Bokurano Episode 19
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( カナ ) ンッ ンッ …
( ウシロ ) あっ …
( ウシロ ) おい ( カナ ) あっ …
お前 田中 ( た なか ) さん の こと どう 思って た ?
どう って ? ( ウシロ ) 何でも いい から
好き だった
そう か
消し て いい ? ( ウシロ ) ああ
( 明かり を 消す 音 )
( カナ ) 洗濯 行って くる ね
( ウシロ ) ああ …
あっ お前 なに 勝手 に 着 て ん だ !
( ウシロ ) こら ! それ 脱げ ! ( カナ ) アッ !
( 保 ( た もつ ) ) 坊っちゃん
( 保 ) 坊っちゃん 今日 は あっし と 一緒 に 遊ば ねえ です か ?
“ 坊っちゃん ” は やめろ よ
( 関 ( せき ) ) あっ …
( エンジン 音 )
いい 天気 だ
こんな 日 に 閉じこもって りゃ イラ つき も し ます よ
さて 何 し て 遊び ます か ね ?
パチンコ 競輪 競馬 マージャン
あっ ! マージャン は メンツ が 足り ねえ か
ムチャクチャ だ な 俺 は まだ 中学生 だ ぞ
ハハッ … みんな あっし が ガキ の ころ 覚え た 遊び です よ
( ため息 )
フゥ … N ( 保 ) うん ? 寒い ん です かい ?
そんな こと ない よ
姐 ( ねえ ) さん 気 が 利か ない から な
俺 は 言った ん です よ セーター か ジャケット の ほう が いい って
あっ ! ちょうど いい
( 店員 たち ) いらっしゃい ませ
よう ねえ ちゃ ん すま ねえ が
この 大将 に 感じ の いい 上着 を 探し て やって くん ねえ か ?
( 店員 ) どの よう な 物 が お 好き です か ?
( 保 ) 遠慮 は 要ら ねえ
いちばん 上等 な の から 持って き て くれ
( 店員 ) かしこまり まし た
さて 俺 も マフラー 買う かな
( 店員 ) 今 この よう な ―
カラフル な 色 を あしらった 物 が 人気 が あり ます
あと これ など 部分 的 に 素材 を 変化 さ せ て おり まし て
個性 が 好ま れ て い ます ( 保 ) ハァ …
宇 白 ( うしろ ) 君 どれ に する ?
( ウシロ ) あれ は ?
( 店員 ) これ は 今 安く なって おり まし て お 手ごろ です が
お 坊っちゃん に 合う サイズ が ある か どう か …
おお いい じゃ ねえ か 丈夫 そう だ し 安物 に は 見え ねえ
着 て み て いい かい ?
( 店員 ) ただいま サイズ を 探し て まいり ます
さすが です よ こっち の は 派手 すぎる し 作り が 弱い
別に 好み だ けど
へえ そりゃ 昔 の 俺 の 親分 に そっくり な 好み だって こった
( 一郎 ( いちろ う ) ) 保 ( た もつ ) ! その 派手 な 上着 なんとか なら ねえ か ?
目 が つぶれ ち まう ぜ
( 保 ) えっ ? こりゃ N 極 道 の 決まり スタイル です ぜ
( 一郎 ) 何 言って や がる
極道 だって もっと センシティブ に いか な
… て 言って ね 好き だった な 俺 は ホレ て まし た
詳しく 話し たく なった な
年寄り の 昔話 を 聞い ちゃ くれ ませ ん か ?
( 店員 ) あり まし た
川崎 ( かわ さき ) の 組織 が 内部 分裂 を 起こし た とき
情 に 厚い ウチ の 会長 が 引き取った
( 保 ) 蓮 木 ( は すき ) 一郎 って いい まし た
( 豊田 ) おい 会長 出せ !
ウチ の シマ 乗っ取り や が って 落とし 前 つけ て もら お う
シマ 内 の 素人 衆 に 頼ま れ た こと です 悪く 思わ ん で ください
やかましい ! 会長 出せ !
