朗読 原稿 【 第 5 回 】 心 の こもった 食事
【 第 5 回 】 心 の こもった 食事 食事 は人生 に かかわります 。 基本 的に は 一日 に 三回 、毎日 繰り返す こと です し 、何も 食べず に 生きて いく こと は できません 。 自分 や 家族 の 手料理 でも 、お店 で 売っている サンドイッチ でも 、作った 人 の 心 が こもった もの を 、おいしく 食べ たい 。 食べる と いう こと に 対して 、きちんと 感謝 し たい 。 それ 以外 の もの は 、おそらく 毒 に 近い んじゃないか と 思い ます 。 忙しさ を 口実 に 、いつも 機械 で つくられた もの ばかり 食べて いたら 、大人 も 子ども も 不幸に なって しまう 気 すら し ます 。 「料理 を する 時間 が ない 」と いう 言い訳 を する 人 。 「お金 が ない 」と 言って レストラン に 行かずに 、コンビニエンスストア に 飛び込む 人 。 たしかに 街 中 に 、あらゆる 便利な 食べ物 が あふれて い ます 。 しかし それ ら は 、あくまで 緊急 の 場合 、やむを得ない とき の 非常食 。 「体 に 悪い けど 、今 は 仕方 が ない 」という 認識 を もって 、我慢 し ながら 食べる べき もの です 。 それなのに 、コンビニ の サンドイッチ で 朝 ごはん 、お 昼 は カップラーメン 、夜 は デパート の お惣菜 と いう 食生活 が 「基本 」に なったら 、味覚 は どんどん 鈍く なり ます 。 添加 物 の 問題 も あり ます が 、「心 が こもって いない もの を 食べて も 満たされ ない 」と いう の も 大きい でしょう 。 その 証拠 に 、おにぎり や カップ ラーメン だけ で は 物足りない と 、菓子パン や お菓子 を 追加 する 人 も 多い ようです 。 こんな 暮らし が 続けば 、体 だけ で は なく 、心 の 健康 も 損なわ れて しまい ます 。 「一日 三食 、自分 で 料理 しろ 」と 言う つもり は ありませ ん 。 「外食 する なら オーガニック の 店 か 高級 レストラン ! 」と 言い たい ので も あり ませ ん 。 その 日 の 体調 や 置かれた 環境 、忙しさ や お財布 の ぐあい 、あらゆる 制約 が ある なか で 、「今 の 自分 が 選べる なか で 、最良 の 食事 は 何 か ? 」を きちんと 考え 、選択 しよう と いう 提案 を し たい のです 。 例えば 、今日 は 一日 忙しくて ランチ に 出かける 時間 も ない と 思ったら 、朝 ごはん の ついでに おにぎり を つくり 、会社 に 持って いく 。 朝 ごはん を つくれ ない とき 、自動 的に コンビニ に 飛び込む ので は なく 、できたて の サンドイッチ を 出す カフェ を 見つけて 立ち寄って みる 。 考えて みれば 、お金 を かけ なくて も 、毎回 自分 で つくら なくて も 、心 の こもった 食事 を する 方法 は たくさん あり ます 。 もう 一 つ 、一人 の とき の 食事 も 同じ ように 大切に する こと も 忘れずに 。 「 人 に つくって 食べ させる の は 頑張れる けど 、 一人 なら カップ ラーメン で いい 」 友人 である 料理人 が こう 言った とき 、 僕 は 怒りました 。 自分 の 手料理 を 食べた 人 に 喜び と しあわせ を 感じて 欲しい なら 、まず 自分 が 幸せに なら なければ だめじゃ ない か と 。 「自分 だけ だ から 、まあ いい か 」と 思った とたん 、おいしさ も しあわせ も 逃げて いきます 。 朝 ごはん は 、一日 の はじまり 。 あなた が 一人 暮らし でも 家族 が いて も 、 忙しくて も ゆったり して いて も 、 どう か 、 すこやかな 「 いただきます 」 を 。 松浦 弥太郎 『今日 も ていねいに 。