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地獄少女 三鼎, 地獄少女 三鼎 - 23

地獄 少女 三 鼎 - 23

山河 三 差 路 分かれ 道

守り たい の は 己 か 人 か

常 世 の 闇 か …

非だ の 乱れ は 貢が ない

終わる 事 ない 阿 鼻 の 芸

時に 分け入れ 扉 が 開く

晴らせ ぬ 恨み 晴らし ます

何時も すまない な

悪い な 文男 ちゃん

あたし 地獄 少女 に なんか なり ませ ん

だから 勉強 して 高校 に 受かって

何 に なり たい の か まだ わから ない けど

でも もう 地獄 通信 に は かかわり たく ない んです

こんな 生活 早く 終わら せて

普通に 普通に 生きて

だから さ 今日 絶対 寄って 行こう ね

水原 君 大丈夫 ?

行こう

うん じゃ ね

さよなら

水原 ちょっと 職員 室 まで いい か ?

おめでとう 徳 栄 学園 推薦 決まった ぞ

っは 本当です か ?

や ~ だ ママ に 電話 し なくちゃ

おいおい まだ 他の 者 は 受験 を 控えて いる んだ から なあ

余り はしゃぐ じゃ ない ぞ

なあ それ から なあ

まあ もう じき 卒業 だ から 今さら しょうがない が

その 腕 時計 学校 に して くる ん の は 止め ろう っと 言って る んだ ろ

でも

分 って る お 父さん から の 誕生日 プレゼント だった なあ

それにしても 中学生 が 使う に は 高価 すぎて

いい なあ

は あ ありがとう パパ

まあ パパ ったら 気 が 早い わ ね

な ~ に もう 合格 した も 同じ さあ

頑張った 文男 に ご 褒美 さあ

寂しく なる わ ね

文男 ちゃん なにも 遠く の 学校 を 選ば なくて もん

寮生 活 だって 心配だ し

なに を 言って る 県 内 で 目 視 の 名門 校 だ ぞ

確か 高校 野球 でも 有名だった よ な

めでたい じゃ ない か

でも やっぱり 心配だ わ

よかった

おい いい もん 持って んじゃ ゃ

俺 たち に も 貸して くれよ

文男 ちゃん じっと して ない よ

男 前 に 映って さあ

止めて 止めて よ

なんだ よ せっかく 撮って やって んだ から 笑い って の

ほら 笑えよ 文男 ちゃん

止めて よ

嫌だ 止めて もう

その カメラ 上げる から 許して よ

マジ で ?

太っ腹

上げる から カメラ 上げる から

ね お 止めて よ

俺 たち から 逃げ られる と 思う な よ

卒業 し よう が 他の 町 に 行こう が 関係 ねえ

俺 は お前 を 逃がさ ねえ

絶対 に 逃がさ ねえ から な !

どうして 其処 まで どうして 僕 なんて

来た よ

地獄 少女

本当に 来た ?

輪 入 道

あい よ お 嬢

受け取り なさい

こ これ を

あなた が 本当に 怨み を 晴らし たい と 思う なら

その 赤い 糸 を 解けば いい

糸 を 解けば あたし と 正式に 契約 を 交わして こと に なる

怨み の 相手 は 速やかに 地獄 へ 流さ れる わ

そう な んだ よし

ただし 怨み を 晴らしたら あなた 自身 に も 代償 を 支払って もらう

代償 ?

人 を 呪わ ば 穴 二 つ

契約 を 交わしたら あなた の 魂 も 地獄 へ 落ちる

極楽 浄土 へ は 行け ず

あなた の 魂 は 痛み と 苦し み を 味わい ながら

永遠に 彷徨う こと に なる わ

死んだ 後 の 話 だ けど ね

え 地獄 に

なんで 僕 まで 地獄 に 落ち なきゃ いけない んだ よ

悪い の は あいつ じゃ ない か

僕 は 何も して ない のに

人 を 呪わ ば 穴 二 つ ?

意味 わかん ない よ

どうして 僕 ばっかり こんな 目 に 遭う んだ

どうして ?

