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Aozora Bunko Readings (4-5mins), 066. 二ひきの蛙 - 新美南吉

066. 二 ひき の 蛙 - 新美 南 吉

二 ひき の 蛙 - 新美 南 吉

緑 の 蛙 と 黄色 の 蛙 が 、 はたけ の まんなか で ばったり ゆきあいました 。 「 や あ 、 きみ は 黄色 だ ね 。 きたない 色 だ 。 」

と 緑 の 蛙 が いいました 。 「きみ は 緑 だ ね 。 きみ は じぶん を 美しい と 思って いる の か ね 。 」

と 黄色 の 蛙 が いいました 。 こんなふうに 話しあって いる と 、よい こと は 起こりません 。 二 ひき の 蛙 は とうとう けんか を はじめました 。 緑 の 蛙 は 黄色 の 蛙 の 上 に とびかかって いきました 。 この 蛙 は とびかかる のが 得意 でありました 。 黄色 の 蛙 は あとあし で 砂 を けとばしました ので 、あいて は たびたび 目玉 から 砂 を はらわ ねば なりませんでした 。 すると その とき 、寒い 風 が ふいて きました 。 二 ひき の 蛙 は 、もう すぐ 冬 の やってくる ことを おもいだしました 。 蛙 たち は 土 の 中 に もぐって 寒い 冬 を こさねば ならない のです 。

「春 に なったら 、この けんか の 勝負 を つける 。」

と いって 、緑 の 蛙 は 土 に もぐりました 。 「いま いった こと を わすれる な 。」

といって 、黄色 の 蛙 も もぐりこみました 。 寒い 冬 が やってきました 。 蛙 たち の もぐって いる 土 の 上 に 、びゅうびゅうと 北風 が ふいたり 、霜柱 が 立ったり しました 。 そして それから 、春 が めぐってきました 。 土 の 中 に ねむって いた 蛙 たち は 、せなか の 上 の 土 が あたたかく なって きた ので わかりました 。 さいしょに 、緑 の 蛙 が 目 を さましました 。 土 の 上 に 出て みました 。 まだ ほか の 蛙 は 出て いません 。 「おいおい 、おきたまえ 。 もう 春 だ ぞ 。」

と 土 の 中 に むかって よびました 。 する と 、黄色 の 蛙 が 、

「やれやれ 、春に なったか 。」

といって 、土から 出てきました 。 「去年 の けんか 、わすれたか 。」

と 緑の 蛙が いいました 。 「待て 待て 。 からだ の 土 を あらい おとして から に しよう ぜ 。」

と 黄色 の 蛙 が いいました 。 二 ひき の 蛙 は 、からだ から 泥土 を おとす ため に 、池 の ほう に いきました 。 池 には 新しく わきでて 、ラムネ のように すがすがしい 水 が いっぱいに たたえられて ありました 。 その なかへ 蛙 たちは 、とぶん とぶん と とびこみました 。 からだを あらって から 緑 の 蛙 が 目を ぱちくりさせて 、

「やあ 、きみの 黄色 は 美しい 。」

と いいました 。 「そう いえば 、きみの 緑 だって すばらしい よ 。」

と 黄色 の 蛙 が いいました 。 そこ で 二 ひき の 蛙 は 、

「もう けんか は よそう 。」

と いいあいました 。 よく ねむった あと で は 、人間 でも 蛙 でも 、きげん が よく なる もの であります 。

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