12.2.2ポリジュース 薬 -ThePolyjuicePotion
ハリー が 耳 を 掻く と ゴイル も 掻いた 。
ロン の 戸 が 開いた 。 二 人 は 互いに ジロジロ 見た 。
ちょっと 青ざめて ショック を 受けた 様子 を 別に すれば 、鍋 底 カット の 髪型 も ゴリラ の ように 長い 手 も 、ロン は クラップ そのもの だった 。
「おっどろ いた なあ 」 鏡 に 近寄り 、クラップ の ぺちゃんこ の 鼻 を 突っつき ながら ロン が 繰り返し 言った 。 「おっど ろ いた なあ 」「急いだ 方 が いい 」ハリー は ゴイル の 太い 手首 に 食い込んで いる 腕時計 の バンド を 緩め ながら 言った 。 「スリザリン の 談話室 が どこに ある か 見つけ ない と 。 誰 か の あと を つけられれば いいん だけ ど ......」 ハリー を じっと 見つめて いた ロン が 言った 。 「ねえ 、ゴイルが なんか 考えてる のって 気味悪い よな 」ロンは ハーマイオニーの 戸を ドンドン 叩いた 。 「出てこいよ 。 行かなくちゃ ......」
甲高い 声 が 返って きた 。
「わたし ――わたし 行けない と 思う わ 。 二 人 だけ で 行って 」
「ハーマイオニー 、ミリセント ・ブルストロード が ブス な の は わかって る よ 。 誰 も 君 だって こと 、 わかりゃ しない 」
「ダメ ――ほんとに ダメ ――行け ない わ 。 二人 とも 急いで 。 時間 を むだに し ないで 」
ハリー は 当惑 して ロン を 見た 。
「その 目つき の 方 が ゴイル らしい や 」ロン が 言った 。
「先生 が やつ に 質問 する と 、必ず そんな 目 を する 」
「ハーマイオニー 、大丈夫な の ?」ハリー が ドア 越しに 声 を かけた 。
「 大丈夫 ...... わたし は 大丈夫だ から ...... 行って ...」
ハリー は 腕 時計 を 見た 。 貴重な 六十 分 の うち 、 五 分 も たって しまって いた 。
「 あと で ここ で 会おう 。 いいね ? 」ハリー が 言った 。
ハリー と ロン は トイレ の 入り口 の 戸 を そろそろと 開け 、周り に 誰 も いない ことを 確かめて から 出発した 。 「腕 を そんなふうに 振っちゃ ダメだ よ 」ハリー が ロン に ささやいた 。
「 えっ!」「 クラップって 、 こんなふうに 腕 を 突っ張ってる ......」「 こうかい ?」「 ウン 、 その方 が いい 」 二人 は 大理石 の 階段 を 下りて 行った 。 あと は 、 誰 か スリザリン 生 が 来れば 、 談話 室 まで つい て いけば いい 。 しかし 、 誰 も いない 。 「なんか いい 考え は ない ?」 ハリー が ささやいた 。
「スリザリン 生 は 朝食 の とき 、いつも あの 辺 から 現れる な 」
ロン は 地下牢 へ の 入口 あたりを 顎で しゃくった 。 その 言葉が 終わらない うちに 、長い 巻き毛 の 女子生徒 が 、その 入口から 出てきた 。
「すみません 」ロンが 急いで 彼女に 近寄った 。
「僕たちの 談話室 への 道を 忘れちゃった 」「なんで すって !」そっけない 返事が 返ってきた 。 「僕たち の 談話室 で すって !わたし 、レイブンクロー よ 」
女子 生徒 は うさんくさ そうに 二人 を 振り返り ながら 立ち去った 。
ハリー と ロン は 急いで 石段 を 下りて いった 。
下 は 暗く 、クラップ と ゴイル の デカ 足 が 床 を 踏む ので 足音 が ひときわ 大きく こだました ――思った ほど 簡単じゃない ――二人 は そう 感じていた 。
迷路 の ような 廊下 には 人影 も なかった 。 二 人 は 、あと 何分 ある か と しょっちゅう 時間 を 確認 しながら 、奥 へ 奥 へ と 学校 の 地下 深く 入って いった 。