本当に あなた は 誰 も 傷つけて い ない の ?

後 は あなた が 決める こと よ

兄ちゃん

涼 美 悪い 起こし また か ?

寝て ろ よ 今日 の 洗い もの 当番 は 兄ちゃん あんだ から なあ

水 出し っ放し 水道 代 は 節約 し ない と だめな んだ から

悪い

あ ~ こんなに 洗剤 使っちゃ って

あたし 洗う から ご飯 食べて

うん ごめん な

あれ この パン の 右 は ?

お 母さん に サンドイッチ 作って 上げた んだ

お 店 の あと お腹 すくって

母さん 喜んだ ろ

うん 兄ちゃん の 分 も 作って あげる

サンキュ 涼 美 は パン 屋 さん に なり たい んだ もん な

うん 兄ちゃん は 野球 選手 だ もん ね

これ が その サンドイッチ か

うまい じゃ 涼 美 も なかなか やる じゃ ない か

兄ちゃん 高校 行き な よ

なんだ よ 行き 成り

野球 の 強い 高校 入って 甲子園 行 くん だって 言って た じゃ ん

なんて いう 高校 だ っけ ? えっ と …

忘れた

って 言う か 何で そんな 話 に なる んだ よ

うん あの ね うち お 父さん い ない し

お 母さん 大変でしょ

で あたし 決めた の お 母さん に は お 仕事 頑張って もらって

うち の 事 全部 あたし が やろう あって

だから 兄ちゃん は 高校 へ 行って 野球 頑張って

もう 何 する ん の

ガキ が ナマ 言って んじゃ ねえ よ

高校 なんて 真っ 平 ごめん だ ね

俺 は 働く 方 が 性 に 合って んだ よ

でも …

いい から 余計な 気 を 遣う んじゃ ねえ

兄ちゃん 一生懸命 働く から な

お前 は 弁当 でも 作って くれよ

そん とき は また サンドイッチ 頼む な

うん !

兄ちゃん

起きて った の か ?

お 父さん どんな 人 だった ?

あたし あんまり 覚えて ない から

そう か

優しい 人だった ?

どうして すずみ たち を 置いて

どこ か に 行っちゃ った んだろう ね ?

皆さん 受験 です か ?

そう な んです よ もう 大変で

不安

大丈夫 大丈夫

がんばって ください ね

あたし たち の こと は 徹底 的に 無視 する つもり かね

自分 が 次の 地獄 少女 に なる だ なんて

認め たく ない んだろう な

ホントな の か ねえ あの 子 が 地獄 少女 に なる なんて さ

お 嬢 は 冗談 なんて 言わ ないだ ろ

お 嬢 が 新しい 地獄 少女 なんて 育てる と 思う かい ?

あっ 姫 駄目です って ば !

姫 お 嬢 に 叱ら れ ます よ

姫 お 姉ちゃん たち に 何 か 用 かな ? 負け ない から な !

あい の 次 は きく り な んだ から な !

姫 すいません

何 ? 姫 だって

あの バカ

え これ から は 実際 の 作業 行程 よ

一つ一つ 見て いき ましょう

よし 行く よ よし

なあ 知って た か ここ を

で かい 会社 の 下請け やって ん だって よ

あ 何 か が 県 内 一 って の

給料 いい んじゃ ねい の

うん まあ なあ

よし ほら

だけど もったい ね いよ な

友 秀 だったら すげ い ピッチャー に なれた のに な

高校 行って 野球 やれば いい のに

バーカ 野球 やって る 場合 じゃ ね い だ ろ

そう だ けど さ プロ に なれば

いい よ そんな 話

兎に角 もう 決めた こと だ

働いて 働いて

働か なきゃ な

なあ 本当に 返す の か よ その カメラ

わかん ない

文男 奴 が くれて んだ から 貰 っと け ば いい のに

あいつ 金持ち だ から へい で も ない って

文男 ちゃん 何 に 食べ たい ?

