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地獄少女 三鼎, 地獄少女 三鼎 - 11

山河 三 差 路 分かれ 道

守り たい の は 己 か 人 か

常 世 の 闇 か …

非だ の 乱れ は 貢が ない

終わる 事 ない 阿 鼻 の 芸

時に 分け入れ 扉 が 開く

晴らせ ぬ 恨み 晴らし ます

って いう 事件 が 東京 で 連続 して 起きて る ん だって

被害 者 は もう 四 人

それ が ね 来て

あっ これ これ

この 本 に 書いて ある こと と そっくりな ん だって

へ ぇ …

なに よ 関心 薄 すぎ

秋 恵 は 読んだ の その 本

読んで ない ネット で 見た だけ

なんだ じゃあ わかん ない じゃ ない

でも きっと ホントだ よ 怖い なぁ と 思って …

上坂 君 例の やつ 持ってきて くれた ?

ああ はい

あっ ども ども

これ で お袋 も 喜んで くれる よ

小説 家 の 知り合い なんて 初めて だ から さ

これ から も なんか 良く して よ ねぇ

はい

爆発 性 で は ない んです が 批評 は いい んで ねぇ

年 末 の ベストテン と か に は 滑り込む じゃ ない か と 思って る んです

そう する りゃ 確実に 重版 だって 編集 部 の 連中 と も 騒いで る んです よ

映画 の 話 も 済んで ます し

例の 事件 は どう なった んです か ?

なあ 偶然じゃ ない でしょう か ねぇ

それ に ああいう の って

やり玉 に あげ られる の は 大抵 漫画 か アニメ でしょ

平気です よ 小説 は

とりあえず 新作 お 願い し ます よ

どうせ 事件 と 関係 ある から って 本 は 売れる し

作家 も 有名に なる

出版 社 側 が リーク した 売名 行為 だろう

そんなに 売れて も ねえ し 有名で も ない つ

はい

上坂 六郎 さん です か

私 週刊 「 実現 」 編集 部 の 浅羽 スミ と 申し ます

突然です が …

「 摩天楼 の 影 」 で 小説 に 似て る って

ネット で ちょっと 評判 な んです

「 摩天楼 の 影 」… 知ら ない なあ

上坂 六郎 って 新人 が 書いた

今年 の 頭 に 文 著 社 の ミステリー 大賞 を 取った 作品 な んです

大 ベストセラ じゃ あり ませ ん けど

そこそこ 話題 に なって い ます

それ で どう 記録 って る

作者 から 話 を 聴いて き ます

夕べ 後 も 取り ました

まあ 好きに やって み なあ

はい

あの 例 の 突き落とし 事件 の こと な んです けど

ネット で 売名 と か 書いて る 人 が いて

ちょっと 頭 に はき ました

事件 の せい で 本 が 売れて る 訳 で も ない し

僕 は 有名に なった 訳 でも ないで す

みんな 結構 憶測 だけ でも の を 言って る んだ な と 思って

もし 事件 が 本当に 上坂 さん の 小説 の 影響 で 行わ れた もの だ と したら

どう お 考え です か ?

それ は それ で 腹 が 立ち ます

人殺し って 殺し たい から 殺す 訳 でしょ

僕 は 小説 が 書き たい から 書いた だけ であって …

あの ひょっとして ちょっと 分かり ずれこ と

言っちゃ って る かも しれ ませ ん けど

暴力 的だったり 猟 奇 的だったり する 表現 で しか

伝え られ ない こと も ある んです

御免なさい ちょっと 失礼 し ます

はい 浅羽 です

はい え ? 本当です か

犯人 捕まった そうです

逮捕 さ れた 少年 の 取調べ 依然 続いて おり

関係 者 の 話 に よる と 少年 は ある 小説 を 読み

それ が かっこいい と 思った から やった と 話 てる と の こと で

最近 事件 へ の 影響 が 取り 沙汰 さ れて いる 小説 の こと で は ない か と

警察 は 捜査 を 進めて い ます

上坂 さん の シンタビュウ は 私 に 責任 を 持って 纏め ます

安心 して ください

上坂 さん が いい加減な 方 で ない こと は よく わかり ました ので

ありがとう ございます

良かった の は それ まで だった

そこ に は 自分 が しゃべって も い ない こと が 書か れて いた

さも 反 社会 的な 人間 である ように

さも 非常識な 人間 である ように

やられた と 思った

マスコミ を 信用 した 自分 が バカだった のだ

ほら 言った でしょ

関係 ある んだ って

怖い よ ねぇ この 作家

うち ら の 町 に 住んで る ん だって 知って た ?

