Shiki Episode 22
( 富雄 ) い た か ー ?
( 武雄 ) 駄目 だ ! 見え ない !
( 富雄 ) そう 遠く へ は 行け ねえ はず だ !
( 沙 子 ) 室井 さん … !
朝 の 光 を 手放し た 花
注が れ ない 雨 を 求め
覚め ない 眠り に つく
誰 か を そっと 呼ぶ 声
闇 の 楽園 は
嘘 か 夢 か
失う の は 身体 と
自分 と いう 心
その 対価 を 差し出し
何 を 得 られる の だ ろ う
この 涙 で 奪え る 程 に
命 は 脆く て 儚く て
全て に 訪れる
終わり を
「 恐怖 」 と 嘆く の か
終演 を 歌う 金 盞花
静か に 咲き誇る
憎しみ も
悲しみ も
その 根 で た くり 寄せ て
終焉 を 歌う 金 盞花
寂し さ を 潤す
注が れ ない 雨 を 求め て
覚め ない 眠り に つく
( 急 ブレーキ の 音 )
( 銃声 )
( 衝突 音 )
( 銃声 )
待て 待て ー !
( 銃声 ) ( 辰巳 ) う わ っ !
( 銃声 )
( 銃声 )
あっ !
ハッ 。 室井 さん … 。
( 銃声 )
( 銃声 ) ( 辰巳 ) う わ ああ ああ ! !
嫌 よ … 室井 さん … 。
( 恵 ) 《 今度 こそ 村 を 出る ん だ 》
《 都会 の 華やか な 暮らし を 手 に 入れる ん だ 》 →
《 道 を ふさが れ た って →
いくら でも 国道 に 出る 方法 は ある 》
もう … 飼い主 は い ない 。
( 宗 貴 ) 笈 太郎 さん が 来 た 。
( 宗 貴 ) 桐 敷 の あの 辰巳 を 三 之 橋 で 撃ち 殺し た そう だ 。
( 敏夫 ) くい は ? ( 宗 貴 ) えっ ?
( 敏夫 ) くい を 打た ない と !
血管 系 の 破壊 に 至って い なけ れ ば 生き て いる 可能 性 が ある 。
ああ そう か 。
( 宗 秀 ) 大した もん だ な 。 ( 敏夫 ) 笈 太郎 さん !
( 笈 太郎 ) うん ? ( 宗 秀 ) ああ ? あれ は … 。 →
燃え とる ぞ 。
( 宗 貴 ) 山 入 だ 。 ( 敏夫 ) まずい !
( 沙 子 ) 室井 さん 駄目 !
お 願い ! 死な ない で ! ! 室井 さん ! お 願い ! !
( 武雄 ) 声 が し た ぞ ! →
女の子 の 声 だ !
( 富雄 ) やつ だ ! ( 武雄 ) どこ か で 追い抜 い た ん だ 。
( 武雄 ) 下 の 方 だ !
( 富雄 ) 広 が って 追い詰めよ う 。 やつ ら 夜目 が 利く 。 音 が 頼り だ 。
( 足音 )
( 武雄 ) 音 が し た ぞ 。 こっち だ !
( 宗 貴 ) 敏夫 ! 山 入 に は 水道 が ない 。 →
停電 で 井戸 の ポンプ も 使え ない ぞ !
ああ 。 乾燥 し て い て 風 も 強い 。 最悪 だ 。
( 恵 ) 《 あと 少し … 。 あと 少し よ 》 →
《 国道 を 渡って あの 向こう の 暗闇 に 飛び込 ん で しまえ ば →
人間 たち に は 見え ない 。 国道 を 渡って しまえ ば … 》
( 恵 ) 見逃し て よ 。
今 まで いい こと な ん か 何も なかった ん だ から 。
( 男性 ) お … おい 。 あれ 。
( 男性 ) 山 入 か ! ? ( 男性 ) ヤバ い ん じゃ ない か ?
( 恵 ) 《 今 だ ! ! 》
結城 君 !
( 男性 ) 誰 だ ! ( 男性 ) どう し た ! ?
( 男性 ) 逃がす な !
