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三姉妹探偵団 1, 三 姉妹 探偵 団 01chapter03(1)

三 姉妹 探偵 団 01chapter03(1)

3 OL 綾子 の 優雅な 生活

「行って らっしゃい 、お 姉さま 」

夕 里子 は ていねいに 頭 を 下げて 、綾子 を 送り出した 。 いや 、送り込んだ 。

水口 淳子 の 勤めて いた 会社 ──〈 東京 セクレタリー サービス 〉 と いう 名 だった ── の 入った ビル の 下 まで 、 綾子 を 引きずる よう に 連れて 来て 、 ビル の 入口 で 別れよう か と 思った が 、 どうも 心配で エレベーター の 所 まで やって 来た 。 まだ 不安な ので 、ついに 五 階 まで 上って 、当の 会社 の ガラス 扉 を 開けて やる ところ まで 、夕里子 としては とことん 面倒 を みた のである 。

さて 、これ で いい だろう 。 腕時計 を みる と 、ぎりぎり 、九時 二分 前 だった 。

「間に合って 良かった ! さて 帰る か 、と 下り の エレベーター を 待っている と 、一階 から 各駅停車 で 上って 来る 。 そして 扉 が 開いた 、と 思う と 、凄い 勢い で 中 から 若い 男 が 飛び出して 来た 。

ドシン と 夕里子 に 突き当り 、不意 を くらって 夕里子 は もののみごとに ひっくり返って しまった 。

「気 を 付けろ ! と 男 は 怒鳴って 、〈 東京 セクレタリー 〉 へ 飛び 込んで 行く 。

「ああ 、びっくり した ……」

夕 里子 は 目 を パチクリ して 、「どっち が 気 を 付けろ だ か ……」

凄い もん ね 、サラリーマン って 。

一方 、 夕 里子 に 押し 込まれた 綾子 は 、〈 受付 〉 と 札 の ある カウンター の 前 で 、 黙って 立って いた 。

その 内 、誰 か が 話しかけて くれる んじゃないか 、と 思って いた のである 。

何やら 若い 男 が 猛烈な ダッシュ で 駆け込んで 来る と 、カード を 時計 に 差し込んで 、

「 やった ! と 、飛び上って いる 。

あれ が タイムレコーダー なる もの らしい 。 九 時 に 間に合う って 、そんなに 嬉しい もの なの かしら ?

ポロン 、 ポロン と チャイム が 鳴って 、 仕事 が 始まる 。

広い 事務所 で は ない 。 ──人数 は 、ざっと 数えて 、二十 人 ぐらい か 。

女性 の 方 が 多い ようで 、綾子 は 少し ホッと した 。 しかし ──綾子 は 困って しまった 。

いくら 待って も 、誰 も 、

「何の ご用 ? と 訊いて くれない のだ 。

それ も 当然 で 、綾子 は カウンター から 三 メートル も 離れて 立って いた のである 。 受付 の 女性 は 、綾子 が 、たぶん どこ か の 出入り の 業者 の お使い か 何 か で 、そこ で 書類 の 出来上り を 待って いる んだろう 、と 思って いた 。

十 分 近く たって から 、綾子 は やっと 、恐る恐る カウンター の 方 へ 一 メートル ばかり 近付いた 。

受付 の 女性 が 気付いて 、

「何 か ご 用 です か ? と 声 を かけて 来た 。

「 あの ……」

と 言い かける と 、

「どう だ 、滑り込み セーフ だ ぜ 」

と 、ワイシャツ に ネクタイ 、サンダル を パタパタ いわ せ ながら 、くわえ タバコ で やって 来た の は 、さっき 飛び込んで 来た 若い 男 である 。 ずいぶん だらしのない 会社 ね 、と 綾子 は 眉 を ひそめた 。

「ぎりぎり だった でしょ 」

と 、受付 の 女の子 が 言った 。

「エレベーター の 前 に 女の子 が ポケーッ と 立って やがって さ 、こっち は 急いでる から 、ドーンと ぶつかって 、向う は 引っくり返っちまった よ 」