十五 分 も 歩いて 、二人 が あきらめ かけた とき 、急に 前 の 方 で 何か 動く 音 が した 。 「オッ !」ロンが 勇みたった 。
「今度こそ 連中 の 一人 だ !」
脇 の 部屋 から 誰か 出てきた 。 しかし 、急いで 近寄ってみる と 、がっくりした 。
スリザリン 生 では なく 、パーシー だった 。
「 こんな ところ で なんの 用 だい ?」 ロン が 驚いて 聞いた 。
パーシーは むっとした 様子だ 。 そっけない 返事を した 。
「そんな こと 、君の 知った こと じゃない 。 そこ に いる の は クラップ だ な ? 」
「エー ああ 、ウン 」ロン が 答えた 。
「それ じゃ 、自分 の 寮 に 戻り たまえ 」パーシー が 厳しく 言った 。
「このごろ は 暗い 廊下 を うろうろ して いる と 危ない 」
「自分 は どう な んだ 」と ロン が 突ついた 。
「僕 は 」パーシー は 胸 を 張った 。
「監督 生 だ 。 僕 を 襲う もの は 何も ない 」。
突然 、ハリー と ロン の 背後 から 声 が 響いた 。 ドラコ ・ マルフォイ が こっち へ やってくる 。
ハリー は 生まれて 初めて 、ドラコ に 会えて 嬉しい と 思った 。
「おまえたち 、こんな ところ に いた の か 」マルフォイ が 二人 を 見て 、いつも の 気取った 言い方 を した 。
「二人とも 、今まで 大広間 で バカ食い していた のか ?ずっと 探していた んだ 。 すごく おもしろい 物 を 見せて やろう と 思って 」
マルフォイは パーシーを 威圧する ように にらみつけた 。
「ところで 、ウィーズリー 、こんな ところで なんの 用だ ?」マルフォイが せせら笑った 。
パーシー は カンカンに なった 。
「監督 生 に 尐し は 敬意 を 示したら どうだ !君 の 態度 は 気にくわん !」
マルフォイ は フンと 鼻で あしらい 、ハリー と ロン に ついてこい と 合図した 。
ハリー は もう 尐し で パーシー に 謝りそうに なったが 、危うく 踏みとどまった 。
二人は マルフォイの あとに 続いて 急いだ 。 角を 曲がって 次の 廊下に 出ると き 、マルフォイが 言った 。
「 あの ピーター ・ ウィーズリー の やつ ――」
「 パーシー 」 思わず ロン が 訂正 した 。
「なんでも いい 」と マルフォィ 。
「あいつ 、どうも このごろ かぎ 回って いる ようだ 。 何が 目的 なのか 、僕には わかってる 。 スリザリン の 継承者 を 、一人で 捕まえよう と 思ってる んだ 」
マルフォイ は 嘲る ように 短く 笑った 。 ハリー と ロン は ドキドキ して 目 と 目 を 見交わした 。
湿った むき出しの 石 が 並ぶ 壁 の 前 で マルフォイ は 立ち止まった 。 「新しい 合言葉 は なんだった かな ?」マルフォイ は ハリー に 聞いた 。
「 えー と ――」「 あ 、 そうそう ―― 純血 !」 マルフォイ は 答え も 開か ず に 合言葉 を 言った 。 壁に 隠された 石の 扉が するすると 開いた 。 マルフォイが そこを 通り 、ハリーと ロンが それに 続いた 。 スリザリンの 談話室は 、細長い 天井の 低い 地下室で 、壁と 天井は 粗削りの 石造りだった 。
天井 から 丸い 緑がかった ランプ が 鎖 で 吊るして ある 。 前方 の 壮大な 彫刻 を 施した 暖炉 で は パチパチと 火 が はじけ 、その 周り に 、彫刻 入り の 椅子 に 座った スリザリン 生 の 影 が いくつか 見えた 。 「ここ で 待っていろ 」マルフォイ は 暖炉 から 離れた ところ に ある 空の 椅子 を 二人 に 示した 。
「今 持ってくる よ ――父上 が 僕 に 送ってくれた ばかり なんだ ――」
いったい 何 を 見せて くれる のか と いぶかり ながら 、ハリー と ロン は 椅子 に 座り 、できる だけ くつろいだ ふう を 装った 。
