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幼女戦記, Youjo Senki (The Saga of Tanya the Evil) Episode 1

Youjo Senki (The Saga of Tanya the Evil ) Episode 1

( 銃撃 音 )

( 共和 国 兵士 たち ) う わ あ !

( 帝国 兵士 ) ハァ ハァ …

( 笛 の 音 )

( 帝国 兵士 たち ) う お おお !

( 銃声 )

( 帝国 兵士 ) う お っ ! う っ …

( むせる 声 )

ああ !

( 帝国 兵士 ) う わ あ ! 目 が !

( 帝国 兵士 ) 衛生 兵 ! 衛生 兵 は い ない か !

( 帝国 兵士 ) ダメ だ !

増 援 は 寄せ集め の 魔 導 師 しか …

増 援 は 寄せ集め の 魔 導 師 しか … N ( 銃声 )

( 銃声 )

ああ …

う う っ ! あ …

( 共和 国 兵士 ) フッ

あ … ああ …

( 帝国 兵士 ) う わ あ !

う う っ … お ? おお !

おお …

魔 導 師 …

( ハラルド ) 何 やって ん だ ヴィー シャ !

( クルスト ) 上空 援護 は もう 無理 だ !

小 隊長 殿 の 指示 は ?

( ヴィー シャ ) せ … 戦線 後退 は 許容 でき ない

徹底 し て 遅滞 戦闘 に 努めよ と … N あっ !

徹底 し て 遅滞 戦闘 に 努めよ と … N あっ !

( 砲撃 音 )

( 砲撃 音 )

( ヴィー シャ ) キャッ ! う っ …

く … くう っ …

( ターニャ ) 聖徒 よ ―

主 の 恵み を 信じよ

主 は 我々 を お 見捨て に なら ず …

( ターニャ ) 我が 祖国 の 敵 を 討ち 滅ぼす 力 を ―

与え たまえ

爆炎 術 式 …

( ターニャ ) 無駄 口 を たたく 暇 が あったら ―

生き残る ため に 最善 を 尽くせ

あ …

小 隊長 殿

我々 は 軍人 だ

上 が やれ と 言う の で あれ ば 完遂 する のみ

( ヴィー シャ ) は あ …

( ヴィー シャ ) ターニャ ・ デグレチャフ 少尉

砲弾 と 銃弾 の 豪雨 の 中 気高く 駆ける その 姿 は ―

まるで 戦場 の 妖精

( ターニャ ) 戦火 の 絶え ない 呪わ れ た 世界 で ―

その 国 は “ 帝国 ” と 呼ば れ て い た

“ 帝国 それ は 勝利 で ある ”

… と 豪語 する に 足る 絶大 な 国力 と 軍事 力

多数 の 魔 導 師 と 俊英 の 参謀 将校 を 擁 する 彼ら は ―

しか して 四方 の 列強 全て が 仮想 敵国 で あった

その ため 帝国 軍 は 内線 戦略 “ プラン 315 ” を 策定

各 方面 軍 を もって 遅滞 戦闘 に 努め つつ ―

中央 本隊 の 集中 的 な 機動 運用 に より 敵 を 各 個 撃破 せ ん ―

… と する はず だった

( ルーデルドルフ ) ライン 戦線 の 状況 は ?

中央 本隊 の 再 配置 は どう なって る !

( レル ゲン ) 北方 から の 移動 は

遅々と して 進 ん で おり ませ ん

船腹 と 鉄道 ダイヤ の 調整 も あり ―

再 配置 に は 2 週間 ほど 必要 か と

ふむ … N 更 なる 戦線 後退 か

西方 工業 地帯 も 危うく なる な

増 援 を 送 ろ う に も

本国 は 戦力 予備 すら 欠 い て おり ます

完全 に 隙 を 突か れ た と しか …

そもそも 協商 連合 へ の 大規模 攻勢 が 間違い だった の だ !

せめて 限定 動員 に とどめ て おけ ば …

( テーブル を たたく 音 )

( ゼートゥーア ) 共和 国 に 動員 の 兆 し なし …

そう 判断 し た 上官 ら を 翻意 さ せ られ なかった 我々 の ミス だ

( ゼートゥーア ) もはや プラン 315 は

機能 し て い ない

遅滞 防御 で は 間に合わ ない 以上

機動 防御 戦 へ 移行 さ せる しか なか ろ う

ですが ライン 戦線 の 現状 で は 困難 です

消耗 し た 現地 部隊 の 限界 を 超え て いる か と …

( ゼートゥーア ) 既に 根こそぎ かき集め て ―

予備 戦 力 を 用意 し た

時間 稼ぎ 程度 に は なる だ ろ う

フン 持つ べき 者 は 優秀 な 同期 と いう わけ か …

その 発言 は 時期尚早 だ な

何 ?

( ゼートゥーア ) 報告 に よれ ば ―

投入 部隊 は 既に 半数 が とけ た

ライン 戦線 は さながら 地獄 らしい

( 帝国 兵士 たち の うめき声 )

( 爆撃 音 )

( 共和 国 兵士 たち の 叫び声 )

地上 2 時 方向 接 敵

砲撃 術 式 て ー っ !

は … はい !

( 銃声 )

( 共和 国 兵士 ) 上空 から だ ぞ ! ( 共和 国 兵士 ) 魔 導 師 の クソ 野郎 !

( ハラルド ) 死ね ! 死ね !

これ でも 食らい や がれ !

共和 国 の クソ ども が !

う っ …

う っ … 砲兵 隊 だ

砲兵 隊 を たたく !

( クルスト ) 来い ハラルド ! ( ハラルド ) 了解 !

両 伍長 ( ご ちょう ) 直ちに 戻れ !

我々 の 任務 は 側面 攻撃 に よる 遅滞 戦闘 だ !

( クルスト ) 行か せ て ください !

( ハラルド ) 今 が 好機 な ん です !

何 が 好機 だ ! 戻れ !

これ は 命令 だ !

( クルスト ) 食らえ ~ !

( 爆撃 音 )

( クルスト ) 食らえ ~ !

( 爆撃 音 )

( クルスト ) よっ しゃ ~ !

( 爆撃 音 )

( 爆撃 音 )

( 爆撃 音 )

( ハラルド ) 見 まし た か ? 小 隊長

( クルスト ) このまま 砲兵 隊 を 潰し て やる !

( ハラルド ) う おお おお !

はっ !

