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三姉妹探偵団 1, 三 姉妹 探偵 団 01chapter04(1)

三 姉妹 探偵 団 01chapter04(1)

4 休暇 届 は 遅かった

「こら 、会計 ! と 夕 里子 が 言った 。 「金 よこせ ! 「何 よ 、理由 が なきゃ 出して やん ない 」

珠美 は 、中学校 へ 行く ところ を 捕まって 、不機嫌 だった 。 「早く して よ 、遅刻 する じゃない の 」

「電話 代 」

「だって ──片瀬 さん と この を 使う んでしょ 。 だったら 、いい じゃない 。 お 金持 な んだ から 」

「そんな わけ に は いか ない わ よ 。 市 外 な んだ から 」

「どこ へ かける の ? 「 札幌 」

「 ええ ? 「パパ が 本当に 札幌 に 泊って なかった か どう か 、確かめる の 。 だから 一〇〇 番 でかける から 、お金 が いる の よ 」

「 いくら ? 「二千 円 も ありゃ いい わ 」

「 そんなに ? 「何 軒 かける か 分 ん ない の よ 」

「 分った わ よ 」

珠美 は 渋々 、財布 から 千 円 札 を 二 枚 出した 。

「余ったら 返して よ 」

何しろ ケチ に 徹して いる のである 。

「じゃあ ね 」

珠美 が 走って 行く の を 、夕里子 は 苦笑 し ながら 見送った 。

綾子 は 、張切って 出社 して 行った らしい 。 珠美 も 、めげ ず に したたかに やって いる ようだ 。 ──一向に 事態 は 良く なって いない が 、それ でも 夕里子 は 奇妙に 心 の 和む のを 感じて いた 。

片瀬 家 へ 戻る と 、敦子 が 鞄 を 手 に 出て来る ところ で 、

「夕里子 、行かない の ? 「当分 休学 」

「 どうして ? 敦子 は 、ちょっと 奥 の 方 を 気にして 、「ね 、授業料 なら 、うち の パパ に 出させる わよ 」

「違う の よ 」

と 、夕里子 は 友人 の 手 を 握った 。 「 ありがとう 。 感謝 します わ 」

「気味 悪い なあ 、もう 」

「何 よ ! ──私 は 、パパ の 無実 を 晴らす まで 、学校 に 行か ない の 」

「夕里子 が やる の 、そんな こと 」

「姉妹 三 人 、力 を 合わせて ね 。 警察 は パパ を 犯人 に 仕立てて 満足 して んだ もの 。 私 たち が やる 他 ない じゃ ない 」

「ね 、私 も 手伝う ! と 、敦子 が 目 を 輝か せた 。 「いい でしょ ? 「 だめ 」

「どうして よ ? 「敦子 引 張り込んで 、もしも の こと が あったら 、お宅 の ご両親 に 申し訳ない じゃない 。 散々 お世話に なって んのに さ 」

「 でも ……」

「休み の 日 に は 、何か 頼む かも しれない けど 」

「 分った 」

敦子 は 渋々 肯いて 、「犯人 捕まえる の は 、日曜 か 祭日 に して ね 」

「そう 巧く 行く もん です か ! ──夕里子 は 、居間 へ 行く と 、掃除 を 終えた 敦子 の 母 へ 、

「電話 、お 借り し ます 」

と 頭 を 下げた 。

さて 、メモ を 取り出し 、書き抜いて 来た 、札幌 の 主な ホテル の 番号 を 眺める 。 そう 数 は ない が 、事件 の あった 日 か 、その 前 から 、父 が 泊っていた か どうか 、調べて もらおう と いう のだ 。

訊いて も 、果して 教えて くれる もの か どう か 。 ともかく 当って 砕けろ 、だ 。

「さて 始める か 」

と 手 を のばした とたん 、電話 が 鳴り 出した 。 敦子 の 母親 は 、二階 を 掃除 している らしい 。 仕方なく 、夕里子 は 受話器 を 上げた 。

