Hyouka Episode 3
( 千 反 田 ( ち た ん だ ) える ) ハッ
( 折 木 奉 太郎 ( おれ き ほう たろう ) ) マスター
コーヒー を もう 1 杯
( える ) あの …
実は 私 …
私 折 木 さん に …
頼み が ある ん です !
えっ ?ああ
えっ ?
(奉太郎 )頼み ?(える )はい
本当 なら これ は 私 だけ の 問題 です から ―
お 願い できる 筋合い で は あり ませ ん
だから まず 話 を 聞い て くれませんか ?
まあ 聞く だけ なら
(える )はい !
( える ) 私 に は ―
関谷 純 ( せき た に じゅん ) と いう 伯父 が い た の です が
私 が その 伯父 から 何 を 聞い た の か ―
思い出させて ほしい んです
よく 分から ん の だ が
あっ すみません 先走り すぎ ました
ちゃんと 順 を 追って お 話し し ます
実は その 伯父 は 7 年 前 に インド に 行った っきり ―
行方 不明 に なって い ます
子ども の ころ の 私 は その 伯父 に よく 懐いて いまし た
どんな 突 拍子 も ない 質問 に も 必ず 答え て くれ て ―
知ら ない こと など 何も ない ような 人 で した
私 が 幼稚園 の ころ ―
伯父 が 古典 部 だった こと を 知り それ に 興味 を 持ち まし た
いつも 家 ( うち ) に あった スコンブ に語呂 が 似 て い た から だ と 思います
(奉太郎 )ダジャレ か …
( える ) ある 日 私 は
古典 部 に まつわる 何 か に つい て 伯父 に 尋ねました
すると その とき だけ なぜ か 妙に 返事 を いやがった ん です
(奉太郎 )いやがった ?
(える )はい
私 が ずいぶん だ だ を こね て ―
ようやく 伯父 は 答え て くれた んです が …
その 答え を 聞い た 私 は …
(奉太郎 )お前 は ?
泣き まし た
恐ろしかった の か 悲しかった の か
大 泣き し まし た
泣 いた …
しかも 母 が 驚い て 飛んで きて くれた んです が
伯父 は そんな 私 を ―
あやし た り は し て くれ なかった ん です
その とき の こと は ただ ショック が 大きかった だけ で
これ 以上 は 何も 覚え て いません
でも 中学生 に なった ころ 気 に なり だし まし た
伯父 は なぜ 答え を 渋った の か ?
なぜ あやし て くれ なかった の か ?
それ から の 私 は や れ る こと は やった つもり です
疎遠 に なって いる 関谷 家 に も できる 範囲 で 接触 し まし た
ですが どうして も 思い出せ なかった ん です
(奉太郎 )うっ うん …
だから 私 は 神山 ( かみ やま ) 高校 に 入った とき
古典 部 が 最後 の 望み だ と 思い まし た
それ が 一身上 の 都合 か
ですが 古典 部 が 廃部 寸前 だった とは 知り ませ ん で した
職員 室 で 聞い て みて も ―
伯父 が 高校生 だった 45 年 前 の こと を ―
知って いる 先生 も い なく て
…で なぜ そこ で 俺 に 助け を 求める
それ は …
それ は 折木 さん が ―
私 で は 想像 も し なかった 結論 を 出し て くれ そう だ から です !
あの 鍵 の とき と か 本 の とき
そして 勧誘 メモ の とき も です
折 木 さん なら ―
きっと 私 を 答え まで 導い て くれる と 思う ん です !
買いかぶら れ て も 困る あんな もの は ただ の 運 だ
なら その 運 に 頼ら せて ください !
気 が 進まん
( 奉 太郎 ) これ は 千 反 田 と いう 一人 の人間 の
大げさ に 言え ば 人生 観 に も 関わる 問題 だ
そんな こと に 省エネ 主義 の この 俺 が 少し でも 責任 を 負う と でも ?
ご 冗談 を
なぜ 俺 だけ なん だ ?頼れ る やつ は ほか に も いる だろう
人海 戦術 を 使え ば いい
お前 の 友達 に も 頼んで みれば どうだ ?