そう な んだ

少年 の 自宅 から は 小説 「 摩天楼 の 影 」 の 他

ホラービデオ

暴力 的 表現 の 含ま れる 漫画 や ゲーム など が 押収 さ れて おり

事件 へ の 強い 影響 が 見 られる と して

警察 は 捜査 を 進めて い ます

尚 「 摩天楼 の 影 」 の 作者 である 上坂 六郎 さん です が

お 留守 な んでしょう か

ご覧 の ように カーテン が 閉じ られ 明かり も なく

お 話 を 伺う こと は でき ませ ん でした

さあ いよいよ 皆さん を …

これ じゃあ うち に 帰れ ない じゃ ない か

ショボシ は 悟った あの 50 階 の ビル から

女 を 突き落とす こと が 自分 の 当面 の 目的 である こと を …

姫 ショボシ じゃ なくて 諸星 ( もろ ぼし ) です よ

そんな 名字 知る か ー ! ムキー

あっ 姫 ー !

気の毒な 話 だ ね 自分 が 殺した 訳 で も ない のに

因果な 商売 って やつさ

物書き なんて みんな そんな もん じゃ ねえ の か

どういう こと です か ?

こういう こと だ よ お前 さ の 原稿 は 使え ない って こと を

だから って 無断 で 差し替え です か ?

あたし の 信用 は どう なる んです

信用 なんて いう ほど の 実績 が 思い が ある の か よ

お前 も プロ な 覚えて おけ

重要な の は 結果 を 出す 事 だ

売り上げ だ よ 売り上げ

売る ため なら 真実 を 曲げて も いい って 言う の ?

真実 なんて なあ

お前 が 書か なくて も 何時か 誰 か が 書く んだ よ

あんた だ まだ ま お前 の 順番 なかった だけ だ よ

嫌な 予感 は して いた

何 しや が って … この 協会 に 逃げ られ たき たる ぞ

編集 長 を 信用 し すぎた あたし の 責任 だった

あたし は あの 気の毒な 小説 家 に どう 償い を すれば いい の か

ただ それ だけ を 考えて いた

少年 の 実名 は 越智 浩人 県立 井 延 第 三 高校 の 二 年生

へ ぇ …

どう しよう 数学 "3" って

親 に は 今年 から 5 段階 評価 だって ことにし と こうか なぁ

じゃ ぁ 国語 "7" って どう 説明 する の ?

削って "1" に 見せる と か っ

それ じゃあ 意味 無い じゃ ない

あの すいません 市 役所 へ は どう 行ったら い ん でしょ

それ なら 町 へ 買い物 に 行く 途中 です から よかったら ご 一緒に

助かり ます

東京 の 方 です か

はい

ひょっとして 取材 と か …

え ?

あっ 違ったら 御免なさい

例の 事件 で 最近

マスコミ の 人 が 来る の が 物 凄く 増えた から

いいえ そう じゃ ない んです

私 道生 由比 と 言い ます

その 事件 の 最初の 被害 者 は わたし の 妹 な んです

妹 は 犯人 の 男 の こと 同い年 でした

そんな 年頃 の 子 が あんな こと する なんて どうしても 信じ られ なくて

そう だ から わたし は 誰 を 怨 んだ ら いい の か わから なかった

直接の 犯人 それとも あの 小説 の 作者 だろう か ?

わたし は 自分 自身 で それ を 確かめよう と 思った

面会 した 犯人 は

あの 小説 を 読んだら 現実 と 小説 の 区別 が つか なく なっちゃ って

さ れ で 気 が ついたら あんな 事 …

僕 に は 何も 記憶 が ない んです

だから 今度 は あの 作家 に 会って みよう と 思った のだ

そして もし 怨 むべ き 相手 が わかったら その 時 わたし は …

あそこ が 市 役所 です

どうも ありがとう

いいえ

これ お袋 が 帰って して こい って

持って たら こっち まで 変質 者 みたいだ から さあ

すいません

あっ はい

また ど っか の 記者 じゃ ない の ?

