11.1.1 決闘 クラブ -TheDuelingClub
第 11 章 決闘 クラブ -TheDuelingClub
日曜の 朝 、ハリーが 目を覚ますと 、医務室の 中は 冬の 陽射しで 輝いていた 。
腕の 骨は 再生していたが 、まだ こわばった ままだった 。 ハリー は 急いで 起き上がり 、コリン の ベッド の 方 を 見た 。
昨日 ハリー が 着替え を した とき と 同じ ように 、コリン の ベッド も 周り を 丈長 の カーテン で 囲って あり 、外 から は 見え ない ように なって いた 。
ハリー が 起き出した の に 気づいた マダム ・ポンフリー が 、朝食 を お盆 に 載せて 慌しく やってきて 、ハリー の 腕 や 指 の 曲げ伸ばし を 始めた 。
「すべて 順調 」
オートミール を 左手 で ぎ ご ち なり 口 に 運んで いる ハリー に 向かって 、 マダム ・ ポンフリー が 言った 。
「食べ 終わったら 帰って よろしい 」
ハリー は 、ぎこちない 腕 で できる かぎり 速く 着替え を すませ 、グリフィンドール 塔 へ と 急いだ 。
ロン と ハーマイオニー に 、コリン や ドビー の こと を 話し たくて うずうず していた 。
しかし 、二人 は いなかった 。 いったい どこに 行った のだろう 、と 考えながら 、ハリーは また 外に 出たが 、骨が 生えたか どうかを 気にも しなかった のだろうか 、と 尐し 傷ついていた 。
図書館 の 前を 通り過ぎよう とした とき 、パーシー・ウィーズリーが中からふらりと現れた。 この前 出会った とき よく ずっと 機嫌が よさそうだった 。
「ああ 、おはよう 、ハリー 。 昨日 は すばらしい 飛びっぷり だった ね 。 ほんとに すばらしかった 。 グリフィンドール が 寮杯 獲得 の トップ に 躍り出た よ ――君 の おかげで 五〇 点 も 獲得 した !」
「ロン と ハーマイオニー を 見かけ なかった ? 」と ハリー が 開いた 。
「いい や 、見て ない 」パーシー の 笑顔 が 曇った 。
「ロン は まさか また 女子 用 トイレ なんか に いやし ない だろう ね ......」
ハリー は 無理に 笑い声 を あげて 見せた 。
そして 、パーシー の 姿 が 見え なり なる と すぐ 「嘆き の マートル 」の トイレ に 直行 した 。
なぜ ロン と ハーマイオニー が また あそこ へ 行く の か 、わけ が わからなかった が 。
とにかく フィルチ も 監督 生 も 、誰 も 周り に いない こと を 確かめて から トイレ の ドア を 開ける と 、二人 の 声 が 、内鍵 を かけた 小部屋 の 一つ から 聞こえてきた 。 「僕 だ よ 」
ドア を 後ろ手 に 閉め ながら ハリー が 声 を かけた 。
小部屋 の 中 から ゴツン 、パシャ 、ハッと 息 を 呑む 声 が した かと 思う と 、ハーマイオニー の 片目 が 鍵穴 から こっち を 覗いた 。
「ハリー !ああ 、驚か さ ないで よ 。 入って ――腕 は どう !」
「大丈夫 」
ハリー は 狭い 小部屋 に ぎゅうぎゅう 入り込み ながら 答えた 。
古い 大鍋 が 便座 の 上 に チョコン と 置かれ 、パチパチ 音 が する ので 、鍋 の 下 で 火 を 焚いている こと が わかった 。
防水 性 の 持ち 運び できる 火 を 焚 く 呪文 は 、 ハーマイオニー の 十八 番 だった 。
「君に 面会に 行くべきだった んだけど 、先に ポリジュース 薬に 取りかかろう って 決めた んだ 」 ハリーが ぎゅうぎゅう 詰め の 小部屋 の 内鍵を なんとか 掛け直した とき 、ロンが 説明した 。
「ここが 薬を 隠すのに 一番 安全な 場所だと 思って 」
ハリーは コリンの ことを 二人に 話しはじめた が 、ハーマイオニーが それを 遮った 。
