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三姉妹探偵団 2 キャンパス篇, 三姉妹探偵団(2) Chapter 17 (1)

三 姉妹 探偵 団 (2) Chapter 17 (1)

17 祭 は 始まる

殺人 事件 は 解決 して い なくて も 、 夕 里子 が 見付から なくて も 、 国友 が 焦って いて も 、 ほとんど の 大学生 に とって は 、 何の 関係 も ない こと だった 。

いつ に なく 、 朝 早く から 学生 たち が キャンパス に 溢れ 、 景気 の いい 音楽 が 、 臨時 に 木 に くくりつけ られた スピーカー から 流れた 。

青空 に 、 時たま 雲 が 見える くらい の 上 天気 。

── 誰 が やった の か 、 ちょっと した 打上げ 花火 が 、 ドカン 、 ドカン 、 と 空中 に こだま した 。

文化 祭 は 、 開幕 した のである 。

「 ええ 」

綾子 は 肯 いた 。

いくら 朝 に 弱い 綾子 でも 、 今日 ばかり は 、 ちゃんと 大学 へ 出て 来て いた 。

本当 なら 、 相当 の 寝不足である 。

ともかく 、 夕 里子 が 帰ら ない か と 、 ゆうべ は ずっと 起きて いた のだ 。

「 何 か あった んだ 」

国友 も 、 いささか 疲れた 顔 で 、 首 を 振った 。

「 事件 に 首 を 突っ込む の は 危 い 、 と 言った のに ……。

しかし 、 僕 も 悪かった んだ 」

「 国友 さん の せい じゃ あり ませ ん 」

と 、 綾子 は 言った 。

「 あの 子 、 大体 が 無 茶 ばかり やって る から 」

「 お 姉ちゃん 、 そう 簡単に 参ら ない よ 」

と 言った の は 、 珠美 である 。

もちろん 今日 は 学校 も 休み だ 。

三 人 は 、 大学 の 正門 の わき に 立って いた 。

まだ 時間 は 早かった が 、 十 時 ぐらい に なれば 、 人 が また 、 どっと 押しかける に 違いなかった 。

「── ともかく 、 今日 、 何 か が 起り そうな 気 が する ね 」

と 、 国友 は 言った 。

「 私 、 大丈夫です 」

と 、 綾子 は 言った 。

「 神 山田 タカシ が 来たら 、 案内 し なきゃ いけない し 、 ずっと 一 人 に なる こと ないし 。 ── 夕 里子 を 捜して 下さい 」

「 分 って る よ 。

必ず 見付ける 」

国友 は 、 綾子 の 肩 を 叩いた 。

「 私 、 適当に ぶらついて る わ 」

と 珠美 は 言った 。

「 食べ 過ぎ ないで よ 」

「 失礼 ね 。

私 だって 、 夕 里子 姉ちゃん の こと 、 心配 して る んだ から 」

「 心配 する の は いい けど 、 危 い こと は やめて くれよ 」

と 、 国友 は 真顔 で 言った 。

「 あ 、 水口 さん 」

と 、 綾子 が 言った 。

水口 恭子 が 、 紺 の ブレザー 姿 で やって 来た 。

「── 神山 田 タカシ の 車 は まだ ?

「 ええ 。

もう 来る と 思い ます 」

「 じゃ 、 後 の 案内 を よろしく ね 」

「 大丈夫です 」

水口 恭子 は 、 国友 に ちょっと 会釈 して 、 足早に 歩いて 行った 。

「 なんとなく 頼り に なり そう ね 、 ああいう キビキビ した 人 って 」

と 、 珠美 が 言った 。

「 そう いえば 、 梨 山 先生 は 、 今日 、 奥さん の お 葬式 だって 言って た わ 」

「 文化 祭 の 日 に ?

「 仕方ない んでしょ 。

── あ 、 あの 車 かしら ? 大きな 、 トレーラー 型 の トラック が 、 正門 に 向 って やって 来る 。

「 なんだか ゴテゴテ 落書 して ある わ 」

「 どうやら 、 あれ らしい な 。

道具 も 少なく ない だろう から ね 」

と 国友 は 言った 。

「 じゃ 、 頑張って くれよ 」

「 ええ 、 ありがとう 」

綾子 は 微笑んだ 。

そして 、 やって 来た トラック の 方 へ と 駆け出して 行く 。

「── 綾子 姉ちゃん が 『 働いて る 』 って 、 初めて 見た な 」

と 、 珠美 が 言った 。

「── 君 は どう する ん だい ?