う … う ぷっ …

( せき込み )

( ハラルド ) 疲れ て のど も 通ら ない な

無理 に でも 食え もた ない ぞ

( 爆撃 音 )

( ヴィー シャ ) 二〇二 中 隊 も 二〇三 中 隊 も 全滅 し た って …

志願 し て 前線 に 来 た のに

あんな 少尉 の 下 に 就か さ れる と は な !

( 通信 士 ) 二〇五 第 三 小 隊 小 隊長 殿 が お呼び だ

( クルスト ) 我々 が 本国 へ ! ?

強制 送還 だけ で 済む の だ

ありがたい と 思え

我が 軍 に 命令 違反 を する 士官 候補 生 は 必要な い

あ … あれ は 砲兵 隊 を たた こ う と !

どれ だけ の 歩兵 が やら れ た か ご存じ でしょ う !

言い たい こと は それ だけ か ?

軍隊 と は 組織 組織 に 必要 な の は 規則

以上 だ

( クルスト ) う …

な … 納得 でき ませ ん !

小 官 は 志願 し て 前線 へ 赴 い た の です !

もとより 勝つ か 死ぬ か の 選択肢 しか あり ませ ん !

あ … 私 も クルスト 伍長 の 意見 に 同意 し ます

勇猛 さ こそ が 帝国 人 の 本分 で あり ます !

つまり 貴 官 ら は

再び 上官 の 命令 に 逆らう と いう の だ な !

少尉 !

貴 官 ら の 意思 は 尊重 しよ う

だが ある 程度 の 処罰 は 覚悟 し て おけ

ああ …

う ~ ん …

( シュワルコフ ) セレブリャコーフ 伍長

何 か 異変 でも ?

( ヴィー シャ ) シュ … シュワルコフ 中尉 !

あの … クルスト 伍長 と ハラルド 伍長 が 見え ない もの で …

そう か お前 は 同期 だった な

2 人 と も 本日 付 で 後方 に 転 属 だ

( ヴィー シャ ) 後方 … です か ? ( シュワルコフ ) ああ

今頃 は トーチカ の 中 で 待機 し て いる ころ だ ろ う

転 属 は デグレチャフ 少尉 の 具申 に よる もの だ が

両 伍長 は 少尉 に 盾 つい たら し いな

( ヴィー シャ ) あ … はい

てっきり 厳しい 処罰 が 下る の か と 思って い まし た が …

そ っか 安全 な 後方 に 送る なんて …

( 爆撃 音 )

( ヴィー シャ ) ハァ ハァ ハァ …

う っ … ハァ ハァ ハァ …

軍 衣 を まとった 以上 は 祖国 に 貢献 を なせ

帝国 に は 無能 な 兵士 を 養う 余裕 など ない

は … はい

( ターニャ ) セレブリャコーフ 伍長

はっ はい !

非常 呼集 だ

さて 中隊 諸君

よろしく ない 知らせ だ

友軍 の 第 四 〇三 魔 導 中隊 が ―

敵 魔 導 2 個 中隊 と 不意 遭遇 戦 に 突入

砲兵 で 敵 を たた こ う に も 観測 手 の 魔 導 師 が 狙わ れ ―

弾 着 観測 が でき ない そう だ

敵 の 観測 手 狩り です か ?

そう いえ ば デグレチャフ 少尉 は

以前 北方 で 経験 済み だった な ?

( ターニャ ) はい 二 度 と ごめん です が

我々 は 直ちに 進 発 し 観測 要員 を 救援 する

何 か 質問 は ?

遅滞 なら ともかく 救援 は 難しい でしょ う

( シュワルコフ ) ほう … N その 九五 式 を 持って し て も か ?

( ターニャ ) 小 官 は ともかく セレブリャコーフ 伍長 は 限界 です

な っ … !

( ターニャ ) 救援 に 出 た あげく ―

部下 と 救助 対象 を 死な せる よう な 無能 に は なり たく あり ませ ん

( ヴィー シャ ) 中隊 長 殿 志願 し ます !

私 も 救援 任務 に 志願 し ます !

よせ 貴 官 に は 無理 だ

ぼ … 私 とて 帝国 軍人 です

小 官 は 任 に 堪え うる と 確信 し ます !

伍長 !

中隊 長 !

どう か どう か 行か せ て ください !

( シュワルコフ ) だ そう だ 少尉

配慮 は 分かる が 本人 も こう 言って いる ん だ

了解 し まし た

最善 を 尽くす ところ と いたし ます

( ヴィー シャ ) あ … デグレチャフ 少尉 !

あ … ありがとう ござい ます

( ターニャ ) 伍長

本当 に 覚悟 は でき て いる の だ な ?

はい !

よろしい で は 仕事 の 時間 だ

( ヴィー シャ ) はい !

( 爆撃 音 )

( 帝国 魔 導 師 ) コマンド ポスト

こちら ブラボー 01

( 帝国 魔 導 師 ) 現在 敵 魔 導 師 の 攻撃 に より ―

弾 着 観測 が でき ない !

増 援 は まだ 来 ない の か ? ( 帝国 魔 導 師 ) くっ …

( 上官 ) コマンド ポスト より ブラボー 01 へ

現在 二〇五 魔 導 中隊 が 向かって いる

四〇三 魔 導 中隊 は 引き続き 観測 を 継続 せよ

クソ !

上 は 状況 を 分かって 言って いる の か ! ?

( ホス マン ) フン

帝国 魔 導 師 は 優秀 だ と 聞い て い た が ―

ウワサ も 信用 でき ん なあ

ショーン ! さっさと 残り の 観測 手 を 捜し出せ !

( ショーン ) 先ほど から 試み て い ます が

どうやら 塹壕 ( ざんごう ) に 隠れ て いる よう です

だったら 怪しい 区画 ごと 吹き飛ばし て しまえ !

しかし 広域 でも 爆裂 術 式 と も なれ ば

魔力 の 消耗 が …

かまわ ん 最大 火力 だ

( 通信 兵 ) か … 各位 に 通達 !

友軍 観測 手 は “ ロスト ”

何たる こと だ …

( ヴィー シャ ) ひ … 引き返し ます か ?

いや 間に合わ なかった の は 遺憾 だ が

既に 敵 の 照射 圏 内

給料 分 の 仕事 は せ ね ば なる まい

わ … 我々 は 単独 小 隊 です

敵 1 個 中隊 を 相手 に する など …

( ターニャ ) “ 覚悟 は でき て いる ” そう 言った はず だ が ?

