01.4ソクラテス :猫 とは 何 でしょう ?-Challenging
H:あの う 、すみません 。
S:おぉ 、何 だい ? H:私 の 猫 が 行方 不明 に なって いて 、ずいぶん 探して いる んです けど …。 ここ ら辺 で 猫 を 見ませ ん でした か ? S:おぉ 、どうして 君 は 、わし が 前 に 猫 を ここ で 見た か どうか を 質問 しない と いけない んだ ね 。 猫 は 羊 の ように 群れ を なして 、朝 も 夜 も 道端 で わし の 前 に 現れる 。 H : あ ぁ …。 でも 、特別な 猫 な んです 。 白く って 、トラ みたいに 背中 に 薄い 茶色 の 縞々 あって 。 だから 名前 は 「タイガー 」って 言う んです けど 。 普通の 猫 より ちっちゃ くって 、だ から 、なんか トラブル に 巻き込まれた んじゃないか と 思って 心配 してる んです けど …。 S:お嬢さん の 名前 は 何 て 言う んだ ね ? H:あ ~、私 は ホナミ と 言い ます 。 S : ふむ 。 つまり 、ホナミ さん 、ホナミ さん は ホナミ さん の 猫 は 特別 だ と 言う 。 世界中 の 何 百 匹 の 猫 の 中 でも 特別な 猫 だ と 。 私 は 、何か 1つ を とって それ が 特別だ と 言ったり する こと が 無い 人間 で なぁ …。 特に 、それ が 誰 か に とって 特別 って こと は なぁ 。 でも 、もし ホナミ さん が 、ホナミ さん の 猫 が 特別 である ゆえん を 知っている と 言う の なら 、猫 が なんたる もの かも 言える 筈 だろう ? H : は ? えっ と …、すみません 、おっしゃって る 意味 が よく わから ない んです けど …。 S:「猫 」だ よ 、「猫 」。 「猫 」と は 何 なの か と 問うて おる 。 もし ホナミ さん の 猫 が 特別 だ と 言える のだ と したら 、まず 猫 と は 何 なの かも 言える はず だろう ? そこ から 何 が 違って いて 、また 何 が 秀でて いて 、ホナミ さん の 猫 が 特別 だ と 言える の か が 決められる んじゃないのかね ? H : あ ~・・・、 えっと 、 はい 、 うん 、 そう です ね 。 そう かも しれ ない で すね 。 S:じゃぁ 、まず 最初に 、わし が 考えて いる もの が 猫 である と 、何 が どう すれば 確実に 言う 事 が 出来る の か 教えて くれる かね ? H:えっ と …、猫 は 4 本 足 です …。 S:そう か 。 4 本 足 …。 そりゃ 、そう だろう な 。 しかし 、テーブル だって 4 本 足 じゃ ない の か ね ? テーブル と 猫 を 間違わ ない ために は 、その 違い として 何 を 理解 して おかない と いけない の か ね ? H:え ぇっ と …。 そう ! うーん と 、テーブル も 脚 が 4 本 ある けど 、テーブル は 猫 みたいに 動き回ら ない じゃない ? テーブル は ずっと そこ に ある って いう か …。 猫 は 生き物 でしょ ! 猫 は すっごく よく 動く し 、すばしっこい の 。 私 の 猫 は 間違い なく 、近所 で 一番 すばしっこい の 。 テーブル と は 全然 違い ます 。 S:ふむ 。なるほど 。 でも 、他の こと が ひっかかる の ぅ 。 ホナミ さん が 猫 は すばしっこく て 、生き物 だ と いう が 、その 特徴 は 馬 だって 持って る んじゃ ない の か ね ? 速度 と 機敏 さ だったら 、馬 の 特徴 じゃ ない の か ね ? H:あ ~…、そう です けど …。 S:私 が 猫 を 思う とき 、それ が 馬 なのに 猫 だ と 勘違い して いる んじゃないか と 、わし が どんなに 考えている か を 今 なら わかってくれる かね 。 H:はい 、はい 、わかり ます 。 S:私 の 苦しみ が わかる だろ ? H : はい 、 わかる ・・・ と 思います 。 でも 、すみません 、私 、急いで るんです 。 薄茶色 の 縞々 の 猫 を 見た か どう か 、教えて いただけませんか ? S:お嬢さん 、わし を 馬鹿に しちゃ いかん よ 。 わし が 見て きた 何 百 の 猫 の 中 から 、ホナミ さん の 猫 は 特別 だ と 言う のに 、猫 が 何たる かも 言え ない かも しれない なんて 、これ は 深刻な 問題 だ と 思う んだ が 。 ホナミ さん が ホナミ さん の 猫 が 特別な 何 か だ と 言う とき 、この 単純な たった 一つ の 質問 に 答え られない のに 、どう やって わし が ホナミ さん を 理解して 、どう やって 信じれば いい の か ね 。 H:は ぁぁ ぁぁ …。 はい 、はい 、わかり ました 。 でも 、待って 。 多分 、わかんない で す 。 もう 、猫 が 何 か なんて 、わかんない で す 。 分かって る と 思う けど 、でも 言う 事 が 出来ない です 。 おじいさん 、私 、どう やって 言ったら いい かわかんないです 。 S:そう 、それ が 一番 賞賛 に 値する 答え だ よ 。 ホナミ さん 、知らない こと を 知らない と 認める こと が 良い 時 も ある んだ よ 。 それ が 例え 全く 知識 が ない と 思わ れ て しまった と しても ね 。 い づれ に せよ 、猫 を 探す なら この 道 行く が 良い 。 猫 が 無事に 帰って くる よう 、祈って る よ 。
H:えっ、あ、はい…。
どうも ありがとう ございます 。