3.2 隠れ 穴 -TheBurrow
この 調子 が まるで 何 時間 も 続いた か の ようだった 。 ウィーズリー 夫人 は 声 が かれる まで 怒鳴り続け 、それから ハリー の 方 に 向き直った 。 ハリー は たじたじ と 、あとずさり した 。
「まあ 、ハリー 、よく 来て くださった わ ねえ 。 家 へ 入って 、朝食 を どうぞ 」
ウィーズリー 夫人 は そう 言う と 、クルリ と 向き を 変えて 家 の 方 に 歩き出した 。 ハリー は どう しよう か と ロン を ちらり と 見た が 、ロン が 大丈夫 と いう ように 頷いた ので 、あと に ついて いった 。
台所 は 小さく 、かなり 狭苦しかった 。 しっかり 洗い 込まれた 木 の テーブル と 椅子 が 、真ん中 に 置かれている 。 ハリー は 椅子 の 端っこ に 腰掛けて 周り を 見渡した 。 ハリー は 魔法使い の 家 に これまで 一度も 入った こと が なかった 。
ハリー の 反対側 の 壁 に かかっている 時計 には 針 が 一本 しか なく 、数字 が 一つも 書かれていない 。 そのかわり 、「お茶 を 入れる 時間 」「鶏 に 餌 を やる 時間 」「遅刻 よ 」など と 書き込まれていた 。 暖炉 の 上 には 本 が 三段 重ねに 積まれている 。 「自家製 魔法 チーズ の 作り方 」「お菓子 を つくる 楽しい 呪文 」「一分間 で ご馳走 を ――まさに 魔法 だ !」など の 本 が ある 。 流し の 脇 に 置かれた 古ぼけた ラジオ から 、放送 が 聞えてきた 。 ハリー の 耳 が 確か なら 、こう 言って いる 。 「次 は 魔女 の 時間 です 。 人気 歌手 の 魔女 セレスティナ ・ワーベック を お迎え して お送りします 」ウィーズリー 夫人 は 、あちこち ガチャガチャ いわせ ながら 、行き当たりばったり 気味 に 食事 を 作って いた 。 息子 たち に は 怒り の まなざし を 投げ 、フライパン に ソーセージ を 投げ入れた 。 時々 低い 声 で 「おまえたち と きたら 、いったい 何 を 考えてる やら 」とか 、「こんな こと 、絶対 思って も みなかった わ 」と ぶづふつ 言った 。
「あなた の こと は 責めて いません よ 」ウィーズリー 夫人 は フライパン を 傾けて 、ハリー の お皿 に 八 本 も 九 本 も ソーセージ を 滑り込ませ ながら 念 を 押した 。 「アーサー と 二人 で あなた の こと を 心配 して いた の 。 昨夜 も 、金曜日 までに あなた から ロン へ の 返事 が 来なかったら 、わたしたち が あなた を 迎えに 行こうって 話しを して ぐらい よ 。 でも ねえ 」(今度 は 目玉焼き が 三個 も ハリー の 皿 に 入れられた )「不正 使用 の 車 で 国土 の 半分 も 飛んでくる なんて ――誰か に 見られても おかしくない でしょう ――」彼女 が あたりまえの ように 、流し に 向かって 杖 を 一振り する と 、中で 勝手に 皿洗い が 始まった 。 カチャカチャ と 軽い 音 が 聞えてきた 。
「ママ 、曇り空 だった よ 」と フレッド 。
「物 を 食べてる とき は おしゃべり しない こと !」ウィーズリー 夫人 が 一喝 した 。
「ママ 、連中 は ハリー を 餓死 させる ところ だった んだ よ 」と ジョージ 。
「おまえ も お黙り !」と ウィーズリー 夫人 が 怒鳴った 。 その あと ハリー の ため に パン を 切って 、バター を 塗り はじめる と 、前 より 和らいだ 表情 に なった 。 その とき 、みんな の 気 を そらす こと が 起こった 。 ネグリジェ 姿 の 小さな 赤毛 の 子 が 、台所 に 洗わ れた と 思う と 、「キャッ 」と 小さな 悲鳴 を あげて 、また 走り去って しまった のだ 。