変な 小説 なんか 帰って くるちゃ う から

本当 こっち は いい 迷惑だ よ なあ

そう です か 妹 さん が

だから どうしても 確かめ たい んです

本当に 悪い の は 誰 な の か

僕 は 本当に 書き たい もの を 書いた だけ で

じゃあ これ は 何 な んです か !

こ っ これ は 僕 が 言って も い ない こと を でっち上げ られた だけ で

それ が 言い逃れ じゃ ない って 証拠 は ?

あり ます

そんな 事 本当に ある んです ねぇ

わたし 上坂 さん に どう お 詫び しよう か って 思った んです けど

やっぱり 直接 こうして 謝る しか ない と 思って

もう いい です

そんな やめて ください

十分 わかり ました から

フリーの 記者 なんて ホントに 無力な もの です ね

僕ら なんだか みんな ひどい 目 に あって しまった ようです ね

わたし が 言う の も な んです けど 運 が 悪かった って いう か

でも わたし は 運 の せい に は し たく ない んです

できれば はっきり さ せ たい

あの 男の子 逮捕 さ れる 前 に 言って た らしい んです

小説 の せい に すれば 刑 が 軽く なる って

本当です か

クラス で いじめて た 子 に ポロッ と

でも その 子 報復 を 怖 れて て

証言 も 名前 を 出す の も 拒んで て

それ が 本当だったら あの 子 わたし の 前 で 演技 して た の ね

わたし この 人 が 悪い って はっきり した 確信 が 持てたら

地獄 少女 に お 願い する つもりだった んです

その 人 を 地獄 に 流して 欲し いって

地獄 少女

聞いて ある わ 深夜 零 時 に

地獄 通信 って サイト に 恨み の ある 奴 の 名前 を 書き込む と

地獄 少女 が そい つ を 地獄 に 流して くれる って

でも 誰 か を 地獄 に 流した 人 は

代償 と して 自分 も 死んだ 後 に 地獄 に 流さ れる

それ でも いい と 思って ました

妹 が い ない 人生 なんて

自分 に とって は 終わった も 同然だった から

でも あの 犯人 を 地獄 に 流した から って

本当に 報われる んです か ?

正直 よく わかり ませ ん

他 に 流す べき 人 は いる ような 気 が して

出版 社 から 連絡 が あり まして ね 映画 の 話 は 駄目に なり ました

新作 も 出せる か どう か わから ない そうです

ようは お先真っ暗です よ

だから です ね

つまり その …

僕ら 三 人 なら

少なくとも 三 人 を 地獄 に 流せ ます

わたし は 編集 長 です よ ね やっぱり

あの 人 の せい で 記者 も やって けなさ そうだ し

じゃあ 僕 は 誰 に しよう か なぁ

ネット で 僕 の 悪 口 香 いて る 奴 全員 と か …

やっぱり 駄目な の か なぁ

たぶん 一 人 じゃ ない と 駄目な んじゃ ない です か

取りあえず わたし たち 二 人 で やり ます から

じっくり 考えて いただいて から でも

一 人 思いつき ました

お 二 人 ほど 深刻じゃ ない かも 知れ ませ ん が

自分 に とって は 許せ ない 奴 です

そんな こと で 何も 変わり っこ ない のに

それ じゃ やり ます か

上坂 さん 本当に いい んです か ?

ええ 僕 は 無責任に 世の中 に 迎合 して 生きて る 人間

が 一 番 罪深い と 思って る んです

わかり ました

じゃあ いっせ の せ で

いっせ のせ

怨み 聞き届けたり

あっ 何 だ よ どういう こと だ よ これ は …

まっ お前 の 場合 は 何にも 言わ ないで も わかる だ ろ

何 処 此処 わ 何 なんで 一体

ジャーナリスト は 真実 を 伝える の が 使命 じゃ なかった の か ねぇ

なんだ な に これ

ねぇ 母さん 此処 何 処 ?