「 中 を ぶらついて る 」

「 分 った 。

ともかく 、 変な 気 を 起さ ないで くれよ 。 いいね ? と 、 国友 は 指 を 立てて 、「 行方 不明 は 一 人 で 沢山だ よ 」

「 ご 心配 なく 」

と 珠美 は 言った 。

とはいうものの ── 珠美 だって 、 一応 、 夕 里子 の こと は 心配な のである 。

ただ 、 あんまり もろ に 、 それ を 表 に 出さ ない と いう だけ だ 。

「 さて ……」

どう しよう か 。

── 国友 に ああ 言わ れた から って 、 本当に 、 売店 の はしご を して 、 アメ なんか なめて いる わけに いか ない 。

もちろん 、 珠美 に は 、 夕 里子 の ような 「 探偵 願望 」 は ない 。

しかし 、 人並に 好奇心 は 持ち合せて いる 。

ともかく 、 まず 行動 を 決める ため に 、 考えよう 。

考える ため に は ── やはり 、 何 か 飲む もの ぐらい は ほしい 。

臨時 の 「 喫茶 店 」 が 、 教室 の 一 つ を 使って 、 作ら れて いた 。

中 へ 入る と 、 まだ 客 は パラパラ 。

コーヒー 一 杯 百 円 也 を 注文 して ── 高い なあ 、 と 顔 を しかめる 。 何しろ 、 衝立 の 陰 で 、 インスタントコーヒー を 使って いる の が 、 見えて いる のだ 。

あれ なら 原価 は せいぜい 十 円 くらい だ 。

女子 学生 が エプロン など しめて 、 慣れ ない 手つき で 、 コーヒー を 運んで 来る 。

あれ 、 こぼさ れたら 、 かなわない ね 、 と 思わず 身 を 引いたり した 。

「 キャッ !

ごめんなさい ! やった !

── 水 の コップ を 持った 女の子 が 、 入って 来た 男性 に ぶつかった のだ 。 水 で 良かった けど ……。 あれ ?

「── 何 だ 、 ここ に いた の か 」

別れた ばかりの 国友 だった 。

「 どう しよう か 、 考えよう と 思って 」

と 、 珠美 は 言った 。

「 僕 も だ 。

── やれやれ 、 少し 濡れ ち まった 。 おい 、 コーヒー を くれよ 」

と 、 声 を かけて おいて 、「 熱い もの でも ひっかけ られたら 、 大変だった 」

「 本当 ね 」

「 慣れ ない こと は 、 やる もん じゃ ない な 」

と 、 国友 は 笑った 。

「 ねえ ──」

と 、 珠美 は 言った 。

「 何 だい ?

「 慣れ ない こと って ……。

もしかしたら ……」

「 どうした ?

おい 、 君 も 夕 里子 君 と 似て 来た ぞ 」

「 代理 よ 」

と 、 珠美 は 言った 。

「 もしかしたら 、 あれ も 、 慣れて なかった から じゃ ない かしら ? 「 あれ って ?

「 ほら 、 黒木 って マネージャー が 殺さ れた でしょ 。

でも ── 落ちて 来た の は ハンマー だった わ 」

「 うん 、 それ が ?

「 でも 綾子 姉ちゃん を 狙った の は 、 鉄 アレイ だった 。

── それ なら 分 る の 。 人 を 殺そう と する の なら 、 それ くらい の 重 さ の もの の 方 が いい でしょ 」

「 うん 、 そう だろう な 」

「 でも 、 ハンマー なんて 。

殴りつける なら ともかく 、 落として 、 殺せる と 考え られる かしら ? 「 じゃ 、 君 は ──」

「 もし かして 、 あの ハンマー は 、 本当に 、 屋根 裏 で 使って た んじゃ ない かしら ?

でも 慣れて なかった から 、 手 が 滑って 、 落として しまった 。 その 真 下 に たまたま 黒木 が ……」

「 じゃ 、 あれ は 事故 だった 、 って いう の かい ?

「 そう 思わ ない ?

文化 祭 を 控えて 、 誰 か が 直さ なきゃ いけない ところ が ある の を 思い出して 、 上って た と して も 、 おかしく ない わ 」

「 そりゃ そう だ な 。

しかし ……」

と 、 国友 は 、 運ば れて 来た コーヒー を 、 一口 飲んで 、 顔 を しかめた 。

「 インスタント か 、 これ は ! 「 お 砂糖 、 ドバッ と 入れたら ?