「まあ 、可哀そう に 」

「キョトン と して や ん の よ 。 スカート が ちらっと め くれて 、白い の が 見えて さ 」

「いや ねえ ! 二 人 が 一緒に なって 笑った 。

綾子 は 、それ が 夕里子 の こと に 違いない 、と 気付いた 。 ──気 は 弱い が 、妹 想い で は ある のだ 。 ムッと して 、カッと なって 、キッと にらみつける と 、

「それ は 私 の 妹 です ! と 声 を 震わせて 、「女の子 の スカート の 中 を 覗く なんて 、恥ずかしく ない んですか ! 二人 は キョトンと して 綾子 を 眺めて いた が 、

「──これ 、誰 ? と 男 の 方 が 言った 。

「 さあ ……」

「私 、アルバイト です 」

綾子 は 堂々と (? ) 名乗った 。

一方 、夕里子 の 方 とて 、遊んで いた わけで は ない 。

父 が 勤めて いた 〈 K 建設 〉 の ビル の 近く まで 行って 電話 を かけた 。

「もしもし 、販売 第 二 課 の 西川 さん 、おいでになり ます でしょうか 」

「西川 です か 。 そちら 様 は 」

「 あの …… バー 〈 三毛猫 〉 と 申します 」

「少々 お 待ち 下さい 」

夕 里子 の 声 は 、多少 大人びて 聞こえる のである 。 西川 は 父 と 親しい 同僚 で 、何度 か 家 に 遊び に 来た こと も ある ので 、よく 知っている のだ 。

「──おい 、何 だよ 、会社 へ かけて 来ちゃ 困る じゃないか 」

電話 口 を 手 で 囲って 、周り へ 聞こえない ように 話している らしい 。 夕 里子 は 笑い を かみ殺した 。

「今月 、ちゃんと 払う から さ 、もう 少し 待って くれよ 」

「もしもし 、西川 さん 」

「── 誰 だい ? 「佐々 本 夕 里子 です 」

「 え ? 何 だ 、びっくり した 」

大きな 吐息 が 、電話 口 から 伝わって 来た 。

「ちょっと 、お 話し たい んです けど 」

と 、夕里子 は 言った 。

「──お 父さん の こと じゃ 、大変 だろう ねえ 」

K 建設 ビル の 向い に ある 、小さな コーヒーハウス で 、西川 は 言った 。 コロコロ と よく 太った 、童顔 の 男 だが 、父 と 同期 の 入社 だった 。

「会社 で 、父 の 話 、出ます か 」

「まあ 、あんまり ね ……。 分 る だろう 。 話 と いって も ……」

「分 り ます 。 西川 さん 、父 と 親しかった でしょう 。 何 か ご存知 あり ませ ん か 」

「何 か ……。 いや 、知って りゃ いい んだ が ねえ 」

「父 に 恋人 が いたって こと 、知ってい ました ? 「いや 、全然 。 巧く 隠して いた もん だ と 思って びっくり した んだ よ 。 しかし 、いて も 不思議じゃ ない が ね 。 君 の お父さん は 、あの 通り ハンサム だ し 」

「何 か 父 の 口 から 聞いた こと ありませ ん か ? お 酒 を 飲んでる とき なんか に 。 誰 か 、好きな 女性 が いる 、くらい 」

「それ は 訊かれた よ 、警察 でも ね 。 しかし 、全然 記憶 ない んだ 。 まあ 、酔ってる とき の 話 なんて 、右 から 左 へ 通り抜け ちまう もん だ けど ね 」

「あの 水口 淳子 って 女性 、妊娠 してた って いう んです 。 でも 、父 は やもめ です から 、別に 他の 女 の 人 に 子供 が できて も 、殺す 必要 ない はずでしょ ? たとえば 西川 さん みたいに 奥さん の ある 方 なら ともかく 」

