062. 六 、 ニニギ の 命 - 古事 記
古事 記 -現代 語 譯
六 、ニニギ の 命 木 の 花 の 咲く や 姫 天 降
――本 來 は 、祭 の 庭 に 神 の 降下 する こと を 説く もの と 解せられる が 、政治的に 解釋 されて おり 、諸氏 の 傳來 の 複合 した 形 に なつている 。 ――
そこ で 天 照らす 大神 、高木 の 神 の お 言葉 で 、太子 オシホミミ の 命 に 仰せ に なる に は 、「今 葦原 の 中心 の 國 は 平定 し終つた と 申す こと である 。 それ故 、申しつけた 通り に 降つて 行つて お治め なされる が よい 」と 仰せ に なりました 。 そこ で 太子 オシホミミ の 命 が 仰せ に なる に は 、「わたくし は 降りよう と して 支度 を して おります 間 に 子 が 生まれました 。 名 は アメニギシクニニギシ アマツヒコヒコ ホノニニギ の 命 と 申します 。 この 子 を 降したい と 思います 」と 申しました 。 この 御 子 は オシホミミ の 命 が 高木 の 神 の 女 ヨロヅハタトヨアキツシ 姫 の 命 と 結婚 されて お 生み に なつた 子 が アメノホアカリ の 命 ・ヒコホノニニギ の 命 の お 二方 な のでした 。 かよう な わけで 申さ れた まま に ヒコホノニニギ の 命 に 仰せ 言 が あつ て 、「この 葦原 の 水 穗 の 國 は あなた の 治むべき 國 である と 命令 する のである 。 依 つて 命令 の 通り に お降りなさい 」と 仰せられました 。 ここ に ヒコホノニニギ の 命 が 天から お 降り に なろう と する 時 に 、道 の 眞中 に いて 上 は 天 を 照らし 、下 は 葦原 の 中心 の 國 を 照らす 神 が おります 。 そこ で 天 照らす 大神 ・ 高木 の 神 の 御 命令 で 、 アメノウズメ の 神 に 仰せられる に は 、「 あなた は 女 で は ある が 出 會 つた 神 に 向き合 つて 勝つ 神 である 。 だから あなた が 往つて 尋ねる こと は 、我が 御子 の お降り なろう と する 道 を かよう に している のは 誰 である か と 問え 」と 仰せ に なりました 。 そこ で 問わ れる 時 に 答え 申さ れる に は 、「わたくし は 國 の 神 で サルタ 彦 の 神 と いう 者 です 。 天 の 神 の 御子 が お降り に なる と 聞きました ので 、御前 に お仕え 申そう と して 出迎えて おります 」と 申しました 。 かくて アメノコヤネ の 命 ・フトダマ の 命 ・アメノウズメ の 命 ・イシコリドメ の 命 ・タマノオヤ の 命 、合わせて 五 部族 の 神 を 副えて 天 から 降らせ 申しました 。 この 時 に 先に 天の 石戸の 前で 天照らす 大神を お迎えした 大きな 勾玉 、鏡 また 草薙の 劒 、及び オモヒガネの 神 ・タヂカラヲの 神 ・アメノイハトワケの 神を お副えになつて 仰せに なるに は 、「この 鏡 こそ は もつぱら わたしの 魂 として 、わたしの 前を 祭る ように お祭り申し上げよ 。 次に オモヒガネ の 神 は わたし の 御子 の 治められる 種々の こと を 取り扱つて お 仕え 申せ 」と 仰せられました 。 この 二神 は 伊勢 神宮 に お祭り 申し上げて おります 。 なお 伊勢 神宮 の 外宮 に は トヨウケ の 神 を 祭つて あります 。 次に アメノイハトワケ の 神 は また の 名 は クシイハマド の 神 、また トヨイハマド の 神 と いい 、この 神 は 御 門 の 神 です 。 タヂカラヲ の 神 は サナ の 地 に おいでになります 。 この アメノコヤネ の 命 は 中 臣 の 連 等 の 祖先 、フトダマ の 命 は 忌 部 の 首 等 の 祖先 、ウズメ の 命 は 猿 女 の 君 等 の 祖先 、イシコリドメ の 命 は 鏡 作 の 連 等 の 祖先 、タマノオヤ の 命 は 玉 祖 の 連 等 の 祖先 で あります 。