「ジニー 」ロン が 小声 で ハリー に ささやいた 。 「妹 だ 。 夏 休み 中 ずっと 、君 の こと ばっかり 話して た よ 」
「あぁ 、ハリー 、君 の サイン を 欲しがる ぜ 」フレッド が ニヤッ と した が 、母親 と 目 が 合う と 途端 に うつむいて 、あと は 黙々と 朝食 を 食べた 。 四つ の 皿 が 空 に なる まで ――あっという間に 空 に なった が ――あと は 誰 も 一言 も しゃべらなかった 。
「なんだ が 疲れた ぜ 」
フレッド が やっと ナイフ と フォーク を 置き 、あくび を した 。
「僕 、ベッド に 行って ...... 」
「行きません よ 」ウィーズリー 夫人 の 一言 が 飛んで きた 。 「夜中 起きて いた の は 自分 が 悪い んです 。 庭 に 出て 庭 小人 を 駆除 しなさい 。 また 手に 負えない くらい 増えて います 」「ママ 、そんな ――」「おまえたち 二人 も です 」夫人は ロン と フレッド を ギロッと にらみつけた 。 「ハリー 。 あなたは 上に 行って 、お休みなさいな 。 あの しょうもない 車 を 飛ばせて くれって 、あなたが 頼んだ わけじゃない んです もの 」「僕 、ロン の 手伝い を します 。 庭 小人 駆除 って 見た ことが ありません し ......」パッチリ 目が 覚めて いた ハリーは 、急いで そう 言った 。 「まあ 、やさしい 子 ね 。 でも 、つまらない 仕事 なのよ 」と ウィーズリー 夫人が 言った 。 「さて 、ロックハート が どんな こと を 書いて いる か 見て みましょう 」ウィーズリー 夫人は 暖炉 の 上 の 本 の 山 から 、分厚い 本 を 引っ張り出した 。 「ママ 、僕たち 、庭 小人 の 駆除 の やり方 ぐらい 知ってる よ 」ジョージ が 唸った 。 ハリー は 本 の 背表紙 を 見て 、そこ に デカデカ と 書かれて いる 豪華な 金 文字 の 書名 を 読んだ 。 「ギルデロイ ・ロックハート の ガイドブック ――一般 家庭 の 害虫 」
表紙 に は 大きな 写真 が 見える 。 波打つ ブロンド 、輝く ブルー の 瞳 の 、とても ハンサムな 魔法使い だ 。 魔法 界 で は あたりまえ の こと だが 、写真 は 動いて いた 。 表紙 の 魔法使い ――ぎろ なんだろう な 、と ハリー は 思った ――いたずらっぽい ウィンク を 投げ続けている 。 ウィーズリー 夫人は 写真に 向かって にっこりした 。
「あぁ 、彼 って すばらしい わ 。 家庭の 害虫に ついて ほんとに よく ご存知 。 この 本 、とても いい 本だ わ ......」
「ママ ったら 、彼に お熱 なんだよ 」フレッドは わざと 聞える ような ささやく 声で 言った 。 「フレッド 、バカな ことを 言う んじゃない わよ 」ウィーズリー夫人は 、頬を ほんのり 紅らめて いた 。
「いい でしょう 。 ロックハート より よく 知っている と 言う のなら 、庭に 出て 、お手並みを みせて いただきましょうか 。 あとで わたしが 点検に 行った ときに 、庭 小人 が 一匹でも 生き残ってたら 、そのとき 後悔して も 知りませんよ 」あくびを しながら 、ぶつくさ 言いながら 、ウィーズリー 三兄弟は だらだらと 庭に 出た 。 ハリーは そのあと に 従った 。 広い 庭で 、ハリーは これこそ 庭だと 思えた 。 ダーズリー 一家 は きっと 気 に いらない だろう ――雑草 が 生い茂り 、芝生 は 伸び 放題 だった 。 しかし 、壁 の 周り は 曲がりくねった 木 で くぐるり と 囲まれ 、花壇 と いう 花壇 に は 、ハリー が 見た こと も ない ような 植物 が 溢れる ばかりに 茂っていた し 、大きな 緑色 の 池 は 蛙 で いっぱいだった 。