う っ う う っ …

( ターニャ ) 相手 は 消耗 の 激しい 長 距離 行軍 中

その 上 こちら の 観測 手 狩り で 火力 を 消費 し て いる

勝算 は 小さく ない

( ターニャ ) と は いえ 新人 を 早々 に 失って は ―

今後 の 昇進 に 響く か …

貴 官 ら は シュワルコフ 中尉 と 合流 し て 援護 に あたれ

私 が 先鋒 ( せ ん ぽ う ) で 3 個 小 隊 を 潰す

残り は 君 たち の もの だ

まったく サラリーマン も つらい もの だ な

サ … サラリー ?

( ターニャ ) 我 神 に 祈ら ん 主 よ 祖国 を 救い たまえ

( ヴィー シャ ) う っ …

( 共和 国 魔 導 師 ) 敵 増 援 と お ぼ しき 魔 導 反応 が 急速 接近 中

敵 影 目 視 で 確認

距離 2,000 … 1,800

1,600 ! 速い !

フン 血迷った か

迎撃 用意 て ー っ !

フッ …

な っ …

何 を やって る !

( 銃声 )

各位 散 開 !

上昇 だ ! 限界 まで 昇れ ~ !

( ターニャ ) ハハッ ! ( ショーン ) 隊長 !

う お っ … おお …

( 共和 国 魔 導 師 ) チクショー ! ショーン の 敵 ( かたき ) だ !

う … どこ まで 上昇 する 気 だ ?

( 共和 国 魔 導 師 ) 隊長 限界 高度 です !

( ホス マン ) ええ い … くっ !

バカ な …

高度 1 万 を 超え て いる ぞ

( ターニャ ) ん っ ハァ ハァ ハァ …

告げる

諸君 ら は 帝国 の 領域 を 侵犯 し て いる

オープン 回線 ?

しかも この 声 … N やはり まだ 子供 か !

ここ は 我ら が 空 我ら が 故郷

なんじ ら が 祖国 に 不 逞 ( ふて い ) を な さば 容赦 なく 排除 する

それ が 我ら の 使命

なんて 愛国 心 の 強い お方 だ

( ターニャ ) 答えよ !

帝国 を 我ら が 祖国 を なぜ 諸君 ら は 侵さ ん と 欲 す ?

遊び 足り ない の なら 鉛 の オモチャ を くれ て やる !

て ー っ !

( 共和 国 魔 導 師 ) デコイ です !

( ターニャ ) ハァ … 交渉 の 余地 も なし か

( ホス マン ) ふざけ や が って ! う っ …

う っ … あ …

( ターニャ ) 空間 座標 把握

各 目標 の 乱 数 回避 軌道 算出

チャンバー へ の 魔力 充填 ( じゅう てん ) 正常 …

友軍 に 告 ぐ 衝撃 に 備えよ !

主 よ 信心 なき 輩 ( や から ) に 祖国 が 侵さ れる の を 救い たまえ

はるか 道 の 果て 我ら は 約束 さ れ た 地 に 至ら ん

( 共和 国 魔 導 師 ) 強大 な 魔力 反応 !

悪魔 か … ! ?

( 2 人 ) う っ … あっ !

( シュワルコフ ) 圧力 限界 に 達し た 魔力 が ―

空気 と 混合 さ れ て 起こる 拡散 魔力 爆発 だ

衝撃 を 回避 し て も ―

燃焼 に よる 酸欠 と 一 酸化 炭素 中毒 は 避け られ まい

援護 の 必要 など なかった な …

過酷 な 戦争 の 世 で ―

あれほど 頼り に なる 魔 導 士官 も い まい

( ターニャ の せき込み )

既に 勝敗 は 決 し た

投降 する なら ば ―

ヴォルムス 陸 戦 条約 に より 捕虜 と して の 権利 を 保障 する

ハァ …

( ビアント ) これ は ―

とある 戦闘 後 に 回収 さ れ た ―

演算 宝 珠 の 記録 です

この よう な 魔 導 師 1 人 に ―

あの 一〇六 中 隊 が 壊滅 さ せ られ た そう です

当該 魔 導 師 の 出現 が 確認 さ れ た の は 2 か月 前

詳細 は 不明 の ネームド です が ―

自 軍 に おける 二 つ 名 は …

( ド ・ ルーゴ ) “ ライン の 悪魔 ” か …

( レル ゲン ) ライン 戦線 へ の ―

中央 本隊 の 再 配置 は ―

無事 に 完了 し た そう です

( ルーデルドルフ ) どうにか 間に合った か

戦 務 に は 随分 無理 を さ せ た な

( ゼートゥーア ) 気 に する な

全て は 我が国 の ため だ

( ルーデルドルフ ) そう は いか ん

この 借り は 秘蔵 の ワイン で どう だ ?

( ゼートゥーア ) フッ … あいにく ―

酒 は 勝利 の 時 まで 控え て いる

フッ … 堅物 め

( テーブル を たたく 音 )

( ルーデルドルフ ) レル ゲン 中佐 何 か 気 に なる こと でも ?

いえ ただ …

( ルーデルドルフ ) “ ただ ” 何 だ ?

あ … はい

この 報告 書 に よれ ば ライン 戦線 に は

ターニャ ・ デグレチャフ 少尉 が 配属 さ れ て いる と …

( ヴィー シャ ) クルスト と ハラルド が 戦死 ?

( シュワルコフ ) 待機 中 の トーチカ に ―

敵 の 砲弾 が 直撃 し た らしい

残念 だ な

そんな …

小 隊長 殿 は この こと を ?

( シュワルコフ ) いや まだ だ ろ う

ああ …

( ルーデルドルフ ) “ 白銀 ( は くぎ ん ) ” の 二 つ 名

銀 翼 突撃 章 の 叙勲 者 か

この 若 さ で エース と は 驚き だ な

その 少尉 が 何 か ?

実は 小 官 は 以前

デグレチャフ 少尉 を 見かける 機会 が あり まし た

( ヴィー シャ ) 失礼 し ます 小 隊長 殿 に 報告 し たい こと が …

( ターニャ ) 何 だ ?

( ヴィー シャ ) 実は クルスト 伍長 と ハラルド 伍長 が …

( ターニャ ) 死 ん だ の か ?

ど … どこ で それ を ! ?

( ターニャ ) 聞か なく と も 自明 だ ろ う

動か ない トーチカ など 砲兵 に とって 格好 の 的

死に た がって い た ヤツ ら に は ちょうど よい

え …

その 時 の 印象 を せ ん 越 ながら 申し上げ ます と …

まさか 小 隊長 殿 は こう なる こと を 承知 で …

( レル ゲン ) あれ は …

( ヴィー シャ ) ああ …

( レル ゲン ) 幼女 の 皮 を かぶった 化 物 です !