「はい 、片瀬 で ございます 」

夕 里子 は 声 が 死んだ 母 そっくり だ と いう こと に なっている 。 つまり 大人びた 声 な のである 。 特に 電話 で は 取り澄ました 声 を 出す ので 、余計 、大人っぽく なる 。

「もしもし 、奥さん だ ね 」

男 の 、低く 押し殺した 声 だ 。

「 もしもし ? 「俺 だ よ 」

向う は 、こんな 時間 だ から 、母親 しか いない と 思っている の だろう 。

「 あの ……」

と 言って 、夕里子 は 言葉 を 切った 。 何 か 相手 の 話し方 に 、まともでない 印象 を 受けた のである 。

「会い たい んだ よ 」

男 は 低い 声 で 言った 。 「この前 の ホテル に 来て くれ 。 二 時 に 。 ──分 った かい ? 「え 、ええ ……」

「来ない と 旦那 に しゃべる ぜ 。 いい か 」

電話 は 唐突に 切れて しまった 。

夕里子 は しばらく 受話器 を 握った まま 、その 場 に 突っ立って いた 。

敦子 の 母 が 顔 を 出して 、

「夕里子 さん 、今 、電話 が かかった ? 「 え ? あ ──あの 、間違い です 」

夕里子 は 急いで 受話器 を 戻した 。

「 そう 」

敦子 の 母 は 、疑う 様子 も なく 、掃除機 を ガラガラ 引きずり ながら 、あっち へ 行って しまった 。 夕 里子 は 、動悸 が 鎮まる の を 待って いた 。

今 の 電話 は ……。 初め 、夕里子 は 、よく 手当り次第 に かけて 来る 、いたずら 電話 か と 思った のである 。 しかし 、 向こう は 「 この前 の ホテル 」 と いい 、「 二 時 に 」 と 言った 。 しかも 、「来ない と 旦那 に しゃべる 」と も ……。

と いう こと は 、少なくとも 一 度 は 、あの 男 が 敦子 の 母 と 会って いる と いう こと である 。

「 まさか ! と 、夕里子 は 呟いた 。

いや ──夕里子 とて 子供 で は ない から 、いかに 仲 の 良さそうな 夫婦 といえども 、色々 問題 も ある だろう ということ は 想像 が つく 。 しかし 、あの 電話 は 、どう 見て も まともで は なかった 。 敦子 の 母 が 、万一 浮気 する に しても 、あんな 男 に ……。

それにしても 、どうした もの だろう 、と 夕里子 は 考え込んで しまった 。 まさか 敦子 の 母 に 、今 の 電話 の 内容 を 伝える わけに も いかない 。

しかし 、黙って いれば どう なる か ? 当然 敦子 の 母 は 、ホテル へ 行か ない 。 あの 男 は 、もし 来なければ 、しゃべる 、と 言っている のだ 。

夕 里子 が 黙って いる こと で 、却って 片瀬 家 の 平和 が めちゃくちゃに なる かも しれない 。

「参った なあ ……」

夕 里子 は 頭 を かかえて しまった 。 と たんに また 電話 が 鳴り 出した 。

「私 が 出る わ 」

今度 は 敦子 の 母 が やって 来た 。 また 今 の 男 だろう か ?

「 はい 。 片瀬 です 。 ──少々 お 待ち 下さい 」

受話器 を 夕 里子 の 方 へ 差し出して 、「あなた に よ 」

逆 なら よかった のに 。

「野上 さん って 女 の 人 」

野上 。 ──野上 幸代 か 。 父 の 会社 で 親切に して くれた 人 だ 。

「ああ 、夕里子 さん ? 野上 幸代 よ 」

「昨日 は どうも 」

「お宅 の 電話 が かかんな い から ──当り前 だ けど ね ──学校 へ かけて ね 、担任 の 先生 から そこ を 聞いた の 」

「 どうも ……」

「昨日 は カッコ良かった じゃ ない ! すっかり 惚れちゃった わ よ 、あんた に 。 胸 が スッ と した 。 会社 でも たちまち 大 評判 よ 」

「そんな こと ──」

「それ で ね 、昨日 、あなた が お父さん の 休暇 の こと 、気にしてた でしょ ? 私 、休暇 届 の つづり を 調べて みた の 」

「すみません 、本当に 。 何 か 分 り まし て ? 「ちょっと あんた に 見て ほしい の 。 どうも 佐々 本 さん の 字 と 違う ような の よ ね 」