「マグル の 庭 に も 飾り用 の 小人 が 置いてある の 、知ってる だろ 」ハリー は 芝生 を 横切り ながら ロン に 言った 。
「 あ ぁ 、 マグル が 庭 小人 だ と 思って いる やつ は 見た こと が ある 」 ロン は 腰 を 曲げて 芍薬 の 茂み に 首 を 突っ込み な から 答えた 。 「太った サンタクロース の 小さい の が 釣り竿 を 持ってる ような 感じ だった な 」突然 ドタバタ と 荒っぽい 音 が して 、芍薬 の 茂み が 震え 、中 から ロン が 立ち上がった 。 「これぞ 」ロンが 重々しく 言った 。 「ほんとの 庭 小人 なんだ 」「放せ !放しやがれ !」小人は キーキー 喚いた 。
なるほど 、サンタクロース とは 似て も 似つかない 。 小さく 、ゴワゴワした 感じで 、ジャガイモ そっくり の 凸凹した 大きな 禿頭だ 。 硬い 小さな 足で ロンを 蹴飛ばそうと 暴れるので 、ロンは 腕を 伸ばして 小人を つかんで いた 。 それから 足首を つかんで 小人を さかさまに ぶら下げた 。
「こう やらないと けい ない んだ 」
ロンは 小人を 頭の 上に 持ち上げて (「放せ !」小人が 喚いた )投げ縄を 投げるように 大きく 円を 描いて 小人を 振り回し はじめた 。 ハリー が ショック を 受けた ような 顔 を している ので 、ロン が 説明した 。 「小人 を 傷つける わけじゃ ない んだ ――ただ 、完全に 目 を 回させて 、巣穴 に 戻る 道 が わかんない ように するんだ 」
ロン が 小人 の 踵 から 手 を 放す と 、小人 は 宙 を 飛んで 、五 、六 メートル 先 の 垣根 の 外側 の 草むら に ドサッと 落ちた 。
「それっぽっち か !」フレッド が 言った 。 「俺 なんか あの 木 の 切り株 まで 飛ばして みせる ぜ 」
ハリー も たちまち 小人 が かいわ そう だ と 思わない ように なった 。 捕獲 第 一 号 を 垣根 の むこう に そっと 落として やろう と した 途端 、ハリー の 弱気 を 感じ取った 小人 が かみそり の ような 刃 を ハリー の 指 に 食い込ませた のだ 。 ハリー は 振り払おう と して さんざん てこずり 、ついに ――
「ひゃー 、ハリー 、十五 、六 メートル は 飛んだ ぜ ......」
宙 を 舞う 庭 小人 で たちまち 空 が 埋め尽くされた 。
「な ?連中 は あんまり 賢く ない だろ 」
一度に 五 、六 匹 を 取り押さえながら ジョージ が 言った 。
「庭 小人 駆除 が 始まった と わかる と 、連中 は 寄ってたかって 見物 に 来る んだ よ 。 巣穴 の 中 で じっと している 方が 安全だって 、いいかげん わかって も いいころ な のに さ 」やがて 、外 の 草むら に 落ちた 庭 小人 の 群れ が 、あちこち から だらだら と 列 を 作り 、小さな 背中 を 丸めて 歩き出した 。 「また 戻って くる さ 」小人 たち が 草むら の むこうの 垣根 の 中 へ と 姿 を くらます の を 見ながら ロン が 言った 。
「連中 は ここ が 気 に 入ってる んだ から ......パパ ったら 連中 に 甘い んだ 。 おもしろい やつら だ と 思って る らしくて ...... 」
ちょうど その とき 、玄関 の ドア が バタン と 音 を たてた 。
「うわさを すれば 、だ !」ジョージ が 言った 。 「親父 が 帰って きた !」
四人は 大急ぎで 庭を 横切り 、家に 駆け戻った 。
ウィーズリー氏は 台所の 椅子に ドサッと 倒れ込み 、メガネを はずし 、目を つむっていた 。 細身で 禿げていたが 、わずかに 残っている 髪は 子供たちと まったく 同じ 赤毛だった 。 ゆったりと 長い 緑の ローブは 埃っぽく 、旅疲れして いた 。 「ひどい 夜 だった よ 」子供 たち が 周り に 座る と 、ウィーズリー 氏 は お茶 の ポット を まさぐり ながら つぶやいた 。