(える )折木 さん
私 は 過去 を 言いふらし て 回る 趣味 は あり ませ ん
( 奉 太郎 ) あ …
こんな の …
誰 に でも する 話 じゃ あり ませ ん
(奉太郎 )すまん
私 は ずいぶん 無茶 を 言って い ます
自分 の 思い出 に ―
折 木 さん まで 巻き込 ん で は いけない と は 分かって います
ただ …
伯父 より も ずっと 愛想 は 悪い けれど ―
あなた も 答え て くれ まし た
(奉太郎 )愛想 が 悪くて 悪かった な
(える )私 は そんな 折木 さん に 伯父 を 重ねて い た の かも しれません
(奉太郎 )高校 は 3 年間 ある その あいだ に ゆっくり 探せば いい
私 は 伯父 が 死んでしまう 前 に ―
伯父 の こと を 思い出し たい の です
(奉太郎 )死んでしまう ?
(える )はい
法律 で は 7 年 の あいだ 生死 が 不明 と なれ ば ―
死亡 した として 扱う こと が できる そうです
(奉太郎 )そう なの か
伯父 の 家 ( いえ ) でも いずれ この 件 に 区切り を つける 予定 です
ささやか です が 葬儀 も 営む そう です
だから …
だから 私 は ―
伯父 が 私 に 伝え て くれた こと を 胸 に ―
その 葬儀 に 臨み たく て …
すみません
( 折 木 供 恵 ( ともえ ) ) “ 奉 太郎 ”
“どうせ やり たい こと なんか ない ん でしょ ?”
あっ
ハッ
俺 は お前 に 対して 責任 を 取れない
だから お前 の 頼み を 引き受ける とは 言わない
だが その 話 を 心 に とどめて おい て
ヒント に なる ような こと を 見かけたら 必ず 報告 しよう
その 解釈 に 手間取る よう なら その とき も 手助け する
はい …
それ で よけれ ば 手伝わ せて もらう
ありがとう ございます
どう か よろしく お 願い します
( 奉 太郎 ) ああ …
(奉太郎 )高校 生活 と いえ ども 決して バラ色 だけ ではない
例えば 定期 試験
神山 高校 でも 1 学期 中間 テスト が 始まった
この 試験 期間 中 は すべて の 部活 が 休止 に なる
それ は もちろん 古典 部 も なの だ が ―
ふだん から 何も やって い ない ので 正直 ほとんど 変わら ない
ならば ふだん どおり に し て い て も いい よう な もの だが
鍵 が 貸し出さ れ ない の で は しかたがなかった
( 奉 太郎 ) うん …
う うん …
(教師 )はい 終了
(生徒 たち の ざわめき 声 )
ハア …
う っ
(奉太郎 )中間 テスト 終了 やれやれ
(バイク の 音 )
( 折 木 供 恵 ) “ 前略 ”
“私 は 今 イスタンブール に い ます ”
“ちょっと 失敗 し ちゃって 日本 領事館 に こもってる から ”
“街 の 中 は まだ 見 て ない ん だ けど ね ”
何 やった ん だ 姉 貴
( 供 恵 ) “ この 旅 面白い わ ”
“きっと 10 年 後 この 毎日 の こと を 惜しま ない ”
(奉太郎 )ん ?
( 供 恵 ) “ ところで 古典 部 は どう ? 部員 は 増え た ? ”
“それ で ちょっと 気 に なる こと が あった から 書い て おく ね ”
“あんた 文集 作る 気 ある ?”
“古典 部 は 毎年 文化 祭 で 文集 出し て たんだ けど ―”
“今 も 続いてる の か な ?”
“続いてる と したら ―”
“もし かして 作り方 が 分かんない かも しれない と 思って ”
“古典 部 の 文集 は 図書室 に は ない から ね ”
“探す の は 部室 ”
“そこ に 使わ れ て ない 薬品 金庫 が あって ―”
“バックナンバー は その 中 鍵 は 開いてる わ ”
“じゃあ プリシュティナ に 着い たら ―”
“1 度 電話 する から ”
“かしこ 折 木 供 恵 ”
薬品 金庫 ?
タイミング よ すぎ だ ろ
(える )本当 です か ?
( くしゃみ )
(奉太郎 )本当 だ その 手紙 も ここ に 持って きた
( 伊原 摩耶 花 ( いばら ま や か ) ) なるほど 薬品 金庫 ね
ふむ
ここ に は ない ぞ
あっ そう いえ ば 見当たり ませ ん で し た
じゃ … じゃあ 文集 は ? 文集 は ?
