ハメルン の 笛吹
ハメルン の 笛吹
むかし むかし 、 ハメルン と いう 町 に 、 どこ から か 数え 切れ ない ほど の ネズミ が やって 来て 、 町 の あちこち に 住み ついて しまい ました 。
困った 町 の 人 たち は ネズミ 取り を 仕掛けたり 、 毒 ( どく ) の お 団子 を ばらまいたり し ました が 、 ネズミ は ますます 増える ばかりです 。
「 こう なったら 、 ネコ や イヌ を たより に する しか しかたがない 」 そう 考えて 、 どこ の 家 でも ネコ や イヌ を 飼 ( か ) う ように なり ました 。
でも ネコ も イヌ も ネズミ が 多 すぎて 、 ネズミ を 捕まえる どころ か ネズミ たち に 追い かけ られる しまつ です 。
そんな ある 日 、 一 人 の 男 が 町 へ やって 来て 、 こんな 事 を 言い ました 。
「 ネズミ は 、 この わたし が 退治 して さしあげ ましょう 。
ただし その 代金 と して 、 金貨 千 枚 を ちょうだい し ます 」 「 おお 、 願って も ない 。
千 枚 どころ か 、 二千 枚 でも お 払い し ます 」 「 けっこう 。
では さっそく 、 とりかかる と し ます か な 」 男 は 外 へ 出る と 、 手 に して いた 笛 ( ふえ ) を 吹き 鳴らし はじめ ました 。
すると あちこち の 家 から ネズミ たち が 飛び出して 、 笛吹き の 周り へ 集まって きた で は あり ませ ん か 。
ネズミ たち を したがえた 笛吹き は 、 笛 を 吹き 鳴らし ながら 川 の そば まで やって 来 ました 。
「 どう する つもりだろう ?
」 町 の 人 たち が 見て いる と 、 笛吹き は 川 の 中 へ サブサブ と 入って いき ました 。
ネズミ たち も あと を 追って 川 へ 飛び 込む と 、 そのまま 一 匹 残らず おぼれ 死んで しまい ました 。
「 やった !
やった !
」 「 さあ 、 お 祝い だ !
」 町 の 人 たち は 大喜びで 、 歌ったり おどったり し ました 。
そこ へ 、 笛吹き が 戻って 来て 言い ました 。
「 ごらん の ように 、 ネズミ は 残らず 退治 して さしあげ ました 。
それでは 、 金貨 千 枚 を いただく と し ましょう か 」 「 金貨 千 枚 だって ?
」 町 の 人 たち は 、 しぶい 顔 を し ました 。
「 たかが ネズミ くらい の 事 で 、 金貨 千 枚 と は 高 すぎる で は ない か 。
まあ 、 十 枚 くらい は 出して やる が 」 「 さては 、 約束 を 破る つもりです か ?
よろしい 。
それ なら こちら に も 考え が ある 」 笛吹き は 顔色 を 変える と 、 姿 を 消して しまい ました 。
「・・・ やれやれ 。
あきらめた か 」 町 の 人 たち は 安心 して 、 また 歌ったり おどったり です 。
その 時 、 どこ か で リュウリュウ と 笛 の 音 が ひびき はじめ ました 。
笛吹き が 町 の 広場 の まん 中 で 、 笛 を 吹き はじめた のです 。
それ と 一緒に 、 あちらこちら の 家 から 子ども たち が 集まって 来 ました 。
「 や やっ 、 子ども たち が 笛吹き の あと を 」 大 あ わて で 追い かけて 行く と 、 山 の ふもと に ある ほら 穴 の そば へ やって 来 ました 。
笛吹き は 笛 を 吹き 鳴らし ながら 、 ほら 穴 の 奥 へ 入って 行き ます 。
「 わー い 、 ほら 穴 だ 、 ほら 穴 だ 」 子ども たち も 大喜びで 、 ほら 穴 の 中 へ 入って 行き ました 。
「 お ー い 、 待って くれ 、 待って くれ 」 「 わし ら が 悪かった 。
約束 通り 金貨 を 払う から 、 子ども たち を 返して くれ 」 町 の 人 たち は 、 声 を かぎり に 呼びかけ ました 。
でも もう 遅く 、 岩 が 一 人 で に 動き はじめた か と 思う と 、 ほら 穴 の 入り口 を ピッタリ と ふさいで しまい ました 。
こうして ハメルン は 、 子ども の 一 人 も い ない 町 と なって しまった のです 。
おしまい
ハメルン の 笛吹
||うすい
Hamelin's Pied Piper
ハメルン の 笛吹
||うすい
むかし むかし 、 ハメルン と いう 町 に 、 どこ から か 数え 切れ ない ほど の ネズミ が やって 来て 、 町 の あちこち に 住み ついて しまい ました 。
|||||まち|||||かぞえ|きれ||||ねずみ|||きて|まち||||すみ|||
困った 町 の 人 たち は ネズミ 取り を 仕掛けたり 、 毒 ( どく ) の お 団子 を ばらまいたり し ました が 、 ネズミ は ますます 増える ばかりです 。
こまった|まち||じん|||ねずみ|とり||しかけたり|どく||||だんご||||||ねずみ|||ふえる|ばかり です
「 こう なったら 、 ネコ や イヌ を たより に する しか しかたがない 」 そう 考えて 、 どこ の 家 でも ネコ や イヌ を 飼 ( か ) う ように なり ました 。
||ねこ||いぬ||||||しかたが ない||かんがえて|||いえ||ねこ||いぬ||か|||よう に||
でも ネコ も イヌ も ネズミ が 多 すぎて 、 ネズミ を 捕まえる どころ か ネズミ たち に 追い かけ られる しまつ です 。
|ねこ||いぬ||ねずみ||おお||ねずみ||つかまえる|||ねずみ|||おい||||
そんな ある 日 、 一 人 の 男 が 町 へ やって 来て 、 こんな 事 を 言い ました 。
||ひ|ひと|じん||おとこ||まち|||きて||こと||いい|
「 ネズミ は 、 この わたし が 退治 して さしあげ ましょう 。
ねずみ|||||たいじ|||
ただし その 代金 と して 、 金貨 千 枚 を ちょうだい し ます 」 「 おお 、 願って も ない 。
||だいきん|||きんか|せん|まい||||||ねがって||
千 枚 どころ か 、 二千 枚 でも お 払い し ます 」 「 けっこう 。
せん|まい|||にせん|まい|||はらい|||
では さっそく 、 とりかかる と し ます か な 」 男 は 外 へ 出る と 、 手 に して いた 笛 ( ふえ ) を 吹き 鳴らし はじめ ました 。
||||||||おとこ||がい||でる||て||||ふえ|||ふき|ならし||
すると あちこち の 家 から ネズミ たち が 飛び出して 、 笛吹き の 周り へ 集まって きた で は あり ませ ん か 。
|||いえ||ねずみ|||とびだして|ふえふき||まわり||あつまって|||||||
ネズミ たち を したがえた 笛吹き は 、 笛 を 吹き 鳴らし ながら 川 の そば まで やって 来 ました 。
ねずみ||||ふえふき||ふえ||ふき|ならし||かわ|||||らい|
「 どう する つもりだろう ?
