Ginga Eiyuu Densetsu (Legend of the Galactic Heroes ) Episode 4
自由 惑星 同盟 が
イゼルローン 要塞 攻略 を 計画 していた 頃
銀河 帝国 で は アスターテ 会戦 の
戦功者 を たたえる 儀式 が 執り行われて いた
その 主役 は ローエングラム 伯 ラインハルト で ある
自由 惑星 同盟 軍 を 撃破 し
帝国軍 に 圧倒的 勝利 を もたらした
功績 に 対し ラインハルト は
帝国 元帥 に 叙 されよう と していた
皇帝 陛下 の お出まし か
では 私 は 控え の 間 に 行って おり ます
数日中 に は お前 も 昇進 し
閣下 と 呼ばれる 身 に なる
そう なれば 次 の 式典 に は
一緒に 列席 出来る と いう わけ だ な
あ … ラインハルト 様
だが その 時 玉座 に 座って いる の は
果たして 誰 だろう
皇帝 の 玉座 は 砂 の 上 に 立っている の だ
いずれ 皇帝 も その こと を 思い知る 時 が 来る
ローエングラム 伯 ラインハルト 殿
ローエングラム 伯 こたび の 武勲 誠に 見事 で あった
恐れ入ります これ も ひとえに
陛下 の ご 威光 の たまもの で ございます
アスターテ 星域 に おける
反乱軍 討伐 の 功績 に より
なんじ ローエングラム 伯 ラインハルト を
帝国 元帥 に 任ずる
また 帝国 宇宙 艦隊 副 司令官 に 任じ
宇宙 艦隊 の 半数 を
なんじ の 指揮下 に 置く もの と する
帝国 暦 487 年 3 月 19 日
銀河 帝国 皇帝 フリードリヒ 四世
ふん っ 二十 歳 の 元帥 か
姉 に 対する 皇帝 陛下 の ご 寵愛 を
利用 して 出世 する と は
卿 は そう 言う が あの 金髪 の 小僧
現に 反乱軍 を 撃破 して おる し
その 手腕 に は メルカッツ で さえ 舌 を 巻いて おる の だ
百戦錬磨 の 武将 も 金髪 の 小僧 に
牙 を 抜かれて しまった と いう わけ です か
勝った と は いえ 一度 だけ では 偶然 と いう こと も あり ましょう
将官 に 言わ せ たら 敵 が 無能 すぎ た の です な
声 が 高い
ジークフリード ・ キルヒアイス 大佐 です か
そう です が 貴官 は どなた です か
パウル ・ フォン ・ オーベル シュタイン 大佐 です
お初 に お 目 に かかり ます
あっ
失礼 義眼 の 調子 が 少し 悪い よう だ
驚かせて 申し訳ない
光 コンピューター を 組み込ん で あって
こいつ の おかげ で 不自由 せず に 済んでいる が
どう にも 寿命 が 短くて
戦傷 を 受けられた の です か
いや 生まれつき です
もし 私 が ルドルフ 大帝 の 時代 に 生まれて い たら
劣悪 遺伝子 排除法 に 引っ掛かって
処分されて いた でしょう
貴官 は よい 上官 を お 持ち だ
いずれ その こと に ついて 話したい もの です な
では あ 貴官 は どこ の 部隊 に 所属 して おいで です
この度 イゼルローン 要塞 駐留艦隊 の 幕領 を 拝命 しました
貴官 の よう に 素晴らしい 上官 に 恵まれれば
よい と 思っています が さて どう なり ます か
貴官 は 用心深い お方 だ
だが 私 は 貴官 ら の 敵 ではない
もう いい 久しぶり に 姉上 と 会う の だ
その オーベル シュタイン と いう 男 の こと は 忘れろ
分かりました
早い もの だな キルヒアイス
は ? あれ から もう 10 年 だ
はい
姉上
父さん 父さん
隣 の 空き家 に 誰 か います
貧乏 貴族 が 引っ越して きた の さ
貧乏 貴族
誰 だ ? あっ あ 隣 の 家 の 者 です
名 は ?