ああ わから ない ママ 決めて よ

文男 は 高校 で 何 か やり たい こと は ある の か

別に 高校 なんて 大学 の 繋ぎ だし

まあ やり たい こと を 見つけ に って 言う か

よく わかん ない

おめでとう 徳 栄 学院 推進 決まった ぞ

スゲェー 時計

カメラ 上げる から

高校 なんて 大学 の 繋ぎ だし

止めて ごめんなさい

ごめんなさい 許して 許して

これ これ あげる から ね ね

友 秀

それ や べ い や べ い

うる せ えー 放せ 放せ

なぜ なぜ 僕 を いじめる の さ

なんで か 自分 の 胸 に 聞いて みな !

わかん ない わかん ない よ !

許して 僕 何 か 悪い こと した ?

うる せ えー !

なぜ いじめる の ?

どうして 僕 が 憎い の ?

僕 も 君 が 憎い

なんだ よ それ

そう か お前 も か お前 も そう か

面白 れ え いい ぜ やれよ

地獄 へ 流せよ

それ で 気 が すむ んだったら いくら でも 流さ れて やる ぜ

さあ 流せよ 流せ !

ほら どうして 流せ

そんな 度胸 も ねえ くせ に

だが 覚え とけ

俺 を 流した って

て め え の 人生 は 何も 変わりゃ しね え んだ

幸せに なんて なれ ねえ の さ

絶対 に な ー !

怨み 聞き届けたり

消えた ? 消えた ?

ごめん な 涼 美

この 怨み 地獄 へ 流し ます

試験 本番 も 近い が

ここ まで 来たら 無理 を せ ず

体調 管理 に 気 を つける ように 分かった な

はい

それ から 松田 の こと だ が

まだ 家 に 帰って ない らしい

何 か 心当たり の 者 は …

地獄 少女 だ

何 だ 野崎

地獄 少女 に 地獄 に 流さ れた んだ

文男 に 頼んだ よ

文男 藁 人形 で

友 秀で 地獄 に

そう だ 目の前 で 消えた んだ

友 秀 が 地獄 に 地獄 少女 に

地獄 少女 ?

マジ ?

地獄 少女

なに それ ?

知ら ない の ? あの ね …

お前 ら も

誰 か を 流す つもりな の か そう な んだ ろ

お前 も お前 も …

流さ れる もんか

俺 は 流さ れる もんか

絶対 流さ れる もんか

皆 静かに

寮 の 設備 が 万全です ので

お 母 さま に も きっと 安心 して 頂ける はずです

待てよ 加藤 ちゃん

余り ふざける と 怪我 する わ よ

タック 男の子 です から ね

元気 が あり や まって る って い ます か

まあ いい こと です わ

閉じこもって より

あや って 駆けまわって る ほう が 健全です もん ね

文男 ちゃん 良かった わ ね

終った わ

大丈夫 かな

くよくよ したって しょうがない

カラオーケ 行こう よ カラオーケ

私 お腹 すいた

ちょっと 珠代 よく お腹 すいた ね

さき 頭 使った から

まだ 逃げる つもり ?

人 が 人 を 怨 むこ と も 怨 ま れる こと も

止め られ ない って 言った わ よ ね

地獄 は 人 の 中 に ある って

だったら 地獄 通信 なんて 意味 無い じゃ ない

いっそ 放って 置いて くれれば いい じゃ ない

わたし の こと 放っておいて よ

わたし 高校 に 行く んだ から

みんな と 一緒に 高校 に 行って

部活 して 彼 氏 も 作って 普通に 生き たい の

地獄 少女 に なんか

絶対 なら ない んだ から !

