飯 喰わぬ 女房 Pt.1
昔 、ある ところ に 一人 の 男 が いた 。 男 は 、けちな うえに 怠け者 で 、掃除 や 洗濯 も し なかった 。 だから 、部屋 は たいそう 汚く 、中 に 入れば 体中 ほこり まみれ に なる ほど で 、どろぼう も 逃げ出す ありさま だった 。
友達 は 「いつまでも そんな 暮らし を 続ける の は よく ない 。 早く お 嫁さん を もらえ 。」 と 言う のだ が 、男 は 友達 の 心配 を よそに 、「確かに 家 は 汚い けれど 、俺 は 俺 なりに 楽しく 暮らしている よ 。 一 人 なら 余計な 金 も かからない し 。」 と まったく 気 に して いない 。 「まあ 、何も 食べ ない 嫁 なら もらわないで も ない が ね 。」 など と 言う しまつ で 、友達 も あきれて それ 以上 は 何も 言わ なかった 。
ある 日 の 夕方 、男 の 家 に 若い 女 が 訪ねて きて 、「どうか 私 を お嫁さん に して ください 。 掃除 なり 洗濯 なり 、お前 様 の おっしゃる こと は 何でも します 。 それ に 私 は 物 を 食べません 。」 と 言った 。 「それ は 結構 ずくめ な 話 だ 。」 と 男 は 大喜び して 女 を 嫁 に した 。
女 は 働き者 に して 、美人 、さらに 食べ物 は おろか 一 滴 の 水 すら 口 に しなかった 。 気立て も 良く 、文句 も 言わ ず に 男 の ため に 食事 を 作り 、掃除 や 洗濯 を した 。 おかげ で 男 の 身なり も 家 も 、見違える ように きれいに なった 。 けち で 怠け者 の 男 から する と 、これ 以上 の 幸運 は ない 。 働き者 の 嫁 を もらった 男 は 、前 より もっと 怠け者 に なった 。