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( 銃撃 音 ) じゅうげき|おと (Gunshot sound)

( 共和 国 兵士 たち ) う わ あ ! きょうわ|くに|へいし||||

( 帝国 兵士 ) ハァ ハァ … ていこく|へいし||

( 笛 の 音 ) ふえ||おと

( 帝国 兵士 たち ) う お おお ! ていこく|へいし||||

( 銃声 ) じゅうせい

( 帝国 兵士 ) う お っ ! う っ … ていこく|へいし|||||

( むせる 声 ) |こえ

ああ !

( 帝国 兵士 ) う わ あ ! 目 が ! ていこく|へいし||||め|

( 帝国 兵士 ) 衛生 兵 ! 衛生 兵 は い ない か ! ていこく|へいし|えいせい|つわもの|えいせい|つわもの||||

( 帝国 兵士 ) ダメ だ ! ていこく|へいし|だめ|

増 援 は 寄せ集め の 魔 導 師 しか … ぞう|えん||よせあつめ||ま|みちび|し|

増 援 は 寄せ集め の 魔 導 師 しか …\ N ( 銃声 ) ぞう|えん||よせあつめ||ま|みちび|し||n|じゅうせい

( 銃声 ) じゅうせい

ああ …

う う っ ! あ …

( 共和 国 兵士 ) フッ きょうわ|くに|へいし|

あ … ああ …

( 帝国 兵士 ) う わ あ ! ていこく|へいし|||

う う っ … お ? おお !

おお …

魔 導 師 … ま|みちび|し

( ハラルド ) 何 やって ん だ ヴィー シャ ! |なん|||||

( クルスト ) 上空 援護 は もう 無理 だ ! |じょうくう|えんご|||むり|

小 隊長 殿 の 指示 は ? しょう|たいちょう|しんがり||しじ|

( ヴィー シャ ) せ … 戦線 後退 は 許容 でき ない |||せんせん|こうたい||きょよう||

徹底 し て 遅滞 戦闘 に 努めよ と …\ N あっ ! てってい|||ちたい|せんとう||つとめよ||n|

徹底 し て 遅滞 戦闘 に 努めよ と …\ N あっ ! てってい|||ちたい|せんとう||つとめよ||n|

( 砲撃 音 ) ほうげき|おと

( 砲撃 音 ) ほうげき|おと

( ヴィー シャ ) キャッ ! う っ …

く … くう っ …

( ターニャ ) 聖徒 よ ― |せいと|

主 の 恵み を 信じよ おも||めぐみ||しんじよ

主 は 我々 を お 見捨て に なら ず … おも||われわれ|||みすて|||

( ターニャ ) 我が 祖国 の 敵 を 討ち 滅ぼす 力 を ― |わが|そこく||てき||うち|ほろぼす|ちから|

与え たまえ あたえ|

爆炎 術 式 … ばくえん|じゅつ|しき

( ターニャ ) 無駄 口 を たたく 暇 が あったら ― |むだ|くち|||いとま||

生き残る ため に 最善 を 尽くせ いきのこる|||さいぜん||つくせ

あ …

小 隊長 殿 しょう|たいちょう|しんがり

我々 は 軍人 だ われわれ||ぐんじん|

上 が やれ と 言う の で あれ ば 完遂 する のみ うえ||||いう|||||かんすい||

( ヴィー シャ ) は あ …

( ヴィー シャ ) ターニャ ・ デグレチャフ 少尉 ||||しょうい

砲弾 と 銃弾 の 豪雨 の 中 気高く 駆ける その 姿 は ― ほうだん||じゅうだん||ごうう||なか|けだかく|かける||すがた|

まるで 戦場 の 妖精 |せんじょう||ようせい

( ターニャ ) 戦火 の 絶え ない 呪わ れ た 世界 で ― |せんか||たえ||のろわ|||せかい|

その 国 は “ 帝国 ” と 呼ば れ て い た |くに||ていこく||よば||||

“ 帝国 それ は 勝利 で ある ” ていこく|||しょうり||

… と 豪語 する に 足る 絶大 な 国力 と 軍事 力 |ごうご|||たる|ぜつだい||こくりょく||ぐんじ|ちから

多数 の 魔 導 師 と 俊英 の 参謀 将校 を 擁 する 彼ら は ― たすう||ま|みちび|し||としえ||さんぼう|しょうこう||よう||かれら|

しか して 四方 の 列強 全て が 仮想 敵国 で あった ||しほう||れっきょう|すべて||かそう|てきこく||

その ため 帝国 軍 は 内線 戦略 “ プラン 315 ” を 策定 ||ていこく|ぐん||ないせん|せんりゃく|ぷらん||さくてい

各 方面 軍 を もって 遅滞 戦闘 に 努め つつ ― かく|ほうめん|ぐん|||ちたい|せんとう||つとめ|

中央 本隊 の 集中 的 な 機動 運用 に より 敵 を 各 個 撃破 せ ん ― ちゅうおう|ほんたい||しゅうちゅう|てき||きどう|うんよう|||てき||かく|こ|げきは||