夕 里子 は 、胸 が ときめいて 来る の を 感じた 。

「じゃ 、そちら へ 行き ます ! 「うん 、一時間 で 来られる ? じゃ 、会社 の ビル の 前 に 喫茶店 が ある から 、そこ へ 」

「 はい ! 元気 よく 、夕里子 は 立ち上り ながら 答えた 。 もう 怪 電話 の こと など 、どこ か へ 吹っ飛んで いた 。

「──お 仕事 、いい んです か ? 昨日 、西川 と 会った 喫茶店 に 入る と 、野上 幸代 が 、まだ 十二時 前 だ と いう のに 、サンドイッチ を 食べている 。

「 平気 、 平気 」

と モグモグ やり ながら 、「あんた も ね 、二十 年 近く も 勤めて ごらん 。 何 やった って 文句 言わ れ なく なる から さ 。 一緒に 食べる ? 「いいえ 、結構です 」

夕 里子 は つい 笑って しまった 。 「それ で 、休暇 届 の 方 は ──」

「あ 、そう か 。 肝心 の こと 忘れちゃ いけない ね 」

野上 幸代 は 事務 服 の ポケット から 、ノート 半分 くらい の 紙 を 取り出した 。 簡易 印刷 と いう の か 、〈 休暇 届 〉 と あって 、 日付 、 理由 を 書く 欄 が あり 、 下 に は 印 を 押す 欄 が 四 つ も 並んで いる 。

「こんなに ハンコ 押す んです か 」

「 そう 。 上役 は 見 やしない で 、女の子 が 押す んだ けど ね 。 それ 、佐々本 さん の 字 ? 夕 里子 は 、 その 用紙 に 記入 された 〈 氏名 〉 欄 の 〈 佐々 本 周 平 〉 と いう 文字 を じっと 見つめた 。 父親 の 字 を 、そう そう よく 見た こと は ない が ……。

「似て います けど ……でも 、何か 違う みたいです 」

「私 も そう 思った の 。 これ が 他の 伝票 の 字 な の よ 」

野上 幸代 は もう 一 枚 の 伝票 を 取り出した 。

「これ は 間違い なく 佐々本 さん の 書いた やつ な の 。 ほら 、見て 」

夕 里子 は 二 枚 の 伝票 の 字 を 見比べた 。

「でも 、そっくり ……」

「そっくり 過ぎ ない ? 「 え ? 「どんな 人 だって 、くせ は ある と しても 、名前 を 全く 同じ に 書く なんて こと 、ない でしょ ? それ に しちゃ 似 すぎてる ような 気 が する の よ 」

そう 言わ れて みれば 確かに その 通り だ 。

「 それ に 、 ちょっと 変な の は 〈 理由 〉 な の 」

「〈 私用 〉って なってます ね 」

「 そう 。 〈 私用 〉 に は 違いない ん だ けど ね 。 一 日 ぐらい の 休み なら 〈 私用 〉 で いい けど 、 木 、 金 、 土 と 三 日間 でしょう 。 長い 休み に 〈 私用 〉 と いう 書き 方 を する と 課長 が うるさい の よ ね 」

