DantaliannoShokaEpisode 5
目覚め た か 我が 娘 よ
美しく 成長 し て くれた な
俗物 ども の 好み そう な 安い 美貌 だ
然 れば 面白い 趣向 を 思い つい た
趣向
実験 だ よ
魔術 師 の 娘
はい
この ウスノロ
私 の 読みかけ の 本 を 片付ける 気 です か
何 冊 も ほうりっぱなし だった だろう
はい
少尉 殿
アルマン か
お 願い です 少尉 殿
私 に 本 を 譲って ください
は 幻 書 です 自分 は 幻 書 が 必要 な の です
幻 書
また です か
少尉 殿 本当 に いい ん です か
アルマン その 呼ぶ 方 は 止めて くれ と 言った だろう
すみません
でも 本当 に こんな 幼い 子供 を 連れ て いって いい んですか
ダリ アン の こと なら 心配 要らない と 思う よ
多分 ね
これ から 行く の は
裏 社交 界 の 高級 娼婦 を 紹介 する 娼館 です よ
私 は
求婚 した 相手 に 幻書 を 寄越せ など と 要求 した ヴィオラ とか いう 女 に 会い たい の です
だから それ が …
水銀 細工
王 都 の 月 女神
十六夜 薔薇 の 令嬢
数 限りない 賛辞 も 惜しい まま に する 高級 娼婦 に し て
ジェレマイア 財閥 の 御 曹司 アルマン *ジェレマイア を 取り込み に し た
ヴィオラ *デェプレシー だ ろう
お前 も やっぱり 娼婦 と やら に 興味 津々 な の です ね
興味 津々 なの は 君 だろう
男 の 考える こと は 皆 同じ な の です
こんな 簡単 に ヴィオラ が 自分 の 屋敷 の 場所 を 教える なんて
聞い た こと が あり ませ ん よ
読 姫 が 訪ねてきたら 自分 の 屋敷 を 教える ように と 伝言 し て たんだ
つまり 君 が 来る の が 分かって いた ん だ
あの それ で
ヴィオラ に 出会え たら
自分 の 願い は …
例の …幻 書 の こと かい
はい
家 の 書庫 を 探し て 見つけ られたら 勝手に 持って行く が いい です
有難う 御座います
こちら です ジェレマイア 様
ヴィオラ
お 久しぶり です ね アルマン
ヴィオラ 泣いていた の かい
お 恥ずかしい 姿 を
月 を 眺めて いたら なぜ か 涙 が
自分 は 月 が 憎い
いい や 羨ましい
田舎 芝居 も ほどほど に する の です
お 友達 の 方 です か
失礼 こちら は 自分 の 曾 て の 上官
ヒュー *アソン ニー *ディス ワード 少尉 殿 です
殿 は やめ て くれない か
はじめ まして
はじめ まして 少尉
ヴィオラ と お呼び ください
宜しく ヴィオラ
なぜ 幻 書 を 求め た の です か
はい
私 たち は お前 が なぜ 幻 書 を 求め た の か 知り たく て ここ に 来た の です
あの
この 子 は その …
ロード *モスキン に は 「慧者 の 石板 」
サー *バル ボン に は 「燃える 黄金 珠 の 集成 」
グランヴィル 兄弟 に は 「殷 王 神 鑑 」と 「龍樹 の 玉 稿 」
そして この すっと こ どっこい に は 「 火 蜥蜴 の 刻印 の 書 」 を
すべて お前 が
お前 に 求婚 し た 者 に 結婚 したければ 持って くる ように 要求 した 幻書 な の です
えっ すべて ヴィオラ が
ど いつ こいつ も そろって この 唐 変 木 の 家 を 訪ねて 来た の です
幻 書 を お 持ち で は あり ませ ん か
譲って いただけ ません
五 人 ども です
私 を 間抜け ども の 相手 で 睡眠 不足 に でも させたい の です か
それ は ご 迷惑 を お 掛け し まし た
黒 の 読 姫
やっぱり ダリ アン を 知って い た の か
九十万 と 六百六十六 冊 の 幻 書 を 封印 し た 幻 の 図書館
ダン タリ アン の 書架 を 統べる 姫
実在 する と は 思い ませ ん で し た
ならば お前 の その 知識 は 何 なの ですか
分かり ませ ん
私 に は 記憶 が ない の です
この 街 に 来た 三 年 前 より 前 の 記憶 が
そんな 悲し 目 を し ない で おくれ ヴィオラ
