KinonoTabi:TheBeautifulWorld(Kino'sJourney)Episode12
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(キノ )何となく …だけど ね
(エルメス )何となく ?
(キノ )僕 は ね たまに 自分 が どう しようもない ―
愚か で わい 小 な ヤツ で は ない か ―
ものすごく 汚い 人間 で は ない か
なぜ だ か 分から ない けど そう 感じる とき が ある ん だ
でも そんな とき は 必ず
世界 が すべて 美しく とても い と おしく 思える ん だ よ
だから たとえ こんな こと が あった と し て も ―
それ でも 僕 は また 次 の 出会い や 発見 を し たい と 思う
納得 し た かい ?
(エルメス )正直 言って よく 分から ない や
(キノ )それ で いい と 思う よ
(エルメス )そう ?
(キノ )僕 自身 も 分かって ない の かも しれ ない
迷って る の かも しれ ない
それ を もっと 分かる ため に 旅 を 続けている の かもしれない
さて と 僕 は 寝る よ
あした は また だいぶ 走ら なく ちゃ
お やすみ エルメス
(エルメス )お やすみ キノ
(エルメス )ありゃ 何 だい ?キノ
(キノ )人間 の 死体 を 知らない の かい ?エルメス
(エルメス )そう じゃ なく て さ 何で こんな 所 に ―
たくさん の ミイラ さん たち が 転がって いる の か 聞いた ん だ
(キノ )墓場 …に しては 乱暴 か
(入国 審査 官 )ようこそ ヴェル デル ヴァル へ 旅人 さん
(キノ )僕 は キノ こっち は 相棒 の エルメス
観光 と 休養 で 入国 させて ください
(入国 審査 官 )ご 予定 は 何 日 です か ?
(キノ )3 日 です あさって に は 出発 し ます
(入国 審査 官 )滞在 3 日 …と
終わり まし た お 通り ください
すごく 簡単 です ね
はい この 国 は 今 は 平和 です から
あ !そう だ キノ さん
何 か パース エイダー は お 持ち です か ?
ええ
(エルメス )う わっ
(入国 審査 官 )ほう
(キノ )も しか して 持ち込み 禁止 です か ?
これほど の もの を お 持ち と は 腕前 も さぞかし …
(エルメス )4 段 さ 黒 帯 だ よ
いや あ 感服 いたし まし た
護身 用 で し たら そのまま 持ち込んで くださって 結構 です
でも きっと 必要な い です
この 国 は 安全 です
国民 も 皆 平和 に 穏やか に 暮らす の が 好き な んです
キノ さん も きっと 気に入る と 思います よ は い
(入国 審査 官 )昔 の もの です が そのまま 飾り に し て ある ん です よ
そう だ キノ さん
観光 でし たら ぜひ 歴史 博物館 に 行って みる と いい
この 国 の こと は よく 分かり ます よ
(キノ )ありがとう ございます ぜひ 行って みます
(エルメス )とても 穏やか に 暮らし て いる 国 と は 思え ない ね
(キノ )そう で も ない よ エルメス
みんな 過去 に 使って い た もの で …
今 は 必要 が なくなった らしい
(エルメス )どう して そう なった の さ ?
(キノ )それ は 分からない けど とても 戦争 し ている 国 に は …
( 銃声 )
(キノ )ん ?(エルメス )何 ?
(老紳士 )ああ 軍隊 の 演習 です よ ほら
(指揮官 )よし 次 !構え !
(老紳士 )あした は 戦争 です から ね (キノ )え ?
(エルメス )キノ の 言う こと も 当てに ならない ね
(指揮官 )次 !
構え !撃て !
( 銃声 )
(女の子 )ん ?(男の子 )そーれ !
(女の子 )キャッ (男の子 )やめろ よ ー !
(男の子 )ハハハ …(女の子 )待って
ここ が 歴史 博物館 か …
いやいや 戦争 と いって も 旅人 さん に は 危険 は ない です から
安心 して ください
そんな 前 時代的 な 戦争 で は ありませ ん から
(キノ )どう いう こと です か ?
(老紳士 )詳しく お 知り に なりたければ ―
そう です ね 歴史 博物館 に 行って みて ください
あそこ の 館長 さん が 親切 に 教え て くれる と 思い ます よ
(キノ )ん ?
