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三姉妹探偵団 1, 三姉妹 探偵団 01 chapter 01 (1 )

三姉妹 探偵団 01 chapter 01 (1 )

1灰 の 中 から

「── おはよう 」

佐々 本 夕 里子 は 、目 を 開いて 、一瞬 戸惑った 。

いつも なら 自分 が 真先 に 起きて 、朝食 の 仕度 を する 。 ちょっと 寝坊 した とき に は 、妹 の 珠美 を けっとばして 起こして 手伝わせる 。

それ が 、今 自分 の 方 を 覗き込んでいる の は 、高校 の クラスメート 、片瀬 敦子 の 顔 である 。

「あ ──敦子 。 私 ……」

夕 里子 は 起き上って 、頭 を 、妹 の ベッド の 底板 に 打ちつけ ない ように 、と 少し 低く して ──やっと 思い出した 。

ここ は 敦子 の 家 な のだ 。

「どう 、気分 は ? 敦子 が 訊 いた 。

夕 里子 は すっかり 思い出して いた 。 ──家 が 焼けた んだ 。 そして 、私 は 敦子 の 所 に 泊めて もらった 。

「大丈夫 よ 」

夕 里子 は 大きく 息 を ついた 。 何だか 、丸一日 も 眠って いた ような 気 が する 。

「今 何 時 な の ? 「十一 時 頃 。 もう 起き られる ? 「 うん 。 あれ 、今日 は 学校 ない の ? 「日曜日 よ 」

そう か あ 。 土曜 の 夜 に 焼け出さ れた のだ 。

「朝 ご飯 できて る 。 そこ に 私 の 服 置いといた から 、着て 来て ね 」

「 ありがとう 」

夕 里子 は 肯 いて 、「 ご 迷惑 かけちゃって 」

「何 よ 、夕里子 らしく も ない こと 言って 」

敦子 は 見るからに 本当に 可愛い 女の子 である 。 同性 の 夕里子 が ほれぼれ と する ほど の 、愛らしさ 。 しかし 、夕里子 とて 、決して 可愛く ない わけで は ない 。 美人 である 、と 多少 の 自負 も ある 。

ただ ──ちょっと はねっかえり で 気 の 強い の が 玉にキズ な のだ 。

敦子 の 服 は 、幸い サイズ 的に は ピッタリ だった 。 ただ 好み の 違い は いかんともしがたく 、かなり フォーマル な 装い を 好んで 、家 に いる とき でも 、まるで ホテル の ロビー に でも 来て いる みたいな 格好 を している 敦子 に 比べ 、夕里子 は 大体 が ジーパン に Tシャツ と いう スタイル だった 。

夕 里子 は 、敦子 の 兄 が 結婚 前 に 使って いた 部屋 に 泊めて もらった のだった 。 姉 の 綾子 と 妹 の 珠美 は 、安東 先生 の お宅 に 厄介 に なって いる 。 夕 里子 も 一緒に と 言わ れた のだ が 、いくら 何でも 三人 は 、と 思い 、すぐ 近くの 、この 片瀬家 に 泊めて もらった のだった 。

前 に も 泊った こと が ある ので 、 夕 里子 は 勝手 が 分って いる 。 洗面所 で 顔 を 洗う と 、ダイニング キッチン へ 入って 行った 。

「まあ 、夕里子 さん 、大丈夫 ? 敦子 を そのまま ふくらませた ような 、若々しい 母親 が 、大仰に 声 を 上げた 。 人 の いい 、世話好きな タイプ な のである 。

「さ 、座って 。 お腹 空いて る でしょ ? ベーコンエッグ で いい ? ハムエッグ ? 「ベーコン で 結構です 」

「卵 は 目玉 で いい の かしら ? そう ? じゃ すぐに 作る わ ね 。 敦子 、コーヒー を 出して あげなさい 。 ──まあ 、本当に 災難 だった わ ねえ 。 私 も 弟 の 所 が 一度 火事 に あって ね 、やっぱり 着のみ着のまま で 焼け出されちゃった の よ 。 でも 幸い けが人 も なくて 。 その後 で 、弟 の 店 は ますます 繁盛 した わ 。 人間 、何 が 幸いする か 分らない もの です よ 。 だから 、あなた 方 も 気 を 落としちゃ だめ 」