マルフォイ は 間もなく 戻って きた 。 新聞 の 切り抜き の ような 物 を 持って いる 。 それ を ロン の 鼻先 に 突き出した 。
「これ は 笑える ぞ 」マルフォイ が 言った 。 ハリー は ロン が 驚いて 目 を 見開いた の を 見た 。 ロン は 切り抜き を 急いで 読み 、無理に 笑って それ を ハリー に 渡した 。 「日 刉 予言 者 新聞 」の 切り抜き だった 。
魔法 省 で の 尋問
マグル 製品 不正 使用 取締 局 、局長 の アーサー ・ウィーズリー は マゲル の 自動車 に 魔法 を かけた かどで 、
今日 、金貨 五十 ガリオン の 罰金 を 言い渡さ れた 。
ホグワーツ 魔法 魔術 学校 の 理事 の 一人 、ルシウス ・マルフォイ 氏 は 、今日 、ウィーズリー 氏 の 辞任 を 要求 した 。
なお 、問題 の 車 は 先ごろ 前述 の 学校 に 墜落 している 。
「ウィーズリー は 魔法 省 の 評判 を 貯めた 」マルフォイ 氏 は 当社 の 記者 に こう 語った 。
「氏 は われわれ の 法律 を 制定 する に ふさわしくない こと は 明らかで 、彼 の 手 に なる バカバカしい
『マグル 保護 法 』は ただちに 廃棄 すべき である 」ウィーズリー 氏 の コメント は 取る ことが できなかった が 、彼 の 妻 は 記者団 に 対し 、「とっとと 消え ない と 、家 の 屋根裏 お化け を けしかける わよ 」と 発言 した 。
「どう だ !」ハリー が 切り抜き を 返す と 、マルフォイ は 待ちきれない ように 答え を 促した 。
「おかしい だろう !」
「ハッ 、ハッ 」ハリー は 沈んだ 声 で 笑った 。
「アーサー ・ウィーズリー は あれほど マグル ぴいき な んだ から 、杖 を 真っ二つ に へし折って マグルの 仲間 に 入れば いい 」マルフォイ は 蔑む ように 言った 。
「ウィーズリー の 連中 の 行動 を 見て みろ 。 ほんとに 純血 か どうか 怪しい もん だ 」
ロン の ――いや 、クラップ の ――顔 が 怒り で 歪んだ 。
「クラップ 、どうかした か ?」マルフォイ が ぶっきらぼうに 聞いた 。
「 腹 が 痚 い 」 ロン が うめいた 。
「ああ 、それなら 医務室に 行け 。 あそこに いる 『穢れた 血 』の 連中を 、僕から だと 言って 蹴っ飛ばして やれ 」マルフォイが クスクス 笑いながら 言った 。 「 それにしても 、『 日 刉 予言者 新聞 』 が 、 これ まで の 事件 を まだ 報道 して いない の に は 驚く よ 」 マルフォイ が 考え 深 げ に 話し 続けた 。 「たぶん 、ダンブルドア が 口止め して る んだろう 。 こんな こと が すぐに も お 終い に ならない と 、彼 は クビ に なる よ 。 父上 は 、ダンブルドア が いる こと が 、この 学校 に とって 最悪 の 事態 だ と 、いつも おっしゃって いる 。 彼 は マグル びいき だ 。 きちんと した 校長 なら 、あんな クリービーー みたいな くず の おべんちゃら を 、絶対 入学 させたり は しない 」
マルフォイ は 架空の カメラ を 構えて 写真 を 撮る 格好 を し 、コリン そっくり の 残酷な 物まね を し はじめた 。
「ポッター 、写真 を 撮って も いい かい ?ポッター 、サイン を もらえる かい ?君 の 靴 を なめて も いい かい ?ポッター ?」
マルフォイ は 手 を パタリ と 下ろして ハリー と ロン を 見た 。
「二人 とも 、いったい どうした んだ !」
もう 遅 過ぎた が 、二人 は 無理やり 笑い を ひねり出した 。
それ でも マルフォイ は 満足 した ようだった 。 たぶん 、クラップ も ゴイル も いつも これ くらい 鈍い のだろう 。
「聖 ポッター 、『穢れた 血 』の 友 」マルフォイ は ゆっくりと 言った 。
