11.2 決闘 クラブ -TheDuelingClub
ハリー は その 夜 、何時間も 寝つけなかった 。
四本柱の ベッドの カーテンの 隙間から 、寮塔の 窓の 外を 雪が ちらつきはじめたのを 眺めながら 、思いに ふけった 。 ――僕 は サラザール ・スリザリン の 子孫 なのだろうか ?――ハリーは 結局 父親の 家族の ことは 何も 知らなかった 。
ダーズリー 一家 は 、ハリー が 親戚 の 魔法使い の こと を 質問 する の を 、一切 禁止 した 。
ハリー は こっそり 蛇 語 を 話そう と した 。 が 、言葉 が 出て こなかった 。
ヘビ と 顔 を 見合わせ ない と 話せ ない らしい 。 ――でも 、僕 は グリフィンドール 生 だ 。
僕 に スリザリン の 血 が 流れて いたら 、「 組 分け 帽子 」 が 僕 を ここ に 入れ なかった はずだ ......。
「フン 」頭 の 中 で 意地悪な 小さい 声 が した 。 「しかし 、『組分け帽子 』は 君 を スリザリン に 入れよう と 思った 。 忘れた の かい ?」
ハリー は 寝返り を 打った ――明日 、薬草学 で ジャスティン に 会う 。 その とき に 説明 する ん だ 。
僕 は ヘビ を けしかけて た のじゃなく 、攻撃 を やめ させて たん だって 。 ――どんな バカ だって 、その ぐらい わかる はずじゃないか ――腹が たって 、ハリーは 枕を 拳で 叩いた 。 しかし 、翌朝 、前夜に 降り出した 雪が 大吹雪に なり 、学期 最後の 薬草学の 授業は 休講に なった 。 スプラウト 先生が マンドレイクに 靴下を はかせ 、マフラーを 巻く 作業を しなければならない からだ 。 厄介な 作業なので 、他の 誰にも 任せられない らしい 。 特に 今 は 、ミセス ・ノリス や コリン ・クリービー を 蘇生 させる ため 、マンドレイク が 一刻 も 早く 育って くれる こと が 重要 だった 。
グリフィンドール の 談話室 の 暖炉 の そば で 、ハリー は 休講 に なってしまった こと で 、イライラ していた 。
ロン と ハーマイオニー は 、空いた 時間 を 、魔法 チェス を して 過ごして いた 。
「ハリー 、あの ね 」ロン の ビショップ が 、ハーマイオニー の ナイト を 馬 から 引きずり 降ろして 、チェス 盤 の 外 まで ズルズル 引っ張って 行った とき 、ハリー の 様子 を 見かねた ハーマイオニー が 言った 。
「 そんなに 気 に なる ん だったら 、 こっち から ジャスティン を 探し に 行けば いい じゃない 」
ハリーは 立ち上がり 、ジャスティンは どこに いるか なと 考えながら 、肖僕画の 穴から 外に 出た 。
昼だ というのに 、窓という 窓の 外を 、灰色 の 雪が 渦巻くように 降っていたので 、城の 中は いつもより 暗かった 。
寒さに 震え 、ハリーは 授業中の クラスの 物音を 聞きながら 歩いた 。
マクゴナガル 先生 は 誰 か を 叱りつけて いた 。 どうやら 誰 か が クラスメート を アナグマ に 変え て しまった らしい 。
ハリー は 覗いて みたい 気持 を 押さえて 、 そば を 通り過ぎた 。 ジャスティン は 空いた 時間 に 授業 の 遅れ を 取り戻そう と している かも しれない 、と 思いつき 、ハリー は 図書館 を チェック して みる こと に した 。
薬草学 で 一緒に なる はずだった ハッフルパフ 生 たちが 、思った 通り 図書館 の 奥 の 方 で 固まっていた 。 しかし 、勉強 している 様子 では ない 。 背 の 高い 本棚 が ずらり と 立ち並ぶ 間 で 、みんな 額 を 寄せ合って 、夢中で 何か を 話している ようだった 。
ジャスティン が その 中 に いる か どうか 、ハリー に は 見え なかった 。