いい 時 に は 持ち上げて 悪い 時 に は 踏みにじる

そんな あんた が 許せ ねぇ って 話 よ

は あ ? 上坂 の 事か ?

だったら あれ は 袋 を そう しろ って 言った だけ だ よ

俺 も 寧 ろ あいつ に 同情 して んだ よ

だから ねぇ 助けて くれよ お 願い い だ から さ

だって よ ぅ お 嬢

闇 に 惑い し 哀れな 影 よ 人 を 傷つけ 貶めて

罪 に 溺れ し 業 の 魂

一 遍 死んで みる ?

こんな こと して な んに なる んだ ぁ ー !

あの 人 たち も 今頃 は 地獄 です ね

これ も 何 か の 縁 です から

たまに 集まって 酒 でも 飲み ませ ん か ?

地獄 会 と か いって

とりあえず 一 杯 やり ましょう

ほんの ちょっと だけ

世の中 の 風通し が 良く なった 感じ かしら

なんか まだ 実感 が …

上坂 さん ?

えっ こんな 急に

あなた を 流した 人 が いる の

犯人 は 母親 よ

息子 が ああ なった の は あなた の せい だ と 思い込んで いる わ

そんな 俺 を 怨 んで 何 に なる んだ !

あなた が 流した 人 も 同じ こと を 言って いた

俺 は ただ 書き たい もの を 書いた だけ だった のに

それ だけ な のに !

おい !

フリガナ 振 っと け !

この 怨み 地獄 へ 流し ます

あなた の 怨み 晴らし ます

名前 は ?

乃村 信夫

怨み を グラフ に ねぇ

夏 だ から って 何でも 許さ れる と 思ったら 大 間違い だ !

ど いつも こいつ も ムカ つく んだ よ ぅ

流して やる ぅ でも チャンス は 一 度

さ ぁ 誰 だ 誰 だ 地獄 へ 墜 ちる の は

お前 か ! お前 か ! それとも お前 か ぁ !

なんだ ぁ こいつ は ぁ

次回

仲 夏 的 图片


山河 三 差 路   分かれ 道

守り たい の は   己 か 人 か

常 世 の 闇 か …

非だ の 乱れ は 貢が ない

終わる 事 ない   阿 鼻 の 芸

時に 分け入れ   扉 が 開く

晴らせ ぬ 恨み   晴らし ます

って いう 事件 が 東京 で 連続 して 起きて る ん だって

被害 者 は もう 四 人

それ が ね 来て

あっ   これ これ

この 本 に 書いて ある こと と そっくりな ん だって

へ ぇ …

なに よ 関心 薄 すぎ

秋 恵 は 読んだ の その 本

読んで ない ネット で 見た だけ

なんだ じゃあ わかん ない じゃ ない

でも きっと ホントだ よ 怖い なぁ と 思って …

上坂 君 例の やつ 持ってきて くれた ?

ああ   はい

あっ   ども ども

これ で   お袋 も 喜んで くれる よ

小説 家 の 知り合い なんて 初めて だ から さ

これ から も なんか 良く して よ   ねぇ

はい

爆発 性 で は ない んです が   批評 は いい んで ねぇ

年 末 の ベストテン と か に は 滑り込む じゃ ない か と 思って る んです

そう する りゃ   確実に 重版 だって 編集 部 の 連中 と も 騒いで る んです よ

映画 の 話 も 済んで ます し

例の 事件 は どう なった んです か ?