ジークフリード ・ キルヒアイス
ジークフリード 俗っぽい 名前 だ ね
えっ
でも キルヒアイス って いう 名字 は いい な
とても 爽やかな 感じ が する よ
そう 高原 を 吹き抜ける 風 の よう だ
僕 は これ から 君 の こと を キルヒアイス と 呼ぶ こと に する
でも 君 は 僕 と 友達 に なり に 来たん だろう
僕 は ラインハルト ・ フォン ・ ミュー ゼル
よろしく
あ よろしく
ラインハルト あ 姉さん 紹介します
ジークフリード ・ キルヒアイス です
たった 今 友達 に なり ました
まあ
私 は アンネローゼ
ジーク 弟 と 仲良く して やって ね
あっ は はい
どうしたんだ 彼 は
はあ はあ …
ジーク 弟 と 仲良く して やって ね
では 君 の 席 は あそこ だ
どいて くれ ない か 君
はっ
どいてくれ
はあ はあ はあ … いつも 言ってる のに
あれ じゃ ちっと も 敵 が 減ら ない よ はあ はあ …
キルヒアイス が いなければ 何にも 出来ない 腰抜け め
悔しかったら かかって こい どうした 金髪 の 坊や
怖いん なら 姉ちゃん の スカート の 中 に でも 逃げ込む か
やめて くれ
ラインハルト ああ
ああ キルヒアイス
ずうたい ばっかり 大きく て まるで 子ども だ な 彼 は
血 だ え ? しまった
どうしよう 僕 が けんか した こと を 知ったら
姉さん が 悲しむ
ああ こっち へ
なるほど 君 は 策士 に なれる よ キルヒアイス
褒めて くれ なくて いい から もう あんな けんか は しない で
うん なるべく しない で 済ま そう
はい お 飲み なさい
体 が 温まって よ
ありがとう ございます
洋服 は もうすぐ 乾く わ
それにしても 遊んで いて 噴水 に 落ちる なんて
随分 元気 が よくて ね
待て よ ラインハルト
姉さん が すごく おいしい ケーキ を 焼いてるん だ
僕 を 抜け なければ ケーキ は あげない ぞ
はっ はっ よ ー し
ほら 早く
こっち こっち
君 が ラインハルト 君 か
喜べ 君 の 姉上 は 皇帝 陛下 に 仕える ために
王宮 に 上がる こと に なった ぞ
えっ ?
父さん
どう いう こと なんですか
何で 姉さん が 王宮 なんか に
この 金 は どう したん です
姉さん を 売ったん だ な
ラインハルト
どうせ 断れん の だ
ならば 金 でも もらった 方 が ましだ
嫌だ !
アンネローゼ も 承知 している
姉さん
姉さん どうして
姉さん 姉さん
ラインハルト あなた に は 未来 が ある わ
自分 の 未来 が
姉さん には
あなた は それ を 大切 に なさい
その ために 私 は 出来る だけ の 助け を する から
姉さん
ジーク 短い 間 だった けど
いろいろ ありがとう
すま ない 一人 に して おいて くれない か
ラインハルト
誰 だ
キルヒアイス こんな 時間 に 散歩 か ?
何 を 持ってる の ? ラインハルト
キルヒアイス に は ごまかし は 利か ない な
ブラスター そんな もの を 持ち出して
王宮 へ 行く 姉さん を 取り戻す ん だ
本気 な の ? いい から
キルヒアイス は 早く 帰れ よ でも
まずい な
追って こない ね ああ
なあ キルヒアイス
銀河 帝国 は 反乱軍 と 戦争 している はず だな
うん 確か 140 年 近く 戦って いる はず だけど
じゃあ 彼ら は 一体 何 を しているん だ
戦場 では 多く の 人々 が 死んでいる と いう のに
まるで お祭り騒ぎ じゃ ない か
あの 人 たち の 身内 は 戦争 なんか に 行かない よ
上級 貴族 だ もの
つまり 他人 の 痛み なんか 知った こと じゃ ない という わけ だ
はっ
姉さん
あっ ラインハルト
小僧 ここ は 貴様 の よう な 子ども の 来る 所 ではない ぞ
離せ !
その よう な 物騒 な 物 どう した の だ
こら こら 子ども の おもちゃ ではない の だぞ
ラインハルト
力 が 欲しい ラインハルト
姉さん を 取り戻す に は
あんな くだらない やつら の 言う こと を
黙って 聞か なく ても 済む だけ の 力 が いるん だ
相手 が 貴族 なら 貴族 を しのぐ 力 を
相手 が 皇帝 なら 皇帝 を
ラインハルト
これ 一つ じゃ 何にも 出来 や しない
キルヒアイス 僕 は 幼年 学校 へ 行って 軍人 に なる
それ が その 力 を 手 に 入れる 一番 早い 方法 だ
キルヒアイス 一緒に 来い
2人 で 姉さん を 取り戻すん だ
僕 が 軍人 に ?
ジーク 弟 と 仲良く して やって ね
うん
それ が 望み なら
いつ の 日 か 必ず
キルヒアイス 何 を している ああ
よく 来て くれ ました ね ジーク
アンネローゼ 様 も ご 息災 で 何より です
まあ ジーク
そんな 他人 行儀 な 言い 方 は お やめなさい
はい さあ 入って ちょうだい
コーヒー を 入れ ましょう それ と ケルシー の ケーキ も ね
手作り だ から あなた 方 の 口 に 合う か どう か 分から ない けど
合わせ ます よ まあ ふ ふ ふ
やれやれ 目覚ましい 武勲 を 立て なければ
実の 姉 と 会う こと も 許され ない の だから な
もう しばらく の 辛抱 です
いずれ アンネローゼ 様 は
ラインハルト 様 の 元 に
お 戻り に なり ます
それ だけ ではない 宇宙 も 手 に 入れて やる
そう だな はい
戦士 たち に ひととき の 休息 は あって も
銀河 を 巡る 戦い が 途切れる こと は ない
ラインハルト ・ フォン ・ ローエングラム も
ジークフリード ・ キルヒアイス も
いまだ その 長き 戦い の 途上 に あった
ラインハルト から カストロプ 星域 で の
地方 反乱 討伐 を 任された キルヒアイス は
わずか な 兵力 で 敵地 に 赴く
次回 銀河 英雄 伝説 第 5 話
カストロプ 動乱
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