みんな の 万 に 歩いて 行く 途中 で 、話 が 耳 に 入った 。 ハリー は 立ち止まり 、ちょうど 「隠れ 術 」の 本 が 並ぶ 本棚 の ところ に 隠れて 耳 を すませた 。
「だから さ 」太った 男の子 が 話して いる 。
「僕 、ジャスティン に 言った んだ 。 自分 の 部屋 に 隠れて ろって 。 つまり さ 、もし ポッター が 、あいつ を 次の 餌食 に 狙ってる んだったら 、しばらく は 目立たない ように してる のが 一番 いい んだよ 。 もちろん 、あいつ 、うっかり 自分 が マグル 出身 だ なんて ポッター に 漏らし ちゃった から 、いつか は こう なる んじゃないかって 思ってた さ 。 ジャスティン の やつ 、イートン 校 に 入る 予定 だった なんて 、ポッター に しゃべっち まったん だ 。 そんな こと 、スリザリン の 継承者 が うろついてる とき に 、言いふらす べき こと じゃない よ な ?」
「じゃ 、アーニー 、あなた 、 絶対 に ポッター だって 思ってる の ?」
金髪 を 三つ 編み に した 女の子 は もどかしげ に 聞いた 。
「ハンナ 」太った 子 が 重々しく 言った 。
「彼 は パーセルマウス だ ぜ 。 それ は 闇 の 魔法使い の 印 だって 、みんな が 知ってる 。 ヘビ と 話 が できる まともな 魔法使い なんて 、聞いた こと が ある かい ?スリザリン 自身 の こと を 、みんな が 『蛇舌 』って 呼んで た ぐらい なんだ 」ザワザワ と 重苦しい ささやき が 起こり 、アーニー は 話し 続けた 。 「壁 に 書かれた 言葉 を 覚えてる か !『継承者 の 敵 よ 、気 を つけよ 』ポッター は フィルチ と なんか ごたごた が あったんだ 。 そして 気が つくと 、フィルチ の 猫 が 襲われて いた 。 あの 一年坊主 の クリービー は 、クィディッチ 試合 で ポッター が 泤 の 中 に 倒れてる とき 写真 を 撮りまくって 、ポッター に 嫌がられた 。 そして 気が つくと 、クリービー が やられて いた 」
「でも 、ポッター つて 、いい 人 に 見える けど 」ハンナ は 納得 できない 様子 だ 。
「それに 、ほら 、彼が 『例の あの 人』を消したのよ。 そんなに 悪人 である はずが ないわ 。 どう ?」
アーニーは わけありげに 声を 落とし 、ハッフルパフ生は より 近々 と 額を 寄せ合った 。
ハリー は アーニー の 言葉 が 聞き取れる ように 近く まで にじり寄った 。
「ポッター が 『例の あの 人 』に 襲われて も どうやって 生き残った の か 、誰 も 知らない んだ 。 つまり 、事 が 起こった とき 、ポッター は ほんの 赤ん坊 だった 。 木っ端微塵 に 吹き飛ばされて 当然 さ 。 それ ほど の 呪い を 受けて も 生き残る こと が できる のは 、ほんとうに 強力な 『闇の 魔法使い 』だけ だよ 」
アーニー の 声 が さらに 低く なり 、ほとんど 耳打ち して いる ようだ 。
「だからこそ 、『例の あの 人 』が 初めっから 彼 を 殺し たかった んだ 。 闇の 帝王 が もう 一人 いて 、競争 に なる の が 嫌だった んだ 。 ポッター の やつ 、いったい 他 に どんな 力 を 隠して る んだ ろう ?」
ハリー は もう これ 以上 我慢 でき なかった 。
大きく 咳払い して 、本棚 の 陰 から 姿 を 現した 。
カンカン に 腹 を たてて いなかったら 、不意 を 突かれた みんな の 様子 を 見て 、ハリー は きっと 滑稽だ と 思った だろう 。
ハリー の 姿 を 見た 途端 、ハッフルパフ 生 は いっせいに 石 に なった ように 見えた 。
アーニー の 顔 から サーッ と 血の気 が 引いた 。