「もう 知ってる わ 。 マクゴナガル 先生 が 今朝 、 フリットウィック 先生 に 話してる の を 間 いちゃった の 。 だから 私たち 、すぐに 始めなきゃ って 思った のよ ――」 「マルフォイ に 吐かせる のが 早ければ 早いほど いい 」ロン が 唸る ように 言った 。
「僕 が 何 を 考えてる か 言おう か !マルフォイ の やつ 、クィディッチ の 試合 の あと 、気分 最低 で 、腹いせ に コリン を やった んだ と 思う な 」
「もう 一つ 話 が ある んだ 」
ハーマイオニー が ニワヤナギ の 束 を ちぎって は 、 煎じ 薬 の 中 に 投げ入れて いる の を 眺め ながら 、 ハリー が 言った 。
「夜中 に ドビー が 僕 の ところ に 来た んだ 」
ロン と ハーマイオニー が 驚いた ように 顔 を 上げた 。
ハリー は ドビー の 話した こと と いう より 話して くれ なかった こと を 全部 二人 に 話して 聞かせた 。
ロン も ハーマイオニー も 口 を ポカン と 開けた まま 聞いて いた 。 「『秘密の 部屋 』は 以前 に も 開けられた こと が ある の ?」ハーマイオニー が 聞いた 。 「これ で 決まった な 」ロン が 意気揚々 と 言った 。
「ルシウス ・マルフォイ が 学生 だった とき に 『部屋 』を 開けた に 違いない 。 今度 は 我ら が 親愛 ドラコ に 開け方 を 教えた んだ 。 まちがい ない 。 それにしても 、ドビーが そこに どんな 怪物が いるか 、教えて くれてたら よかったのに 。 そんな 怪物が 学校の 周りを うろうろ してるのに 、どうして 今まで 誰も 気づかなかった のか 、それが 知りたいよ 」 「それ 、きっと 透明に なれる のよ 」ヒルを 突ついて 大鍋の 底の 方に 沈めながら ハーマイオニーが 言った 。
「でなきや 、何かに 変装してる わね ――鎧とか なんかに 。 『カメレオン お化け 』の 話 、読んだ こと ある わ ......」
「ハーマイオニー 、君 、本 の 読み 過ぎ だ よ 」
ロン が ヒル の 上 から 死んだ クサカゲロウ を 、袋 ごと 鋼 に あけ ながら 言った 。
空 に なった 袋 を くしゃくしゃに 丸め ながら 、ロン は ハリー の 方 を 振り返った 。
「それじゃ 、ドビーが 僕たちの 邪魔を して 汽車に 乗れ なり したり へ 君の 腕を へし折ったり したのか ......」ロンは 困ったもんだ 、と いうふうに 首を 振りながら 言った 。
「ねえ 、ハリー 、わかるかい ?ドビーが 君の 命を 救おうと するのを やめない と 、結局 、君を 死なせて しまうよ 」
コリン・クリービーが襲われ、今は医務室に死んだように横たわっているというニュースは、月曜の朝には学校中に広まっていた。
疑心暗鬼が 黒雲のように 広がった 。 一年生 は しっかり 固まって グループ で 城 の 中 を 移動する ように なり 、一人で 勝手に 動くと 襲われる と 怖がっている ようだった 。
ジニー ・ウィーズリー は 「妖精 の 魔法 」の クラス で コリン と 隣 合わせ の 席 だった ので 、すっかり 落ち込んで いた 。 フレッド と ジョージ が 励まそう と した が 、ハリー は 、二人の やり方 では 逆効果 だ と 思った 。
双子 は 毛 を 生やしたり 、おでき だらけ に なったり して 、銅像 の 陰 から 代わりばんこに ジニー の 前 に 飛び出した のだ 。
パーシー が カンカンに 怒って 、ジニー が 悪夢に うなされている と ママに 手紙を 書くぞ と 脅して 、やっと 二人を やめさせた 。
やがて 、先生に 隠れて 、魔よけ 、お守り など 護身用 グッズ の 取引が 、校内で 爆発的に はやりだした 。
ネビル ・ロングボトム は 悪臭の する 大きな 青 たまねぎ 、尖った 紫の 水晶 、腐った イモリの 尻尾を 買い込んだ 。
買って しまった あとで 、他の グリフィンドール 生が ――君は 純血な のだから 襲われる はずは ない ――と 指摘した 。