「おいおい 、夕里子 ちゃん 、ゾッと する ような こと 言う な よ 」

と 、西川 は 目 を 大きく 見開いて 、「そんな 話 が 女房 の 耳 に でも 入ったら 、大騒ぎ だ よ 」

「でも 、そう 思い ませ ん ? 「まあ ……確かに ね 」

「私 、父 は あの 女性 を 殺して ない って 信じて ます 」

「じゃ 、他 に 犯人 が いる 、と ……? 「 ええ 。 もちろん です わ 」

「でも 、それ なら 、どうして 佐々本 は 出て 来ない んだろう ? 「出て 来られない 状態 な の か 、それとも 、殺されている か です 」

「君 は なかなか 凄い こと を 言う ねえ 」

西川 は すっかり 夕 里子 に 呑まれている 格好だった 。

「父 が あの 木曜 から 休暇 を 取って いた の は ご存知 でしょう 」

「 うん 」

「でも 、うち に は 出張 で 札幌 へ 行く と 言って いた んです 。 西川 さん 、何か 聞き ませ ん でした ? 「いや 、聞かない な 。 ただ ──」

「何 です か ? 「休む って の も 知ら なかった よ 。 いつも なら 休み を 取る 前 は 、あれこれ 伝言 して いく の が 普通 だった 。 何しろ 販売 は お得意 あって の 仕事 だ から ね 。 お得意先 から 電話 が あって も 、話 が 通じ なかったら 大変だ 。 お 得意先 を 失う こと に なり かね ない から ね 」

「あの とき は 何も 言わ ず に ? 「うん 、変だ な 、と 思った んだ が 」

夕 里子 は 少し 考えて いた が 、

「課長 さん に 会わ せて 下さい 」

と 言った 。

「植松 課長 に ? でも 、どうして ? 「父 が 休暇 の 理由 を どう 言った か 、うかがって みたい んです 。 お 願い し ます 」

「うん ……しかし ……」

と 、西川 は 渋って いる 。

「いらっしゃる んでしょ ? 「いる こと は いる よ 。 ただ ……その ……僕 が 取り次ぐ という のは ……」

夕 里子 は 、西川 が 、迷惑 がって いる のに 気付いた 。 仲間 なんて こんな もの か 、と 思った 。

「分 り ました 。 直接 会社 に うかがい ます 」

夕 里子 は 立ち上った 。

「──植松 課長 に お目にかかり たい んです けど 」

「どちら 様 でしょう か ? と 、受付 の 女性 が 訊く 。

「佐々 本 夕 里子 と 申し ます 」

「佐々本 ……さん ? 「佐々 本 の 娘 です 」

「ちょっと 待って ね 」

受付 の 女性 は 、急いで 席 を 立つ と 、奥 へ 引込んで 行った 。

夕 里子 は 父 の 会社 に 来る の は 初めて だった 。 販売 の 人間 は 、ほとんど どこ か 出歩いて いる ので 、会社 の 近く で 会う など という こと は なかった のだ 。

殺風景 な 廊下 と 、受付 、そして 衝立 で 仕切られた 職場 ……。 これ が モダン と いう もの な の かしら 、と 夕里子 は 思った 。

衝立 の 向う から 、電話 の ベル の 音 、タイプ を 打つ 音 など が 聞こえて 来る 。

ここ に 、パパ が 通って 来て いた んだ 、と 思う と 、急に 涙 が こみ上げて 来て 、夕里子 は あわてて 頭 を 振った 。 ──しっかり し なきゃ ! お姉さん と は 違う んだ から ね !

「──あら 、佐々本 さん の 娘 さん じゃ ない ? と 、女性 の 声 に 振り向く 。

「あなた 、佐々本 さん の ──」

「はい 、そう です 」

「 やっぱり ! もう 四十 代 も かなり 行って いる だろう と いう 感じ の 〈 おばさん 〉 タイプ の 女性 である 。

「私 、同じ 課 に いる 野上 幸代 よ 」

「あ ──父 が よく 話して ました 」

「凄い おっかない おばさん が いる って ? と 笑って 、「お 父さん 、心配 ね 」

と 言った 。

「 ええ 」

「でも 大丈夫 。 ちゃんと 帰って 来る わ よ 。 あなた 、二 番目 の 娘 さん ? 「 はい 、 夕 里子 です 」

「一番 しっかり してる って 、よく 自慢 してたわ よ 。 いつか あなた の 写真 、見せて もらった こと が ある の 」

「そう です か 」

「目 の とこ なんか 、お 父さん そっくり ね 」

夕 里子 は 、野上 幸代 の ポンポン と 弾ける ような 言い方 に 、何とも いえない 安堵 を 覚えた 。 迷惑 がる でも なく 、同情 する でも ない 、親愛 の 情 が あった 。

