吉 四六 さん と 猫
むかし むかし 、きっちょ むさん と 言う 、とんち の 上手 な 人 が いました 。
ある 朝 の 事 、きっちょ むさん は 朝ご飯 を 食べよう と ご飯 を 用意 した のです が 、今日 は お金 が ない ので おかず が ありません 。
「おかず の ない ご飯 と いう の は 、さみしい もの だ な 。
ぜいたく は 言わない が 、焼き魚 の 一つ も 食べたい もの だ 。
何とか して 、魚 を 手に入れる 方法 は ない だろう か ? 」
そう 考えた きっちょむさん は 、ふと 、この 村 の 金持ち の だんな が 大 の 猫 好きな の を 思い出しました 。
「そう 言えば 、そろそろ だんな が 散歩 で この 家 の 前 を 通る 時間 だ な 。
・・・だんな は 、猫 が 好き 。
・・・猫 は 、魚 が 好き 。
・・・そして わし は 、魚 が 食べたい 。
よし よし 、 こいつ は いける ぞ 」
名案 を 思いついた きっちょ むさん は 空 の 皿 を 一 枚 用意する と 、近所 に 住んでいる ノラ猫 を 一匹 連れて 来ました 。
そして 金持ち の だんな が きっちょむさん の 家 の 前 を 通りかかった の を 見計らって 、きっちょむさん は 連れて 来た ノラ猫 を 大声 で しかり 始めた のです 。
「この 猫 め !
よくも 、大切な 魚 を 盗み よって !
お前 の 様な 泥棒 猫 は 、こうして くれる わ !
えい ! えい ! えい ! 」
その 声 に びっくり した 金持ち の だんな は 、あわてて きっちょむ さん の 家 の 戸 を 叩きました 。
「きっちょ むさん 、どうした ん じゃ ? ! 猫 が 、猫 が 何 か した の か ? !
すると きっちょ むさん は 、金持ち の だんな に 空 の 皿 と 猫 を 見せて 、
「どうした も こうした も 、この 猫 が 、わし の 大切な 魚 を 食った んだ !
せっかく の 、朝ご飯 の おかず が !
泥棒 猫 め 、こうして くれる わ ! 」
と 、まっ赤 な 顔 で 猫 を なぐりつけよう と する ので 、猫 が かわいそうに なった 金持ち の だんな は 大 あわて で きっちょむさん を 止める と 、
「待て 待て 、そんなに 猫 を しかって は かわいそう じゃ 。
取られた の は 、魚 だ な 。
よし 、すぐに 戻って 来る から 、ちょっと 待って おれよ 」
と 、さっそく 市場 まで 魚 を 買い に 行って 、その 魚 を きっちょむさん の 空 の 皿 に のせて やりました 。
「きっちょ むさん 。 今日 の ところ は 、どうか これ で 猫 を 許して やって くれ 」
それ を 聞いた きっちょ むさん は 、
「 うーん 。 まあ 、だんな が そう 言う の なら 」
と 、猫 を 逃がして やりました 。
さて 、金持ち の だんな が 帰って しまう と 、きっちょむさん は 家 の 裏口 から さっきの 猫 を 呼び入れて 、手に入れた 魚 を 半分 に 切って 渡しました 。
「 よし よし 、 お前 の おかげ で 、 おかず が 手 に 入った わ い 。 これ は 、お礼 だ よ 」
おしまい