( 男性 ) 待て ! ( 男性 ) どこ 行った ! ?
大丈夫 よ 。 夜目 の 利か ない 人間 なんか 怖く ない 。
( 男性 ) い た ぞ ! ! ( 男性 ) こっち だ !
( 恵 ) 嫌 ! ! ( 男性 ) 逃がす な ー !
( 長谷川 ) 敏夫 君 。 →
一気に 広がった 。 水 も 使え ない ! ( 敏夫 ) ああ … 。
( 田代 ) どう する ? 消火 は 無理 だ ぞ 。
( 敏夫 ) うん 。 山 入 は 放棄 する しか ない な 。 →
死体 の 運搬 は 中止 し よ う 。 →
残った 死体 は 火 の 中 に 投げ込む ん だ 。
( 田代 ) ああ 分かった 。
風向き が 問題 か 。
( 男性 ) おい 。 死体 は 火 の 中 だ !
夏野 君 … 。
やめ て ! わたし !
わたし 恵 です ! 清水 の ! 清水 武雄 の 娘 です !
都会 へ 行き たい の 。 だから わたし … 。
キャー !
お 願い 助け て ! キャー ! !
あぁ … やめ て !
知ら ない の ? 清水 恵 よ !
みんな 笑って た くせ に 。 村 に 不似合い な 格好 し てる って 。
( トラクター の 走行 音 )
あ あー ! ! あっ あぁ ぁ ! !
う ぅ ぅぅ ! !
何 で よ ! ? 何で 分か ん ない の ! ? おかしい の は あんた たち よ ! →
こんな 村 で 平気 で 暮らし て いる ! 少しも 変わら ない !
よそ から 来 た 人 や 珍しい もの を 変 な 目 で 見る !
ダサ く て やぼったい の に 恥ずかしい と 思って ない !
こんな 村 … 。
こんな 村 最初 っ から なければ よかった の よ ! !
こんな 村 に 生まれて こ なけ れ ば よかった ! ! →
こんな 村 … N こんな 村 消え て しまえ ! !
わたし は い なかった ん だ ! ! わたし は こんな 村 に … 。
( 広沢 ) 早く 殺し て やろ う 。
こ … こいつ 本当 に 屍 鬼 な ん だ よ な ?
当たり前 だ ろ 。 人間 だったら とっくに 死 ん でる だ ろ 。
心配 する な 。 俺 は この 子 の 葬式 に 出 てる 。
( くい を 打つ 音 )
( 辰巳 ) 僕 は やる こと が ある ん だ が 。
( 夏野 ) それ を 邪魔 し に 来 た ん だ 。
( 男性 ) い た か ー ?
( 武雄 ) い た ぞ ー ! ! ( 男性 ) あっ !
( 武雄 ) 山 入 か … 。 誰 か 神社 に ! ( 男性 ) あっ ああ 。
( 富雄 ) 若 先生 に 木 を 倒す よう に 言う ん だ ! →
外 場 に 火 が 回ったら 大変 だ ! やつ は 任せろ !
( 富雄 ) 逃がさ ねえ !
( 男性 ) 急げ ! ほら ほら !
( 宗 秀 ) 若 先生 。 ( 敏夫 ) 山 入 で →
あれ だけ の 火事 が 起き たら 早晩 外部 の 連中 が やって 来る 。 →
あの 死体 の 山 は 言い訳 が でき ない 。 死体 の 処理 が 最 優先 だ 。
( 宗 貴 ) 敏夫 。 女 子供 だけ でも 先 に 避難 さ せ たら 。
車 も 人手 も いる ん だ 。 死体 を 始末 し て →
火 が 北山 を 越え て くる の を 何とか 止め なけ れ ば →
これほど の 犠牲 を 払って 村 を 守った 意味 が ない 。
違う か ? ( 宗 貴 ) ああ … 。
( 敏夫 ) ケガ 人 と 子供 たち は 徒歩 で 国道 の 周辺 に 待機 さ せよ う 。
( 宗 秀 ) 分かった 。 じゃあ ドライブイン に 集めよ う 。
お 願い し ます 。 世話 を する 者 を 残し て →
あと は 戻って 境内 の 死体 は 全て 地獄 穴 に 。
それ から 村中 を 回って 死体 の 積み残し は ない か →
路上 の 血痕 や 押し込 ん だ 跡 の カムフラージュ も し ない と 。
それ は 俺 が 手配 し て 何とか する 。 ( 敏夫 ) うん 。
( 男性 ) 若 先生 ! ( 男性 ) 山 入 が ! !