「や あ 」ハリー が 声 を かけた 。
「僕 、ジャスティン ・フィンチ ・フレッチリー を 探して る んだ けど ......」
ハッフルパフ 生 の 恐れて いた 最悪の 事態 が 現実 の もの に なった 。 みんな 、こわごわ 、アーニー の 方 を 見た 。
「あ ・あいつ に なんの 用 なんだ ?」アーニー が 震え 声 で 聞いた 。 「決闘 クラブ で の ヘビ の こと だ けど 、ほんと は 何が 起こった のか 、彼 に 話したい んだ よ 」アーニー は 蒼白 に なった 唇 を 噛み 、深呼吸 した 。 「僕たち みんな あの 場 に いたんだ 。 みんな 、何が 起こった のか 見てた 」「それじゃ 、僕が 話しかけた あとで 、ヘビが 退いた のに 気がついた だろう ?「僕が 見たのは 」アーニーが 、震えている くせに 頑固に 言い酔った 。 「 君 が 蛇語 を 話した こと 、 そして ヘビ を ジャスティン の 方 に 追い立てた こと だ 」「 追いたてたり してない !」 ハリー の 声 は 怒り で 震えて いた 。 「ヘビは ジャスティンを かすりも しなかった !」「もう 尐 しって とこ だった 」アーニーが 言った 。
「それから 、君が 何か 勘ぐってる んだったら 」と 慌てて つけ加えた 。 「言っとく けど 、僕の 家系は 九代 前まで さかのぼれる 魔女と 魔法使いの 家系で 、僕の 血は 誰にも 負けない ぐらい 純血で 、だから ――」「君が どんな 血だろうと かまうもんか 」ハリーは 激しい 口調で 言った 。 「なんで 僕が マグル 生まれの 者を 襲う 必要が ある !」
「君が 一緒に 暮らしている マグルを 憎んでる って 聞いたよ 」アーニーが 即座に 答えた 。 「ダーズリー たち と 一緒に 暮らして いたら 、憎まないで いられる もんか 。 できる ものなら 、君が やってみれば いいんだ 」ハリーが 言った 。
ハリーは 踵を 返して 、怒り狂って 図書館を 出て行った 。
大きな 呪文の 本の 箔押しの 表紙を 磨いていた マダム ・ピンスが 、ジロリと 咎めるような 目で ハリーを 見た 。
ハリー は 、むちゃくちゃに 腹が立って 、自分が どこに 行こうと している のか さえ ほとんど 意識せず 、蹟き ながら 廊下を 歩いた 。
結局 、何か 大きくて 固い 物に ぶつかって 、ハリーは 仰向けに 床に 転がって しまった 。
「あ 、やあ 、ハグリッド 」ハリーは 見上げながら 挨拶した 。
雪に まみれた ウールの バラクラバ 頭巾で 、頭から 肩まで すっぽり 覆われて はいたが 、厚手 木綿の オーバーを 着て 、廊下を ほとんど 全部 ふさいでいる のは 、まざれもなく ハグリッドだ 。 手袋 を した 巨大な 手 の 一万 に 鶏 の 死骸 を ぶら下げている 。
「ハリー 、大丈夫 か ?」ハグリッド は バラクラバ を 引き下げて 話しかけた 。
「おまえ さん 、なんで 授業 に 行か ん の かい ?」
「休講 に なった んだ 」ハリー は 床 から 起き上がり ながら 答えた 。
「ハグリッド こそ 何 して る の ?」ハグリッド は ダラン と した 鶏 を 持ち上げて 見せた 。
「殺られた の は 今 学期 に なって 二 羽 目 だ 。 狐 の 仕業 か 、『 吸 血 お化け 』 か 。 そんで 、校長先生 から 鶏小屋 の 周り に 魔法 を かける お許し を もらわ にゃ 」
ハグリッド は 雪 が まだらに ついた ボサボサ 眉毛 の 下 から 、じっと ハリー を 覗き込んだ 。 「おまえ さん 、ほんとに 大丈夫 か !かっか して 、なんか あった みたいな 顔 し とる が 」
ハリー は アーニー や ハッフルパフ 生 が 、今しがた 自分 の こと を なんと 言って いた か 、口 に する こと さえ 耐えられ なかった 。 「なんでもない よ 」ハリー は そう 答えた 。
