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イタズラなKiss〜Love in TOKYO, イタズラなKiss〜Love in TOKYO#10 (2)

イタズラ な Kiss 〜 Love in TOKYO #10 (2)

お前 の 弟 が 倒れた ん や

今 琴子 と 一緒に 高尾 病院 に おる ん や

( 直樹 ) すいません ちょっと 抜け ます

( 店員 ) オーケー

( 金之助 ) すいません すいません

( 直樹 ) タクシー !―

すいません 高尾 病院 まで お願いします

入江 君 早く 来て …

入江 君 …

( 直樹 ) すいません 入江 裕樹 は ?

( 戸 が 開く 音 )

入江 君 ! よかった

裕樹 君 が 手術 し ない と いけなくて 親族 の 同意書 が …

今 手続き して きた もう 大丈夫

もう 大丈夫 だ 待たせて 悪かった な

( 裕樹 ) ぼ … 僕 死ぬ の ?

死な ない 簡単 な 手術 だ すぐ 終わる

頑張れ よ

( 戸 が 開く 音 )

( 医師 ) それ じゃあ 準備 が でき ました ので ―

手術室 に 運び ます

( 看護師 ) ご 家族 の 方 は 手術 が 終わる まで こちら で 待機 して いて ください

( 直樹 ) 分かり ました ありがとう ございます

( 金之助 ) はぁ …―

これ で 琴子 も 一安心 や な ほな わし もう 行く わ

今日 大将 おら ん で 小田原 さん 1 人 や し

いっぱい いっぱい や と 思う から

ほんとに ありがとう

小田原 さん に も よろしく 伝え といて ね

おう ほんま 大事 に 至ら ん で よかった またな

( 琴子 ) うん

( 直樹 ) 池沢

ありがとう

お前 ちょっと 自分勝手 すぎる ん ちゃう か ?―

1 人 暮らし す ん の は 勝手 や けど

家族 に 連絡先 ぐらい ちゃんと 教え とか ん かい !―

その せい で 裕樹 君 に もしも の こと が あったら ―

どない す ん ねん

わし かて 大阪 出て 1 人 で 東京 に 来た 男 や

お前 が 1 人 で おり たい っちゅう の は

何か 深い 訳 が ある ん やろ

せや けど その せい で 万が一 の こと が 起き たら

自分 も 周り の 人間 も 傷つく ん や で

そう なって から で は 遅い ねん ―

ふう

人 は 1 人 で は 生き られ へん の や

自分 の 思って る こと と か 考えて る こと と か

周り の 人間 に 話す ん は 大事 な こっちゃ で ―

ふう

ほな 琴子 またな

ほんとに ありがとう

( 琴子 ) はぁ …

入江 君 ?

そう だ 私 おば 様 に 連絡 する の 忘れて た

おお よし

あっ 大変 だ いっぱい 着信 ある

ここ 病院 だ ぞ

そっか

♪~

( 携帯 電話 の 呼び出し音 )

( 紀子 ) あっ やっと つながった わ ! 琴子 ちゃーん !

おば 様 あの ゆ … 裕樹 君 が 急きょ 手術 する こと に なって

( 紀子 ) え えっ !? え … 手術 !?

あの 腸閉塞 の 一種 らしい んです けど あの …

あの 発症 して から すぐに 手術 する こと が できた ので

あの 大事 に は 至らない だろう って はい

あっ もう すぐ あの 手術 終わり ます

そいで あの 入江 君 が 来て くれて

あの それ で 付き添って くれて る ので

( 紀子 ) ああ と … とにかく ! 私 も すぐに 戻る から !

あ … すぐに 戻る って 九州 です よ ね ?

あの 飛行機 と か 新幹線 と か もう 終わって ます よ …

( 紀子 ) 東京 プリーズ !

( 琴子 ) おば 様 たち 今 どこ に いる んです か ?

( 紀子 ) 私 たち の こと は 心配 いら ない わ ―

( 紀子 ) 私 たち の こと は 心配 いら ない わ ―

( 重雄 ) おーい

( 紀子 ) 私 たち の こと は 心配 いら ない わ ―

( 紀子 ) 私 たち の こと は 心配 いら ない わ ―

( 重樹 ) エブリバディ う う …

( 重樹 ) エブリバディ う う …

( 重樹 ) エブリバディ う う …

何と して でも 絶対 必ず ―

東京 に たどりつく から ー !

