3- gatsu no Lion ( March comes in like a lion ) Episode 19
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赤ん坊 の 頃 から 当たり前 に 目 の 前 に あった
牛 と か にわとり が 人間 より 多い 所 で
更に その 人間 も 老人 ばっかり で
野球 も サッカー も 人数 不足 で でき ず に 育った
本 を 読む か …
しかし それ も やり 尽くし て しまった ある 冬 の 日
近所 の じい さま たち が 将棋 を 教え て くれ た
( お 年寄り 1 ) これ が 王様
( お 年寄り 1 ) そして これ が 金 ( きん ) ( 島田 の 祖父 ) 銀 ( ぎん )
( お 年寄り 1 ) 飛車 ( ひ しゃ ) ( 島田 の 祖父 ) 角 ( かく )
将棋 だけ は どこ まで いって も 終わり が なく て …
どこまでも 俺 を 夢中 に さ せ て くれ た
( お 年寄り ) う お ぉ ~ !
( 笑い声 ) ( お 年寄り ) また 負け た ~
市 内 の 小さな 将棋 道場 へ 通う よう に なった
そこ でも どんどん クラス が 上がり …
( 男性 1 ) 参り まし た ( 道場 の 先生 ) すごい !
この 子 は すごい ぞ !
東京 の 奨励 会 に 入る こと に なった
中学生 の 自分 に とって 東京 は 遠かった
冬 に は 牛 と いう 牛 の 世話 を し て 回った
( 島田 の 祖父 ) すごい な 開 は !
わし ら の 村 から 名人 が 出る かも しれ ん
( 島田 ) 村中 の じいさん が 心から 応援 し て くれ た
奨励 会 に 通い 続け た
夜行 バス に 揺られ て
胃 は いつも こんな 調子 だった
( 駒 音 )
鬼 の 住みか だった
俺 は そこ で 何 年 も 動 け なく なった
そこ で は ただ の ガキ の 1 人 で しか なかった
俺 を ずっと ずっと 応援 し 続け て くれ た
ぎし ぎし と きしむ 夜行 バス の シート
果てしなく 続く 夜 の 道
( きしむ 音 )
それとも 心 な の か … 分から なく なった
どこ に も たどりつ け ない の で は と うなされ た
でも みんな の 期待 も 恩 も どう し て も 無駄 に は でき なかった
( 水 の 音 )
( 島田 ) し たく なかった !
その 痛 み を 俺 は 多分 …
( 島田 ) う … ん …
( 島田 ) 今 も 抱え て いる
( チャイム )
( 桐山 ( きり やま ) 零 ( れい ) ) お邪魔 し ます
よ お 桐山
( 零 ) ああ いい です 座って て ください
適当 に いろいろ 買って き た んで 冷蔵 庫 に 入れ ちゃ い ます ね
( 島田 ) ああ すま ん な …
( 零 ) いえ 全然 ! 春 休み です から
お 昼 食べ まし た か ?
( 島田 ) あー いや … 豆腐 と か 少し …
( 零 ) うどん 買って き まし た
煮 て いい です か ?
うんと 柔らかく し たら 負担 が 少ない です
( 島田 ) ああ それ なら 食える かも
悪い な
父 が 胃痛 持ち だった んで 何となく 覚え て ます
ちょっと 待って て ください
お … あれ ? 幸田 ( こう だ ) さん って 胃痛 持ち だった っけ ?
( 零 ) タマゴ も 入れ て いい です か ?
( 島田 ) あ …
違う
( 島田 ) ああ うん … 頼む
( 島田 ) そ っか 本当 の 親 の 方 か …
おお すごい
うん うまい な これ なら 食え そう だ うん
( 零 ) よかった
あの … 島田 さん
僕 今日 は これ で 帰り ます
( 島田 ) あ ? 何で …
四 局 目 は 5 日 後 です
今 は もう 体調 を 整える の に 専念 す べき で は ?
ここ で これ 以上 無理 を し て も …
( 島田 ) うーん 大丈夫 だ が な
俺 の 胃 は いつも こんな もん だ し
意外に 対局 中 は 痛ま ん し
あぁ … ほんと です か ?
ああ … と は 言って も 今回 は な … 確か に 困った な
封じ手 は あまり し たく ない 側 な ん だ が
それ を 封じ手 に し た ん だ が
夜中 に な …
は あぁ !
4 六 角 ?
( 島田 ) 6 六 銀 じゃ ない よ 同 銀 じゃ ん !
6 五 歩 と つか れ て 同 銀
5 五 飛 で 6 六 香 で いく ぞ って 思って た ん だ けど
4 六 角 見落とし て た ぁ !
ダメ じゃ ー ん !
これ 昼 飯 前 に 詰 ん じゃ う ん じゃ ねぇ ?