「具体的に 理由 を 書け 、と いう こと ですか 」

「 そう 。 それ に 〈 旅行 〉 なら 、 別に 隠す こと もない し 、 そう 書いたろう と 思う の よ 」

夕 里子 は 眉 を 寄せて 考え込んだ 。

「 もし …… 誰 か が その 伝票 を 、 父 の 字 を 真似 して 書いた と したら 、〈 旅行 〉って いう 字 の 見本 が なかった ん じゃない でしょう か 。 父 は 私 たち を 置いて 旅行 に 出る なんて こと 、出張 以外 には ありませ ん でした から 」

「そう か ! 〈 私用 〉 なら いくらも ある から ね 。 あんた 頭 が いい ね ! 言わ れ つけ ない こと を 言わ れて 、夕里子 は 赤く なった 。

「 それ に 〈 旅 〉って 字 は 、 ちょっと 真似 する の に 面倒だ よ ね 。 〈 私用 〉 なら 、 そう くせ のない 字 だし ……」

「この 二 枚 の 伝票 、拝借 でき ませ ん か 」

「いい わ よ 、どう する の 」

「警察 で 筆蹟 を 見て もらおう と 思う んです 」

「探偵 さん 、頑張って ね 」

と 、サンドイッチ に ガブリ とかみつき ながら 、野上 幸代 は 言った 。

夕里子 は 、入り組んだ 住宅 密集地 を 、もう 一時間 以上 も 歩き回っていた 。

「やだ 、また 同じ 所 に 出て 来ちゃった 」

もう 、この 方向 音痴 ! ──自分 を ののしって みて も 、事態 は 一向に よく ならない のである 。

夕 里子 は 、水口 淳子 の 家 を 捜して いた 。 被害者 の 親 に 、容疑者 の 娘 が 会う という の は 、どんな もん かしら 、と 思わないで も なかった が 、なに 、構やしない 。 その 点 、まだ 高校生 である と いう の が 逃げ道 に なる 。

高校 生 と いう の は 便利 である 。 場合 に 応じて 子供 に なったり 、大人 に なったり できる から だ 。

さて 、水口 淳子 の 家 だが ……。 電話 帳 で 住所 を 調べて やって 来た のだが 、何しろ 分らない 。 交番 で 訊こう に も 交番 は ない し 、通りがかった 人 や 、その辺 の 店 で 訊いて も 分らない のだ 。

「ああ 、お腹 空いた 」

と 、夕里子 は グチった 。 さっき 野上 幸代 と 一緒に 食べて おけば 良かった な 、と 後悔 した 。 そう すれば 、あっち が 払って くれた だろう し 。 ──もっとも 、珠美 から 電話 代 として 預かった 二千 円 が ある から 、そう ケチケチ しなく たって いい のだ が 。

しかし 、これ じゃ どうどう巡り で 、一向に 辿り着か ない 。 先方 へ 電話 して も いい が 、自分 が 今 どこ に いる の か 分らない ので は 、道順 の 訊きよう も ない 。

夕 里子 は 仕方なく 、また 歩き 出した 。 ともかく 立ち止まって いて も 目的地 へ 着かない こと は 確かである 。

尾けられ て いる 。 ──突然 、夕里子 は 気付いた 。

足音 が 、ついて 来る のだ 。

昼下り 。 住宅 地 は 、静か だった 。 どこ から か 、ピアノ の 音 が する 他 は 、音 らしい 音 も ない 。

よく 晴れて 、暖い 日 である 。 こんな 気持 の いい 昼間 に 、 誰 かに 後 を 尾 けら れる なんて 、 と 夕 里子 は 思った 。 大体 美女 が 怪しい 影 に 尾 けら れる の は 、 夜ふけ と 決ってる じゃない の !

夕 里子 は 足 を 止めた 。 尾 け て 来る 足音 が ピタリ と 止まる 。 それ は ごく わずかの 差 で 、自分 の 足音 の エコー かしら 、と 思う ほど だが 、そんな はず は ない 。

また 歩き だす と 、もう 一 つ の 足音 も それ に 続く 。 歩調 が 違う 。 エコー で は ない のだ 。

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