東京 に たどりつく から ー !

( 重雄 ) 何で 博多 ?

東京 に たどりつく から ー !

東京 プリーズ !―

私 が 帰る まで あと 少し 裕樹 を よろしく ね !

私 が 帰る まで あと 少し 裕樹 を よろしく ね !

はい あの おば 様 たち も あの 気 を 付けて

私 が 帰る まで あと 少し 裕樹 を よろしく ね !

私 が 帰る まで あと 少し 裕樹 を よろしく ね !

はい … はい

はい … はい

( 携帯 電話 の 切れる 音 )

( 携帯 電話 の 切れる 音 )

え ? もしも … もしも … え …

え ? もしも … もしも … え …

ありがとう 琴子

( 鼻 を すする 音 )

怖かった …

( 琴子 の 泣き声 )

( 琴子 ) 怖かった …―

入江 君 怖かった …

( 琴子 の 泣き声 )

( 琴子 の 泣き声 )

もう 大丈夫 だ よ

( 琴子 の 泣き声 )

( 医師 ) 手術 は 無事に 成功 し ました

あした に は 一般 病棟 の 方 に 移し ます

ご 家族 の 方 も 今夜 は 一度 お 戻り に なら れて ください

でも …

ICU の 方 で は 付き添い が でき ません し

宿泊 施設 も 用意 して い ません ので

あした の 朝 来て いただければ 大丈夫です から

分かり ました

先生 本当に ありがとう ございました

しかし あの お嬢さん が 素早い 判断 を して

病院 に 連れて きて くれて 本当に よかった ―

早期 に 発見 すれば 決して 大事に 至る 病 で は ない のです が ―

単なる 腹痛 だ と 思って 我慢 さ せて しまう こと も 多くて

本来 なら 治る 病 な のに 命 に 関わる 事態 に

なって しまう こと も ある んです よ ―

特に 小さな 子供 の 場合 は ―

弟 さん は 本当に 運 が よかった ―

あの お嬢さん に 感謝 し ない と いけ ませ ん ね

( 琴子 ) どう だった ?

もう 大丈夫 あした に は 一般 病棟 に 移れる って

じゃあ 私 裕樹 君 の 付き添い に …

じゃあ 私 裕樹 君 の 付き添い に …

それ は でき ない って

それ は でき ない って

でも …

後 は プロ に 任せよう

あした から も 裕樹 の 入院 生活 は 続く んだ し

お前 も 少し 休んだ 方 が いい

行こう 送って く よ

( 琴子 ) う ~ うわ 雪 降って る

( 直樹 ) 今夜 かなり 冷え込んだ から な ―

終電 も 終わって る し ―

この 雪 じゃ なかなか タクシー も 拾え そうに ない な

( 琴子 ) え ?―

ああ どう しよう ―

ほんと だ 全然 車 来 ない

俺 の マンション 来る ?

えっ ?

こっから 歩いて 10 分 ぐらい な んだ けど

( 琴子 ) 傘 は ? 傘 は ?―

傘 … あの 傘 は …

どうぞ

( 琴子 ) お邪魔します

じろじろ 見 ん な よ

フフ …

( 琴子 ) これ が 入江 君 の 住んで る 部屋 ―

私 今 入江 君 の 部屋 に 二人きり で いる んだ

この 部屋 …

松本 さん も 来た の ?

( 直樹 ) いや お前 が 初めて

冷え た だろ ?

シャワー 使う ?

ほおっ

アハッ 入江 君 お 先 に どうぞ

俺 は 後 で いい よ

おお いや 入江 君 ち なんだ から

おっ 私 おば 様 に

無事 手術 が 終わった って 連絡 とか し ない と ―

あの 今夜 は 付き添い でき ない んだ って 言っ とか ない と

病院 に 直行 し ちゃい そう だ し ねっ

だから 入江 君 先 に どうぞ ハァ ハァ

( 琴子 ) 彼 は シャワー を 浴びて いて ―

そして これ から 二人きり の 一夜 が …―

そりゃ 入江 家 で 一度 そんな こと も あった けど ―

今度 は 訳 が 違う ―

だって この 部屋 …―

ベッド が 1 つ しか ない んだ もん !