君 は 誰 より も 博識 じゃ ない か
文学 や 故事 に も 精通 し
最先端 の 学問 の 知識 も ある
いいえ 私 の 持っている の は ただの 知識
私 自身 の 思い出 は 何も ない
この 美しい 衣装 も 豪華 な 屋敷 も
すべて パトロン で ある 殿 方 から 与え られた 物
私 の 持ち物 は 何一つ ここ に は ない わ
ヴィオラ
そんな 悲しい 表情 を
いい加減 に する の です
この すっと こ どっこい
危ない
下がれ ダリ アン
もう すぐ よ ヴィオラ
伯爵 が この 地 に 戻って くる わ
お前 を 連れ戻す ため に
帰還 準備 を 次 の 満月 の 夜 まで に
大丈夫 です か
ええ
さすが は 裏 社交 界 の 高級 娼婦
つき合う 相手 も 並み で は ない の です
警告
いい や 予告 か
知って いる 相手 な の かい
いいえ 知り ませ ん
何 を 言って いる の かも
伯爵 と は 貴方 を 連れ戻す と 言って い た
分かり ませ ん
ただ 恐ろしい 方 だ と いう 感じ だけ が
期限 は 次 の 満月 の 夜 か
だから お前 は 求婚者 たち に 幻書 を 探し出す こと を 望んだ の です か
その 伯爵 と や ら に 対抗 する ため に
多分 私 が この 街 に 居続ける ため に は その 五 冊 が 必要 だ と
私 の 知識 が そう 言って いる ん です
どこ から 来た の かも 分からない 知識 が
ええ
ご 安心 ください ヴィオラ
自分 が 必ず 幻 書 を 探し出し て 貴方 の こと を 守り ます
ありがとう アルマン
その 貴方 の 気持ち だけ で 私 は 満足 です
ああ ヴィオラ
例え 有 翼 の 女 相手 でも
例え 謎 の 伯爵 が 相手 でも
私 が 必ず …
一つ だけ 聞かせて 欲しい の です
なぜ お前 は 幻 書 を 手に入れ て まで この 街 に 残りたい と 思った の です か
実は よく 分から ない の です
ただ 別れ たく ない 人 が いる の です
おお ヴィオラ
もう 用 が 済んだ の です ヒューイ
分かった
また 来る の です
次 の 満月 の 夜 に
もう 一 度
そう そう たる 顔ぶれ だ ね
ヴィオラ 嬢 の 人望 は たいした もの だ
ど いつ も こいつ も 女 の 色 香 に 惑わさ れた 助平 ども な の です
血生臭い こと に なら なければ いい けど
そもそも あんな 武器 で 太刀打ち できる 相手 な の です か
大丈夫 です
自分 に は この 幻書 が あり ます から
見つけ た の か アルマン
はい 少尉 殿
昨夜 遅く に やっと
たいした もの だ
お前 達 「竹取 物語 」と いう もの を 知って います か
あ 東洋 の お伽話 だ ね
イエス
千年 近く も 前 の 古い 伝説 な の です
五 人 の 貴公子 に 求婚 さ れた 赫映姫 は
彼ら に 嫁ぐ 条件 として 五 つ の 宝 器 を 持参 する ように 命じた のです
ヴィオラ の 無理 難題 に 似ている な
男 と は 千 年 も 前 から 女 の 我が儘 に 振り回さ れ 続けて いる
進歩 の ない 馬鹿 な 生き物 な の です
だが ヴィオラ は 自分 が この 街 に 残る ために は 五 冊 の 幻書 が 必要 だ と 言って い た
そんな …
まさか ヴィオラ を 守る 為 に は
この 「火蜥蜴 の 刻印 の 書 」だけ で は 不足 だ と
心配 は 無用 だ アルマン *ジェレマイア
ロード *モス キン
幻 書 を 探し当てた の が 自分 だけ だ と でも 思っていた の か ね
この 通り 我ら も また ヴィオラ の 依頼 を 果たして 参上 し た の だ
これ で 我々 は 皆 条件 は 同じ と いう 訳 です な
ヴィオラ に は もう 一 度
結婚 相手 を 選 ん で もらう こと に し ま しょ う
そう です ね
不埒 な 誘拐 犯 を 追い払った 後 で じっくり と
よくも 五 冊 の 幻書 が 全部 都合良く 揃った もの だ
主役 の お出まし な の です
皆様
こんな 私 の ため に 集まって くださって
本当 に 感謝 に 堪え ませ ん
けれど その お 気持ち だけ で