( 保 ) あっし は 年上 で し た が
仁義 を 通さ せ て いた だい て “ 若 ” と 呼 ん で おり まし た
既に 忠誠 を 誓った 子分 を 3 人 ばかり 引き連れ て
貫禄 は 十分 で し た から ね
ンンッ …
若 は 俺 み たい な 根っから の 極道 から 見 たら ―
ちょっと 変わった 人 だった
普通 の やり 方 を 嫌う って いう ん です か ね
簡単 に 熱く なる 人 じゃ なかった ん です
俺 は 若 が 何 か を 怖 がって いる ところ を
見 た こと が ねえ
いい です かい ? 宇 白 君
怖い と 思った とき は この 若 の 話 を 思い出し て ください よ
一見 強 そう に どなったり 怒ったり し てる ヤツ の ほとんど は
臆病 者 です
( 美 純 ( みす み ) ) 宇 白 君 やめ なさい
怖い の は みんな 同じ な の よ
( 保 ) その ころ 穂 走 ( ほ ば しり ) 会 の 上部 組織 春 橋 ( はる は し ) 会 は ―
久 坂 ( くさ か ) 組 の 攻勢 に 押し込ま れ て い まし た
久 坂 組 の 下部 組織 が 抗争 を 仕掛け て き て
俺 たち は 代理 戦争 に 駆り出さ れる の が ―
お決まり だった ん です が
そんな 中 でも 若 の 態度 は ひと 味 違って い まし た
争い 事 の 火 を 消し ち まう ん だ
何も 言わ ず に 俺 に 任せ て くれ
ヘタ な 駆け引き は 一切 なし だ 相手 の 手 を 握って 約束 し ち まう
相手 も “ 一 度 ぐらい は 任せ て みよ う ” と 思 っち まう
そうして おいて 事 を 構え て い た 組織 の ボス の 所 へ 会い に 行く
最後 は ウチ の 会長 の 出番 だ が
最初 に 危ない 橋 を 渡り 話 を つけ に 行く の は 若 だった
若 の 目 を 見 若 の 声 を 聞い て 若 を 信じ ない 者 は い なかった
どんな 立場 の 高い 組長 さん で も 若 を 部屋 に 通し た
弱 小 組織 の 青年 が ―
この 世界 の あらゆる 実力 者 の いる 部屋 へ 上がって いく
付い た あだ名 が “ 昇り 竜 ” だ
( 魚 の 跳ねる 音 )
( 佐久間 ) お前 ら に 言う て おく ぞ
今日 から この 一郎 に 足 を 向け て 寝る こと は 俺 が 許さ ねえ
( 笑い声 )
( 保 ) 若 ! すごい じゃ ない ッス か !
会長 ベタ 褒め で し た よ カッコイイ な ~ !
( 一郎 ) 保 …
会長 の お 優しい 人柄 が ある から 小競り合い も 収まる ん だ
斬った 張った の やく ざ の 世界 に も 義 が 生き てる って こと だ な
よっ ! 昇り 竜 ! いい こ と 言う なぁ ( 一郎 ) 悪酔い し や がって
うん ?
おお ! 若い 女 は いい ッス ねえ
うん ?
えっ ?
( 美 純 ) うん ?
ここ で 何 し てる の ?
( 学生 たち ) アア …
バス の 時間 を 待って る の よ
君 たち 京都 だ ろ う
うん ( 一郎 ) やっぱり
その 校章 公立 かな ? ( 美 純 ) 私立 よ LR 女子
規律 の 厳しい いい 学校 だ 全 寮 制 だ ろ う 東京 は 初めて ?
親戚 が いる から でも ここ は 初めて よ
池 は 見 た ? 案内 する よ 一緒 に 見 に 行 こ う
( 一郎 ) 時間 は ある ん だ ろ う ?
( 学生 ) あっ …
( 保 ) この 肝 の 据わった 娘 に 若 は ひと 目 ボレ し ち まった
保 ! 俺 は 女 と 暮らす ぞ
いよいよ 美 純 ちゃん と 同棲 ( どう せい ) 生活 です かい ?
バカ 野郎 ! 結婚 す ん だ よ 会長 に 話し て くる
この 間 会った ばかり です ぜ ?