ち ー ちゃん 落ち着 い て 落ち着 い て
(奉太郎 )ちーちゃん て …
(奉太郎 )千 反 田
その 手紙 に は 部室 の 薬品 金庫 って 書い て ある だけ だ
姉貴 が ここ を 卒業 し た の は 2年前だからな
その あいだ に 部室 が 変わった ん だ
なるほど そういう こと です か
それ で 折木
2 年 前 は どこ だった か 分かってる の ?
顧問 に 聞い て きた 生物 準備 室 だ と さ
へえ 珍しく 準備 が いい じゃない
(奉太郎 )効率 を 上げた だけ だ
(摩耶 花 )張り切って る わ ね
そんな こと は ない
俺 は 一般 に 張り切ら ない
うん …おお っ
じゃあ 行き ましょう
あっそう いえ ば 福部 ( ふく べ ) さん は ?
ああ 手芸 部 よ
なんか “夏 の ファッション シーン を 先取り ”だ とか 何とか 言ってた けど
(える )折木 さん
(奉太郎 )ん ?
(ノック する 音 )
(える )あら ?開き ませ ん よ
どなた か いらっしゃい ませ ん か
(解錠 の 音 )(3人 )あっ
(ドア が 開く 音 )
( 遠 垣内 将司 ( と お がい と まさ し ) ) いや あ すまない 鍵 を かけ て た
我が 壁 新聞 部 に 入部 希望 かな ?
いえ 違い ます
あの ここ は 壁 新聞 部 の 部室 な ん です か ?
そう だ けど
( 奉 太郎 ) この におい 香水 ?
いや 消臭 剤 か ?
…で 何 か 用 でも ?
あの 私 古典 部 の 部長 千 反田 える と 申し ます
3 年 E 組 の 遠垣内 先輩 です よね
あっ ?
どうして 俺 の 名前 を
( える ) 去年 万人 橋 ( まん に ん ば し ) さん の お宅 で お 姿 を 見かけ て い た もの です から
(遠垣内 )万人 橋 の 家 で …
待て よ
もし かして 神田 の 千 反 田 さん ?
(える )はい 父 が お世話 に なって います
(遠垣内 )ああ …あっ いや こちら こそ
そっか 千 反田 の …
(奉太郎 )何 を 気に している んだ ?
(遠垣内 )それ で 何 か ?
はい !実は この 生物 準備 室 に ―
古典 部 の 文集 の バック ナンバー が 保管 されている と 聞い て きたんです
ここ は 以前 古典 部 の 部室 だった そう です ね
(遠 垣 内 )う っ あっ ああ
俺 が 1 年 の ころ は そう だった かな ?
(える )で は !
では その 文集 は ご存じ です か ?
( 遠 垣 内 ) あっ
いや …ない ね
そう です か ありがとう ござい ました
(摩耶 花 )帰る な !
あの …すみません ここ に ある はず な ん です
探さ せて ください !
悪い けど さっき ない って 言った はず だ よ
( 摩耶 花 ) ああ … N ( える ) そんな
(奉太郎 )さっ 帰ろう か (摩耶花 )ちょっ
あんた おかしい と 思わ ない の ?
(奉太郎 )思う (摩耶花 )えっ
だったら 帰る な !
(遠垣内 )まっ 気の毒 だ けど ほか を 当たって くれ
でも !
ここ に ある って いう 手がかり を 見つけた んです
ここ に なければ 学校 中 を 探さなければ ならなくなる んです
(奉太郎 )学校 中
冗談 じゃ ない
少し の 時間 で いい んです 中 を 見せて ください !
俺 から も
あまり 部外者 に 入って ほしく ない んだ よ
先輩 でも ここ は 部室 で ある 前 に 教室 です よね ?
君 は ?
古典 部 の 伊原 摩耶 花 です
フウ …
分かった いい よ 探せ ば いい
ただ あまり ひっかき 回さ ない で くれよ
(扇風機 の 音 )
(奉太郎 )ほか の 部員 さん は ?
(遠垣内 )ああ 今日 は 休み な ん だ
俺 は 6 月 号 の ネタ を 考え て た
神 高 ( かみ こう ) 月報って いう ん だ が
歴史 も 古く て もう 500 号 近い
( 摩耶 花 ) この 部室 に は ない みたい ね
やっぱり そう です か …
( くしゃみ )
(摩耶 花 )どう する ?折木 ?
(奉太郎 )先輩 (遠垣内 )ん ?
(奉太郎 )部室 の 入れ換え の とき に ―
何 か 荷物 の 出し入れ は あり ませ ん でした か ?