今 あなた は わたし を 憎んで いる

あなた わたし を 地獄 に 流し たい んでしょ

すみません

あの 子

たすけて

あなた の 怨み 晴らし ます

地獄 少女 に なる の は 嫌

わたし は わたし で いたい

みんな と 同じ 中学 三 年生 で いたい

受験 して 高校 に 入って みんな と 同じ ように

お 願い 放って 置いて

だって わたし は どこ に でも いる 普通の 女の子 な んだ から

次回

蜉蝣


地獄 少女 三 鼎 - 23 じごく|しょうじょ|みっ|かなえ JIGOKU SHOJI SANKINSAN 23

山河 三 差 路 分かれ 道 さんか|みっ|さ|じ|わかれ|どう

守り たい の は 己 か 人 か まもり||||おのれ||じん|

常 世 の 闇 か … とわ|よ||やみ|

非だ の 乱れ は 貢が ない ひだ||みだれ||みつが|

終わる 事 ない 阿 鼻 の 芸 おわる|こと||おもね|はな||げい

時に 分け入れ 扉 が 開く ときに|わけいれ|とびら||あく

晴らせ ぬ 恨み 晴らし ます はらせ||うらみ|はらし|

何時も すまない な いつも||

悪い な   文男 ちゃん わるい||ふみお|

あたし   地獄 少女 に なんか なり ませ ん |じごく|しょうじょ|||||

だから   勉強 して 高校 に 受かって |べんきょう||こうこう||うかって

何 に なり たい の か まだ わから ない けど なん|||||||||

でも もう 地獄 通信 に は かかわり たく ない んです ||じごく|つうしん||||||ん です

こんな 生活   早く 終わら せて |せいかつ|はやく|おわら|

普通に   普通に 生きて ふつうに|ふつうに|いきて

だから さ   今日 絶対 寄って 行こう ね ||きょう|ぜったい|よって|いこう|

水原 君   大丈夫 ? みずはら|きみ|だいじょうぶ

行こう いこう

うん   じゃ ね

さよなら

水原   ちょっと 職員 室 まで いい か ? みずはら||しょくいん|しつ|||

おめでとう   徳 栄 学園 推薦 決まった ぞ |とく|さかい|がくえん|すいせん|きまった|

っは   本当です か ? |ほんとう です|

や ~ だ   ママ に 電話 し なくちゃ ||まま||でんわ||

おいおい   まだ 他の 者 は 受験 を 控えて いる んだ から なあ ||たの|もの||じゅけん||ひかえて||||

余り はしゃぐ じゃ ない ぞ あまり||||

なあ   それ から なあ

まあ   もう じき 卒業 だ から   今さら しょうがない が |||そつぎょう|||いまさら|しょうが ない|

その 腕 時計   学校 に して くる ん の は 止め ろう っと 言って る んだ ろ |うで|とけい|がっこう|||||||とどめ|||いって|||

でも

分 って る   お 父さん から の 誕生日 プレゼント だった なあ ぶん||||とうさん|||たんじょうび|ぷれぜんと||

それにしても   中学生 が 使う に は 高価 すぎて |ちゅうがくせい||つかう|||こうか|

いい なあ

は あ   ありがとう   パパ |||ぱぱ

まあ   パパ ったら   気 が 早い わ ね |ぱぱ||き||はやい||

な ~ に   もう 合格 した も 同じ さあ |||ごうかく|||おなじ|

頑張った 文男 に ご 褒美 さあ がんばった|ふみお|||ほうび|

寂しく なる わ ね さびしく|||

文男 ちゃん   なにも 遠く の 学校 を 選ば なくて もん ふみお|||とおく||がっこう||えらば||

寮生 活 だって 心配だ し りょうせい|かつ||しんぱいだ|

なに を 言って る   県 内 で 目 視 の 名門 校 だ ぞ ||いって||けん|うち||め|し||めいもん|こう||

確か   高校 野球 でも 有名だった よ な たしか|こうこう|やきゅう||ゆうめいだった||

めでたい じゃ ない か

でも   やっぱり 心配だ わ ||しんぱいだ|

よかった

おい   いい もん 持って んじゃ ゃ |||もって||

俺 たち に も 貸して くれよ おれ||||かして|

文男 ちゃん   じっと して ない よ ふみお|||||

男 前 に 映って さあ おとこ|ぜん||うつって|

止めて   止めて よ とどめて|とどめて|

なんだ よ   せっかく 撮って やって んだ から   笑い って の |||とって||||わらい||

ほら   笑えよ   文男 ちゃん |わらえよ|ふみお|

止めて よ とどめて|

嫌だ   止めて   もう いやだ|とどめて|

その カメラ 上げる から 許して よ |かめら|あげる||ゆるして|

マジ で ?