( 保 ) 姐 さん の ご 両親 は 早く に 離婚 し て 疎遠 に なって い た
姐 さん が 早く に この 結婚 を 決め た の に は
その 寂し さ も あった ん だ ろ う な
親 代わり の お 姉さん 夫婦 の ところ に 2 人 が 頭 を 下げ に 行って
この 結婚 は 決まり だった
姐 さん は 学校 を 辞め て 16 歳 の 若 さ で 若 の 嫁 に なった ん だ
堅気 の 身 で たった 1 人 この 世界 に ―
飛び込 ん で こ れる ん だ から 大した 人 だ
会長 も 一目 置いて い た
すぐに 子供 も 生まれ た
保 ! 早く 上 が って こっち 見 て みろ
こいつ 俺 の 顔 見 て 笑った ぞ
( 赤ん坊 の 笑い声 )
でも その 幸せ も 長く は 続き やせ ん で し た
( シャッター 音 )
若 の 子分 の 1 人 が 家族 もろとも 殺さ れ た ん です
俺 たち やく ざ 社会 の 流儀 で は ―
家族 に 手 を 出す なんて 聞い た こと が ねえ
どこ か 頭 の おかしい ヤツ の 仕業 と しか 考え られ なかった
ところが 調べ が つい て みる と ―
実行 犯 に 久 坂 組 の 手 の 者 の 名前 が 挙がった ん だ
( ドア の 開く 音 )
久 坂 は 外資 系 の 商社 の 幹部 サラギ ・ トクジ と つる ん で た
最近 の 久 坂 組 の 攻勢 は こい つら が 手 を 引 い て いやがった ん だ
裏 に は マフィア の におい も し た
こんな 連中 に 牛耳ら れる と は やく ざ も 落ちぶれ た って こと だ
( 久 坂 ) あんた が 動 い た と いう ウワサ が 聞こえる 度 に ―
ウチ の 身内 は おとなしく な っち まう
( 久 坂 ) そんな 八百長 み たい な マネ さ れ た ん じゃ
組織 は 堕落 し て しまう け え の
ち いと 遠慮 し て もらわ ん と ―
穂 走 会 に は 死 ん で もらう こと に なる の ぅ
( 保 ) さすが の 若 も こい つら を 許せ なかった
( ノック )
( 保 ) 誰 だい ? ( 美 純 ) 私 …
姐 さん ( 美 純 ) ねえ 昨日 何 が あった の ?
あの 人 何にも 話し て くれ ない の よ
( 美 純 ) 昨日 の あの 人 氷 の よう に 冷たく て
( 保 ) 若 !
どこ 行く ん です か ? サラギ ん とこ に 行く ん です か ?
( 保 ) 連中 は 素人 だ 素人 に 手 ぇ 出し ちゃ ―
味方 の やく ざ 連中 も 引 い ち まう やめ とき ま しょ う
イヤ だ なぁ 急に 若 鬼 みたい だ
世話 に なった な
イヤ だ ! 俺 も 連れ て って くれ
若 と 離れ たく ねえ よ ! ( 一郎 ) ダメ だ
( 保 ) そんな こと 言わ ねえ で くれ 頼む !
美 純 と ガキ 守って くれ ( 保 ) ハッ …
( 一郎 ) あいつ ら 守れ ん の は お前 しか い ねえ から な
( 保 ) 若 は 久 坂 と サラギ を やって 刺し 違え に 死 ん じ まった
無責任 じゃ ない か ( 保 ) えっ ?
その 一郎 って 人 は …
家族 の こと は 考え なかった の か ?
( 保 ) ええ あっし も 1 度 は そう 思い まし た
でも 姐 さん は そう 考え なかった よう です
じゃ ここ も 危ない の ね ?
( 荷物 を まとめる 音 )
( 泣き声 )
( 保 ) 会長 は 事前 に 若 を 破門 に し て
穂 走 会 の 元締め 春 橋 会 に 筋 を 通し て 組 を 守って い た
久 坂 を やった 件 に つい ちゃ ―
もともと 春 橋 会 の 唯一 の 目 の 上 の こぶ だった から な
お とがめ は ない
問題 は 久 坂 と つる ん で い た マフィア まがい の 連中 だ
( 銃声 )
ゴタゴタ は しばらく 続 い た
ハッ …
( 手下 ) ウワッ !