「 うん 。

そう する 。 ── しかし ね 」

国友 は 砂糖 を 入れ ながら 、 言った 。

「 それ だったら 、 名乗り出て 来る と 思わ ない か ? 何も 殺人 って わけじゃ ない んだ から 」

「 とっても 気 の 弱い 人 だったら 、 分 ら ない わ 。

それとも ── 名乗り出 られ ない 人だったら 」

「 と いう と ?

「 事故 だった けど 、 たまたま 当の 相手 を 、 殺す 動機 を 持って いた と したら ?

「 つまり …… そう か 、 太田 が やった んだ と したら 」

「 そう よ 。

太田 さん だったら 、 あの とき 、 あそこ へ 上って て も おかしく ない わ 」

「 あの とき 、 太田 は 石原 茂子 と 待ち合せて た んだ 。

── 綾子 君 の 話 じゃ 、 二 人 が 黒木 と 会う ため に 、 学生 部 の 会議 室 へ 行った とき 、 途中 で 、 ジーパン 姿 の 太田 と 会って る 」

「 途中 、 講堂 に 寄って 、 どこ か 、 直す 所 を 片付けて いこう と 思って も 、 不思議 は ない わ 」

「 なるほど 。

── その 可能 性 は ある 」

国友 は 肯 いた 。

「 だって 、 狙い 定めて 、 何 か を 落とす に は 、 あの 舞台 の 裏手 は 暗 すぎ ない ?

「 そう よ 、 私 も そう 思う わ 」

と 声 が した 。

「 綾子 姉ちゃん !

綾子 が いつの間にか 、 二 人 の そば に チョコン と 座って いた 。

「 こんな 所 で 何 して ん の ?

「 神 山田 タカシ と 、 バンド の 人 に 、 コーヒー 持って行く の よ 」

「 ああ 、 びっくり した 。

── でも 、 お 姉ちゃん も 、 そう 思って た の ? 「 うん 。

だから 、 私 が 狙わ れた なんて 、 おかしい って 何度 も 言った のに 、 聞いて くれ ない んだ もの 」

「 理由 を 言わ ない から よ 」

「 訊 かれ なきゃ 、 言え ない わ 」

綾子 は 、 立ち上って 、「 じゃ 、 私 、 コーヒー 持って行く から 」

「 気 を 付けて ね !

と 、 珠美 は 、 綾子 の 背中 に 、 声 を かけた 。

「── しかし 、 そう なる と 、 綾子 君 を 狙った の は 、 誰 って こと に なる んだろう ?

「 きっと 、 太田 さん が 、 誤って 黒木 を 殺して しまった こと を 、 知って た 人間 だ わ 」

「 と いう と ?

「 あの 爆弾 事件 。

── お 姉ちゃん は 何も 見て ない のに 、 どうして 狙わ れた の かって こと 」

「 うん 。

つまり ── そうだ 。 黒木 の 死 を 、 事故 で ない と 思わ せる ため だ 」

「 そう よ 、 きっと 。

あの とき 、 お 姉ちゃん を 狙う なんて 、 それ しか 考え られ ない わ 」

「 する と 誰 が そんな こと を やった んだろう ?

「 分 ら ない けど ……。

でも 、 続いて 誰 か を 殺す つもりだった んだ わ 、 きっと 」

「 その 犯人 も 、 太田 だ と 思わ せよう と した んだ な 」

「 別 口 の 殺人 が 、 そう そう 起る わけ も ない もの ね 」

「 梨 山 夫人 の 首 に 巻きついて いた の は 、 太田 の 肩 紐 だった ……」

国友 は ゆっくり と 肯 いた 。

「 そう か 。 犯人 の 本来 の 目的 は 、 梨 山 夫人 を 殺す こと だった んだ 。 ところが 、 たまたま 、 太田 が 黒木 を 死な せて しまう の を 目撃 した 。 いや 、 太田 が 講堂 から 、 あわてて 出て 来る の を 、 見た んだろう 。 後 で 、 黒木 の 死 を 知った 。 ところが 太田 は 、 名乗り出て 来 ない 。 それ で 、 太田 に 罪 を かぶせる こと を 考えついた 。 ── この 順序 に なる な 」

「 それ じゃ 、 太田 さん が 首 を 吊 った の も 、 もしかしたら 、 自分 から じゃ ない の かも しれ ない わ 」

「 うん 、 その 点 は 僕 も 考えた 。

しかし 、 大 の 男 を 、 あんな 木 に ぶら下げる の は 容易じゃ ない よ 」

「 だ から 手間取った んだ わ 、 きっと 」

と 、 珠美 は 言った 。

「 だって 、 ああして 、 命 を 取り止める なんて 、 ぶら 下って た の は 、 ほんの わずかの 時間 だった わけでしょ ?