太っ腹 ふとっぱら

上げる から   カメラ 上げる から あげる||かめら|あげる|

ね   お 止めて よ ||とどめて|

俺 たち から 逃げ られる と 思う な よ おれ|||にげ|||おもう||

卒業 し よう が 他の 町 に 行こう が 関係 ねえ そつぎょう||||たの|まち||いこう||かんけい|

俺 は お前 を 逃がさ ねえ おれ||おまえ||にがさ|

絶対 に   逃がさ ねえ から な ! ぜったい||にがさ|||

どうして 其処 まで   どうして 僕 なんて |そこ|||ぼく|

来た よ きた|

地獄 少女 じごく|しょうじょ

本当に   来た ? ほんとうに|きた

輪 入 道 りん|はい|どう

あい よ   お 嬢 |||じょう

受け取り なさい うけとり|

こ   これ を

あなた が 本当に 怨み を 晴らし たい と 思う なら ||ほんとうに|うらみ||はらし|||おもう|

その 赤い 糸 を 解けば いい |あかい|いと||とけば|

糸 を 解けば   あたし と 正式に 契約 を 交わして こと に なる いと||とけば|||せいしきに|けいやく||かわして|||

怨み の 相手 は 速やかに 地獄 へ 流さ れる わ うらみ||あいて||すみやかに|じごく||ながさ||

そう な んだ   よし

ただし   怨み を 晴らしたら   あなた 自身 に も 代償 を 支払って もらう |うらみ||はらしたら||じしん|||だいしょう||しはらって|

代償 ? だいしょう

人 を 呪わ ば 穴 二 つ じん||のろわ||あな|ふた|

契約 を 交わしたら   あなた の 魂 も 地獄 へ 落ちる けいやく||かわしたら|||たましい||じごく||おちる

極楽 浄土 へ は 行け ず ごくらく|じょうど|||いけ|

あなた の 魂 は 痛み と 苦し み を 味わい ながら ||たましい||いたみ||にがし|||あじわい|

永遠に 彷徨う こと に なる わ えいえんに|さまよう||||

死んだ 後 の 話 だ けど ね しんだ|あと||はなし|||

え   地獄 に |じごく|

なんで 僕 まで 地獄 に 落ち なきゃ いけない んだ よ |ぼく||じごく||おち||||

悪い の は あいつ じゃ ない か わるい||||||

僕 は 何も して ない のに ぼく||なにも|||

人 を 呪わ ば 穴 二 つ ? じん||のろわ||あな|ふた|

意味 わかん ない よ いみ|||

どうして 僕 ばっかり こんな 目 に 遭う んだ |ぼく|||め||あう|

どうして ?

