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Aozora Bunko Readings (4-5mins), 079. おかめどんぐり - 小川未明

079. おかめどんぐり - 小川未明

おかめ どんぐり -小川 未明

ねえ や の 田舎 は 、山奥 の さびしい 村 です 。 町 が なかなか 遠い ので 、子供 たち は 本屋 へ いって 雑誌 を 見る という こと も 、めったに ありません 。 三郎 さん は 、 自分 の 見た 雑誌 を ねえ や の 弟 さん に 、 送って やりました 。 「坊ちゃん 、ありがとう ございます 。 弟 は 、どんなに 喜ぶ か しれません 。」 と 、ねえ や は 、目 を うるま せて 、いいました 。 する と 、ある 日 の こと 、弟 の 孝二 くん から 、たいそう よろこんで 、手紙 が まいりました 。 そして 、山 で 拾った 、くり や 、どんぐり を 送る と 書いて ありました 。 「町 が 遠い のに 、弟さん は 、小包 を 出し に いった んだ ね 。」 と 、三郎 さん は ききました 。 「いえ 、町 へ は 、毎日 、村 から 、だれ か ついで が あります から 。」 と 、ねえ や は 、答えました 。 手紙 の あと から 、小包 が とどきました 。 あける と 、紫色 の くり や 、まるい どんぐり や 、また 、ぎんなん など が 、はいって いました 。 そして 山 から 、いっしょに ついてきた 、木 の 葉 も まじって いました 。 これ を 見る と 、ねえ や は 、子供 の 時分 の こと を 思い出して 、なつかし そうに ながめて いました 。 「こんな の が 、山 に たくさん なって いる の ? 」「はい 、たくさん 、なって います 。」 「いって みたい なあ 。」 と 、三郎 さん は 、田舎 の 秋 の 景色 を 思いました 。 三郎 さん は 、さっそく 、孝二 くん に 、礼 を いって やりました 。 それ から 、その うち に 、また 雑誌 を 送る から と 書きました 。 しばらく たつ と 、孝二 くん から 手紙 が きた のであります 。 「なんと いって 、きたん だろう な 。」

三郎 さん は 、あけて よんで みる と 、

「送って いただいた 、美しい 雑誌 を 友だち に 見せる と 、みんな が 、奪い合って 、たちまち 、汚く して しまいました 。 残念 で なりません 。 また 、送って いただいて 、破る と いけない から 、どうか 、もう 送ら ないで ください 。」 と 、書いて ありました 。 「そんなに 、あんな 雑誌 が めずらしい の か なあ 。」

三郎 さん は 、 活動 も なければ 、 りっぱな 店 もない 、 電車 も なければ 、 自動車 も 通らない 、 にぎやかな もの は 、 なに一つ もない 、 田舎 の 景色 を 目 に えがいて 、 そこ に 遊ぶ 子供 の 姿 を 想像 した 。 そのかわり 、林 が 茂って いれば 、美しい 小川 も 流れて います 。 「僕たち だって 、そのかわり 、くり や 、どんぐり を 、拾う こと が できない のだ から 、おんなじ こった 。」 と 、三郎 さん は 思いました 。 三郎 さん が 、 孝二 くん の 送って くれた 、 どんぐり を 、 学校 へ 持って ゆく と 、 さあたいへんでした 。 みんな は 、珍しがって 、

「見せ て おくれ 。」 と 、そば へ 寄って きました 。 「君 、この おかめ どんぐり を 、どこ から 拾って きたんだい 。」

「一個 、おくれよ 。」

「僕 に も ね 。」

みんな は 、三郎 さん の まわり に たかって 、はなれ ない のでした 。 その うち 、奪い合い から 、けんか を はじめた のであります 。 その 晩 、三郎 さん は 、考えました 。 「田舎 の 子 は 、雑誌 を 見たい のだ 。 僕たち 街 の 子 は 、おかめ どんぐり が ほしい のだ 。 かえっこ すれば いい じゃないか 。」 あくる 日 、三郎 さん は 、学校 へ いって 、

「君たち の よんだ 雑誌 を 田舎 の 子供 へ 、送って やって 、田舎 の 子供たち から 、おかめ どんぐり を 送って もらおう よ 。」 と 、相談 しました 。 「賛成 、賛成 ! 」その こと を 、三郎 さん から 、孝二 くん に いって やる と 、すぐに 返事 が きて 、田舎 の 子供たち も 大喜び だ という のでした 。 そして 、雑誌 や おかめ どんぐり より も 、まだ 知ら ない 、遠い 田舎 と 、街 と で 、おたがいに 、交際 する の が 、とても うれしかった のであります 。

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