そ っ から が さ ぁ もう さ …
それ でも 何とか 粘る 道 は ない か と 考え まくって さ
胃 は もう バッ キュン バッ キュン いう し さ
朝 まで のたうち 回って そりゃ もう …
うん ? あれ ?
… で 俺 は 何 を 言い たかった ん だ っけ ?
( 零 ) ええ です から やはり 休ま れ た 方 が よろしい か と
( 島田 ) うん そう か … そう だ な 分かった
いや … 俺 は 居 飛車 ( いび しゃ ) で いく から お前 飛車 振って くれる ?
( 零 ) あ ぅ ! 全然 聞い て ませ ん ね ?
う あぁ …
( 零 ) あの … ( 島田 ) ん ?
い い ん でしょ う か ?
僕 は こんなん で 少し は 役 に 立て てる ん でしょ う か ?
僕 ばっかり 得し て ない でしょ う か ?
とても とても 勉強 に なり ます
でも 僕 は 何 か 返 せ て いる ん でしょ う か ?
お前 さ 同じ こと を 言う ん だ よ ね
時々 だ けど さ
え ?
言った ろ ? “ 気持ち 悪い ” って
( 零 ) ええ と … 何て いう か
気持ち 悪い
… って いう か
( 島田 ) あの 3 七 銀 を 見 た とき
宗谷 ( そう や ) が
気持ち 悪い …
( 島田 ) … って
ちょっと 似 てん だ よ ね
どこ が どう って わけ じゃ なく て さ
強いて 言え ば 視点 かな
畳みかける とき の 判断 の タイミング と か
宗谷 に 似 た 視点 の 感覚 を 少し つかめる 気 が する
付け焼き刃 と は 思う が それ でも やら ない で いる より いい
( 零 ) 宗谷 名人 って どんな 人 な ん です か ?
( 島田 ) お ? そ っか … そう だ な
もう ほとんど 将棋 会館 に は 現れ ない から な
免状 に 署名 する とき くらい しか
は ぁ … 何 か そう だ な …
鳥 に 似 てる
( 零 ) 鳥 ?
さぎ と か 鶴 と か 細く て で っ かい やつ
「 ウサギ と カメ 」 って ある じゃ ん ?
あれ の ウサギ の もっと 上
ウサギ じゃ なく て 鳥
宗谷 見 てる と 自分 は カメ か 地 を はう 虫 な 気 が し て くる
卑下 し て いる わけ じゃ なく て イメージ な
天才 と 呼ば れる 人間 の ご 多分 に 漏れ ず さ ぼ ら ない
自分 を 過信 する こと が ない
だから 差 は 縮まら ない どこ まで いって も
俺 は ずっと 見 て い た
同い年 の 宗谷 が 風 の よう に 奨励 会 を 駆け抜け て いく の を
更に プロ に なり 順位 戦 を 駆け上って いく の を
それ が 俺 が 進ま ない 理由 に は なら ん
俺 が 努力 し なく て いい って こと に は なら ない
あっ … つ ぅ …
島田 さん やっぱり 今日 は …
医者 ! 医者 に 行き ま しょ う !
( 島田 ) いや … 大丈夫 医者 は 行って る
( 零 ) で も 島田 さん …
( 島田 ) あぁ … 薬 も た ー ん と もらって る
10 代 から だ もん な こいつ が 痛む の も
もう 日常 だ …
ふ ぅ … もう や ん なっちゃ う な
内臓 だけ は 鍛え らん ない から な
悪い 桐山 水 頼む わ
( 零 ) ああ ! はい !
悪い な 呼び出し て おい て この ザマ じゃ …
( 零 ) やめ て ください
全然 かまい ませ ん
う … う ぅ …
う ぁぁ …
さて … と じゃ つきあって もら える か ?
もう 少し …
せっかく つか ん だ 挑戦 権 だ
みっともない 幕切れ は な … それ だけ は な …
申し訳 が 立た ん
だって なぁ 貼って ある ん だ よ
地元 の 駅 に 今 も
でかでか と さ ぁ …
B 級 以上 で 山形 出身
だから 俺 が やる しか ない ん だ
あの 段 幕 …
すすけ させ とく わけ に は いか ない ん だ よ
( 発車 の ベル )
( 零 ) よい しょ … と
( アナウンス ) 8 時 5 分 発 のぞみ 15 号 …
( 零 ) これ 毛布 と あと あったかい お茶 よかったら
前 の ポケット に 入れ とき ます ね
ああ … すま ん な 桐山
2 時間 ちょっと です ね
着 い たら 起こし ます から 眠って ください
( 島田 ) うん …
悪い な … 頼む …
( 零 ) はい …
( 零 ) あれ から 僕 は …
( 島田 ) もう 角 番 だ
ストレート 負け は な … それ だけ は …
僕 は 研究 に つきあい 続け た
( 島田 ) くっ … は ぁ っ …
やっぱり 僕 一緒 に 行き ます
一 人 に する わけ に は いき ませ ん
( 島田 ) すま ん …
( 零 ) しか し …
不安 と 後悔 が 渦巻 い た
( アナウンス ) 京都 京都 です
京都 京都 です
( 零 ) えー と タクシー 乗り場 は …
( 島田 ) 右 だ よ … 京都 タワー 方面
( 零 ) ああ ! はい !