そう いえ ば ダンボール 箱 を いく つか 運んだ な
ダンボール 箱 です ね
(遠 垣 内 )ああ
(奉太郎 )…と なる と
だが そい つ を 手 に 入れる の は ちょっと 難題 だ
ここ は カマ を かけて みる か
( 奉 太郎 ) すみません
どうも この 部屋 は 物 が 多く て 探し物 に は 手間 が かかり そう です
顧問 の 先生 に も 手伝って もらって 徹底的に 捜索 し たい んです が
いい です か ね
それ は ダメ だ
あまり ひっかき 回さ ない で くれ と 言った だろ
でも ここ に なかったら もう 手がかり が ない んです !
(奉太郎 )責任 持って 全部 元どおり に し ます から
お 願い し ます
ダメ だ と言っている !
(える )そんな …
俺 は 忙しい ん だ 何 が 徹底的に 捜索 だ !
ここ に は お前ら の 文集 など ない ん だ !
分かったら 帰れ !
(奉太郎 )ビンゴ だ
先輩
俺 たち は 薬品 金庫 の 中身 に 興味 が ある ん です よ
なん だ と !
その 中 に 文集 が ある はず な ん です
それ さえ あれ ば ―
先輩 の 手 を 煩わ せる こと もない ん です が ね
ところで 俺 たち これ から 図書 室 に 用 が ある ん です が ―
俺 たち が 行った あと で もし 文集 が 見つかったら ―
地学 準備 室 に 置 い て おい て くれません か ?
鍵 は 開いています
お … お前
お前 は 俺 を !
先輩 を ?
( 遠 垣 内 ) うっうっ
う うっ
分かった
見つかったら そうして おく よ
(奉太郎 )お 願い し ます
さあ 行こ う か
おい 1 年
お前 の 名前 だけ 聞い て なかった な
折 木 奉 太郎
悪い と は 思って ます よ
(摩耶 花 )ねえ 折 木
どうして こんな 所 で 待ってる の よ
(奉太郎 )省エネ だ
(摩耶 花 )何 よ それ
ところで 千 反 田
遠 垣 内 の 家 は どういう 方面 で 有名 な ん だ ?
そう です ね …
中等 教育 に 影響力 が あって …
教育 関係者 が 何 人 も いる お家柄 です ね
なるほど な
(奉太郎 )5 分 経過
(奉太郎 )そろそろ 戻る か
(奉太郎 )おっ 来てる な
あっ!
(摩耶 花 )文集 だ わ
ちょっと 折 木 !
あんた これ どう やった の ?何か 知ってた の ?
まあ ちょっと 脅迫 を な
(摩耶 花 )脅迫 ?(奉太郎 )ああ
伊原 お前 口 は 固い ほうか ?
(摩耶 花 )何 よ
言う な と 言わ れ れば しゃべら ない わ よ
(奉太郎 )そう か …
じゃあ まず 初め
遠 垣内 が 部屋 から 出 て きた とき ―
やつ は 明らか に 俺 たち を 警戒 し て い た
(摩耶 花 )確かに
(奉太郎 )室内 の 様子 は どう だ ?
窓 を 開けて 扇風機 を 回して い た が ―
あの 位置 で は テーブル 上 の 用紙 も 吹き飛ばし て しまい か ねん
(摩耶 花 )空気 の 入れ換え を し たかった ん でしょ ?
そう だ
では なぜ 換気 を し たかった の か
もっと 言え ば
なぜ 内側 から 鍵 を かけ 赤外線 センサー まで 設置 し て …
ち ょ … ちょっと 待って 何 よ その 赤外線 センサーって
ああ
廊下 の 両側 に 見慣れない 小さな 箱 が あった ん だ
それ に 室内 に あった ―
あの アンテナ が 付い て た の が 受信機 だ と する と
あそこ を 誰 か が 通れ ば アラーム が 鳴る 仕組み な ん だろう
よく そんな の が 分かった わ ね
まっ状況 から の 推測 だ けど な
問題 は なぜ そこ まで 警戒 し て ―
接近 者 が 来る や 慌てて 部屋 の 換気 を し た の か
(摩耶 花 )に おい を 消す ため ?