」 町 の 人 たち が 見て いる と 、 笛吹き は 川 の 中 へ サブサブ と 入って いき ました 。
まち||じん|||みて|||ふえふき||かわ||なか||||はいって||
ネズミ たち も あと を 追って 川 へ 飛び 込む と 、 そのまま 一 匹 残らず おぼれ 死んで しまい ました 。
ねずみ|||||おって|かわ||とび|こむ|||ひと|ひき|のこらず||しんで||
「 やった !
やった !
」 「 さあ 、 お 祝い だ !
||いわい|
」 町 の 人 たち は 大喜びで 、 歌ったり おどったり し ました 。
まち||じん|||おおよろこびで|うたったり|||
そこ へ 、 笛吹き が 戻って 来て 言い ました 。
||ふえふき||もどって|きて|いい|
「 ごらん の ように 、 ネズミ は 残らず 退治 して さしあげ ました 。
||よう に|ねずみ||のこらず|たいじ|||
それでは 、 金貨 千 枚 を いただく と し ましょう か 」 「 金貨 千 枚 だって ?
|きんか|せん|まい|||||||きんか|せん|まい|
」 町 の 人 たち は 、 しぶい 顔 を し ました 。
まち||じん||||かお|||
「 たかが ネズミ くらい の 事 で 、 金貨 千 枚 と は 高 すぎる で は ない か 。
|ねずみ|||こと||きんか|せん|まい|||たか|||||
まあ 、 十 枚 くらい は 出して やる が 」 「 さては 、 約束 を 破る つもりです か ?
|じゅう|まい|||だして||||やくそく||やぶる|つもり です|
よろしい 。
それ なら こちら に も 考え が ある 」 笛吹き は 顔色 を 変える と 、 姿 を 消して しまい ました 。
|||||かんがえ|||ふえふき||かおいろ||かえる||すがた||けして||
「・・・ やれやれ 。
あきらめた か 」 町 の 人 たち は 安心 して 、 また 歌ったり おどったり です 。
||まち||じん|||あんしん|||うたったり||
その 時 、 どこ か で リュウリュウ と 笛 の 音 が ひびき はじめ ました 。
|じ||||||ふえ||おと||||
笛吹き が 町 の 広場 の まん 中 で 、 笛 を 吹き はじめた のです 。
ふえふき||まち||ひろば|||なか||ふえ||ふき||の です
それ と 一緒に 、 あちらこちら の 家 から 子ども たち が 集まって 来 ました 。
||いっしょに|||いえ||こども|||あつまって|らい|
「 や やっ 、 子ども たち が 笛吹き の あと を 」 大 あ わて で 追い かけて 行く と 、 山 の ふもと に ある ほら 穴 の そば へ やって 来 ました 。
||こども|||ふえふき||||だい||||おい||いく||やま||||||あな|||||らい|
笛吹き は 笛 を 吹き 鳴らし ながら 、 ほら 穴 の 奥 へ 入って 行き ます 。
ふえふき||ふえ||ふき|ならし|||あな||おく||はいって|いき|
「 わー い 、 ほら 穴 だ 、 ほら 穴 だ 」 子ども たち も 大喜びで 、 ほら 穴 の 中 へ 入って 行き ました 。
わ -|||あな|||あな||こども|||おおよろこびで||あな||なか||はいって|いき|
「 お ー い 、 待って くれ 、 待って くれ 」 「 わし ら が 悪かった 。
|-||まって||まって|||||わるかった
約束 通り 金貨 を 払う から 、 子ども たち を 返して くれ 」 町 の 人 たち は 、 声 を かぎり に 呼びかけ ました 。
やくそく|とおり|きんか||はらう||こども|||かえして||まち||じん|||こえ||||よびかけ|
でも もう 遅く 、 岩 が 一 人 で に 動き はじめた か と 思う と 、 ほら 穴 の 入り口 を ピッタリ と ふさいで しまい ました 。
||おそく|いわ||ひと|じん|||うごき||||おもう|||あな||いりぐち||ぴったり||||
こうして ハメルン は 、 子ども の 一 人 も い ない 町 と なって しまった のです 。
|||こども||ひと|じん||||まち||||の です
おしまい
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