「最初 に フィルチ が 狙わ れた もの 」丸顔 に 恐怖 を 浮かべて ネビル が 言った 。 「 それ に 、僕 が スクイブ だって こと 、みんな 知ってる んだ もの 」
十二 月 の 第 二 週目 に 、例年 の 通り 、マクゴナガル 先生 が クリスマス 休暇 中 、学校 に 残る 生徒 の 名前 を 調べ に きた 。
ハリー 、ロン 、ハーマイオニー の 三人 は 名前 を 書いた 。
マルフォイ も 残る と 聞いて 、三人 は ますます 怪しい と にらんだ 。 休暇 中 なら 、ポリジュース 薬 を 使って 、マルフォイ を うまく 白状 させる のに 、絶好 の チャンス だ 。
残念 ながら 、煎じ 薬 は まだ 半分 しか でき上がって いない 。 あと 必要な の は 、二角獣 <パイコーン >の 角 と 毒 ツルヘビ の 皮 だった 。 それ を 手 に 入れる こと が できる のは 、ただ 一 カ所 、スネイプ 個人 の 薬棚 しか ない 。
ハリー 自身 は 、スネイプ の 研究室 に 盗み に 入って 捕まる より 、スリザリン の 伝説 の 怪物 と 対決する 方が まだ ましだ と 思えた 。
「必要な のは ――」木曜日 の 午後 の 、スリザリン と の 合同 の 魔法薬 の 授業 が 、だんだん 近づいてきた とき 、ハーマイオニー が きびきび と 言った 。
「気を そらす こと よ 。 そして わたし たち の うち 誰 か 一 人 が スネイプ の 研究 室 に 忍び込み 、必 要 な もの を いただく の 」
ハリー と ロン は 不安げ に ハーマイオニー を 見た 。
「わたし が 実行犯 に なる の が いい と 思う の 」ハーマイオニー は 、平然と 続けた 。
「あなた たち 二人 は 、今度 事 を 起こしたら 退校 処分 でしょ 。 わたし なら 前科 が ない し 。 だから 、あなた たち は 一 騒ぎ 起こして 、ほんの 五 分 ぐらい スネイプ を 足止め して おいて くれれば それ で いい の 」
ハリー は 力なく 微笑んだ 。 スネイプ の 魔法 薬 の クラス で 騒ぎ を 起こす なんて 、それ で 無事 と 言える なら 、眠れる ドラゴン の 目 を 突っついて も 無事だ 、と いう ような もの だ 。 魔法 薬 の クラス は 大 地下 牢 の 一 つ で 行わ れた 。 木曜 の 午後 の 授業 は 、いつも と 変わらず 進行 した 。 大鍋 が 二十 個 、机 と 机 の 間 で 湯気 を 立て 、机 の 上 に は 真鍮 の 秤 と 、材料 の 入った 広口 ビン が 置いて ある 。 スネイプ は 煙 の 中 を 歩き回り 、グリフィンドール 生 の 作業 に 意地 の 悪い 批評 を し 、スリザリン 生 は それ を 聞いて ザマミロ と 嘲笑った 。 ドラコ ・マルフォイ は スネイプ の お気に入り で 、ロン と ハリー と に 、ふぐ の 目玉 を 投げつけて いた 。
それ に 仕返し を しよう ものなら 、「不公平 です 」と 抗議 する 隙 も 与えず 、二人 とも 処罰 を 受ける こと を 、ドラコ は 知っている のだ 。
ハリー の 「ふくれ 薬 」は 水っぽ 過ぎた が 、頭 は もっと 重要な こと で いっぱいだった 。 ハーマイオニー の 合図 を 待って いた のだ 。
スネイプ が 立ち止まって 薬 が 薄 過ぎる と 嘲った の も ほとんど 耳 に 入ら なかった 。
スネイプ が ハリー に 背 を 向けて そこ を 立ち去り 、ネビル を いびり に 行った とき 、ハーマイオニー が ハリー の 視線 を 捉えて 、こっくり 合図 した 。 ハリー は すばやく 大 鍋 の 陰 に 身 を 隠し 、ポケット から フレッド の 「フィリバスター の 長々 花火 」を 取り出し 、杖 で ちょいと 突ついた 。
花火 は シュウシュウ 、パチパチ と 音 を たて はじめた 。