… と する はず だった

( ルーデルドルフ ) ライン 戦線 の 状況 は ? |らいん|せんせん||じょうきょう|

中央 本隊 の 再 配置 は どう なって る ! ちゅうおう|ほんたい||さい|はいち||||

( レル ゲン ) 北方 から の 移動 は ||ほっぽう|||いどう|

遅々と して 進 ん で おり ませ ん ちちと||すすむ|||||

船腹 と 鉄道 ダイヤ の 調整 も あり ― せんぷく||てつどう|だいや||ちょうせい||

再 配置 に は 2 週間 ほど 必要 か と さい|はいち|||しゅうかん||ひつよう||

ふむ …\ N 更 なる 戦線 後退 か |n|こう||せんせん|こうたい|

西方 工業 地帯 も 危うく なる な せいほう|こうぎょう|ちたい||あやうく||

増 援 を 送 ろ う に も ぞう|えん||おく||||

本国 は 戦力 予備 すら 欠 い て おり ます ほんごく||せんりょく|よび||けつ||||

完全 に 隙 を 突か れ た と しか … かんぜん||すき||つか||||

そもそも 協商 連合 へ の 大規模 攻勢 が 間違い だった の だ ! |きょうしょう|れんごう|||だいきぼ|こうせい||まちがい|||

せめて 限定 動員 に とどめ て おけ ば … |げんてい|どういん|||||

( テーブル を たたく 音 ) てーぶる|||おと

( ゼートゥーア ) 共和 国 に 動員 の 兆 し なし … |きょうわ|くに||どういん||ちょう||

そう 判断 し た 上官 ら を 翻意 さ せ られ なかった 我々 の ミス だ |はんだん|||じょうかん|||ほんい|||||われわれ||みす|

( ゼートゥーア ) もはや プラン 315 は ||ぷらん|

機能 し て い ない きのう||||

遅滞 防御 で は 間に合わ ない 以上 ちたい|ぼうぎょ|||まにあわ||いじょう

機動 防御 戦 へ 移行 さ せる しか なか ろ う きどう|ぼうぎょ|いくさ||いこう||||||

ですが ライン 戦線 の 現状 で は 困難 です |らいん|せんせん||げんじょう|||こんなん|

消耗 し た 現地 部隊 の 限界 を 超え て いる か と … しょうもう|||げんち|ぶたい||げんかい||こえ||||

( ゼートゥーア ) 既に 根こそぎ かき集め て ― |すでに|ねこそぎ|かきあつめ|

予備 戦 力 を 用意 し た よび|いくさ|ちから||ようい||

時間 稼ぎ 程度 に は なる だ ろ う じかん|かせぎ|ていど||||||

フン 持つ べき 者 は 優秀 な 同期 と いう わけ か … ふん|もつ||もの||ゆうしゅう||どうき||||

その 発言 は 時期尚早 だ な |はつげん||じきしょうそう||

何 ? なん

( ゼートゥーア ) 報告 に よれ ば ― |ほうこく|||

投入 部隊 は 既に 半数 が とけ た とうにゅう|ぶたい||すでに|はんすう|||

ライン 戦線 は さながら 地獄 らしい らいん|せんせん|||じごく|

( 帝国 兵士 たち の うめき声 ) ていこく|へいし|||うめきごえ

( 爆撃 音 ) ばくげき|おと

( 共和 国 兵士 たち の 叫び声 ) きょうわ|くに|へいし|||さけびごえ

地上 2 時 方向 接 敵 ちじょう|じ|ほうこう|つ|てき

砲撃 術 式 て ー っ ! ほうげき|じゅつ|しき||-|

は … はい !

( 銃声 ) じゅうせい

( 共和 国 兵士 ) 上空 から だ ぞ ! ( 共和 国 兵士 ) 魔 導 師 の クソ 野郎 ! きょうわ|くに|へいし|じょうくう||||きょうわ|くに|へいし|ま|みちび|し||くそ|やろう

( ハラルド ) 死ね ! 死ね ! |しね|しね

これ でも 食らい や がれ ! ||くらい||

共和 国 の クソ ども が ! きょうわ|くに||くそ||

う っ …

う っ … 砲兵 隊 だ ||ほうへい|たい|

砲兵 隊 を たたく ! ほうへい|たい||

( クルスト ) 来い ハラルド ! ( ハラルド ) 了解 ! |こい|||りょうかい

両 伍長 ( ご ちょう ) 直ちに 戻れ ! りょう|ごちょう|||ただちに|もどれ

我々 の 任務 は 側面 攻撃 に よる 遅滞 戦闘 だ ! われわれ||にんむ||そくめん|こうげき|||ちたい|せんとう|

( クルスト ) 行か せ て ください ! |いか|||

( ハラルド ) 今 が 好機 な ん です ! |いま||こうき|||

何 が 好機 だ ! 戻れ ! なん||こうき||もどれ

これ は 命令 だ ! ||めいれい|

( クルスト ) 食らえ ~ ! |くらえ

( 爆撃 音 ) ばくげき|おと

( クルスト ) 食らえ ~ ! |くらえ

( 爆撃 音 ) ばくげき|おと

( クルスト ) よっ しゃ ~ !

( 爆撃 音 ) ばくげき|おと

( 爆撃 音 ) ばくげき|おと

( 爆撃 音 ) ばくげき|おと

( ハラルド ) 見 まし た か ? 小 隊長 |み||||しょう|たいちょう

( クルスト ) このまま 砲兵 隊 を 潰し て やる ! ||ほうへい|たい||つぶし||

( ハラルド ) う おお おお !

はっ !

う … う ぷっ …

( せき込み ) せきこみ

( ハラルド ) 疲れ て のど も 通ら ない な |つかれ||||とおら||

無理 に でも 食え もた ない ぞ むり|||くえ|||

( 爆撃 音 ) ばくげき|おと

( ヴィー シャ ) 二〇二 中 隊 も 二〇三 中 隊 も 全滅 し た って … ||ふた|ふた|なか|たい||ふた|みっ|なか|たい||ぜんめつ|||

志願 し て 前線 に 来 た のに しがん|||ぜんせん||らい||

あんな 少尉 の 下 に 就か さ れる と は な ! |しょうい||した||つか|||||

( 通信 士 ) 二〇五 第 三 小 隊 小 隊長 殿 が お呼び だ つうしん|し|ふた|いつ|だい|みっ|しょう|たい|しょう|たいちょう|しんがり||および|