もう 十分 です
逆 効果 だ
いいえ 狙い 通り な の です
逃げ て ください 早く
心配 は 要り ません よ ヴィオラ
我々 は 貴方 を 何 処 に も 連れ て 行かせ は しません
そう です と も
私 たち に は 幻 書 が あり ます
貴方 が 望んだ 五 冊 の 幻書 が
ご 覧 ください ヴィオラ
五 冊 の 幻書 か
そんな 物 の 力 に 頼って まで 我 に 逆らう か
実に 素晴らしい ぞ ヴィオラ
何者 だ
宙 に 浮い てる ぞ
下がり たまえ
俗物 の 屑 諸君
なん だ と
無礼 な
君 たち に 用 は ない
化け物 め
き 貴 様
何 を し た
我 の 力 よもや 忘れた わけ で は ある まい な
無駄 な 抵抗 は 止めて
素直 に 戻って 来る の だ ヴィオラ
我が 娘 よ
お お父様
お 父様
感動 的 な 親子 の 再会 な の です
血液 を 沸騰 し た 水銀 に 変えた んだ
彼 の 持つ 幻書 の 力 な の か
ノウ
あの 男 は 幻書 の 読み手 で は ない の です
だったら 彼 の 使った 力 は
あの 男 が わざわざ 満月 を 指定 し た 現れた のに は
理由 が ある と 考える の が 自然 な の です
ヴィオラ よ 実験 は 終わり だ
これ だけ の 数 の 男 を 手玉 に 取る とは 我 の 予想 を 上回る 成果 だ
さあ 我 に お前 の 体 を 調べ させて くれ
我 を 拒む か
然 れば 連れ戻す まで
物質 召喚
娘 たち よ
無粋 な 邪魔者 ども を 駆逐 せよ
やめ て
あれ も 幻 書 の 力 じゃ ない と いう の か ダリ アン
あの 男 は 禁断 の 叡智 を 知る 者 です
幻 書 に 頼ら ず
自ら の 知識 で 魔力 を 振るう 者
即 ち
本物 の 魔術師 な の です
本物 の …魔術師
そう か
満月 は 魔力 が 最も 強く なる 時
左 様
我が 名 は メル ガル
遥か 古 に 異郷 の 王 より 伯爵 位 を 与えられし 者
死 の 定め より 解き放たれる 学究 の 徒
お目にかかれ て 光栄 です ぞ
黒 の 読 姫
よもや この 時代 に
お前 ほど の 力 を 持つ 魔術師 に 巡り合え る と は 思って なかった の です
その ような 過褒 な 賛辞 を 賜り 幸甚 の 至り
然 れば 黒 の 読 姫 に は
我が 愛娘 を 回収 する こと お 目 溢し 願い た …
やめろ 我が 愛娘 を 回収 する こと お 目 溢し 願い た …
やめろ
こ これ 以上 ヴィオラ を 悲しま せる よう な 真似 は 許さ ん ぞ
「 火 蜥蜴 の 刻印 の 書 」 か
然 れ ども 愚か なり
熱い
そんな まさか 偽物
金銭 で 手 に 入れた 偽り の 愛 に 偽り の 幻 書 偽り の 社交 界
すべて が 偽り の お前 に は 相応しい 舞台 で は ない か ね ヴィオラ よ
彼女 へ の 侮辱 は 許さ ん
許さ れ なけ れば どう だ と いう の かね 俗物 ども が
駄目
ヴィオラ
君 は
分かった か ね
これ が 「水銀 細工 」と 謳われ し 高級 娼婦 の 正体
錬金術 で 生み出さ れた ホムンクルス だ
何の ため に こんな こと を
実験 だ よ
我 の 造り し 人造 人間 が どれ だけ 人間 に 近づける か
君 たち を 誑かし 騙し 続ける こと が ヴィオラ の 使命
そして 自分 の 演技 に 酔いしれた 娘 は
自我 に すら 目覚めて 創造 主たる 我 を 裏切った
実に 素晴らしい
ヴィオラ を どう する つもり な の です か メル ガル
回収 し て 分解 いたし ます
いかなる 記憶 の 蓄積 が 自我 を 生じ せ しめた の か
生命 と 器物 の 境目 は 何 処 に あり や
それ こそ 我ら は …
分解 だ と
そんな こと は させ ない
例え 世間 が 偽り と 呼ぼう とも
自分 が ヴィオラ を 想う 気持ち に 偽り は ない
良く ぞ 言った 我が 恋 敵 よ
ここ で 退け ば 我々 は 世間 の 笑い もの だ
くだら ん 意地 の ため に 死 を 選ぶ か
やむ を 得ぬ
我が 至高 の 魔術 よ
彼ら に 無慈悲 なる 死 の 慈悲 を 与えよ