「ママ が 黙って ない と 、夕里子 疲れる よ 」

と 敦子 が 言った 。

「何 です か 、お前 は 。 夕里子 さん 、パパ は 出張 で すって ? 「ええ 、そう なんです 」

「 そう 。 子供 たち だけ で 、よく 助かった わ ねえ 」

「連絡 ついた の ? と 敦子 が 訊いた 。

「 まだ 。 ──今日 日曜 だ から 、会社 に も 誰 も い ない し 。 どう しよう かしら ね 」

「ニュース か 新聞 見て 帰って 来る んじゃ ない ? 「だ と いい けど ……」

遅い 朝食 を 取り 終えた ところ へ 、玄関 の チャイム が 鳴った 。 敦子 の 母親 が 出て 行く 。

「敦子 、お 父さん は ? 「 ゴルフ 。 朝っぱらから ね 。 ご 近所 が 火事 で 焼けた って いう のに 」

「そんな の 仕方ない わ よ 」

と 、夕里子 は 微笑んだ 。

「── 夕 里子 さん 」

敦子 の 母 が 戻って 来た 。 「何か 、あなた に 会い たい って 方 が 」

「私 に です か ? 「警察 の 人 よ 」

警察 ? ──そう か 。 火事 の 後 だ も の 、当り前 だ わ 、と 夕里子 は 思った 。

居間 へ 入って 行く と 、男 が 二人 、ソファ に 座って いた 。 一 人 は 紺 の 背広 の 、若い 男 で 、髪 を きれいに 分けて 、およそ いい センス と は いえ なかった が 、それ でも 好感 の 持てる 青年 と いう ところ だった 。

もう 一人 は 五十 がらみ の 、小柄な 男 で 、こちら は 対照的に くたびれた 背広 姿 。 おまけに ……。

「あの 、佐々本 夕里子 です けど 」

と 言う と 、若い 方 が ちょっと びっくり した 様子 で 、

「あ 、僕 は M 署 の 国友 と いい ます が ……」

と 言って 、隣 の 男 を 突っついた 。 眠って いた のだ 。

「 ん ? ああ ──こりゃ 失礼 」

その 男 は 夕里子 を 見る と 、「あんた が 夕里子 さん ? 」と 目 を 丸く した 。

「 はい 」

「いや ……てっきり お母さん か と 思った んで ね 」

「 母 は 五 年 前 に 死にました 」

「そう か 。 ──私 は 三崎 。 これ は 国友 」

「あの 、火事 の こと でしょう か 」

「うん 、まあ ……気の毒 だった ね 」

「 どうも 」

「実は 安東 先生 と いう 方 の お宅 へ 行き まして ね 」

と 若い 国友 刑事 が 言った 。 「綾子 さん という の は ──」

「姉 です 。 私 が 二 番目 で 、下 が 珠美 と いいます 」

「そう です か 。 いや 、綾子 さん が 、こちら の 夕里子 さん に 訊いて くれ と おっしゃった んで 来た んです よ 」

「姉 は 朝 が 弱い んです 、低血圧 で 」

と 夕 里子 は 言った 。 「それ に 、私 と 違って 神経 が 細い もの です から 、たぶん 火事 の ショック で まだ ぼんやり している んだ と 思います 」

「 なるほど 」

三崎 刑事 は 欠伸 を かみ殺して 、「では 、あんた に 色々 訊いて も いい の か な ? ──出火 の 原因 は 心当り ある か ね ? 「 考えて みた ん です けど 、 分 りません 。 いつも 私 が 寝る 前 に 火の元 や 戸締り を する こと に なって いて 、ゆうべ も 、ちゃんと 全部 見て 回った んです 」

「それ は 確か かね ? 「はい 、絶対 です 」

「 ふむ ……」

三崎 は 顎 を 手 で こすり ながら 、「する と 放火 という こと も 考え られる わけだ 」

「 放火 ? でも 誰 が ? 「それ は まだ 分らん が ──」

三崎 は 何 か 言い かけて 言葉 を 切る と 、「火 が 出た のに 気付いて から 逃げ出す まで の こと を 話して くれない か ね 」

と 言った 。

夕 里子 は 煙 に 気付いて 目 が 覚めた こと から 、窓 を 破って 逃げた こと まで を 話した 。

「する と 、寝て いた 八 畳間 から 直接 外 へ 逃げた わけだ ね 」

「はい 、そう です 」

「どこ から 火 が 出た か は 、見当 が つかない 、と いう わけ か 」

「 ええ 」

「家 の 中 の 見取り図 を 書いて みて くれない か ね 。 大体 の ところ で いい 」

「 はい 」

国友 が 、手帳 を 一 枚 破いて 、鉛筆 と 一緒に くれた 。 夕 里子 は 、記憶 を 頼り に 図面 を 書いて 行った が 、意外に よく 憶えて いない のに 驚いた 。 それ でも 何とか 苦労 して 書き上げる と 、