本当に   あなた は 誰 も 傷つけて い ない の ? ほんとうに|||だれ||きずつけて|||

後 は   あなた が 決める こと よ あと||||きめる||

兄ちゃん にいちゃん

涼 美   悪い   起こし また か ? りょう|び|わるい|おこし||

寝て ろ よ   今日 の 洗い もの 当番 は 兄ちゃん あんだ から なあ ねて|||きょう||あらい||とうばん||にいちゃん|||

水 出し っ放し   水道 代 は 節約 し ない と だめな んだ から すい|だし|っぱなし|すいどう|だい||せつやく||||||

悪い わるい

あ ~ こんなに 洗剤 使っちゃ って ||せんざい|つかっちゃ|

あたし 洗う から   ご飯 食べて |あらう||ごはん|たべて

うん   ごめん な

あれ   この パン の 右 は ? ||ぱん||みぎ|

お 母さん に サンドイッチ 作って 上げた んだ |かあさん||さんどいっち|つくって|あげた|

お 店 の あと お腹 すくって |てん|||おなか|

母さん 喜んだ ろ かあさん|よろこんだ|

うん   兄ちゃん の 分 も 作って あげる |にいちゃん||ぶん||つくって|

サンキュ   涼 美 は パン 屋 さん に なり たい んだ もん な |りょう|び||ぱん|や|||||||

うん   兄ちゃん は 野球 選手 だ もん ね |にいちゃん||やきゅう|せんしゅ|||

これ が その サンドイッチ か |||さんどいっち|

うまい じゃ   涼 美 も なかなか やる じゃ ない か ||りょう|び||||||

兄ちゃん   高校 行き な よ にいちゃん|こうこう|いき||

なんだ よ   行き 成り ||いき|なり

野球 の 強い 高校 入って   甲子園 行 くん だって 言って た じゃ ん やきゅう||つよい|こうこう|はいって|こうしえん|ぎょう|||いって|||

なんて いう 高校 だ っけ ? えっ と … ||こうこう||||

忘れた わすれた

って 言う か   何で そんな 話 に なる んだ よ |いう||なんで||はなし||||

うん   あの ね   うち お 父さん い ない し |||||とうさん|||

お 母さん 大変でしょ |かあさん|たいへんでしょ

で   あたし 決めた の   お 母さん に は お 仕事 頑張って もらって ||きめた|||かあさん||||しごと|がんばって|

うち の 事   全部 あたし が やろう あって ||こと|ぜんぶ||||

だから   兄ちゃん は 高校 へ 行って   野球 頑張って |にいちゃん||こうこう||おこなって|やきゅう|がんばって

もう   何 する ん の |なん|||

ガキ が ナマ 言って んじゃ ねえ よ がき||なま|いって|||

高校 なんて 真っ 平 ごめん だ ね こうこう||まっ|ひら|||

俺 は 働く 方 が 性 に 合って んだ よ おれ||はたらく|かた||せい||あって||

でも …

いい から   余計な 気 を 遣う んじゃ ねえ ||よけいな|き||つかう||

兄ちゃん   一生懸命 働く から な にいちゃん|いっしょうけんめい|はたらく||

お前 は   弁当 でも 作って くれよ おまえ||べんとう||つくって|

そん とき は   また サンドイッチ 頼む な ||||さんどいっち|たのむ|

うん !