それ が 妥当 だ ろう
やつ は 消臭 スプレー の におい も させて いた
…で そこ まで し て
人 に 知ら れ たくない に おい と なる と
(摩耶 花 )タバコ ね
教育 界 の 名家 の 御 曹司 と も なれ ば ―
なんと し て でも ―
不法 行為 を 見つかる わけ に は いか ない って こと だ な
なるほど ね
(奉太郎 )まあ もし 千 反田 が カゼ を ひい て い なかったら ―
一 発 で におい に 気付い て た だろう が な
あっ でも 待って
結局 文集 って どこ に あった の ?
薬品 金庫 の 中 だろ
お ー れ ー き ー !
べ …別に からかって る ん じゃ ない ぞ
薬品 金庫 は あの 簡易 テーブル の 下 に あった ん だ
そして その 中 に ―
タバコ や ライター も 隠し て い たん だろう
だから 俺 が 先生 と 一緒に 探させて くれ と 頼んだ とき
遠 垣内 は あんなに 慌て た ん だ
(奉太郎 )ん ?
やっぱり あんた 変 !
何 を …N典型的 な 一般人 を 捕まえ て
( 福部 里志 ( さとし ) ) みんな !
ヘヘッ ヒマワリ !
里志
文集 の バック ナンバー が 見つかった ぞ
(里志 )えっ ?あっ ホント だ
へえ こんな の だった ん だ
(摩耶 花 )40 年 も 前 と なる と さすが に 手作り 感 が ある わ ね
どう した ?千 反田
( 里志 ) それ は ガリ 版 印刷 だ ね
正確 に は 謄写 ( と うし ゃ ) 版 印刷って いって 明治 時代 に 発明 さ れ た もの な ん だ よ
(奉太郎 )どう し た ?
折 木 さん
ん っ ?
( える ) ちょっと …
これ です
( 奉 太郎 ) 「 氷 菓 ( ひょう か ) 」 第 ニ 号
あの とき 私 は これ を 見つけ た ん です
伯父 の ところ に これ を 持っていって ―
これ は 何か と 聞い た ん です
思い出し た の か ?
この 中 を 見 て ください
これ に は 伯父 の こと が 載って い ます
何 か が あった ん です
45 年 前 に この 古典 部 で
( 奉 太郎 ) “ 今年 も また 文化 祭 が やって き た ”
“関谷 先輩 が 去って から もう 1 年 に なる ”
“この 1 年 で 先輩 は 英雄 から 伝説 に なった ”
“争い も 犠牲 も 先輩 の あの ほほえみ さえ も ”
“すべて は 時 の 彼方 に 流さ れ て いく ”
“いや その ほう が いい ”
“覚え て い て は なら ない ”
“なぜなら あれ は ―”
“ 英雄 譚 ( たん ) など で は 決して なかった の だ から ”
“すべて は 主観 性 を 失って ”
“歴史 的 遠近法 の 彼方 で 古典 に なって いく ”
“いつ の 日 か 現在 の 私たち も ―”
“未来 の 誰 か の 古典 に なる の だろう ”
“1968年 10 月 13 日 ”
“ 郡山 養子 ( こおり やま よう こ ) ”
ここ に ある 去年 は 45 年 前 に なり ます
ならば 古典 部 の 関谷 先輩 と は 伯父 の こと でしょ う
その 伯父 が 私 に 教え て くれた 答え も 古典 部 に 関する こと で した
なら もう 大丈夫 だろう
でも 思い出せ ない ん です
もう ちょっと …
もう ちょっと な のに
あの 日 伯父 は 何 を 語って くれた の でしょ う ?
45 年 前
伯父 に いったい 何 が あった と
(奉太郎 )調べて みれば いい さ
(える )でも …
覚え て い て は なら ない って 書い て あり ます
もし 調べ たら 不幸 な こと に なる かも しれません
忘れ られ た ほう が いい 事実 と いう もの は ―
存在 する でしょ ?
45年 も 前 の こと でも か ?
違う ん です か ?
違う さ
ここ に 書いてある じゃない か
“すべて は 歴史的 遠近法 の 彼方 で 古典 に なって いく ”
時効 って こと さ
はい
それ に 調べる って いった って ―
第 二 号 に 去年 の こと って 書い て ある ん だ から ―
創刊 号 を 見れ ば いい …
(摩耶 花 )ちょっと 何 よ これ !
創刊 号 だけ 欠け てる じゃ ない !
あっ
(える )ハッ
♪~
~ ♪
( 里志 ) 次回 「 栄光 ある 古典 部 の 昔 日 ( せ き じ つ ) 」