火 の 勢い が 強い ! 南 風 で 最悪 だ 。
あと は 北山 で 火 の 広がり を 食い止める !
なるほど 。 少し は 血 を 吸った よう だ な 。
( 沙 子 ) あっ … ! ( 武雄 ) 見失った ! ゴホゴホ … 。
( 富雄 ) 大丈夫 だ 。 さっき まで 見え て た ん だ 。 →
そう 遠く へ は 行け ねえ 。 ゴホッ … くそ ぉ !
( 辰巳 ) 人 狼 は 屍 鬼 と 違って 一 度 も 死 ん で い ない 。 →
死 の 淵 から 死な ない まま 変容 する ん だ 。 →
君 の 父上 は 死 ん だ と 思った よう だ ね 。 →
わざわざ 都会 から 葬儀 社 の 人 を 呼 ん だ ん だ ろ 。 →
人 狼 は 屍 鬼 と は 似て 非なる もの 。 →
希少 な 同族 に 情 が 湧 い て しまった の かも しれ ない 。
殺す 判断 を 誤った 。 →
沙 子 が 止め て も 殺す べき だった よ 。 →
君 が 千鶴 より 先 に 尾崎 の 若 先生 に 暗示 を かけ て い た ん だ ろ う ? →
だから 千鶴 の 暗示 は 効か なかった 。
( 辰巳 ) おかげ で 僕ら は この ありさま だ 。 →
もう 十 分 だ ろ ?
分かって ない な 。 俺 と あんた は 違う よ 。
フッ 。 その よう だ ね ! !
あっ ! !
う ああ ああ あ ! !
子供 の 遊び に 付き合って る 暇 は ない と 言って る ん だ 。
始め た の は あんた たち の 方 だ 。
ハァ … 。
( 沙 子 ) なぜ そんなに わたし を 疎 む の ? →
なぜ … 。 あの とき なぜ 黙って い た の ? →
あの とき なぜ 罪 から 遠ざけよ う と し て くれ なかった の ?
わたし は 望 ん で 敵 に なった わけ じゃ ない !
それなのに 許し を 施し て くれよ う と も し ない !
どうして な の ! ?
( 扉 を 壊す 音 )
( 富雄 ) こんな 所 に 逃げ込む と は 。
とうとう 観念 し た の かい お 嬢ちゃん 。 ゴホッ … 。 →
何 を 怖がって る ? 散々 村 の 者 を 殺し た やつ が !
分から ない な 。 そこ まで 人 の 味方 を し た ところ で →
何 の 意味 が ある ? 誰 も 受け入れ て は くれ ない ぞ 。 →
いつ 血 を 吸わ れる か 分から ない やつ を →
仲間 に 加える と 思って いる の か ?
俺 が いつ 人 に 味方 し てる と 言った ?
俺 は ただ あんた ら が 気 に 食わ ない だけ だ 。
嫌 ぁ !
う お おお おお ! !
( 沙 子 ) う あっ … ! !
あー っ ! ! ( 富雄 ) 捕まえ た ぞ ガキ ! !
( 沙 子 の 悲鳴 )
( 田代 ) 敏夫 ! もう 無理 だ ! ( 長谷川 ) 何 し てる ! ? 逃げろ !
( 敏夫 ) ぬ お ー ! ! ( 田代 ) 敏夫 ! 敏夫 !
( 敏夫 ) う お おお おお ! ! ぬ あー っ ! ! う っ ! !
( 田代 ) 敏夫 ! !
( 男性 ) 火 が 北山 を 越え てる ぞ !
( 男性 ) このまま じゃ … 。 ( 宗 貴 ) 外 場 が 燃える 。
( 宗 秀 ) これ は … 。
( 宗 秀 ) 片付け 終わる 前 に 火 が 来 て しまう … 。
あぁ ぁぁ … 。 あー ! !