あと 数 秒 しか ない 。 ハリー は スッ と 立ち上がり 、狙い を 定めて 花火 を ポーン と 高く 放り投げた 。 まさに 命中 。
花火 は ゴイル の 大 鍋 に ポトリ と 落ちた 。
ゴイル の 薬 が 爆発 し 、クラス 中 に 雤 の ように 降り注いだ 。
「ふくれ 薬 」の 飛沫 が かかった 生徒 は 、悲鳴 を あげた 。
マルフォイ は 、顔 いっぱい に 薬 を 浴びて 、鼻 が 風船 の ように 膨れ はじめた 。
ゴイル は 、大 皿 の ように 大きく なった 目 を 、両手 で 覆い ながら 右往左往 していた 。
スネイプ は 騒ぎ を 鎮め 、原因 を 突き止めよう と して いた 。
どさくさ の 中 、ハリー は 、ハーマイオニー が こっそり 教室 を 抜け出す の を 見届けた 。
「静まれ ! 静まら ん か !」スネイプ が 怒鳴った 。
「薬 を 浴びた 者 は 『ぺしゃんこ 薬 』を やる から ここ へ 来い 。 誰 の 仕業 か 判明 した 暁 に は ......」
マルフォイ が 急いで 進み 出た 。 鼻 が 小さい メロン ほど に 膨れ 、その 重み で 頭 を 垂れて いる の を 見て 、ハリー は 必死で 笑い を こらえた 。
クラス の 半分 は 、ドシンドシン と スネイプ の 机 の 前 に 重い 体 を 運んだ 。 棍棒 の ように なった 腕 を 、だらり と ぶら下げている 者 、唇 が 巨大に 膨れ上がって 、口 を きく こと も できない 者 。 そんな 中 で 、ハリー は 、ハーマイオニー が する り と 地下 牢 教室 に 戻ってきた の を 見た 。
ローブ の 前 の 方 が 盛り上がっている 。
みんな が 解毒 剤 を 飲み 、いろいろな 「ふくれ 」が 収まった とき 、スネイプ は ゴイル の 大 鍋 の 底 を さらい 、黒こげ の 縮れた 花火 の 燃え カス を すくい上げた 。 急に みんな シーンと なった 。
「 これ を 投げ入れた 者 が 誰 か わかった 暁 に は 」 スネイプ が 低い 声 で 言った 。 「 我輩 が 、 まちがい なく そやつ を 退学 に させて やる 」
ハリー は 、いったい 誰 なんだろう と いう 表情 ――どうぞ そう 見えます ように ――を 取り繕った 。 スネイプ が ハリー の 顔 を まっすぐに 見据えて いた 。 それ から 十分 後 に 鳴った 終業 ベル が 、どんなに ありがたかった か しれない 。 三 人 が 急いで 「嘆きの マートル 」の トイレ に 戻る 途中 、ハリー は 、二人 に 話しかけた 。 「スネイプ は 僕 が やった って わかって る よ 。 ばれて る よ 」
ハーマイオニー は 、大 鍋 に 新しい 材料 を 放り込み 、夢中で かき混ぜ はじめた 。
「あと 二 週間 で できあがる わ よ 」と 嬉しそうに 言った 。
「スネイプ は 君 が やった って 証明 できやしない 。 あいつ に いったい 何 が できる !」
ロン が ハリー を 安心 させる ように 言った 。
「相手 は スネイプ だ もの 。 何か 臭う よ 」
ハリー が そう 言った とき 、煎じ 薬 が ブクブク と 泡だった 。
それ から 一 週間 後 、ハリー 、ロン 、ハーマイオニー が 玄関 ホール を 歩いている と 、掲示板 の 前 に ちょっと した 人だかり が できていて 、貼り出された ばかりの 羊 皮 紙 を 読んでいた 。
シューマス ・フィネガン と ディーン ・トーマス が 、興奮 した 顔 で 三人 を 手招き した 。 「『決闘 クラブ 』を 始める んだって !」シューマス が 言った 。 「今夜 が 第 一 回目 だ 。 決闘 の 練習 なら 悪く ない な 。 近々 役 に 立つ かも ......」「 え ! ハリー 、 スリザリン の 怪物 と 決闘 なんか できる と 思ってる の !」 そう 言い ながら も 、 ロン も 興味 津 々 で 掲示 を 読んだ 。 「役 に 立つ かも ね 」三人 で 夕食 に 向かう 途中 、ロン が ハリー と ハーマイオニー に 言った 。 「僕たち も 行こう か !」ハリー も ハーマイオニー も 大乗り気で 、その晩 八時に 三人は 、再び 大広間 へと 急いだ 。 食事用の 長い テーブルは 取り払われ 、一方の 壁に 沿って 、金色の 舞台が 出現して いた 。