受付 の 女性 が 戻って 来た 。

「悪い けど 、植松 課長 は 今 会議 中 で 出て 来れない の 」

「いつ 終り ます か 」

「長く かかる と 思う わ 。 その後 、すぐ 出かける し 」

「そう です か ……」

「ちょっと ちょっと 」

と 、野上 幸代 が 口 を 挟んだ 。 「うち の 課長 が 会議 中 ? 何 言って ん の よ ! つい さっき 、業者 と ゴルフ の 話 を 一時間 も してた わ よ 。 ──いらっしゃい 、夕 里子 さん 」

「は 、はい ! 夕 里子 は 、野上 幸代 の 後 に ついて 、急いで 歩いて 行った 。

──応接室 へ 、小柄 な 初老 の 男 が 入って 来た 。 いかにも 口うるさい 感じ の する 男 である 。

「何 かね 、用 って の は 」

とぶ っき ら 棒 に 訊く 。

「父 が 休暇 を 取った とき 、理由 を どう 言った の か 、お 訊きし たかった んです 」

「そんな こと を 訊いて どう する んだ 」

「大切な こと なんです 。 教えて 下さい 」

ドア が 開いて 、野上 幸代 が お茶 を 運んで 来る 。 植松 は 渋々 、口 を 開いた 。

「よく 知らん よ 。 旅行 に 出る と か いう こと だった が 」

「長い 休み の 場合 、前もって 届 を 出す もの なんでしょう ? その とき は どう だった んです か ? 「それ は ……確か 、前 の 日 に 急に 言い出した んだ 。 何 か 急な 用 が できた と か 言っていた 」

「どこ へ 行く とか 、何 が ある とか 言いませんでした か 」

「私 は 知らん よ 。 何 だ ね 、一体 」

植松 は 苛々 と 、「君 の お父さん の 件 で うち の 社 は イメージ を 傷つけられて 迷惑 し とる 。 私 も 社長 から 文句 を 言わ れ る し 、全く 、目 を かけて やった お返し が これ だ ! 「そう ガミガミ 言い なさ んな よ 」

野上 幸代 は 、課長 だろう と 、ちっとも 怖く ない らしかった 。 「佐々本 さん の 働き で ずいぶん いい 思い してる くせに 」

植松 は ジロッ と いまいましげ に にらんだ が 、何とも 言えない 様子 で 、

「ともかく 、もう 佐々本 は うち の 社 と は 関係ない んだ 。 急に 訪ねて 来 られて も 迷惑だ ね 」

と 夕 里子 に 向って 言った 。

「 よく 分 りました 」

夕 里子 は 腹立たしさ を 、何とか 抑えて 、言った 。 「お邪魔 しました 」

と 席 を 立つ 。

「ああ 、君 ──」

植松 が 言い すぎた と 思った の か 、上衣 の ポケット から 財布 を 出す と 、一万 円 札 を 一 枚 抜いて 、「何かと 困る だろう 。 これ は 小遣い に しなさい 」

と 、夕里子 の 手 を 取って 、握らせた 。

夕里子 は 一瞬 、鋭い 目 で 植松 を 見返す と 、テーブル の 上 に あった 卓上 ライター を 取って 、炎 を 出した 。 そして 、一万 円 札 の 端 に 火 を つけた 。

「 おい ! 何 を する ! 植松 が 目 を 丸く した 。 一万 円 札 は たちまち メラメラ と 燃え上って 、灰皿 の 中 へ 落ち 、灰 と 化した 。

夕 里子 は ていねいに 頭 を 下げ 、

「灰 を お返し し ます 」

と 言って 、応接室 を 出て 行った 。

「佐々木 さん 、お 昼 休み よ 」

と 、誰か の 声 が した 。 「佐々木 さん 」

ほら ほら 、佐々木 さん 、どうして 返事 し ない の かしら ? ──佐々木 か 。 佐々 本 と 似て る わ ね 、と 綾子 は 一心に コピー の 機械 と 取り組み ながら 思った 。

ん ? 何 か 夕 里子 が 言って たわ ね 。

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