京都 第 二 ホテル まで お 願い し ます
( 運転手 ) はい
( 神宮寺 ( じん ぐ うじ ) 崇 徳 ( たかの り ) ) 来 た 来 た !
お ー い 島田 !
おう 桐山 ご 苦労 だった な
( 島田 ) 会長 すみません … ご 心配 を お 掛け し て …
( 神宮寺 ) また 胃 か よ ? 弱 っち いな お前 は 昔 っ から
なぁ !
( 島田 ) は ぁ …
すいません …
( 神宮寺 ) 胃 と か って 移植 でき ねえ の か なぁ ?
このまま じゃ お前 一生 タイトル 取れ ない ぞ
( 零 ) 会長 ! むちゃ 言わ ない で ください
( 神宮寺 ) もう いい や 前夜 祭 まで 部屋 で 寝 て ろ !
おい ! 部屋 へ 案内 !
( 零 ) 頃合い を 見 て 呼び に き ます
お 水 と お茶 と 携帯 枕元 に 置 い た んで
何 か あったら すぐ 呼 ん で ください
( 島田 ) あ … は は …
( 零 ) え ?
( 島田 ) 何 か … おか ん みたい だ な
( 零 ) へ っ ? ああ すみません しつこかった です か ?
( 島田 ) いやいや … そう じゃ なく て
あり が と な
さて と …
僕 は 何 し て たら い い ん だ ?
うーん
( 零 ) そう だ !
コンビニ 探し て 何 か 飲む もの と 本 を …
うーん ! 意外 だ な 桐山
お前 は もっと 現代 っ子 で クール な の か と 思って た ん だ が な
島田 を 連れ て き て くれ て 助かった よ
さて と … 俺 も 宗谷 を 迎え に 行って くっ か
まだ 来 て や がら ねぇ
あん に ゃ ろ 近所 だ と 思って 油断 し て や がん な
( 零 ) 近所 ?
( 神宮寺 ) うん そう ! 銀閣寺 ( ぎんか くじ ) の そば
( 零 ) そんな すごい とこ に ?
観光 地 の ど真ん中 な の で は ?
いや すげ ぇ 静か だ よ
( 零 ) お うち の 人 と か は ? 電話 と か
( 神宮寺 ) 出 ねぇ ん だ な これ が
ち ぃ と 耳 が 遠い の よ
や っぱ ちょっと 行って くるわ
( 車 が 走り去る 音 )
( 零 ) そ っか … 京都 か ぁ
中学校 の 修学 旅行 以来 だ な
何 か お土産 と か 買って っ たら ヒナ ちゃん たち 喜ぶ かな ?
( 笑い声 )
( 同級 生 1 ) あれ ? 桐山 は ?
( 同級 生 2 ) 知ら ね ま い い ん じゃ ね ? 自由 行動 な ん だ から
( 同級 生 3 ) 自由 に 行動 し てん じゃ ね ?
( 同級 生 1 ) です な !
( 笑い声 )
( 零 ) や っぱ 帰 ろ …
行き たい と こと か 分か ん ない し
獅子 ( しし ) 王 戦 第 四 局 前夜 祭 が 始まった
にこやか に 受け答え を し て いる
でも ゆうべ から ほとんど 何 も とって い ない
さっき まで あんな に 苦し ん で い た のに
( シャッター 音 )
( 零 ) や っぱ 無理 です !
あした に 響 い て は 元 も 子 も ない ん です よ !
( 島田 ) うーん そりゃ ま … 重々 承知 だ けど ね
いい 対局 を 見せる の が 一 番 の 務め
きちっと 立つ の も 大事 な 務め だ
( 零 ) 分かる ! 分かる けど … でも !
フラッシュ が 1 つ たか れる 度 胸 が 痛 ん だ
島田 さん …
島田 さん の 胃 を チリ チリ と 焼く よう な 気 が し て
お …
( 零 ) 何 か 話し てる ?
( 零 ) 島田 さん ?
出る ぞ そっと な
( 零 ) どう し て 急に … いい ん です か ?
( 島田 ) 大丈夫 任務 完了 だ そう だ
あと は 任せろ と さ 塩 を 送ら れ ち まった
( 神宮寺 ) よっ お 務め ご 苦労 さん !