「九 件 も 抜き打ち 調査 した よ 。 九 件 も だ ぞ !マンダンガス ・フレッチャー の やつ め 、わたし が ちょっと 後ろ を 向いた すきに 呪い を かけよう と し ...... 」
ウィーズリー 氏 は お茶 を ゆっくり 一口 飲む と 、フーッ と ため息 を ついた 。
「パパ 、なんか おもしろい もの 見つけた ?」と フレッド が 急き込んで 聞いた 。
「わたし が 押収した の は せいぜい 、縮む 鍵 数個 と 、噛みつく やかん が 一個 だけ だった 」ウィーズリー 氏 は あくびをした 。
「かなり すごい の も 一つ あった が 、わたし の 管轄 じゃなかった 。 モートレイク が 引っ張られ て 、なにやら ひどく 奇妙な イタチ の こと で 尋問 を 受ける ことに なった が 、ありゃ 、実験的 呪文 委員会 の 管轄 だ 。 やれやれ ...... 」
「鍵 なんか 縮む ように して 、なんに なる の ?」ジョージ が 聞いた 。
「マグル を からかう 餌 だ よ 」ウィーズリー 氏 が また ため息 を ついた 。 「マグル に 鍵 を 売って 、いざ 鍵 を 使う とき に は 縮んで 鍵 が 見つからない ように してしまう んだ ......もちろん 、犯人 を 挙げる こと は 至極 難しい 。 マグル は 鍵 が 縮んだ なんて 誰 も 認め ない し ――連中 は 鍵 を 失くした って 言い張る んだ 。 まったく おめでたい よ 。 魔法 を 鼻先 に 突きつけられたって 徹底的 無視 しよう と する んだ から ......。 しかし 、我々 の 仲間 が 魔法 を かけた 物 と きたら 、まったく 途方もない 物 が ――」
「たとえば 車 なんか ? 」
ウィーズリー 夫人 が 登場 した 。 長い 火掻き棒 を 刀 の ように 構えて いる 。 ウィーズリー 氏 の 目 が パッチリ 開いた 。 奥さん を バツ の 悪そうな 目 で 見た 。
「モリー 、母さん や 。 く 、 くるま と は ? 」
「ええ 、アーサー 、その くるま です 」ウィーズリー 夫人 の 目 は ランラン だ 。 「ある 魔法使い が 錆 ついた おんぼろ 車 を 買って 、奥さん に は 仕組み を 調べる ので 分解する と なんか とか 言って 実は 呪文 を かけて 車 が 飛べる ように した 、と いう お話 が あります わ 」ウィーズリー 氏 は 目 を パチクリ した 。 「ねえ 、母さん 。 わかって もらえる と 思う が 、それ を やった 人 は 法律 の 許す 範囲 で やっている んで 。 ただ 、えー 、その 人 は むしろ 、えへん 、奥さん に 、なんだ 、それ 、ホントの こと を ......、法律 という の は 知って の 通り 、抜け穴 が あって ......その 車 を 飛ばす つもり が なければ 、その 車 が たとえ 飛ぶ 能力 を 持って いた と しても 、それ だけ で は ――」
「アーサー ・ウィーズリー 。 あなた が 法律 を 作った とき に 、しっかり と 抜け穴 を 書き込んだ んでしょう !申し上げます が 、ハリー が 今朝 到着しました よ 。 あなた が 飛ばす つもり が ない と 言った 車 で ね !」
「ハリー ?」ウィーズリー 氏 は ポカンと した 。 「どの ハリー だ ね ?」ぐるり と 見渡して ハリー を 見つける と 、ウィーズリー 氏は 飛び上がった 。 「なんと まあ 、ハリー ・ポッター 君 かい ?よく 来て くれた 、ロン が いつも 君 の こと を ――」「あなた の 息子たち が 、昨夜 ハリー の 家 まで 車 を 飛ばして また 戻って きた んです !」ウィーズリー 夫人は 怒鳴り 続けた 。