なあ   偶然じゃ ない でしょう か ねぇ

それ に ああいう の って

やり玉 に あげ られる の は 大抵 漫画 か アニメ でしょ

平気です よ 小説 は

とりあえず   新作   お 願い し ます よ

どうせ 事件 と 関係 ある から って 本 は 売れる し

作家 も 有名に なる

出版 社 側 が リーク した 売名 行為 だろう

そんなに 売れて も ねえ し   有名で も ない つ

はい

上坂 六郎 さん です か

私 週刊 「 実現 」 編集 部 の 浅羽 スミ と 申し ます

突然です が …

「 摩天楼 の 影 」 で 小説 に 似て る って

ネット で ちょっと 評判 な んです

「 摩天楼 の 影 」… 知ら ない なあ

上坂 六郎 って 新人 が 書いた

今年 の 頭 に 文 著 社 の ミステリー 大賞 を 取った 作品 な んです

大 ベストセラ じゃ あり ませ ん けど

そこそこ 話題 に なって い ます

それ で   どう 記録 って る

作者 から 話 を 聴いて き ます

夕べ 後 も 取り ました

まあ   好きに やって み なあ

はい

あの   例 の 突き落とし 事件 の こと な んです けど

ネット で 売名 と か 書いて る 人 が いて

ちょっと 頭 に はき ました

事件 の せい で 本 が 売れて る 訳 で も ない し

僕 は 有名に なった 訳 でも ないで す

みんな 結構 憶測 だけ でも の を 言って る んだ な と 思って

もし 事件 が 本当に 上坂 さん の 小説 の 影響 で 行わ れた もの だ と したら

どう お 考え です か ?

それ は それ で 腹 が 立ち ます

人殺し って 殺し たい から 殺す 訳 でしょ

僕 は 小説 が 書き たい から 書いた だけ であって …

あの   ひょっとして ちょっと 分かり ずれこ と

言っちゃ って る かも しれ ませ ん けど

暴力 的だったり 猟 奇 的だったり する 表現 で しか

伝え られ ない こと も ある んです

御免なさい   ちょっと 失礼 し ます

はい   浅羽 です

はい   え ?  本当です か

犯人 捕まった そうです

逮捕 さ れた 少年 の 取調べ 依然 続いて おり

関係 者 の 話 に よる と   少年 は ある 小説 を 読み

それ が かっこいい と 思った から やった と 話 てる と の こと で

最近 事件 へ の 影響 が 取り 沙汰 さ れて いる 小説 の こと で は ない か と

警察 は 捜査 を 進めて い ます

上坂 さん の シンタビュウ は 私 に 責任 を 持って 纏め ます

安心 して ください

上坂 さん が いい加減な 方 で ない こと は よく わかり ました ので

ありがとう ございます

良かった の は   それ まで だった

そこ に は 自分 が しゃべって も い ない こと が 書か れて いた

さも   反 社会 的な 人間 である ように

さも   非常識な 人間 である ように

やられた と 思った

マスコミ を 信用 した 自分 が バカだった のだ

ほら   言った でしょ

関係 ある んだ って

怖い よ ねぇ この 作家

うち ら の 町 に 住んで る ん だって 知って た ?

そう な んだ

少年 の 自宅 から は   小説 「 摩天楼 の 影 」 の 他

ホラービデオ

暴力 的 表現 の 含ま れる 漫画 や ゲーム など が 押収 さ れて おり

事件 へ の 強い 影響 が 見 られる と して

警察 は 捜査 を 進めて い ます

尚  「 摩天楼 の 影 」 の 作者 である 上坂 六郎 さん です が

お 留守 な んでしょう か

ご覧 の ように   カーテン が 閉じ られ   明かり も なく

お 話 を 伺う こと は でき ませ ん でした

さあ   いよいよ 皆さん を …

これ じゃあ   うち に 帰れ ない じゃ ない か

ショボシ は 悟った あの 50 階 の ビル から

女 を 突き落とす こと が 自分 の 当面 の 目的 である こと を …

姫 ショボシ じゃ なくて 諸星 ( もろ ぼし ) です よ

そんな 名字 知る か ー ! ムキー

あっ 姫 ー !

気の毒な 話 だ ね 自分 が 殺した 訳 で も ない のに

因果な 商売 って やつさ

物書き なんて みんな そんな もん じゃ ねえ の か

どういう こと です か ?

こういう こと だ よ   お前 さ の 原稿 は 使え ない って こと を

だから って   無断 で 差し替え です か ?

あたし の 信用 は どう なる んです

信用 なんて いう ほど の 実績 が 思い が ある の か よ

お前 も プロ な 覚えて おけ

重要な の は 結果 を 出す 事 だ

売り上げ だ よ   売り上げ

売る ため なら 真実 を 曲げて も いい って 言う の ?