( 島田 ) すみません 明日 に 備え て 今日 は …
大丈夫 ! 大丈夫 !
スッ と い なく なりゃ 分から ん さ
そ う や !
… だ から 気 に す ん な ! ハハハッ
( 零 ) 会長 ! キャー
( 島田 ) … です よ ね
あと は ほぼ 宗谷 の 撮影 会 です もん ね いつも …
いろんな とこ 薄 い っつ うか ハハハッ
( 零 ) 会長 ほんと に もう その 辺 で … あの も … ほんと …
ほ ー ん と あいつ ムカ つき ます よ ね ~
いつ まで も ピチピチ っ つう か フサフサ っ つう か
なぁ ! 同い年 な の に な !
どっち か っ て ー と 後藤 と 同期 って 感じ だ よ なぁ
あ そう だ 桐山
あい つ ん とこ 行け な
副 立会人 で 来 てん だ よ あいつ
え ? 大丈夫 です 僕 ネット カフェ と か 行き ます から
バカ そんな の ダメ だ !
いい な ?
スミス 会場 に いる から 声 掛けろ
じゃあ な お やすみ
( 零 ) お 疲れ さま で し た ! ( 島田 ) じゃあ …
こんな とき まで 人 の 心 配 を ~
( 神宮寺 ) あれ じゃ な そりゃ 胃 も 痛む わ
( チャイム )
( 三角 ( み すみ ) 龍 雪 ( たつ ゆき ) ) 困る なぁ
せっかく 一 人 で 優雅 に 過ご そ う と 思って た のに
( 零 ) う わ ぁ すみません !
僕 大丈夫 です ! ネカフェ と か 行き ます から
( 零 ) う わ あぁ ( 三角 ) 真 に 受ける な よ
めん どくせ ぇ やつ だ な
( 三角 ) こら っ ! ( 零 ) に ゃあ …
( 携帯 電話 の 振動 音 )
( 三角 ) ん ? ちょっと 待って ろ
ああ はい もしもし ?
おお ! どう ? そっち は
俺 ? 俺 は これ から 寝 よっ かな って とこ
うん うん
どう よ ? 俺 が い なく て さみし がったり し てる ん じゃ ない ?
大丈夫 ?
え ? あ そう 食欲 も ある の ?
もり もり ペロッ と 食べ ちゃ った ?
( 猫 の 鳴き声 ) ( 三角 ) は っ !
えっ ? 何 ? 今 の その 声 …
い … いちご ちゃん ?
何 ? 俺 以外 の 人 に そんな 甘え た 声 !
( 零 ) か … 彼女 か ?
しかも 別 の 人 と 一緒に ?
三角 関係 ?
僕 ここ に い て いい の か な ?
( 三角 ) え ? 膝 ? 膝 に 乗って る ?
う わ ぁ ! ど ゆ こと っ ?
抱っこ 嫌い で 俺 の 膝 に も 乗ら ない のに !
( 不通 音 )
( 三角 ) は ぁ …
あ あの … スミス さん ?
( 三角 ) 桐山 … 俺 ちょっと 飲 ん で くる わ …
鍵 持って って いい ?
( 三角 ) ああ … 俺 の 子 猫 ちゃん ( 零 ) い … いって らっしゃい
獅子 王 戦 第 四 局 の 幕 が 上がった
先手 宗谷 獅子 王 から 始め て ください
( 宗谷 ・ 島田 ) よろしく お 願い し ます
( 零 ) 島田 さん …
ゆうべ は 少し は 眠 れ た ん だ ろ う か ?
表情 が 険しい
胃 は まだ 痛み 続け て いる の だ ろ う か
どう すれ ば よかった ん だ ?
無理やり に でも 休ま せ た 方 が よかった ん だ ろ う か
悔や ん で も …
戦い の 幕 は 切って 落とさ れ て しまった
あと は もう …
誰 も 手 を 差し伸べる こと は でき ない
( 駒 音 )
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~ ♪
( 三角 ) えっ ? いきなり ? 10 分 前 です よ ?
( 神宮寺 ) 大丈夫 大丈夫 !
( 零 ) ご っ … ごめん 一応 連絡 しよ う と は し た ん だ けど
( 二 海 堂 ( に かいどう ) 晴 信 ( はる の ぶ ) ) 俺 も 対局 で なけ れ ば 飛 ん で いった の だ が …
( 辻井 ( つ じい ) 武史 ( たけし ) ) せっかく 新しい 和服 着 て き た のに ~
テレビ に 出さ せ て !
( 零 ) 獅子 王 戦 島田 さん の 戦い は まだ 続く
また うどん 作り に いか なく ちゃ
3 月 の ライオン 次回 も 見 て ください ね