「ハグリッド 、僕 、もう 行か なくちゃ 。 次は 変身術 だし 、教科書 取りに 帰らなきゃ 」
その 場を 離れた ものの 、ハリーは まだ アーニーの 言った ことで 頭が いっぱい だった 。
「ジャスティンの やつ 、うっかり 自分が マグル 出身 だなんて ポッターに 漏らしちゃって から 、いつかは こう なる んじゃないかって 思ってた さ ......」ハリーは 階段を 踏み鳴らして 上り 、次の 廊下の 角を 曲がった 。 そこ は 一段と 暗かった 。
はめ込み の 甘い 窓 ガラス の 間 から 、激しく 吹き込む 氷 の ような 隙間風 が 、松明 の 灯り を 消して しまっていた 。
廊下 の 真ん中 あたり まで 来た とき 、床 に 転がっている 何か に もろに 足 を 取られ 、ハリー は 前のめり に つんのめった 。
振り返って いったい 何に 置いた のか 、目を 細めて 見た ハリー は 、途端に 胃袋 が 溶けて しまった ような 気がした 。 ジャスティン ・フィンチ ・フレッテリー が 転がって いた 。
冷たく 、ガチガチに 硬直し 、恐怖の 跡が 顔に こびりつき 、虚ろな 目は 天井を 凝視している 。
その 隣に もう 一つ 、ハリーが 今まで 見たこともない 不可思議な ものが あった 。
「 ほとんど 首 無し ニック 」 だった 。
もはや 透明な 真珠 色 では なり 、黒く 煤けて 、床 から 十五 センチ ほど 上に 、真横に じっと 動かずに 浮いていた 。
首 は 半分 落ち 、顔 には ジャスティン と 同じ 恐怖 が 貼り ついて いた 。
ハリー は 立ち上がった が 、息 は たえだえ 、心臓 は 早打ち 太鼓 の ように 肋僕 を 打った 。
人影 の ない 廊下 の あちらこちら を 、ハリー は 狂った ように 見回した 。
すると 、クモが 二つの 物体から 逃げるように 、一列に なって 、全速力で ガサゴソ 移動している のが 目に 入った 。
物音と いえば 、両側の 教室から ぼんやりと 聞こえる 、先生方の 声 だけ だった 。
逃げようと 思えば 逃げられる 。 ここに ハリーが いた こと など 、誰にも わかりはしない 。
なのに 、ハリー は 二人 を 放っておく ことが できなかった ――助け を 呼ばなければ ......。
でも 、僕 が まったく 関係ない って こと 、信じて くれる 人 が いる だろうか !パニック 状態 で 突っ立っている と 、すぐ そば の 戸 が バーン と 開き 、ポルターガイスト の ビー プズ が シューッ と 飛び出してきた 。 「おや まあ 、ポッツリ 、ポッツン 、チビ の ポッター !」ヒョコヒョコ 上 下 に 揺れ ながら 、ハリー の 脇 を 通り過ぎる とき 、メガネ を 叩いて ずっこけさせ ながら 、ビープズ が 甲高い 声 で はやした 立てた 。 「ポッター 、ここ で 何 してる !ポッター 、どうして ここ に いる ――」
ビープズ は 空中 宙返り の 途中 で ハタ と 止まった 。
逆さま で 、ジャスティン と 「ほとんど 首 無し ニック 」を 見つけた 。
ビープズ は もう 半 回転 して 元 に 戻り 、肺 一杯 に 息 を 吸いこむ と 、ハリー の 止める 間もなく 、大声 で 叫んだ 。
「襲われた !襲われた !またまた 襲われた !生きて て も 死んで て も 、みんな 危ない ぞ !命 からがら 逃げろ !おー そー わー れー たー !」バタン ――バタン ――バタン 。
次々 と 廊下 の 両側 の ドア が 勢い よく 開き 、中 から ドッと 人 が 出てきた 。