「何か おっしゃりたい こと は あり せん の 。 え ?」
「やった の か ?」ウィーズリー 氏 は ウズウズ していた 。 「うまく いった の か ?つ 、つまり だ ――」
ウィーズリー 夫人 の 目 から 火花 が 飛び散る の を 見て 、ウィーズリー 氏 は 口ごもった 。
「そ 、それ は 、おまえたち 、イカン ――そりゃ 、絶対 イカン ――」
「二人 に やらせとけば いい 」
ウィーズリー 夫人 が 大きな 食用 蛙 の ように 膨れ上がった の を 見て 、ロン が ハリー に ささやいた 。
「来い よ 。 僕 の 部屋 を 見せよう 」
二人は 台所を 抜け出し 、狭い 廊下を 通って 凸凹の 階段に たどり着いた 。 階段は ジグザグと 上の方に 伸びていた 。 三階目の 踊り場の ドアが 半開きに なっていて 、中から 明るい とび色の 目が 二つ 、ハリーを 見つめていた 。 ハリーが チラッと 見る か みない うちに ドアは ピシャッと 閉じてしまった 。
「ジニー だ 」ロン が 言った 。 「妹 が こんなに シャイ な の も おかしい んだ よ 。 いつも なら おしゃべり ばかり して る のに ―― 」
それから 二つ 三つ 踊り場 を 過ぎて 、ペンキ の 剥げかけた ドア に たどり着いた 。 小さな 看板 が 掛かり 、「ロナルド の 部屋 」と 書いて あった 。
中に 入る と 、切妻 の 斜め 天井 に 頭 が ぶつかり そうだった 。 ハリー は 目 を しばたたいた 。 まるで 炉 の 中 に 入り込んだ ように 、ロン の 部屋 の 中 は ほとんど 何もかも 、ベッドカバー 、壁 、天井 まで も 、燃える ような オレンジ色 だった 。 よく 見る と 、粗末な 壁紙 を 隅 から 隅 まで びっしり と 埋め尽くして 、ポスター が 貼ってる 。 どの ポスター に も 七 人 の 魔法使い の 男女 が 、鮮やかな オレンジ色 の ユニフォーム を 着て 、箒 を 手 に 、元気よく 手 を 振っていた 。
「ごひき い の クィディッチ ・チーム かい ?」
「チャドリー ・キャノンズ さ 」
ロン は オレンジ色 の ベッド カバー を 指差した 。 黒々 と 大きな C の 文字 が 二つ と 風 を きる 砲丸 の 縫い取り が して ある 。 「ランキング 九位 だ 」
呪文 の 教科書 が 、隅 の 方 に グシャグシャ と 詰まれ 、その 脇 の マンガ の 本 の 山 は 、みんな 「マッド な マグル 、マーチン ・ミグズ の 冒険 」シリーズ だった 。 ロン の 魔法 の 杖 は 窓枠 の ところ に 置かれ 、その 下 の 水槽 の 中 は びっしり と 蛙 の 卵 が ついている 。 その 脇 で 、太っちょ の 灰色 ねずみ 、ロン の ペット の スキャバーズ が 日溜り で スースー 眠って いた 。 床 に 置かれた 「勝手に シャッフル する トランプ を またいで 、ハリー は 小さな 窓 から 外 を 見た 。 ずーっと 下 の 方 に 広がる 野原 から 、庭 小人 の 群れ が 一匹 また 一匹 と 垣根 を くぐって こっそり 庭 に 戻って くる の が 見えた 。 振りかえると ロンが 緊張気味に ハリーを 見ていた 。 ハリーが どう 思っている のか を 気にしている ような 顔だ 。
「ちょっと 狭い けど 」ロンが 慌てて 口を 開いた 。
「君の マグルの と この 部屋 みたいじゃ ない けど 、それに 、僕の 部屋 、屋根裏 お化け の 真下 だし 、あいつ 、しょっちゅう パイプを 叩いたり 、うめいたり するんだ ......」
ハリーは 思いっきり ニッコリ した 。
「僕 、こんな 素敵な 家は 生まれて 初めて だ 」
ロンは 耳元を ポッと 紅らめた 。