「こんな 風 だった と 思い ます 」

と 三崎 へ 手渡す 。

三崎 は しばらく それ を 見て いた が 、テーブル の 上 に 図面 を 置く と 、自分 の 鉛筆 で 、父 の 部屋 の 窓側 の 隅 に × 印 を つけた 。

「この 部屋 は ? 「父 の 部屋 です 」

「ここ から 火 が 出た らしい んだ よ 」

「でも ……火の気 が あり ませ ん 。 それ に 父 は 出張 で いません でした 」

三崎 と 国友 が ちょっと 目 を 見交わした 。

「だ から おかしい んだ よ 。 どう 考えて も 放火 と しか 思え ない 」

夕 里子 は 啞然 と した 。 うち に 放火 ! そんな ひどい こと を ……。

「もう 一つ 大変な こと が ありまして ね 」

と 国友 が 申し訳なさそうに 言った 。

「何 でしょう ? 三崎 が 、鉛筆 で 、父 の 部屋 の 押入れ の 所 へ 、人 の 形 を 描いた 。

夕 里子 は 戸惑って 三崎 の 顔 を 見た 。

「この 押入れ の あたり から ね 」

と 三崎 は 言った 。 「女 の 死体 が 見付かった んだ よ 」

「 うっそ 」

と 、珠美 が 言った 。

「あんた 、私 が そんな 冗談 言い に 来た と 思って ん の ! 夕 里子 は ドン と テーブル を 叩いた 。

「お姉ちゃん 、ここ うち じゃない の よ 」

「あ 、いけない 」

夕 里子 は ちょっと 舌 を 出した 。 ──安東 の 家 へ 来て いる のである 。

「紅茶 を 淹れました よ 。 召し上れ 」

安東 の 妻 、岐子 は やはり 学校 の 教師 である 。 夫 が 中学 、妻 が 高校 、というのも 珍しい 。

「しかし 、妙な 話 だ ねえ 」

安東 が ドッカ と 座り込んで 言った 。 大柄 で 、がっしり と した 体つき 。 健康 そうに よく 陽焼け して 、いかにも 人 の 好い 印象 を 与える 。 実際 、珠美 の 学校 でも 、生徒 の 間 で 人気 の 高い 教師 の 一人 だった 。

「本当 ねえ 。 そんな こと って ある かしら ? 妻 の 岐子 が 紅茶 を 配り ながら 言った 。

岐子 は 夫 と は 好対照 の 、ほっそり と した 色白 の 美人 で 、子供 が ない せい か 、若々しく 見えた 。

「どんな 女 の 人 な の ? と 、綾子 が 言った 。

「分 んな いわ よ 。 だって 、焼け 死んだ んだ から 」

「あ 、そう か 」

綾子 は 、まだ 半ば 放心 状態 の ようだ 。 おっとり と 大柄 で 、ふくよかな 顔 の 、なかなか の 美人 である 。 モダンな ファッション より は 、和服 姿 の 方 が よく 似合う 。

「でも 、いつ から その 女 の 人 、うち に いた の ? と 珠美 が 言った 。 「全然 気 が 付か なかった わ 」

「当り前 よ 。 知って りゃ 忘れ ない わ 。 ──参っちゃった なあ 、早く パパ 帰って 来ない かしら 」

「お 父さん の 部屋 で その 女 の 人 が 見付かった の ね ? と 岐子 が 訊いた 。

「そう らしい んです 。 でも 、正確に は 分らない けど 。 ──ただ 、パパ の 部屋 に は めったに 入り ません から 、押入れ の 中 に いた と したら 、まるで 気 が 付か なかった と 思い ます 」

「それ に したって ……」

珠美 は 、もう 何 に でも 八つ当り し たい 様子 だ 。 末っ子 の せい か 、こらえ性 の ない ところ が ある 。

「お 父さん と は 連絡 取れ ない の か 」

と 安東 が 言った 。

「 札幌 へ 行ってる の は 分ってる ん です けど 、 どこ に 泊ってる か 見当 つか ない し 、 それ に 、 会社 の 電話 も 、 手帳 なんか が 全部 焼けちゃって 」