あ あっ ! あっ あっ … 。
いいかげん で 覚悟 し な 。
や … やめ て ! お 願い ! !
ああ ! ? それ は ない だ ろ う 人殺し の お 嬢ちゃん 。
世の中 に は やって いい こと と 悪い こと が ある ん だ ! !
自分 たち の 都合 で 人 を 襲って おい て →
起き上がれ ば 勝手 に 仲間 扱い を する 。
やっ 。 それ が 気 に 入ら ない か ?
君 は 分かって ない な !
冗談 じゃ ない ! !
( 富雄 ) いい か 。 世の中 に は 昔 から →
誰 が 決め た わけ で も ない ルール って もん が ある ん だ 。 →
そんなに ややこしい もん じゃ ねえ 。 →
よそ者 は 周り に あいさつ し て 村 に な じん で いく 。 そんな もん だ 。
( 富雄 ) 若い やつ は 年寄り より 先 に 死ぬ はず が ねえ 。 →
それ が 外 場 み て ぇ に ちっちゃな 村 を 守って き た →
大事 な もん だ !
お前 は そい つ を ずたずた に し た 。 ルール 破り は 地獄 へ 帰 ん な !
二 度 と 起き上がって くる ん じゃ ねえ ! !
うん ?
ハッ … 。
なるほど 。 君 は 初め から こう する つもり だった の か 。 →
だが この くらい じゃ 人 狼 は 死な ない ん だ よ 。
不便 だ よ な 。
君 は 死ぬ の は 怖く ない の かい ? 俺 は もう とっくに 死 ん でる 。
( 爆発 音 )
ハッ 。 室井 さん … 。
( 静 信 ) ここ は もう 焼け落ち て しまう 。 急 ご う 。
( 沙 子 ) ここ に いる わ 。 ( 静 信 ) 沙 子 。
室井 さん も ここ に い て 。
やっと … 。
自分 を 捨て去る 決心 が つい た の 。
神 に 見放さ れ た 者 は 生き て いる べき で は ない の よ 。
沙 子 。 僕 は こう なって 初めて 分かった よ 。 →
神 は いつ でも 何も 言わ ない もの な の だ よ 。 →
そして 神 の 沈黙 と 生きる こと 死ぬ こと は 関係 が ない ん だ 。
室井 さん … 。 ( 静 信 ) それ だけ じゃ ない 。 →
君 は 世界 から 孤立 し た とき →
同時に 神 の 範疇 から も 除外 さ れ て しまった ん だ 。 →
君 を 守る もの は ない 。
罪 を とがめ られ 弾劾 さ れる 資格 すら ない ん だ 。
( 沙 子 ) ひどい わ ね 。
( 静 信 ) に も かかわら ず 君 は 神 へ の 信仰 と 思 慕 を →
捨て られ ず に 生き 続け て きた ん だ ね 。
( 沙 子 ) 悲し 過ぎる わ 。
( 敏夫 ) 駄目 だ 。
もう 溝辺 町 でも あの 火 は 見える だ ろ う 。 →
じき 消防 車 が 駆け付け て くる 。 →
こう なったら もう 火勢 に 任せる しか ない 。
結局 村 は 滅びる って わけ だ 。 負け た の か 俺 は 。
勝ち負け な ん です か ? 誰 に 対 する … ?
さあ … 誰 だ ろ う 。
( 敏夫 ) 俺 が やった こと は →
悪あがき に すぎ なかった の かも しれ ん な … 。
( 消防 車 の サイレン )
( 昭 ) 姉ちゃん ! 外 場 が 燃え てる ! !
( 消防 車 の サイレン )
闇 に 紛れ て
息 を 殺す
闇 を まとって
ふっと 微笑む
気のせい さ
お前 など 誰 も 知る はず ない
月 だけ が
見つめ て いる
ああ 終わり の 無い 夜 彷徨う
ああ あなた の 夢 ただ 夢見 て
ああ 終わり の 無い 夜 彷徨う
ああ あなた の 夢 ただ 夢見 て