それ から の 数 分間 は 長かった 。 大 混乱 の ドタバタ で 、ジャスティン は 踏み潰さ れ そうに なった し 、「ほとんど 首 無し ニック 」の 体 の 中 で 立ちすくむ 生徒たち が 何人 も いた 。 先生 たち が 大声 で 「静かに 」と 怒鳴って いる 中 で 、ハリー は 壁 に ぴったり 磔 に なった ような 格好 だった 。
マクゴナガル 先生 が 走って きた 。
あと に 続いた クラス の 生徒 の 中 に 、白 と 黒 の 縞模様 の 髪 の まま の 子 が 一人 いる 。 マクゴナガル 先生 は 杖 を 使って バーン と 大きな 音 を 出し 、静かに なった ところで 、みんな 自分 の 教室 に 戻る ように 命令した 。 なんとか 騒ぎ が 収まり かけた ちょうど その とき 、ハッフルパフ の アーニー が 息 せき 切って その 場 に 現れた 。
「現行犯 だ !」顔面蒼白 の アーニー が 芝居 の 仕草 の ように ハリー を 指差した 。 「おやめなさい 、マクミラン !」マクゴナガル 先生 が 厳しく たしなめた 。
ビープズ は 上 の 方 で ニヤニヤ 意地の悪い 笑い を 浮かべ 、成り行き を 見ながら ふわふわ している 。
ビープズ は 大混乱 が 好き な のだ 。
先生 たち が かがみ 込んで 、 ジャスティン と 「 ほとんど 首 無し ニック 」 を 調べて いる とき に 、 ビープズ は 突然 歌い だした 。
♪ オー 、 ポッター 、 いやな やつ だ ! いったい おまえ は 何 を した ー
おまえは 生徒を 皆殺し おまえは それが 大 愉快
「お黙り なさい 、ビープズ 」
マクゴナガル 先生 が 一喝 した 。 ビープズ は ハリー に 向かって ベーッ と 舌 を 出し 、スーッ と 後ろ に 引っこむ ように 、ズームアウト して 消えて しまった 。
ジャスティン は 、フリットウィック 先生 と 天文 学科 の シニストラ 先生 が 医務室 に 運んだ 。 「ほとんど 首 無し ニック 」を どうした もの か 、誰 も 思いつかない 。
結局 マクゴナガル 先生 が 何も 無い ところ から 大きな うちわ を 作り上げて 、 それ を アーニー に 持たせ 、「ほとんど 首 無し ニック 」を 階段 の 一番 上 まで 煽り上げる よう 言いつけた 。
アーニー は 言いつけ 通り 、物 言わぬ 黒い ホバークラフト の ような ニック を 煽いで 行った 。
あと に 残さ れた の は マクゴナガル 先生 と ハリー だけ だった 。
「おいで なさい 、ポッター 」
「先生 、誓って 言います 。 僕 、やってません ――」ハリー は 即座に 言った 。 「ポッター 、私 の 手 に 負えない こと です 」マクゴナガル 先生 は そっけない 。
二 人 は 押し黙って 歩いた 。 角 を 曲がる と 、先生 は 途方 も なく 醜い 大きな 石 の 怪獣 僕 の 前 で 立ち止まった 。
「レモン ・キャンデー ! 」
先生 が 言った 。 これ が 合言葉 だった に 違いない 。 怪獣 僕 が 突然 生きた 本物 に なり 、ピョン と 跳んで 脇 に 寄り 、その 背後 に あった 壁 が 左右 に 割れた 。
いったい どう なる こと か と 、恐れ で 頭 が いっぱいだった ハリー も 、怖さ も 忘れて びっくりした 。
壁 の 裏 に は 螺旋 階段 が あり 、エスカレーター の ように 滑らかに 上の方 へ と 動いている 。 ハリー が 先生 と 一緒に 階段 に 乗る と 、二人 の 背後 で 壁 は ドシン と 閉じた 。
二人は クルクルと 螺旋状に 上へ 上へと 運ばれて 行った 。 そして 、 遂に 、 尐 し めまい を 感じ ながら 、 ハリー は 前方 に 輝く ような 樫 の 扉 を 見た 。 扉に グリフィンを かたどった ノック用の 金具が ついている 。 ハリーは どこに 連れて行かれる のか に 気がついた 。 ここ は ダンブルドア の 住居 に 違いない 。