「電話帳 で 引け 」

「今日 は 日曜日 でしょう 、あなた 」

「そう か 。 誰 か 、お父さん の 同僚 の 自宅 の 電話 でも 知らん の か ? 姉妹 は 顔 を 見合わせ 、首 を 振った 。

「 ふむ 。 いつ 帰る 予定 な んだ ? 「確か 月曜日 って ……」

「火曜 じゃ ない ? 「私 、月曜 って 聞いた わ 」

と 、夕里子 は 言った 。

「いずれにせよ 、明日 まで 待つ 他 ない の か 」

安東 は 難しい 顔 で 言った 。

「すみません 、お世話 に なって 」

何 か 言わ なきゃ 悪い と 思った の か 、綾子 が 頭 を 下げる 。

「いや 、そんな こと は いい んだ 。 しかし 、親類 の 人 とか 、連絡 する 先 は ない の か ? 「うち は 父 も 母 も 近い 親類 が 全然 ない んです 」

と 、夕里子 は 言った 。

「すみません 、姉 と 妹 を もう 一晩 置いて 下さい 」

「そんな こと は 構わない よ 」

と 、快く 安東 が 肯く 。

「早く お 父さん が お帰り に なる と いい のに ね 」

と 岐子 が 言った 。

電話 が 鳴って 、岐子 が 立って 行った 。 受話器 を 上げて 、向う の 声 を 聞く と 、

「夕里子 さん 、あなた よ 」

と 言った 。

「国友 さん って いう 方 」

「 国友 ……。 あ 、さっき の 刑事 さん だ わ 」

夕 里子 は 受話器 を 取った 。

「──実は 、今 検死官 が 例の 女性 の 死体 を 見た んです が ね 」

と 、国友 は あまり 気 が 進ま ない 口ぶり で 言った 。 「死因 は 焼死 じゃ ない んだ な 」

「 え ? それ じゃ 何 です か ? 「体 に ね 、ナイフ の 刃先 が 残って いた んです 。 心臓 を 刺して 、ナイフ が 折れた らしい 。 つまり 女 は 刺し殺さ れ て いる んです よ 」

「殺さ れ ……た ? 夕 里子 は 頭 が 混乱 して 来た 。 「つまり 、誰 か が その 女 の 人 を 刺し殺して 、うち の 押入れ に 入れて おいた んですか ? 「そして 火 を つけた んです ね 、おそらく 。 身許 を 知られ たく なかった の か 。 ── あの 女性 は 服 を はぎ取られて いる らしい ん です よ 」

「じゃ ……裸 で ? 「 そう 。 死後 、 せいぜい 一 日 しか たって いない 。 つまり 、殺して すぐに 押入れ へ 裸 に して 押し込んだ らしい です ね 」

夕 里子 は 悪い 夢 を 見ている ようだった 。 夕 里子 は 昨日 、学校 から 帰った 後 、家 を 掃除した のだ 。 その とき 、パパ の 部屋 も 掃除 した 。 押入れ は 開け なかった が ……。 あの とき 、もう 死体 は あった の かも しれない 。 襖 一 枚 の 向 うに ……。

「それ から 、これ は 言いにくい んです が 」

と 、国友 は ためらい がちに 言った 。 「お 父さん の 会社 は K 建設 です ね 」

「 そう です 」

「販売 第 二 課 、と 」

「 はい 」

「その 課長 さん が 、植松 と いう 人 でして ね 、自宅 の 電話 が 分った ので 連絡 したんです よ 」

「ああ 、そう だ わ 、植松 って 人 です 。 父 の 居場所 、分り ました か ? 「それ が ね 、お 父さん は 出張 に なんか 行って ない 、って こと なんです 」

夕里子 は ポカン と して 、綾子 と 珠美 の 心配 そうな 顔 を 眺めた 。 左手 の 指 を 三 本 出して 、

「これ 、三 本 ? 「そう よ 」

「じゃ 、おかしく ない んだ ……」

「どうした の 、お姉ちゃん ? 夕 里子 は 受話器 を 握り 直した 。

「あの ──それ は 、どういう 意味 です か ? 父 は 木曜日 から 出張 で 札幌 へ 行ってる んです よ 」

「それ が ね 、実際 は お父さん は 休み を 取ってる んです よ 。 木曜日 から 」

「じゃ ……札幌 に は ? 「どこ へ 行って る の か は 分りません 。 心当り は ? 「そんな ……私 に 分る はず が ない でしょう 」

ショック が 夕 里子 に 反抗的 な 口 を きかせた 。 パパ が そんな 噓 を つく なんて ! そんな こと が ある もんか !