(館長 )ようこそ
わが 歴史 博物館 へ
私 が 館長 です
(電子 アナウンス )この 荒れ果てた 土地 に ―
初めて 人 が 住み 始め た ころ ―
ほんの 数 十 人 の 小さな 集落 に すぎません でした
私 たち の 祖先 は 水路 を 引き ―
土地 を 開墾 し 町 を 大きく 発展 させて いきました
商工業 は さらに 発展 し ―
それ に つれ て 城壁 も 拡大 し て いき まし た
現代 に 通じる わが国 発展 の 基礎 は この 時代 に 形づくられた の です
(館長 )何も ない 所 に 国 を 開く の は 大変 な 苦労 だった と 思います
私 たち の 国 は ―
その 先祖 の 努力 に よって 成り立って いる ん です よ
でも 国 が 大きく なる の は よい こと ばかり で はない んです
旅人 さん
(館長 )国 が 大きく なれ ば ―
どう しても 他国 と の 接触 を 持た なけれ ば なりません
中 に は 不幸 な 出会い も ある の です
さあ ここ から が 近代 史 の コーナー です
(館長 )隣国 レル スミア と の 最初 の 戦争 は ―
今 から 192 年 前 に 起き まし た
両国 の 間 に 広がる 丘陵 地帯 の 領有権 を 巡る 争い が 元 でし た
それ は 本当 なら
外交 手段 に よって 解決 できる 問題 だった の かも しれません
でも 人種 言語 から 宗教 や 生活 習慣 ―
その他 すべて が 違う 民族 が 隣り合わせ に なる と ―
お互い を 敵視 する の は 簡単 だった の です
戦争 は ますます エスカレート し ―
それ に 伴って 新しい 兵器 も 開発 さ れ ―
たくさん の 人 たち が 死んで いった の で した
両国 は 思い出し た ように 戦争 し かけて は ―
国力 が 疲弊 し ―
どちら が 勝った か 分から ない まま ―
休戦 する と いう こと を 繰り返し て き まし た
今 から 15 年 前 まで …
15 年 前 まで と おっしゃい まし た ね
( 館長 ) ええ
(キノ )今 この 国 は 豊か で とても 安定 し て いる ように 見えます
隣国 と の 争いごと は なくなった んですか ?
(館長 )今 は もう 殺し合い は し て い ません
急に 平和 に なった 15 年 前 に 何 が あった ん です か ?
(館長 )それ は 次 の コーナー で 説明 する の です が ―
残念 です ね 今日 は もう 時間 が ありませ ん
キノ さん たち は いつ まで 滞在 さ れる の です か ?
(キノ )あさって 出発 です それ まで なら いつ でも …
それ でし たら 明日 その 答え を お 見せ する こと が でき ます
私 たち が いかに し て 平和 を 作りだし
それ を 維持 し て いる か を じかに 見学 なさって ください
(エルメス )何 を 見学 する の ?
戦争 です
(案内 兵 )キノ さん と エルメス さん です ね
話 は 館長 さん から 伺って おります
今日 は 自分 が 案内役 を 務め させて いただきます
こちら の ホビー へ どうぞ
あの デコボコ の 荒れ地 は 車両 じゃ 進め ませ ん から ね
さあ どうぞ
(案内 兵 )彼ら は レル スミア の 国防 軍 です よ
レル スミア って あなた 方 と 200 年 近く 戦争 し て きた 隣国 です ね
(案内 兵 )ええ そう です 今 から 彼ら と 戦争 を する ん です よ
ああ ご 心配 なく 兵士 は 誰一人 死に ませ ん よ
昔 の 戦争 と は 違い ます から
(指揮官 )ただいま より
第 185 次 レル スミア ヴェル デル ヴァル 戦争 を 開始 し ます
(ラッパ の 音 )
(案内 兵 )あれ は この 辺り の 部族 タタタ 人 です
ほら ご 覧 ください
(案内 兵 )あの 線 から こちら が 我々
で 向こう が レル スミア の 戦場
(開始 の 音楽 )
お っ 始まり ます !
(ラッパ の 音 )(指揮官 )時間 です
戦争 は 終わり ました
(指揮官 )ただいま より 計測 の 結果 発表
ポイント 10 対 9勝利国ヴェルデルヴァル!
( 歓声 )
やった !やり ました よ キノ さん エルメス さん !
国 に 帰ったら 大騒ぎ だ !
(館長 )昨日 の 戦争 は ご覧 に なり まし か ?キノ さん
(エルメス )うん 見 た よ ミイラ さんたち の 謎 は 解け た
(キノ )あれ が あなた たち の 戦争 です か ?