ヒューイ お前 に 門 を 開く 権利 を 与える の です
我 は 問う
汝 は 人 なり や
否 我 は 天
壺 中 の 天 なり
君 は
この ダン タリ アン の 書架 から 出 たく ない の
私 は ここ から 離れ たく ない の
私 は 大好き な 本 に 囲まれて い たい
本 だけ で 世界 を 知る こと は できない よ
出来る わ
本 に は すべて が 記さ れて いる
お 日様 の 匂い も
スコーン の 甘さ も
ベット の 温もり で さえ も
それ は 本当 の 世界 な の
そう よ 私 に は そう
それ で 君 は 寂しく ない の
そんな 気持ち
もう 忘れ て しまった
そう よ そんな 気持ち は 忘れ て い た の
貴方 が ここ に 来る まで は
地獄 の 炎 で 燃え尽きる が いい
無傷 だ と
我 は 育む 我 は 滅ぼす
火 の 精霊 サラ マン ダー は 不死 の 刻印
いかなる 炎 を も 封じる 耐火 の 紋章
「火蜥蜴 の 刻印 の 書 」か
本物 だ と
幻 書 が お前 たち を 選んだ の です
我が 娘 たち よ
撃て よ 黄金 珠
邪悪 なる 鬼 ども を 撃ち 抜け
金 の 波動 は …
「燃える 黄金 珠 の 集成 」か
然 れば
まこと は 影 まやかし は 光
近所 は 影 を 求める 光 を 退け たまえ
間違った 死者 は 聖者 に すべて を なぜ ならば 退散 は 正しい 道 を 求め
やめ て ください お 父様
まやかし の 術 を 無効化 する 幻書 「慧者 の 石板 」です
お 父様 の 魔術 で は もう この 方たち を 傷つける こと は できません
それ に お 父様 が 傷つけた 方々 も
戦い の 傷 を 癒す 幻 書 「殷 王 神 鑑 」
それ に 幻術 による 仮初め の 死者 を 蘇生 させる 「龍樹 の 玉稿 」
悉く 我 が 術 を 覆す 幻書 を 揃える と は
いかなる 意 想 か
読 姫 よ
文句 は お前 の 娘 に 言う の です
それ ら の 幻書 を 集める よう 色気 に 惑った 男 ども に 命じた の は
お前 が 嘲って い た その ホムンクルス な の です から
よか ろ う ヴィオラ よ 我 の 負け だ
永劫 に 歳 古る こと も 叶わぬ 作り物 の 身 で
愛 を 知る こと が できる と いう の なら
それ は それ で 愉快 な こと よ
お前 が 再び 我が 元 に 戻り たい と 願う 日 まで
せいぜい 自由 に 生きる が いい
では 読 姫 と その 鍵 守 よ
また どこ か で 相まみえましょうぞ
くたばれ
幻 書 は お返し し ます 少尉 殿
自分 たち に は もう 必要 ない 物 です から
ありがとう
皆さん に は なんと お礼 を 言ったら いい の か
礼 なんて 不要 です ヴィオラ
愛 する 女性 を 守る の は 紳士 の 務め
これ で 貴方 も 心おきなく
好き な 男性 の 元 に 行ける の で は ありません か
はい
それでは
五 人 の 中 から 誰 を 選ぶ か 決めて いただけませんか
それとも 何 か 新しい 条件 でも
その 必要 は あり ませ ん
私 に は もう 心 に 決めた 人 が います から
ヴィオラ
男爵 様
男爵 様
ヴィオラ 無事 で 良かった
男爵 様 来て くださった の です ね
勿論 さ ヴィオラ
あの …
誰 だ
ご 紹介 し ます わ
この 方 が 私 の 新しい 恋人 です
こ 恋人
でも ヴィオラ
君 は 自分 たち が 求婚 し た 時 幻書 を 持ってきた 人 と 結婚 する って 約束 し た ん じゃ
はい で も この 方 と は 皆さん に お 願い し た 後 で 知り合った ん です
だから ごめんなさい ね
皆さん の こと 私 決して 忘れ たり し ませ ん わ
ありがとう
僕 から も 礼 を 言う よ
ありがとう 諸君
それでは
ああ ヴィオラ
凄い な さすが は 魔術 師 の 娘 だ
女心 は 幻 書 より も 奇 なり な の です
なあ ダリ アン
女性 は 拘束 願望 が 強い もの な の か な
こう きゅっと さ れ たい とか
一体 何 が 言い たい の です か
だって 彼女 も 君 も
わ 私 を 変態 扱い する な です
次回 焚書 官