( 殴る 音 )
( 赤ん坊 の 泣き声 )
( 美 純 の 泣き声 )
私 に は この 子 を 守る 力 は ない
( 泣き声 )
( 保 ) 会長 が 姐 さん と 子供 を 守る ため に 陰ながら 動 い て くれ て い た
おかげ で 美 純 姐 さん に こだわって 付け狙って いる 首謀 者 も 特定 でき た
美 純 に ここ へ 逃げる 気 は ない か 聞い て くれ
それ は 全 寮 制 の 国防 兵学校 だった
そこ なら 姐 さん は 安全 だ
ただ 子供 は 連れ て いけ ねえ から 姉 夫婦 に 預け なきゃ なら ねえ
幸い 宇 白 さん の 親父 ( おやじ ) さん が 定年 後
三瀬 路 ( みつ せ じ ) 高原 に フリー スクール を 作る 計画 を 持って い た
その 計画 を ちょっと 早め て もらって
子供 ともども 雲隠れ し て もらう こと に なった ん だ
頼 ん だ ぜ ( 組員 ) はい
ねえ 私 間違って る かな
やっぱり この 子 を 手放す わけ に は いか ない
姐 さん ちょっと の 間 の 辛抱 だ
宇 白 さん が 山 に 引っ込 ん で くれりゃ この 子 は 安全 な ん だ
必ず … 必ず 迎え に 来る から ね 順 ( じゅん )
( 鍵 を 開ける 音 )
オラ ! ( 刺す 音 )
( 倒れる 音 )
その あと 俺 は 姐 さん を 付け狙って た 残党 を 始末 し た
刑務所 ( ムショ ) 送り に は なった が
会長 が 手配 し て くれ た 弁護 士 の おかげ で 無期 だけ は 免れ た
これ で 万事 は うまく いく はず だった が
旅 の 心労 が たたって 宇 白 さん の 奥さん が ―
カナ ちゃん を 産む と 同時に 亡くなった の は 気の毒 だった
カナ ちゃん に は 申し訳ない こと を し た な
あと で 聞い た 話 だ が 姐 さん は 兵学校 で ―
本気 で 自分 を 鍛える こと に 専念 しよ う と 思った らしい
若 に 死な れ た あ と の 自分 の 無力 が よほど 悔しかった ん だ ろ う な
宇 白 さん と は 頻繁 に 連絡 を 取り つつ も ―
“ 子供 を 引き取る の は 一人前 の 軍人 に なって から ” と ―
心 に 決め て い た らしい
… と そこ に あの 黒い 怪獣 の ニュース が 舞い込む
姐 さん は 早速 ジアース 対策 員 に 志願 し
お前 さん と 再会 を 果たす わけ だ
( 佐々 見 ( さ さ み ) ) 田中 美 純 一 等 空 尉 だ
うん 分かった 今度 買い に 行 こ う
坊っちゃん の 体 の 中 に は 若 と 姐 さん の 血 が 流れ て い ます
あと カナ ちゃん と は いとこ 同士 だ
これ 姐 さん から 預かって まし た
( 保 ) ここ に 隠し とき ます 必要 な と き 使って ください
アア …
坊っちゃん は 気 の 強い 2 人 の 血 を 受け継 い でる ん だ
( 保 ) もう 何にも 怖がる こと は あり ませ ん
おふくろ さん が 温 ( あった ) め て くれ とる ぞ
( 泣き声 )
( 明かり を つける 音 )
( 足音 )
あっ …
( カナ ) お かえり
お前 知って た の か ? ( カナ ) なに ?
俺 が 父さん の 本当 の 子供 じゃ ない って
うん
田中 さん の こと は ?
田中 さん に お 兄ちゃん の 本当 の お 母さん を 捜し て って 頼 ん だの
でも …
( ウシロ ) その 田中 さん が 俺 の ホント の おふくろ だった ん だ よ
( 関 ) 洋子 ( よう こ ) ちゃん
話し て くれ ない か ? 知って る こと を 全て
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( マチ ) 勝って も 死 負け て も 死
この 宇宙 は 私 たち の 死 なし に は 成り立た ない
次回 「 ぼくら の 」 “ 宿命 ”
お 聞き 私 たち が どこ から やって 来 た か