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三姉妹探偵団 2 キャンパス篇, 三姉妹探偵団(2) Chapter 15 (2)

三 姉妹 探偵 団 (2) Chapter 15 (2)

「 あら 、 じゃ 、 私 は ?

「 いや 、 もちろん 、 君 ら 三 人 姉妹 は 、 みんな すばらしい よ 」

国友 は 、 あわてて 言い 直した 。

「── こんな 普通の 病院 で 、 猫 を 入院 さ せて くれる の かしら ?

「 いや 、 宿直 室 を 借りて る んだ 」

と 国友 は 笑顔 に なって 、「 最初 は 医者 も 怒って た けど ね 、 綾子 君 が あんまり 必死で 頼む んで 、 ついに 折れた そうだ よ 」

「 綾子 姉ちゃん らしい わ 」

「 しかし 、 一 歩 間違えば 、 命 を 落す ところ だった んだ から な 」

「 犯人 の 見当 は ?

「 さあ 。

── 何しろ 学生 食堂 の 中 の こと だ 。 大勢 、 人 が いた はずだ し ね 。 うまく 、 目撃 者 でも 出れば いい んだ が 」

と 、 国友 は 首 を 振った 。

「 でも 、 不思議 」

珠美 が 首 を ひねる 。

「 何 が ?

「 綾子 姉ちゃん を 、 どうして 殺そう と する んだ ろ ?

何も 知ら ない のに よ 」

「 向 う は 知って る と 思って る の かも しれ ない よ 」

「 そう ね 。

と いう こと は ……」

珠美 は 考え込んだ 。

珠美 が 、 お 金 に なら ない こと で 考え込む と いう の は 、 珍しい こと である 。

「 綾子 君 が 、 何 か を 見た 、 と いう こと だろう ね 。

当人 は 、 それ に 気付いて い なかった かも しれ ない が 」

「 見た と すれば 、 最初の 事件 ね 。

あの 、 黒木 って マネージャー が 殺さ れた ……」

「 その 可能 性 は 強い な 。

何といっても 現場 に いたんだ から 」

「 でも 、 何も 見て ない んでしょ ?

「 何度 も 確かめた よ 」

と 、 国友 は 肯 いた 。

「 ともかく 、 本人 は 、 何も 見て ない と 思い込んで いる 」

「 思い出せば いい のに 」

珠美 は 言った 。

「 知り も し ない こと で 殺さ れる なんて 、 割 が 合わ ない じゃ ない 」

国友 は 、 いかにも 珠美 らしい 言い 方 に 微笑んだ 。

それ から 、 ちょっと 顔 を しかめて 、

「 一 つ 、 気 に なって る んだ が ……」

「 え ?

「 これ だけ の 騒ぎ な のに 、 どうして 夕 里子 君 が ここ に い ない んだ ?


三 姉妹 探偵 団 (2) Chapter 15 (2) みっ|しまい|たんてい|だん|chapter Three Sisters Detective Agency (2) Chapter 15 (2)

「 あら 、 じゃ 、 私 は ? ||わたくし|

「 いや 、 もちろん 、 君 ら 三 人 姉妹 は 、 みんな すばらしい よ 」 ||きみ||みっ|じん|しまい||||

国友 は 、 あわてて 言い 直した 。 くにとも|||いい|なおした

「── こんな 普通の 病院 で 、 猫 を 入院 さ せて くれる の かしら ? |ふつうの|びょういん||ねこ||にゅういん|||||

「 いや 、 宿直 室 を 借りて る んだ 」 |しゅくちょく|しつ||かりて||

と 国友 は 笑顔 に なって 、「 最初 は 医者 も 怒って た けど ね 、 綾子 君 が あんまり 必死で 頼む んで 、 ついに 折れた そうだ よ 」 |くにとも||えがお|||さいしょ||いしゃ||いかって||||あやこ|きみ|||ひっしで|たのむ|||おれた|そう だ|

「 綾子 姉ちゃん らしい わ 」 あやこ|ねえちゃん||

「 しかし 、 一 歩 間違えば 、 命 を 落す ところ だった んだ から な 」 |ひと|ふ|まちがえば|いのち||おとす|||||

「 犯人 の 見当 は ? はんにん||けんとう|

「 さあ 。

── 何しろ 学生 食堂 の 中 の こと だ 。 なにしろ|がくせい|しょくどう||なか||| 大勢 、 人 が いた はずだ し ね 。 おおぜい|じん||||| うまく 、 目撃 者 でも 出れば いい んだ が 」 |もくげき|もの||でれば|||

と 、 国友 は 首 を 振った 。 |くにとも||くび||ふった

「 でも 、 不思議 」 |ふしぎ

珠美 が 首 を ひねる 。 たまみ||くび||

「 何 が ? なん|

「 綾子 姉ちゃん を 、 どうして 殺そう と する んだ ろ ? あやこ|ねえちゃん|||ころそう||||

何も 知ら ない のに よ 」 なにも|しら|||

「 向 う は 知って る と 思って る の かも しれ ない よ 」 むかい|||しって|||おもって||||||

「 そう ね 。

と いう こと は ……」

珠美 は 考え込んだ 。 たまみ||かんがえこんだ

珠美 が 、 お 金 に なら ない こと で 考え込む と いう の は 、 珍しい こと である 。 たまみ|||きむ||||||かんがえこむ|||||めずらしい||

「 綾子 君 が 、 何 か を 見た 、 と いう こと だろう ね 。 あやこ|きみ||なん|||みた|||||

当人 は 、 それ に 気付いて い なかった かも しれ ない が 」 とうにん||||きづいて||||||

「 見た と すれば 、 最初の 事件 ね 。 みた|||さいしょの|じけん|

あの 、 黒木 って マネージャー が 殺さ れた ……」 |くろき||まねーじゃー||ころさ|

「 その 可能 性 は 強い な 。 |かのう|せい||つよい|

何といっても 現場 に いたんだ から 」 なんといっても|げんば|||

「 でも 、 何も 見て ない んでしょ ? |なにも|みて||

「 何度 も 確かめた よ 」 なんど||たしかめた|

と 、 国友 は 肯 いた 。 |くにとも||こう|

「 ともかく 、 本人 は 、 何も 見て ない と 思い込んで いる 」 |ほんにん||なにも|みて|||おもいこんで|

「 思い出せば いい のに 」 おもいだせば||

珠美 は 言った 。 たまみ||いった

「 知り も し ない こと で 殺さ れる なんて 、 割 が 合わ ない じゃ ない 」 しり||||||ころさ|||わり||あわ||| "It does not matter how much you get killed by not knowing it."

国友 は 、 いかにも 珠美 らしい 言い 方 に 微笑んだ 。 くにとも|||たまみ||いい|かた||ほおえんだ

それ から 、 ちょっと 顔 を しかめて 、 |||かお|| Then, with a slight frown,

「 一 つ 、 気 に なって る んだ が ……」 ひと||き||||| "One thing I'm curious about ..."

「 え ?

「 これ だけ の 騒ぎ な のに 、 どうして 夕 里子 君 が ここ に い ない んだ ? |||さわぎ||||ゆう|さとご|きみ||||||