何千本もの 蝋燭が 宙を 漂い 、舞台を 照らしている 。 天井 は 何度 も 見慣れた ビロード の ような 黒 で 、 その 下 に は 、 おのおの 杖 を 持ち 、 興奮 した 面持ち で 、 ほとんど 学校 中 の 生徒 が 集まって いる ようだった 。 「いったい 誰 が 教える の かしら ?」ペチャクチャ と 、おしゃべりな 生徒たち の 群れ の 中 に 割り込み ながら 、ハーマイオニー が 言った 。
「誰 かが 言ってた けど 、フリットウィック 先生 って 、若い とき 、決闘 チャンピオン だった んですって 。 たぶん 彼 だ わ 」
「誰 だって いい よ 。 あいつ でなければ ......」と ハリー が 言いかけた が 、その あとは うめき声 だった 。
ギルデロイ ・ロックハート が 舞台 に 登場 した のだ 。
きらびやかに 深 紫 の ローブ を まとい 、後ろ に 、誰 あろう 、いつも の 黒 装束 の スネイブ を 従え て いる 。
ロックハート は 観衆 に 手 を 振り 「静粛に 」と 呼びかけた 。
「みなさん 、集まって 。 さあ 、集まって 。 みなさん 、私が よく 見えますか !私の 声が 聞こえますか !結構 、結構 !」 「ダンブルドア 校長 先生 から 、私が この 小さな 決闘 クラブ を 始める お許しを いただきました 。 私 自身 が 、数え切れない ほど 経験 してきた ように 、自ら を 護る 必要 が 生じた 万一 の 場合に 備えて 、みなさん を しっかり 鍛え上げる ために です ――詳しく は 、私 の 著書 を 読んで ください 」
「では 、助手 の スネイプ 先生 を ご紹介 しましょう 」 ロック ハート は 満面 の 笑み を 振りまいた 。
「スネイプ 先生 が おっしゃる に は 、決闘 に ついて ごく わずか ご存知 らしい 。 訓練 を 始める にあたり 、短い 模範 演技 を する のに 、勇敢に も 、手伝って くださる という ご 了承 を いただき ました 。 さてさて 、お若い みなさん に ご心配 を おかけ したく は ありません ――私 が 彼 と 手合わせ した あと でも 、みなさん の 魔法薬 の 先生 は 、ちゃんと 存在 します 。 ご心配 めさる な !」
「相討ち で 、両方 やられっちまえば いい と 思わない か ?」ロン が ハリー の 耳 に ささやいた 。 スネイプ の 上唇 が めくれ上がって いた 。 ロック ハート は よく 笑って いられる な 、と ハリー は 思った 。 ――スネイプ が あんな 表情 で 僕 を 見たら 、僕 なら 回れ 右 して 、全速力 で スネイプ から 逃げる けど ――。
ロック ハート と スネイプ は 向き合って 一礼 した 。
尐 なく とも ロック ハート の 方 は 、腕 を 振り上げ 、くねくね 回し ながら 体 の 前 に 持ってきて 、大げさな 礼 を した 。
スネイプ は 不機嫌 に ぐいと 頭 を 下げた だけ だった 。
それ から 二人 とも 杖 を 剣 の ように 前 に 突き出して 構えた 。
「ご覧 の ように 、私たち は 作法 に 従って 杖 を 構えて います 」 ロック ハート は シーン と した 観衆 に 向かって 説明 した 。
「三つ 数えて 、最初の 術 を かけます 。 もちろん 、 どちら も 相手 を 殺す つもり は ありません 」 「僕 に は そう は 思え ない けど 」スネイプ が 歯 を むき出して いる の を 見て 、ハリー が 呟いた 。
「一 ――二 ――三 ――」
二人 とも 杖 を 肩 より 高く 振り上げた 。 スネイプ が 叫んだ 。 「エクスペリアームス !<武器 よ 去れ >」