真実 なんて なあ

お前 が 書か なくて も 何時か 誰 か が 書く んだ よ

あんた だ まだ ま   お前 の 順番 なかった だけ だ よ

嫌な 予感 は して いた

何 しや が って … この 協会 に 逃げ られ たき たる ぞ

編集 長 を 信用 し すぎた あたし の 責任 だった

あたし は   あの 気の毒な 小説 家 に どう 償い を すれば いい の か

ただ それ だけ を 考えて いた

少年 の 実名 は 越智 浩人   県立 井 延 第 三 高校 の 二 年生

へ ぇ …

どう しよう 数学 "3" って

親 に は 今年 から 5 段階 評価 だって ことにし と こうか なぁ

じゃ ぁ 国語 "7" って どう 説明 する の ?

削って "1" に 見せる と か っ

それ じゃあ 意味 無い じゃ ない

あの   すいません   市 役所 へ は どう 行ったら い ん でしょ

それ なら 町 へ 買い物 に 行く 途中 です から よかったら ご 一緒に

助かり ます

東京 の 方 です か

はい

ひょっとして 取材 と か …

え ?

あっ   違ったら 御免なさい

例の 事件 で 最近

マスコミ の 人 が 来る の が 物 凄く 増えた から

いいえ そう じゃ ない んです

私   道生 由比 と 言い ます

その 事件 の 最初の 被害 者 は わたし の 妹 な んです

妹 は 犯人 の 男 の こと 同い年 でした

そんな 年頃 の 子 が あんな こと する なんて どうしても 信じ られ なくて

そう   だ から わたし は 誰 を 怨 んだ ら いい の か わから なかった

直接の 犯人   それとも あの 小説 の 作者 だろう か ?

わたし は 自分 自身 で それ を 確かめよう と 思った

面会 した 犯人 は

あの 小説 を 読んだら   現実 と 小説 の 区別 が つか なく なっちゃ って

さ れ で   気 が ついたら   あんな 事 …

僕 に は 何も 記憶 が ない んです

だから 今度 は   あの 作家 に 会って みよう と 思った のだ

そして   もし 怨 むべ き 相手 が わかったら   その 時 わたし は …

あそこ が 市 役所 です

どうも ありがとう

いいえ

これ   お袋 が 帰って して こい って

持って たら   こっち まで 変質 者 みたいだ から さあ

すいません

あっ   はい

また ど っか の 記者 じゃ ない の ?

変な 小説 なんか 帰って くるちゃ う から

本当 こっち は いい 迷惑だ よ なあ

そう です か 妹 さん が

だから どうしても 確かめ たい んです

本当に 悪い の は 誰 な の か

僕 は 本当に 書き たい もの を 書いた だけ で

じゃあ これ は 何 な んです か !

こ っ   これ は 僕 が 言って も い ない こと を でっち上げ られた だけ で

それ が 言い逃れ じゃ ない って 証拠 は ?

あり ます

そんな 事   本当に ある んです ねぇ

わたし 上坂 さん に どう お 詫び しよう か って 思った んです けど

やっぱり 直接 こうして 謝る しか ない と 思って

もう いい です

そんな やめて ください

十分 わかり ました から

フリーの 記者 なんて ホントに 無力な もの です ね

僕ら なんだか みんな ひどい 目 に あって しまった ようです ね

わたし が 言う の も な んです けど 運 が 悪かった って いう か

でも わたし は 運 の せい に は し たく ない んです

できれば はっきり さ せ たい

あの 男の子 逮捕 さ れる 前 に 言って た らしい んです

小説 の せい に すれば 刑 が 軽く なる って

本当です か

クラス で いじめて た 子 に ポロッ と

でも その 子 報復 を 怖 れて て

証言 も 名前 を 出す の も 拒んで て

それ が 本当だったら あの 子 わたし の 前 で 演技 して た の ね

わたし この 人 が 悪い って はっきり した 確信 が 持てたら

地獄 少女 に お 願い する つもりだった んです

その 人 を 地獄 に 流して 欲し いって

地獄 少女

聞いて ある わ   深夜 零 時 に

地獄 通信 って サイト に   恨み の ある 奴 の 名前 を 書き込む と

地獄 少女 が そい つ を 地獄 に 流して くれる って

でも 誰 か を 地獄 に 流した 人 は

代償 と して 自分 も 死んだ 後 に 地獄 に 流さ れる

それ でも いい と 思って ました

妹 が い ない 人生 なんて

自分 に とって は 終わった も 同然だった から

でも あの 犯人 を 地獄 に 流した から って

本当に 報われる んです か ?