僕 に は タタタ 人 の 虐殺 か 処刑 に しか 見え ません でし た
でも あれ が 私 たち の 戦争 な の です
(映像 の 音楽 )
(館長 )私 は 昔 の 戦争 を よく 覚え て い ます
長年 飽き も せ ず 起きる 戦争 で 何 人 も の 人 が 死に まし た
何 人 も …
私 に は 家族 が い まし た
夫 と 4 人 の 息子 たち かけがえのない 宝 で した
でも …
今 上半身 を なく し た の は 私 の 夫 です
子供 たち は 父 親 の 敵 ( かたき ) を 討つ の だ と 言って ―
次々 に 志願 し て いき まし た
最初 に 次男 の ソトス が 狙撃 さ れ ―
次 の 日 に ダトス が 地雷 を 踏んで バラバラ に なりまし た
長男 の ウトス は 味方 の 攻撃 で 敵 影 ごと 吹き飛び ―
最後 まで 残った 末っ子 の ヨトス は ―
きっと 生き て 帰る から と 言って 出かけた きり ―
二 度 と 戻って き ませ ん で し た
私 は こんな 無意味 な 戦争 を し なくて 済む 方法 は ない か と ―
必死 に 考え まし た
そして 1 つ の 提案 を し た の です
それ が 昨日 の 戦争 です か ?
そう です
ただ 戦争 を やめよ う と 主張 する だけ で は
何 も 変わり ませ ん
人間 は もともと 競争心 や 敵 が い 心 残忍さ を 持っている のです から ―
それ を うまく 発散 する こと も できる 方法 で なければ
私 が この アイデア を 発表 し た とき
偶然 に も 向こう の 国 で
全く 同じ こと を 思い つい た 女性 が いました
それ が 今 から 15 年 前 の こと です
それ から 2 つ の 国 は 協定 を 結んで ―
殺傷 能力 の 強すぎる 兵器 を 捨てて いきました
タタタ 人 を 全滅 させて しまって は 何 も なりません から ね
おかげ で 国防 費 は 大幅 に 削減 でき まし た
そして これ が 最も 重要 な こと です
その とき 以来 二 国 間 に ―
国民 が 死ぬ よう な 戦争 は 1 度 も 起き て いません
(館長 )これ で 歴史 博物館 の ツアー は ―
すべて 終わり まし た
お 疲れ さま で し た
(キノ )質問 して も よろしい です か ?
( 館長 ) どうぞ
殺さ れ る タタタ 人 は どう なり ます か ?
彼ら に も 生活 が あり 家族 が ある と 思う ん です けど
計算 し て み て ください
タタタ 人 の 犠牲者 の 数 は
かつて の 戦争 に よる 私たち の 犠牲者 の 数 と は
比べ 物 に なら ない ほど 少ない の です それ に …
(キノ )それ に ?
(館長 )他 に 代替 案 が あり ます か ?
ある なら 教え て ください
キノ さん 平和 に は 犠牲 が 必要 な の です よ
そして それ は ―
絶対 に 私 たち の 子供 で あって は ならない の です
(キノ )お 話 ありがとう ございました
(館長 )いいえ どう いたしまして
(キノ )で は
館長 さん 僕 に は 分かり ませ ん
今 の あなた が 間違って いる の か
それとも 昔 の 人々 が 正しかった の か …
(子供 たち の 笑い声 )
あなた が …
もう 少し 年 を 取れ ば 今 の 私 の 気持ち が 分かり ます よ
そう でしょ う か ?
あなた が あなたの 子供 を 宿し て
その 子 の ぬくもり を 自分 の 中 に 感じた とき に …
きっと …
(エルメス )そりゃ あ あの 館長 さん も 家族 を 殺さ れ て ―
かわいそう な ん だけど ―
やっぱり あんな 平和 は ごめん だ ね キノ
何 か 落ち てる よ キノ ( キノ ) ん ?
(キノ )旅人 の 持ち物 だ こんなに たくさん …
(エルメス )キノ
(キノ )僕 に 何 か 用事 です か ?
(タタタ 人 )あなた に は これ から 我々 の 村 へ つい て きて もらい ―
そこ で みんな の 前 で 八 つ 裂き に なって ―
死 ん で もらい ます
どう して です か ?
我々 の 復讐 ( ふく しゅう ) の ため です
僕 は あの 国 の 人間 じゃ ない です よ
分かって い ます 旅 の 方
我々 は あの 国 を 憎 ん で います
我々 は 何 の 意味 も なく 殺りく さ れ ―
愛する 人 を 埋葬 する こと さえ できない の です
だが 我々 は 戦って も 勝て ない
そこ で 誰 でも いい から ―
この 場合 は たまたま 通りかかった あなた を ―
いた ぶり ながら 殺し て ―
復讐 心 を ほんの 少し だけ でも 満足 さ せ なけれ ば ならない の です
あなた 方 の お 気持ち は 分かり まし た
でも 僕 は 死に たく は あり ませ ん
あなた 方 の こと は 忘れ ませ ん
では これ で 失礼 し ます
(タタタ 人 )は ー っ !
ハァ ハァ …
(一同 の どよめき )
(キノ )ハァ ハァ …
ハァ ハァ …
(エルメス )そう だ キノ 隣 の 国 に は 行か なくて いい の ?
(キノ )必要 ない よ エルメス
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