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銀河鉄道の夜 by Kenji MIYAZAWA, Night on the Galactic Railroad - Part 2

Night on the Galactic Railroad - Part 2

先生 は また 言いました 。

「ですから もしも この 天の川 が ほんとうに 川 だ と 考える なら 、その 一つ一つ の 小さな 星 は みんな その 川 の そこ の 砂 や 砂利 の 粒 に も あたる わけ です 。 また これ を 巨きな 乳 の 流れ と 考える なら 、もっと 天の川 と よく 似て います 。 つまり その 星 は みな 、乳 の なか に まるで 細か に うかんで いる 脂油 の 球 に も あたる の です 。 そんなら 何 が その 川 の 水 に あたる か と 言います と 、それ は 真空 と いう 光 を ある 速さ で 伝える もの で 、太陽 や 地球 も やっぱり その なか に 浮かんで いる の です 。 つまり は 私ども も 天の川 の 水 の なか に 棲んで いる わけ です 。 そして その 天の川 の 水 の なか から 四方 を 見る と 、ちょうど 水 が 深い ほど 青く 見える ように 、天の川 の 底 の 深く 遠い ところ ほど 星 が たくさん 集まって 見え 、したがって 白く ぼんやり 見える のです 。 この 模型 を ごらん なさい 」

先生 は 中 に たくさん 光る 砂 の つぶ の はいった 大きな 両面 の 凸 レンズ を 指しました 。

「天の川 の 形 は ちょうど こんな な の です 。 この いちいち の 光る つぶ が みんな 私ども の 太陽 と 同じ ように じぶん で 光って いる 星 だ と 考えます 。 私ども の 太陽 が この ほぼ 中 ごろ に あって 地球 が その すぐ 近く に ある と します 。 みなさん は 夜 に この まん中 に 立って この レンズ の 中 を 見まわす と して ごらん なさい 。 こっち の 方 は レンズ が 薄い ので わずか の 光る 粒 すなわち 星 しか 見えない でしょう 。 こっち や こっち の 方 は ガラス が 厚い ので 、光る 粒 すなわち 星 が たくさん 見え その 遠い の は ぼうっと 白く 見える という 、これ が つまり 今日 の 銀河 の 説 な の です 。

そんなら この レンズ の 大きさ が どれくらい ある か 、また その 中 の さまざま の 星 に ついて は もう 時間 です から 、この 次 の 理科 の 時間 に お話します 。 では 今日 は その 銀河 の お祭り な の です から 、みなさん は 外 へ でて よく そら を ごらん なさい 。 では ここ まで です 。 本 や ノート を おしまい なさい 」

そして 教室 じゅう は しばらく 机 の 蓋 を あけたり しめたり 本 を 重ねたり する 音 が いっぱい でした が 、まもなく みんな は きちんと 立って 礼 を する と 教室 を 出ました 。

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