正直 よく わかり ませ ん

他 に 流す べき 人 は いる ような 気 が して

出版 社 から 連絡 が あり まして ね 映画 の 話 は 駄目に なり ました

新作 も 出せる か どう か わから ない そうです

ようは お先真っ暗です よ

だから です ね

つまり その …

僕ら 三 人 なら

少なくとも 三 人 を 地獄 に 流せ ます

わたし は 編集 長 です よ ね やっぱり

あの 人 の せい で 記者 も やって けなさ そうだ し

じゃあ 僕 は 誰 に しよう か なぁ

ネット で 僕 の 悪 口 香 いて る 奴 全員 と か …

やっぱり 駄目な の か なぁ

たぶん 一 人 じゃ ない と 駄目な んじゃ ない です か

取りあえず わたし たち 二 人 で やり ます から

じっくり 考えて いただいて から でも

一 人 思いつき ました

お 二 人 ほど 深刻じゃ ない かも 知れ ませ ん が

自分 に とって は 許せ ない 奴 です

そんな こと で 何も 変わり っこ ない のに

それ じゃ やり ます か

上坂 さん 本当に いい んです か ?

ええ 僕 は 無責任に 世の中 に 迎合 して 生きて る 人間

が 一 番 罪深い と 思って る んです

わかり ました

じゃあ いっせ の せ で

いっせ のせ

怨み 聞き届けたり

あっ   何 だ よ   どういう こと だ よ   これ は …

まっ   お前 の 場合 は 何にも 言わ ないで も わかる だ ろ

何 処   此処 わ   何 なんで 一体

ジャーナリスト は 真実 を 伝える の が 使命 じゃ なかった の か ねぇ

なんだ   な に これ

ねぇ   母さん   此処 何 処 ?

いい 時 に は 持ち上げて 悪い 時 に は 踏みにじる

そんな あんた が 許せ ねぇ って 話 よ

は あ ? 上坂 の 事か ?

だったら あれ は 袋 を そう しろ って 言った だけ だ よ

俺 も 寧 ろ あいつ に 同情 して んだ よ

だから   ねぇ   助けて くれよ   お 願い い だ から さ

だって よ ぅ お 嬢

闇 に 惑い し 哀れな 影 よ 人 を 傷つけ 貶めて

罪 に 溺れ し 業 の 魂

一 遍 死んで みる ?

こんな こと して な んに なる んだ ぁ ー !

あの 人 たち も 今頃 は 地獄 です ね

これ も 何 か の 縁 です から

たまに 集まって 酒 でも 飲み ませ ん か ?

地獄 会 と か いって

とりあえず 一 杯 やり ましょう

ほんの ちょっと だけ

世の中 の 風通し が 良く なった 感じ かしら

なんか まだ 実感 が …

上坂 さん ?

えっ こんな 急に

あなた を 流した 人 が いる の

犯人 は 母親 よ

息子 が ああ なった の は あなた の せい だ と 思い込んで いる わ

そんな 俺 を 怨 んで 何 に なる んだ !

あなた が 流した 人 も 同じ こと を 言って いた

俺 は ただ 書き たい もの を 書いた だけ だった のに

それ だけ な のに !

おい !

フリガナ 振 っと け !

この 怨み 地獄 へ 流し ます

あなた の 怨み 晴らし ます

名前 は ?

乃村 信夫

怨み を グラフ に ねぇ

夏 だ から って 何でも 許さ れる と 思ったら 大 間違い だ !

ど いつも こいつ も ムカ つく んだ よ ぅ

流して やる ぅ でも チャンス は 一 度

さ ぁ 誰 だ 誰 だ 地獄 へ 墜 ちる の は

お前 か ! お前 か ! それとも お前 か ぁ !

なんだ ぁ こいつ は ぁ

次回

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