兄ちゃん にいちゃん

起きて った の か ? おきて|||

お 父さん   どんな 人 だった ? |とうさん||じん|

あたし   あんまり 覚えて ない から ||おぼえて||

そう か

優しい 人だった ? やさしい|ひとだった

どうして   すずみ たち を 置いて ||||おいて

どこ か に 行っちゃ った んだろう ね ? |||おこなっちゃ|||

皆さん   受験 です か ? みなさん|じゅけん||

そう な んです よ   もう 大変で ||ん です|||たいへんで

不安 ふあん

大丈夫   大丈夫 だいじょうぶ|だいじょうぶ

がんばって ください ね

あたし たち の こと は   徹底 的に 無視 する つもり かね |||||てってい|てきに|むし|||

自分 が 次の 地獄 少女 に なる だ なんて じぶん||つぎの|じごく|しょうじょ||||

認め たく ない んだろう な みとめ||||

ホントな の か ねえ   あの 子 が 地獄 少女 に なる なんて さ ほんとな|||||こ||じごく|しょうじょ||||

お 嬢 は 冗談 なんて 言わ ないだ ろ |じょう||じょうだん||いわ||

お 嬢 が   新しい 地獄 少女 なんて 育てる と 思う かい ? |じょう||あたらしい|じごく|しょうじょ||そだてる||おもう|

あっ   姫   駄目です って ば ! |ひめ|だめ です||

姫   お 嬢 に 叱ら れ ます よ ひめ||じょう||しから|||

姫 お 姉ちゃん たち に 何 か 用 かな ? ひめ||ねえちゃん|||なん||よう| 負け ない から な ! まけ|||

あい の 次 は きく り な んだ から な ! ||つぎ|||||||

姫   すいません ひめ|

何 ? 姫 だって なん|ひめ|

あの バカ |ばか

え   これ から は 実際 の 作業 行程 よ ||||じっさい||さぎょう|こうてい|

一つ一つ 見て いき ましょう ひとつひとつ|みて||

よし   行く よ   よし |いく||

なあ   知って た か   ここ を |しって||||

で かい 会社 の 下請け やって ん だって よ ||かいしゃ||したうけ||||

あ   何 か が 県 内 一 って の |なん|||けん|うち|ひと||

給料 いい んじゃ ねい の きゅうりょう||||

うん   まあ なあ

よし   ほら

だけど   もったい ね いよ な

友 秀 だったら   すげ い ピッチャー に なれた のに な とも|しゅう||||ぴっちゃー||||

高校 行って 野球 やれば いい のに こうこう|おこなって|やきゅう|||

バーカ   野球 やって る 場合 じゃ ね い だ ろ |やきゅう|||ばあい|||||

そう だ けど さ   プロ に なれば ||||ぷろ||

いい よ   そんな 話 |||はなし

兎に角   もう 決めた こと だ とにかく||きめた||

働いて   働いて はたらいて|はたらいて

働か なきゃ な はたらか||

なあ   本当に 返す の か よ   その カメラ |ほんとうに|かえす|||||かめら

わかん ない

文男 奴 が くれて んだ から   貰 っと け ば いい のに ふみお|やつ|||||もら|||||

あいつ   金持ち だ から   へい で も ない って |かねもち|||||||

文男 ちゃん   何 に 食べ たい ? ふみお||なん||たべ|

ああ   わから ない   ママ 決めて よ |||まま|きめて|

文男 は   高校 で 何 か やり たい こと は ある の か ふみお||こうこう||なん||||||||

別に   高校 なんて 大学 の 繋ぎ だし べつに|こうこう||だいがく||つなぎ|

まあ   やり たい こと を 見つけ に って 言う か |||||みつけ|||いう|

よく わかん ない

おめでとう   徳 栄 学院 推進 決まった ぞ |とく|さかい|がくいん|すいしん|きまった|

スゲェー   時計 |とけい

カメラ 上げる から かめら|あげる|

高校 なんて 大学 の 繋ぎ だし こうこう||だいがく||つなぎ|

止めて   ごめんなさい とどめて|

ごめんなさい   許して   許して |ゆるして|ゆるして

これ   これ あげる から   ね   ね

友 秀 とも|しゅう

それ や べ い   や べ い

うる せ えー   放せ   放せ |||はなせ|はなせ

なぜ   なぜ 僕 を いじめる の さ ||ぼく||||

なんで か 自分 の 胸 に 聞いて みな ! ||じぶん||むね||きいて|

わかん ない   わかん ない よ !

許して   僕 何 か 悪い こと した ? ゆるして|ぼく|なん||わるい||

うる せ えー !

なぜ いじめる の ?