もし 、 自分 で 首 を 吊 った の なら 、 あんなに 時間 が かかる わけない と 思う 」

「 そう だ な 。

もしかすると …… 石原 茂子 の 話 も 、 本当 か どう か 分 ら ない な 。 梨 山 夫人 が 太田 に 言い 寄って いた と いう の は ……」

「 作り話 かも しれ ない わ 。

石原 さん は 、 ただ 夫人 の 死体 を 見付けて 、 首 に 巻きついて いる 紐 を 見た だけ かも ……。 もし 、 太田 さん と あそこ で 待ち合せ して いて 、 そこ に 梨 山 夫人 の 死体 が あり 、 首 に あの 紐 が 巻きついて いたら ──」

「 そして 、 太田 の 姿 は ない 。

宿直 室 に も 、 きっと 行って みた だろう 。 しかし 、 太田 は 、 きっと 犯人 の 手 で 眠ら さ れて た んだ 」

「 石原 さん 、 犯人 が 太田 さん だ と 思った んだ わ 。

それ で 、 まず お 姉ちゃん を 呼んで 、 自分 が やった と 言った 」

「 ところが 、 僕ら が 、 それ に ついて行った んだ な 。

しかも 、 夕 里子 君 は 、 紐 が 替って いる の を 見抜いて しまった 」

「 それ で 、 急いで 、 あの 話 を でっち上げた んじゃ ない かしら 」

「 犯人 に して みれば 、 太田 が 命 を 取り止めた の は 誤算 だった な 。

── 意識 を 取り戻したら 、 総 て 分 って しまう 」

── 国友 は 、 ハッと した 。

「 ね 、 まさか 病院 の 方 まで ……」

「 分 ら ない ぞ 。

── もちろん 石原 茂子 は そば に ついて る し 、 一応 、 警官 が 詰めて いる が ……」

「 でも 、 今日 は 、 文化 祭 だ もの 。

犯人 だって 、 病院 へ 行って いる 余裕 は 、 ない んじゃ ない の ? 「 文化 祭 だ が 、 大学 へ 来て ない 奴 も いる 」

「── 梨 山 教授 !

「 亭主 を 疑え か 。

── よし 、 私服 の 刑事 を 張り込ま せよう 」

国友 は 立ち上る と 、 電話 を かけ に 、 走り 出て 行った 。

珠美 は 、 フウッ と 息 を ついた 。

── こんなに 色 んな こと 考えた こと 、 珍しい な 。

「 警視 庁 に 謝礼 を 請求 しよう 」

と 、 呟く 。

さて ── 梨 山 夫人 を 殺した の が 、 ごく 平凡な 結論 ながら 、 夫 の 梨 山 だ と したら 、 その 動機 は ?

女 、 だろう な 、 きっと 。

どうして 、 大人 って 、 そういう 不経済な こと を やる の か な 。

奥さん が いる のに 、 愛人 なんか 作って 。

いくら 若い 女の子 は 可愛 いった って 、 二十 年 も すりゃ 、 おばさん に なっちゃ うんだ 。

そんな 簡単な こと が 、 どうして 分 ら ない の か なあ ……。

── 珠美 は 、 廊下 へ 出て みた 。

国友 が 戻って 来る 様子 は ない 。

ま 、 ずっと 付合う 必要 も ない んだ から ……。

珠美 は 、 ぶらぶら と 歩き 出した 。

今 の イントロ で 行こう ! ── おい 、 テンポ 、 よく 憶 え と いて くれよ ! ガンガン が なり 立てる 、 神山 田 タカシ の 声 で 、 綾子 は 少し 頭 が 痛く なって 来た 。

それ に 、 楽器 の 音 だって 、 アンプ の ボリューム を 上げる から 、 凄い 音 に なる 。

クラシック 音楽 を 愛好 する 綾子 と して は 、 とても 聞いて は い られ なかった 。

まだ リハーサル は 続き そうだ 。

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