざめる||||か||||いき| The next morning, Eda woke up and immediately went to see the flowers. 花 たち は 昨日 より も 、 ずっと しおれて い ました 。 か|||きのう|||||| The flowers were much wilted than yesterday. イーダ は 、 人形 の ソフィー に 話し かけ ました 。 ||にんぎょう||||はなし|| 「 あなた 、 わたし に 何 か 、 かくして いる 事 は ない ? |||なん||||こと|| Is there anything you are hiding from me? 」 「・・・・・・」   でも ソフィー は 、 何も 答えて くれ ませ ん でした 。 |||なにも|こたえて|||| 「・・・ まあ 、 いい わ 。 お 花 さん 、 また きれいに 咲いて ちょうだい ね 」   イーダ は そう 言って 、 しおれた 花 を 庭 の 花壇 に うえて やり ました 。 |か||||さいて||||||いって||か||にわ||かだん|||| Flower, please bloom beautifully again. With these words, Ida put the wilted flowers in the garden bed.

おしまい