「あいつ も やっぱり まともな 魔法使い の 感覚 を 持って いない 。 そう でなければ あの 身のほど 知らず の グレンジャー ・ハーマイオニー なんか と つき合ったり しない はずだ 。 それなのに 、みなが あいつ を スリザリン の 継承者 だ なんて 考えて いる ! 」
ハリー と ロン は 息 を 殺して 待ち構えた 。 あと ちょっと で マルフォイ は 自分 が やった と 口 を 割る 。
しかし 、その とき ――「いったい 誰 が 継承者 な の か 僕 が 知って たら なあ 」マルフォイ が じれった そうに 言った 。 「手伝って やれる のに 」ロン は 顎 が カクン と 開いた 。 クラップ の 顔 が いつも より もっと 愚鈍 に 見えた 。 幸い マルフォイ は 気づか ない 。 ハリー は すばやく 質問 した 。 「誰 が 陰 で 糸 を 引いてる の か 、君 に 考え が ある んだろう ......」「いや 、ない 。 ゴイル 、何度も 同じ ことを 言わせる な 」
マルフォイ が 短く 答えた 。
「それに へ 父上 は 前回 『部屋 』が 開かれた とき の こと も 、まったく 話して くださらない 。 もっとも 五十 年 前 だ から 、 父上 の 前 の 時代 だ 。 でも 、 父上 は すべて ご存知 だ し 、 すべて が 沈黙 さ せられて いる から 、 僕 が その こと を 知り 過ぎて いる と 怪しま れる と おっしゃる ん だ 。 でも 、一つだけ 知っている 。 この前 『秘密の部屋』が開かれたとき、『穢れた血』が一人死んだ。 だから 、今度も 時間の 問題だ 。 あいつら の うち 誰か が 殺される 。 グレンジャー だ と いい のに 」
マルフォイ は 小気味よ さ そうに 言った 。 ロン は クラップ の 巨大な 拳 を 握りしめて いた 。 ロン が マルフォイ に パンチ を 食らわしたら 、正体 が ばれて しまう 、と ハリー は 目 で 警戒 信号 を 送った 。
「 前 に 『部屋 』を 開けた 者 が 捕まった か どうか 、知ってる ?」ハリー が 聞いた 。
「ああ 、ウン ......誰 だった に せよ 、追放 された 」と マルフォイ が 答えた 。
「たぶん 、まだ アズカバン に いる だろう 」
「アズカバン ?」ハリー は キョトン と した 。
「アズカバン ――魔法使い の 牢獄 だ 」マルフォイ は 信じられない と いう 目つき で ハリー を 見た 。 「まったく 、ゴイル 、おまえ が これ 以上 うす の ろ だったら 、後ろ に 歩き はじめる だろう よ 」
「父上 は 、僕 が 目立たない ように して 、スリザリン の 継承者 に やる だけ やらせて おけって おっしゃる 。 この 学校 には 『穢れた 血 』の 粛清 が 必要 だって 。 でも 関わり合い に なる なって 。 もちろん 、父上 は 今 、自分 の 方 も 手一杯 なんだ 。 ほら 、魔法省 が 先週 、僕たち の 館 を 立入り 検査 した だろう ?」マルフォイ は 椅子 に 座った まま 落ち着かない 様子 で 体 を 揺すった 。
ハリー は ゴイル の 鈍い 顔 を なんとか 動かして 心配 そうな 表情 を した 。
「 そう な ん だ ...!」 と マルフォィ 。
「幸い 、たいした 物 は 見つから なかった けど 。 父上 は 非常に 貴重な 闇 の 魔術 の 道具 を 持って いる んだ 。 忚接 間 の 床下 に 我が家 の 『秘密の 部屋 』が あって ―― 」
「ホー ! 」ロン が 言った 。 マルフォイ が ロン を 見た 。 ハリー も 見た 。 ロン が 赤く なった 。 髪 の 毛 まで 赤く なった 。
鼻 も だんだん 伸びて きた ――時間切れ だ 。 ロン は 自分 に 戻り つつ あった 。 ハリー を 見る ロン の 目 に 急に 恐怖 の 色 が 浮かんだ の は 、 ハリー も そう だ から に 違いない 。 二 人 は 大急ぎ で 立ち 上がった 。