「連絡 が あったら 、すぐに 知らせて 下さい 。 いい です ね 」

国友 の 言葉 は 優しかった が 、言い方 は 厳しく なって いた 。

受話器 を 置いた 夕 里子 は 、物問いたげ な みんな の 視線 を 受け止め かねて 、目 を 伏せて しまった 。

「 何事 な の ? と 安東 岐子 が 訊いた 。

「あの ……大した こと じゃ あり ませ ん 」

大した こと 、どころ で は ない のだが 、なぜ か 口 に し たく なかった 。 みんな に しゃべら ない 内 に 、もう 一 度 警察 から 電話 が かかって 来て 、

「今 の は 植松 さん の 勘違い でした よ 」

と 言って くれる ので は ない か と 思った のだ 。

「でも 、今 の 様子 じゃ ──」

「 すみません 」

夕 里子 は ピョコン と 頭 を 下げて 、「私 たち 三 人 だけ に して 下さい 、お 願い です 」

父 が 噓 を ついて いた と は 言い たく なかった 。 他人 に 聞かれる の は 、もっと いや だった 。

「よし 、席 を 外そう 」

安東 が 立ち上って 、岐子 を 促す 。

「──どうした の よ 、一体 」

綾子 が 咎めだて する ように 、「失礼じゃ ない の 、先生 に 」

と 言った 。

「他人 に 言い たく ない 話 だって ある わ よ 」

「だって 先生 よ 」

「先生 だって 、他人 は 他人 よ ! と 、夕里子 は また テーブル を ドンと 叩いた 。 ティーカップ が ガチャン 、と 音 を 立てる 。

「ねえ 、よく 聞いて 」

夕 里子 は 、今 の 国友 の 電話 の 内容 を 説明 した 。

「じゃ 、パパ 、どこ に いる の ? 綾子 は 当惑 し 切った 表情 で 言った 。

「分 んな いわ よ 」

「どうして 噓 ついた の かしら ? 「噓 と は 限 ん ない じゃ ない の 。 その 課長 って 人 の 勘違い かも しれない し 、何か 特別な 事情 が あって ──」

「 ねえ 」

突然 、珠美 が 言った 。 「はっきり さ せ なきゃ 」

夕 里子 と 綾子 は 、珠美 を 見た 。

「だって さ 、私たち が ここ で ああ だ こう だ 言ってたって 仕方ない じゃない 。 本当の こと は 分りっこない んだ し 。 それ より 、警察 の 人 が どう 思ってる か よ 」

珠美 は 三 人 姉妹 の 中 でも 、一番 の 現実主義者 な のである 。 そういう 世代 な の かも しれ ない 。

「つまり 、あんた の 言い たい こと は ──」

「家 の 中 に 、 殺さ れた 女 の 人 の 死体 が あった んでしょ 。 それ も パパ の 部屋 の 押入れ に 。 そして パパ は 出張 と 言って 出かけた けど 、実際 は 出張 なんか じゃ なくて 、行方 が 分らない 。 ──はっきり して る わ よ 。 その 女 の 人 は パパ が 殺した んだ わ 」

夕 里子 は じっと 珠美 を 見つめた 。

「あんた 、本気 で そう 思って ん の ? 「私 が 思って んじゃ ない よ 。 警察 が そう 思って る って こと 」

「なら いい けど 」

「でも 、そんな こと ……」

と 綾子 一人 は まだ 事態 が よく 呑み込めていない 。

「パパ が 帰って 来れば 分る わ よ 」

夕里子 は 、自分 に 言い聞かせる ように 言った 。 「何もかも 、ちゃんと 説明 して くれて 、何でもなかった って 分る わよ 」

「女 の 死体 が 押入れ に あった の が 、『何でもない 』こと な の ? 「珠美 ったら 、もう ちょっと 希望的 観測 を 述べ られ ない の ? 「希望 なんか 持って っ から 、裏切ら れ んだ よ 」

「言って くれる わ ね 」

しばらく 三 人 は 黙り 込んで いた 。 ──やがて 、綾子 が ポツンと 言った 。

「パパ に 電話 して みたら ?

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