( クルスト ) 我々 が 本国 へ ! ? |われわれ||ほんごく|

強制 送還 だけ で 済む の だ きょうせい|そうかん|||すむ||

ありがたい と 思え ||おもえ

我が 軍 に 命令 違反 を する 士官 候補 生 は 必要な い わが|ぐん||めいれい|いはん|||しかん|こうほ|せい||ひつような|

あ … あれ は 砲兵 隊 を たた こ う と ! |||ほうへい|たい|||||

どれ だけ の 歩兵 が やら れ た か ご存じ でしょ う ! |||ほへい||||||ごぞんじ||

言い たい こと は それ だけ か ? いい||||||

軍隊 と は 組織 組織 に 必要 な の は 規則 ぐんたい|||そしき|そしき||ひつよう||||きそく

以上 だ いじょう|

( クルスト ) う …

な … 納得 でき ませ ん ! |なっとく|||

小 官 は 志願 し て 前線 へ 赴 い た の です ! しょう|かん||しがん|||ぜんせん||おもむ||||

もとより 勝つ か 死ぬ か の 選択肢 しか あり ませ ん ! |かつ||しぬ|||せんたくし||||

あ … 私 も クルスト 伍長 の 意見 に 同意 し ます |わたくし|||ごちょう||いけん||どうい||

勇猛 さ こそ が 帝国 人 の 本分 で あり ます ! ゆうもう||||ていこく|じん||ほんぶん|||

つまり 貴 官 ら は |とうと|かん||

再び 上官 の 命令 に 逆らう と いう の だ な ! ふたたび|じょうかん||めいれい||さからう|||||

少尉 ! しょうい

貴 官 ら の 意思 は 尊重 しよ う とうと|かん|||いし||そんちょう||

だが ある 程度 の 処罰 は 覚悟 し て おけ ||ていど||しょばつ||かくご|||

ああ …

う ~ ん …

( シュワルコフ ) セレブリャコーフ 伍長 ||ごちょう

何 か 異変 でも ? なん||いへん|

( ヴィー シャ ) シュ … シュワルコフ 中尉 ! ||||ちゅうい

あの … クルスト 伍長 と ハラルド 伍長 が 見え ない もの で … ||ごちょう|||ごちょう||みえ|||

そう か お前 は 同期 だった な ||おまえ||どうき||

2 人 と も 本日 付 で 後方 に 転 属 だ じん|||ほんじつ|つき||こうほう||てん|ぞく|

( ヴィー シャ ) 後方 … です か ? ( シュワルコフ ) ああ ||こうほう||||

今頃 は トーチカ の 中 で 待機 し て いる ころ だ ろ う いまごろ||||なか||たいき|||||||

転 属 は デグレチャフ 少尉 の 具申 に よる もの だ が てん|ぞく|||しょうい||ぐしん|||||

両 伍長 は 少尉 に 盾 つい たら し いな りょう|ごちょう||しょうい||たて||||

( ヴィー シャ ) あ … はい

てっきり 厳しい 処罰 が 下る の か と 思って い まし た が … |きびしい|しょばつ||くだる||||おもって||||

そ っか 安全 な 後方 に 送る なんて … ||あんぜん||こうほう||おくる|

( 爆撃 音 ) ばくげき|おと

( ヴィー シャ ) ハァ ハァ ハァ …

う っ … ハァ ハァ ハァ …

軍 衣 を まとった 以上 は 祖国 に 貢献 を なせ ぐん|ころも|||いじょう||そこく||こうけん||

帝国 に は 無能 な 兵士 を 養う 余裕 など ない ていこく|||むのう||へいし||やしなう|よゆう||

は … はい

( ターニャ ) セレブリャコーフ 伍長 ||ごちょう

はっ はい !

非常 呼集 だ ひじょう|こしゅう|

さて 中隊 諸君 |ちゅうたい|しょくん

よろしく ない 知らせ だ ||しらせ|

友軍 の 第 四 〇三 魔 導 中隊 が ― ゆうぐん||だい|よっ|みっ|ま|みちび|ちゅうたい|

敵 魔 導 2 個 中隊 と 不意 遭遇 戦 に 突入 てき|ま|みちび|こ|ちゅうたい||ふい|そうぐう|いくさ||とつにゅう

砲兵 で 敵 を たた こ う に も 観測 手 の 魔 導 師 が 狙わ れ ― ほうへい||てき|||||||かんそく|て||ま|みちび|し||ねらわ|

弾 着 観測 が でき ない そう だ たま|ちゃく|かんそく|||||

敵 の 観測 手 狩り です か ? てき||かんそく|て|かり||

そう いえ ば デグレチャフ 少尉 は ||||しょうい|

以前 北方 で 経験 済み だった な ? いぜん|ほっぽう||けいけん|すみ||

( ターニャ ) はい 二 度 と ごめん です が ||ふた|たび||||

我々 は 直ちに 進 発 し 観測 要員 を 救援 する われわれ||ただちに|すすむ|はつ||かんそく|よういん||きゅうえん|

何 か 質問 は ? なん||しつもん|

遅滞 なら ともかく 救援 は 難しい でしょ う ちたい|||きゅうえん||むずかしい||

( シュワルコフ ) ほう …\ N その 九五 式 を 持って し て も か ? ||n||きゅうご|しき||もって||||

( ターニャ ) 小 官 は ともかく セレブリャコーフ 伍長 は 限界 です |しょう|かん||||ごちょう||げんかい|

な っ … !

( ターニャ ) 救援 に 出 た あげく ― |きゅうえん||だ||

部下 と 救助 対象 を 死な せる よう な 無能 に は なり たく あり ませ ん ぶか||きゅうじょ|たいしょう||しな||||むのう|||||||

( ヴィー シャ ) 中隊 長 殿 志願 し ます ! ||ちゅうたい|ちょう|しんがり|しがん||

私 も 救援 任務 に 志願 し ます ! わたくし||きゅうえん|にんむ||しがん||

よせ 貴 官 に は 無理 だ |とうと|かん|||むり|

ぼ … 私 とて 帝国 軍人 です |わたくし||ていこく|ぐんじん|

小 官 は 任 に 堪え うる と 確信 し ます ! しょう|かん||にん||こらえ|||かくしん||

伍長 ! ごちょう

中隊 長 ! ちゅうたい|ちょう

どう か どう か 行か せ て ください ! ||||いか|||

( シュワルコフ ) だ そう だ 少尉 ||||しょうい

配慮 は 分かる が 本人 も こう 言って いる ん だ はいりょ||わかる||ほんにん|||いって|||

了解 し まし た りょうかい|||

最善 を 尽くす ところ と いたし ます さいぜん||つくす||||

( ヴィー シャ ) あ … デグレチャフ 少尉 ! ||||しょうい

あ … ありがとう ござい ます

( ターニャ ) 伍長 |ごちょう

本当 に 覚悟 は でき て いる の だ な ? ほんとう||かくご|||||||

はい !

よろしい で は 仕事 の 時間 だ |||しごと||じかん|

( ヴィー シャ ) はい !