どうして   僕 が 憎い の ? |ぼく||にくい|

僕 も 君 が 憎い ぼく||きみ||にくい

なんだ よ それ

そう か   お前 も か   お前 も そう か ||おまえ|||おまえ|||

面白 れ え   いい ぜ   やれよ おもしろ|||||

地獄 へ 流せよ じごく||ながせよ

それ で 気 が すむ んだったら いくら でも 流さ れて やる ぜ ||き||||||ながさ|||

さあ   流せよ   流せ ! |ながせよ|ながせ

ほら   どうして   流せ ||ながせ

そんな 度胸 も ねえ くせ に |どきょう||||

だが   覚え とけ |おぼえ|

俺 を 流した って おれ||ながした|

て め え の 人生 は 何も 変わりゃ しね え んだ ||||じんせい||なにも|かわりゃ|||

幸せに なんて なれ ねえ の さ しあわせに|||||

絶対 に な ー ! ぜったい|||-

怨み   聞き届けたり うらみ|ききとどけたり

消えた ?  消えた ? きえた|きえた

ごめん な   涼 美 ||りょう|び

この 怨み   地獄 へ 流し ます |うらみ|じごく||ながし|

試験 本番 も 近い が しけん|ほんばん||ちかい|

ここ まで 来たら   無理 を せ ず ||きたら|むり|||

体調 管理 に 気 を つける ように   分かった な たいちょう|かんり||き|||よう に|わかった|

はい

それ から   松田 の こと だ が ||まつた||||

まだ 家 に 帰って ない らしい |いえ||かえって||

何 か 心当たり の 者 は … なん||こころあたり||もの|

地獄 少女 だ じごく|しょうじょ|

何 だ   野崎 なん||のさき

地獄 少女 に 地獄 に 流さ れた んだ じごく|しょうじょ||じごく||ながさ||

文男 に 頼んだ よ ふみお||たのんだ|

文男 藁 人形 で ふみお|わら|にんぎょう|

友 秀で   地獄 に とも|ひいで|じごく|

そう だ   目の前 で 消えた んだ ||めのまえ||きえた|

友 秀 が 地獄 に   地獄 少女 に とも|しゅう||じごく||じごく|しょうじょ|

地獄   少女 ? じごく|しょうじょ

マジ ?

地獄 少女 じごく|しょうじょ

なに それ ?

知ら ない の ? あの ね … しら||||

お前 ら も おまえ||

誰 か を 流す つもりな の か   そう な んだ ろ だれ|||ながす|||||||

お前 も   お前 も … おまえ||おまえ|

流さ れる もんか ながさ||

俺 は   流さ れる もんか おれ||ながさ||

絶対 流さ れる もんか ぜったい|ながさ||

皆   静かに みな|しずかに

寮 の 設備 が 万全です ので りょう||せつび||ばんぜん です|

お 母 さま に も きっと 安心 して 頂ける はずです |はは|||||あんしん||いただける|はず です

待てよ   加藤 ちゃん まてよ|かとう|

余り ふざける と 怪我 する わ よ あまり|||けが|||

タック   男の子 です から ね たっく|おとこのこ|||

元気 が あり や まって る って い ます か げんき|||||||||

まあ   いい こと です わ

閉じこもって より とじこもって|

あや って 駆けまわって る ほう が 健全です もん ね ||かけまわって||||けんぜん です||

文男 ちゃん   良かった わ ね ふみお||よかった||

終った わ しまった|

大丈夫 かな だいじょうぶ|

くよくよ したって しょうがない ||しょうが ない

カラオーケ 行こう よ   カラオーケ |いこう||

私 お腹 すいた わたくし|おなか|

ちょっと 珠代 よく お腹 すいた ね |たまよ||おなか||

さき   頭 使った から |あたま|つかった|

まだ   逃げる つもり ? |にげる|

人 が   人 を 怨 むこ と も 怨 ま れる こと も じん||じん||えん||||えん||||

止め られ ない って 言った わ よ ね とどめ||||いった|||

地獄 は 人 の 中 に ある って じごく||じん||なか|||

だったら 地獄 通信 なんて 意味 無い じゃ ない |じごく|つうしん||いみ|ない||

いっそ 放って 置いて くれれば いい じゃ ない |はなって|おいて||||

わたし の こと 放っておいて よ |||ほうっておいて|

わたし 高校 に 行く んだ から |こうこう||いく||

みんな と 一緒に 高校 に 行って ||いっしょに|こうこう||おこなって

部活 して   彼 氏 も 作って   普通に 生き たい の ぶかつ||かれ|うじ||つくって|ふつうに|いき||

地獄 少女 に なんか じごく|しょうじょ||

絶対 なら ない んだ から ! ぜったい||||

今   あなた は わたし を 憎んで いる いま|||||にくんで|

あなた   わたし を 地獄 に 流し たい んでしょ |||じごく||ながし||

すみません

あの 子 |こ

たすけて

あなた の 怨み   晴らし ます ||うらみ|はらし|

地獄 少女 に なる の は 嫌 じごく|しょうじょ|||||いや

わたし は わたし で いたい

みんな と 同じ 中学 三 年生 で いたい ||おなじ|ちゅうがく|みっ|ねんせい||

受験 して 高校 に 入って   みんな と 同じ ように じゅけん||こうこう||はいって|||おなじ|よう に

お 願い   放って 置いて |ねがい|はなって|おいて

だって わたし は   どこ に でも いる 普通の 女の子 な んだ から |||||||ふつうの|おんなのこ|||

次回 じかい

蜉蝣 かげろう