朗読 原稿 【 第 4 回 】 実行 する 実行 家
【 第 4 回 】 実行 する 実行 家 思う こと 。 考える こと 。 アイデア 。 僕 の 場合 、これ が なくては 仕事 に ならない し 、暮らしていけない と 言える くらい 、いろいろな こと を よく 考えます 。 アイデア は 大切 です が 、実行する 行動力 も 大切 です 。 さもなくば 、手のひら から こぼれおちる 砂粒 みたいに アイデア が 消えて しまう の も 事実 でしょう 。 「あんな こと を やりたい 」と 、いろいろ 話す 人 は います が 、一向に 手がけて いる 気配 が ない と 評論家 に なって しまい ます 。 思って 、考えて 、人 に 喋り 、何も 始め ない うちに 結論 を 出して しまう ように なる のです 。 始まり も ない のに 終わり が 来る ——そんな あっけない 暮し は 、できる 限り 避けたい と 思います 。 そこ で 目指す は 、実行 する 実行 家 。 アイデア が 浮かんできたら 、思う だけ でなく やって みます 。 発明 が 実験 に よって 進化する が 如く 、試して みれば 新たな 考え も 生まれてくる もの です 。 その ため の 工夫 は 、難しい こと で は ありませ ん 。 毎朝 、今日 やる こと を 書いた 、箇条書き の リスト を 作る だけ 。 仕事 で やるべき こと 、自分 プロジェクト 、「娘 と プール に 行く 」なんて 、ちょっと した こと も 書いていきます 。 人 は 忘れ やすい 動物 で 、せっかく 自分 が やり たい と 思った 楽しい こと で すら 、リスト なし で は 忘れて しまう から です 。 リスト が できあがったら 、簡単な こと から 実行して いきます 。 できなかったら 次の 日 に 繰り越し 、翌日 も できなかったら 、その 翌日 に 繰りこし ます 。 全部 が 簡単な こと で は ない ので 、繰り越し が えんえんと 続く こと も 、まま あり ます 。 それ でも 一向に かまいませ ん 。 「繰りこして いる 」という 状態 を 自覚する だけ で 、ずいぶん と 違う もの です 。 どうやら 人 に は 、できなかった こと を 「なかった こと 」に してしまう 心 の 作用 が ある ようで 、へた を する と 、できなかった こと を 忘れる 努力 を しかねません 。 そこ で 、「やりたい けど 、できていない んだ 」と 確認する こと が 、かなめ と なります 。 十九歳 の とき アメリカ で 、はじめて システム 手帳 と いう もの を 見ました 。 六 穴 式 バインダー の 手帳 です 。 ご存知 の とおり いろいろな レフィル が あります が 、当時 の 僕 が いちばん 驚いた のは things to do という フォーマット 。 「〇 月 〇 日 、今日 の やるべき こと 」を 書き込む 欄 に は 、左端 に 小さな 四角い チェックボックス が ついていて 、あとで 自分 が 書いた こと を やった か やらない か 、振り返り も できる のです 。 なんて 合理的 なんだ と 、びっくり し ました 。 僕 は システム手帳 を 使って は いません が 、毎朝 の 基本 は things to do 。 フリーハンド で 自由に 書いて いく だけ で 、リマインダー に も なります 。 今日 の things to do 、今月 の things to do が あれば 、暮らし も 仕事 も 山 の てっぺん から 見渡す ように クリア に なり 、実行する 実行家 の 第一歩 が 踏み出せます 。 松浦 弥太郎 『今日 も ていねいに 。