「 胃薬 だ 」 ロン が うめいた 。
二 人 は 振り向き も せ ず 、 スリザリン の 談話室 を 端 から 端 まで 一目散に 駆け抜け 、 石 の 扉 に 猛然と 体当たり し 、 廊下 を 全力 疾走した 。
――なにとぞ マルフォイ が なんにも 気づきません ように ――と 二人 は 祈った 。 ハリー は ゴイル の ダポ 靴 の 中 で 足 が ズルズル 滑る の を 感じた し 、自分 が 縮んで 行く ので 、ローブ を たくし上げ なければ ならなかった 。
二人 は 階段 を ドタバタ と 駆け上がり 、暗い 玄関 ホール に たどり着いた 。
クラップ と ゴイル を 閉じ込めて 鍵 を 掛けた 物置 の 中 から 、激しく ドンドン と 戸 を 叩く こもった 音 が している 。 物置 の 戸 の 外側 に 靴 を 置き 、ソックス の まま 全速力 で 大理石 の 階段 を 上り 、二人 は 「嘆き の マートル 」の トイレ に 戻った 。
「まあ 、まったく 時間 の ムダ に は ならなかった よ な 」ロン が ぜいぜい 息 を 切らし ながら 、トイレ の 中 から ドア を 閉めた 。
「襲って いる の が 誰 な の か は まだ わから ない けど 、明日 パパ に 手紙 を 書いて マルフォイ の 忚接間 の 床下 を 調べる ように 言おう 」
ハリー は ひび割れた 鏡 で 自分 の 顔 を 調べた 。 普段 の 顔 に 戻って いた 。 メガネ を かけて いる と 、ロン が ハーマイオニー の 入って いる 小部屋 の 戸 を ドンドン 叩いて いた 。
「ハーマイオニー 、出て こい よ 。 僕たち 君 に 話す こと が 山ほど ある んだ ――」
「帰って !」ハーマイオニー が 叫んだ 。
ハリー と ロン は 顔 を 見合わせた 。
「どうし たんだい !」ロン が 聞いた 。
「もう 元 の 姿 に 戻った はずだ ろ 。 僕たち は ......」
「 嘆き の マートル 」 が 急に する り と その 小 部屋 の 戸 から 出て きた 。
こんなに 嬉し そうな マートル を 、 ハリー は 初めて 見た 。
「 き ゃは は は は は ! 見て の お楽しみ 」 マートル が 言った 「 ひどい から !」
閂 が 横 に 滑る 音 が して 、ハーマイオニー が 出てきた 。 しゃくりあげ 、頭 の てっぺん まで ローブ を 引っ張り上げて いる 。
「どう した んだ よ ?」ロン が ためらい ながら 聞いた 。 「ミリセント の 鼻 か なんか 、まだ くっついてる の かい !」ハーマイオニー は ローブ を 下げた 。 ロン が のけぞって 手洗い 台 に はまった 。
ハーマイオニー の 顔 は 黒い 毛 で 覆わ れ 、目 は 黄色 に 変わって いた し 、髪 の 毛 の 中 から 、長い 三角 耳 が 突き出して いた 。
「あれ 、ね 、猫 の 毛 だった の !」ハーマイオニー が 泣き 喚いた 。
「ミ 、ミ リ セント ・ブルストロード は 猫 を 飼って た に 、ち 、違いない わ !それに 、この せ 、煎じ 薬 は 動物 変身 に 便っちゃ いけない の !」「う 、ぁ 」と ロン 。 「あんた 、ひどく からかわれる わよ 」マートル は 嬉しそうだ 。
「大丈夫 だよ 、ハーマイオニー 」ハリー は 即座に 言って ハーマイオニー の 猫 の 肉球 に なった 手 を とった 。
「 医務 室 に 連れて 行って あげる よ 。 マダム ・ ポンフリー は うるさく 追及 し ない人 だし ......」 ハーマイオニー に トイレ から 出る よう 説得 する のに 、 ずいぶん 時間 が かかった 。
「嘆きの マートル」がゲラゲラ大笑いして三人を煽りたて、マートルの言葉に追われるように、三人は足を速めた。
「 みんな が あんた の 尻尾 を 見つけて 、 な ー ん て 言う かしら ー !」