( 爆撃 音 ) ばくげき|おと

( 帝国 魔 導 師 ) コマンド ポスト ていこく|ま|みちび|し||ぽすと

こちら ブラボー 01

( 帝国 魔 導 師 ) 現在 敵 魔 導 師 の 攻撃 に より ― ていこく|ま|みちび|し|げんざい|てき|ま|みちび|し||こうげき||

弾 着 観測 が でき ない ! たま|ちゃく|かんそく|||

増 援 は まだ 来 ない の か ? ( 帝国 魔 導 師 ) くっ … ぞう|えん|||らい||||ていこく|ま|みちび|し|

( 上官 ) コマンド ポスト より ブラボー 01 へ じょうかん||ぽすと|||

現在 二〇五 魔 導 中隊 が 向かって いる げんざい|ふた|いつ|ま|みちび|ちゅうたい||むかって|

四〇三 魔 導 中隊 は 引き続き 観測 を 継続 せよ よっ|みっ|ま|みちび|ちゅうたい||ひきつづき|かんそく||けいぞく|

クソ ! くそ

上 は 状況 を 分かって 言って いる の か ! ? うえ||じょうきょう||わかって|いって|||

( ホス マン ) フン |まん|ふん

帝国 魔 導 師 は 優秀 だ と 聞い て い た が ― ていこく|ま|みちび|し||ゆうしゅう|||ききい||||

ウワサ も 信用 でき ん なあ ||しんよう|||

ショーン ! さっさと 残り の 観測 手 を 捜し出せ ! ||のこり||かんそく|て||さがしだせ

( ショーン ) 先ほど から 試み て い ます が |さきほど||こころみ||||

どうやら 塹壕 ( ざんごう ) に 隠れ て いる よう です |ざんごう|||かくれ||||

だったら 怪しい 区画 ごと 吹き飛ばし て しまえ ! |あやしい|くかく||ふきとばし||

しかし 広域 でも 爆裂 術 式 と も なれ ば |こういき||ばくれつ|じゅつ|しき||||

魔力 の 消耗 が … まりょく||しょうもう|

かまわ ん 最大 火力 だ ||さいだい|かりょく|

( 通信 兵 ) か … 各位 に 通達 ! つうしん|つわもの||かくい||つうたつ

友軍 観測 手 は “ ロスト ” ゆうぐん|かんそく|て||

何たる こと だ … なんたる||

( ヴィー シャ ) ひ … 引き返し ます か ? |||ひきかえし||

いや 間に合わ なかった の は 遺憾 だ が |まにあわ||||いかん||

既に 敵 の 照射 圏 内 すでに|てき||しょうしゃ|けん|うち

給料 分 の 仕事 は せ ね ば なる まい きゅうりょう|ぶん||しごと||||||

わ … 我々 は 単独 小 隊 です |われわれ||たんどく|しょう|たい|

敵 1 個 中隊 を 相手 に する など … てき|こ|ちゅうたい||あいて|||

( ターニャ ) “ 覚悟 は でき て いる ” そう 言った はず だ が ? |かくご||||||いった|||

う っ う う っ …

( ターニャ ) 相手 は 消耗 の 激しい 長 距離 行軍 中 |あいて||しょうもう||はげしい|ちょう|きょり|こうぐん|なか

その 上 こちら の 観測 手 狩り で 火力 を 消費 し て いる |うえ|||かんそく|て|かり||かりょく||しょうひ|||

勝算 は 小さく ない しょうさん||ちいさく|

( ターニャ ) と は いえ 新人 を 早々 に 失って は ― ||||しんじん||はやばや||うしなって|

今後 の 昇進 に 響く か … こんご||しょうしん||ひびく|

貴 官 ら は シュワルコフ 中尉 と 合流 し て 援護 に あたれ とうと|かん||||ちゅうい||ごうりゅう|||えんご||

私 が 先鋒 ( せ ん ぽ う ) で 3 個 小 隊 を 潰す わたくし||せんぽう||||||こ|しょう|たい||つぶす

残り は 君 たち の もの だ のこり||きみ||||

まったく サラリーマン も つらい もの だ な |さらりーまん|||||

サ … サラリー ? |さらりー

( ターニャ ) 我 神 に 祈ら ん 主 よ 祖国 を 救い たまえ |われ|かみ||いのら||おも||そこく||すくい|

( ヴィー シャ ) う っ …

( 共和 国 魔 導 師 ) 敵 増 援 と お ぼ しき 魔 導 反応 が 急速 接近 中 きょうわ|くに|ま|みちび|し|てき|ぞう|えん|||||ま|みちび|はんのう||きゅうそく|せっきん|なか

敵 影 目 視 で 確認 てき|かげ|め|し||かくにん

距離 2,000 … 1,800 きょり

1,600 ! 速い ! はやい

フン 血迷った か ふん|ちまよった|

迎撃 用意 て ー っ ! げいげき|ようい||-|

フッ …

な っ …

何 を やって る ! なん|||

( 銃声 ) じゅうせい

各位 散 開 ! かくい|ち|ひらき

上昇 だ ! 限界 まで 昇れ ~ ! じょうしょう||げんかい||のぼれ

( ターニャ ) ハハッ ! ( ショーン ) 隊長 ! |||たいちょう

う お っ … おお …

( 共和 国 魔 導 師 ) チクショー ! ショーン の 敵 ( かたき ) だ ! きょうわ|くに|ま|みちび|し||||てき||

う … どこ まで 上昇 する 気 だ ? |||じょうしょう||き|

( 共和 国 魔 導 師 ) 隊長 限界 高度 です ! きょうわ|くに|ま|みちび|し|たいちょう|げんかい|こうど|

( ホス マン ) ええ い … くっ ! |まん|||

バカ な … ばか|

高度 1 万 を 超え て いる ぞ こうど|よろず||こえ|||

( ターニャ ) ん っ ハァ ハァ ハァ …

告げる つげる

諸君 ら は 帝国 の 領域 を 侵犯 し て いる しょくん|||ていこく||りょういき||しんぱん|||

オープン 回線 ? おーぷん|かいせん

しかも この 声 …\ N やはり まだ 子供 か ! ||こえ|n|||こども|

ここ は 我ら が 空 我ら が 故郷 ||われら||から|われら||こきょう

なんじ ら が 祖国 に 不 逞 ( ふて い ) を な さば 容赦 なく 排除 する |||そこく||ふ|てい||||||ようしゃ||はいじょ|

それ が 我ら の 使命 ||われら||しめい

なんて 愛国 心 の 強い お方 だ |あいこく|こころ||つよい|おかた|

( ターニャ ) 答えよ ! |こたえよ

帝国 を 我ら が 祖国 を なぜ 諸君 ら は 侵さ ん と 欲 す ? ていこく||われら||そこく|||しょくん|||おかさ|||よく|

遊び 足り ない の なら 鉛 の オモチャ を くれ て やる ! あそび|たり||||なまり||おもちゃ||||

て ー っ ! |-|

( 共和 国 魔 導 師 ) デコイ です ! きょうわ|くに|ま|みちび|し||

( ターニャ ) ハァ … 交渉 の 余地 も なし か ||こうしょう||よち|||

( ホス マン ) ふざけ や が って ! う っ … |まん||||||

う っ … あ …

( ターニャ ) 空間 座標 把握 |くうかん|ざひょう|はあく

各 目標 の 乱 数 回避 軌道 算出 かく|もくひょう||らん|すう|かいひ|きどう|さんしゅつ

チャンバー へ の 魔力 充填 ( じゅう てん ) 正常 … |||まりょく|じゅうてん|||せいじょう

友軍 に 告 ぐ 衝撃 に 備えよ ! ゆうぐん||こく||しょうげき||そなえよ

主 よ 信心 なき 輩 ( や から ) に 祖国 が 侵さ れる の を 救い たまえ おも||しんじん||やから||||そこく||おかさ||||すくい|

はるか 道 の 果て 我ら は 約束 さ れ た 地 に 至ら ん |どう||はて|われら||やくそく||||ち||いたら|

( 共和 国 魔 導 師 ) 強大 な 魔力 反応 ! きょうわ|くに|ま|みちび|し|きょうだい||まりょく|はんのう

悪魔 か … ! ? あくま|

( 2 人 ) う っ … あっ ! じん|||

( シュワルコフ ) 圧力 限界 に 達し た 魔力 が ― |あつりょく|げんかい||たっし||まりょく|

空気 と 混合 さ れ て 起こる 拡散 魔力 爆発 だ くうき||こんごう||||おこる|かくさん|まりょく|ばくはつ|

衝撃 を 回避 し て も ― しょうげき||かいひ|||

燃焼 に よる 酸欠 と 一 酸化 炭素 中毒 は 避け られ まい ねんしょう|||さんけつ||ひと|さんか|たんそ|ちゅうどく||さけ||

援護 の 必要 など なかった な … えんご||ひつよう|||

過酷 な 戦争 の 世 で ― かこく||せんそう||よ|

あれほど 頼り に なる 魔 導 士官 も い まい |たより|||ま|みちび|しかん|||

( ターニャ の せき込み ) ||せきこみ

既に 勝敗 は 決 し た すでに|しょうはい||けっ||

投降 する なら ば ― とうこう|||

ヴォルムス 陸 戦 条約 に より 捕虜 と して の 権利 を 保障 する |りく|いくさ|じょうやく|||ほりょ||||けんり||ほしょう|

ハァ …

( ビアント ) これ は ―

とある 戦闘 後 に 回収 さ れ た ― |せんとう|あと||かいしゅう|||

演算 宝 珠 の 記録 です えんざん|たから|しゅ||きろく|

この よう な 魔 導 師 1 人 に ― |||ま|みちび|し|じん|

あの 一〇六 中 隊 が 壊滅 さ せ られ た そう です |ひと|むっ|なか|たい||かいめつ||||||

当該 魔 導 師 の 出現 が 確認 さ れ た の は 2 か月 前 とうがい|ま|みちび|し||しゅつげん||かくにん||||||かげつ|ぜん

詳細 は 不明 の ネームド です が ― しょうさい||ふめい||||

自 軍 に おける 二 つ 名 は … じ|ぐん|||ふた||な|

( ド ・ ルーゴ ) “ ライン の 悪魔 ” か … ||らいん||あくま|

( レル ゲン ) ライン 戦線 へ の ― ||らいん|せんせん||

中央 本隊 の 再 配置 は ― ちゅうおう|ほんたい||さい|はいち|

無事 に 完了 し た そう です ぶじ||かんりょう||||

( ルーデルドルフ ) どうにか 間に合った か ||まにあった|

戦 務 に は 随分 無理 を さ せ た な いくさ|つとむ|||ずいぶん|むり|||||

( ゼートゥーア ) 気 に する な |き|||

全て は 我が国 の ため だ すべて||わがくに|||

( ルーデルドルフ ) そう は いか ん

この 借り は 秘蔵 の ワイン で どう だ ? |かり||ひぞう||わいん|||

( ゼートゥーア ) フッ … あいにく ―

酒 は 勝利 の 時 まで 控え て いる さけ||しょうり||じ||ひかえ||

フッ … 堅物 め |かたぶつ|

( テーブル を たたく 音 ) てーぶる|||おと

( ルーデルドルフ ) レル ゲン 中佐 何 か 気 に なる こと でも ? |||ちゅうさ|なん||き||||

いえ ただ …

( ルーデルドルフ ) “ ただ ” 何 だ ? ||なん|

あ … はい

この 報告 書 に よれ ば ライン 戦線 に は |ほうこく|しょ||||らいん|せんせん||

ターニャ ・ デグレチャフ 少尉 が 配属 さ れ て いる と … ||しょうい||はいぞく|||||

( ヴィー シャ ) クルスト と ハラルド が 戦死 ? ||||||せんし

( シュワルコフ ) 待機 中 の トーチカ に ― |たいき|なか|||

敵 の 砲弾 が 直撃 し た らしい てき||ほうだん||ちょくげき|||

残念 だ な ざんねん||

そんな …

小 隊長 殿 は この こと を ? しょう|たいちょう|しんがり||||

( シュワルコフ ) いや まだ だ ろ う

ああ …

( ルーデルドルフ ) “ 白銀 ( は くぎ ん ) ” の 二 つ 名 |しろがね|||||ふた||な

銀 翼 突撃 章 の 叙勲 者 か ぎん|つばさ|とつげき|しょう||じょくん|もの|

この 若 さ で エース と は 驚き だ な |わか|||えーす|||おどろき||

その 少尉 が 何 か ? |しょうい||なん|

実は 小 官 は 以前 じつは|しょう|かん||いぜん

デグレチャフ 少尉 を 見かける 機会 が あり まし た |しょうい||みかける|きかい||||

( ヴィー シャ ) 失礼 し ます 小 隊長 殿 に 報告 し たい こと が … ||しつれい|||しょう|たいちょう|しんがり||ほうこく||||

( ターニャ ) 何 だ ? |なん|

( ヴィー シャ ) 実は クルスト 伍長 と ハラルド 伍長 が … ||じつは||ごちょう|||ごちょう|

( ターニャ ) 死 ん だ の か ? |し||||

ど … どこ で それ を ! ?

( ターニャ ) 聞か なく と も 自明 だ ろ う |きか||||じめい|||

動か ない トーチカ など 砲兵 に とって 格好 の 的 うごか||||ほうへい|||かっこう||てき

死に た がって い た ヤツ ら に は ちょうど よい しに|||||やつ|||||

え …

その 時 の 印象 を せ ん 越 ながら 申し上げ ます と … |じ||いんしょう||||こ||もうしあげ||

まさか 小 隊長 殿 は こう なる こと を 承知 で … |しょう|たいちょう|しんがり||||||しょうち|

( レル ゲン ) あれ は …

( ヴィー シャ ) ああ …

( レル ゲン ) 幼女 の 皮 を かぶった 化 物 です ! ||ようじょ||かわ|||か|ぶつ|