ええ ~ う おお ~

ううん 私 こんな とき 何て こと 考えて ん の もう

ハァ ハァ …

( ドア が 開く 音 )

( 直樹 ) お先に

( 琴子 ) うん

( 直樹 ) 着替え 俺 の しか ない けど

うん

ありがとう

じゃあ

じゃあ お 風呂 いただきまーす ウフフ

ウフフ じゃあ

ふう

おっ 入江 君 の シャンプー

おお 入江 君 が 使った せっけん

フフ …

フフ …

( ノック )

( ノック )

( ノック )

ほっ ほっ はい はい

ほっ ほっ はい はい

( 直樹 ) タオル そこ に ある から

あ … はい

ああ … 入江 君 の タオル …

ああ …

( 物音 )

お 風呂 いただき ました

ああ

俺 そろそろ 寝る けど

うっ ああ そう ね

じゃあ 私 ここら 辺 で 寝る から 入江 君 どうぞ ベッド 使って

そんな の 当たり前 だろ

へっ ?

普通 女の子 に

“ 何 言って んだ よ ”―

“ 俺 ここ で 寝る から 君 ベッド 使い な よ ”―

と か 言わ ない ?

冗談 だ よ ベッド 使って いい よ

え ?

ああっ いや いや でも

あの それ じゃ 申し訳ない から ね ?

自分 で 言いだした くせ に どっち だ よ

いい から さっさ と 寝ろ よ

いや … いや でも …

( 直樹 ) おやすみ

うっ はい

電気 消す ぞ

は … はい

ねえ

( 直樹 ) 何 だ よ ?

ちっちゃい 電気 つか ない ?

俺 真っ暗 じゃない と 寝れ ない んだ けど

でも これ じゃ トイレ に も 行け ない

( 直樹 ) はぁ …―

ったく ―

これ で いい か ?

うん ごめん ね ありがと

じゃあ おやすみなさい

( 時計 の 秒針 の 音 )

ねえ

今度 は 何 だ ?

入江 君 やっぱり 寒く ない ?

寒い に 決まって んだ ろ

う … 私 やっぱり 下 行く よ

あの だって ここ 入江 君 ち だ し さ

いい から もう 寝て くれ よ

え … でも だって 申し訳ない し

だって 冷たい の も だって もう …

分かった !

俺 も そっち に 行けば いい んだ ろ ?

へ ?―

う … ちょっ あっ 私 床 に 下 に …

いい よ こう したら お前 も 静かに なる だ ろ

( 琴子 ) あ …

( 直樹 ) おやすみ

♪~

( 琴子 ) 私 ったら 何 を 期待 して る ん だろう ―

裕樹 君 が こんな とき に ―

当たり前 じゃない

おやすみなさい

( 琴子 ) でも 女の子 と 1 つ の ベッド で 何も し ない なんて ―

ただ 私 に 女 と して の 魅力 が ない だけ な の か なあ ―

そう か そう だ よ ね

( 直樹 ) 落ち込んで る ?

俺 が 何も し ない から お前 落ち込んで る だ ろ ?

( 琴子 ) フ … 落ち込んで なんか …

俺 おふくろ の 思いどおり に なり たく ない んだ

今日 お前 が ここ に 泊まり に 来た こと を おふくろ が 知って

それ で 何か あった なんて いう こと に でも なって みろ

あの 人 の 思うつぼ だ ろ

そしたら 俺 一生 あの 人 の 思いどおり に され ちまう

琴子 ちゃーん

お 兄ちゃん の 部屋 に 泊まった の ?

まあ ! ウフフ

( 琴子 ) フフ … 何となく 分かる

だから 家族 に も この 家 の 住所 を 教え なかった んだ

そう だった の

おふくろ って あんな ん だ ろ ? もし 住所 教えたら

合鍵 作って 毎日 押しかけて

3 食 作って 置いて き そう だ もん

それ じゃあ 1 人 暮らし の 意味 ない から さ

1 人 暮らし の 意味 ?

あの まま ずっと 家 に いて

大学 出て おやじ の 会社 継いで

本当に そのまま で いい の か なあ と 思って

それ じゃあ 親 の 敷いた レール どおり に 生きて る だけ じゃん

それ が 本当に やり たい こと なら いい けど

分かんなく って

だから 自分 が やり たい こと を 見つける ため に

自分 の 力 だけ で 生活 して みたい って 思った んだ

そう いえば …

入江 君 お 台場 ( だいば ) で 言って た もん ね

何の 苦労 も ない 人生 より

あえて 試練 に 立ち向かった 方 が 面白い って 思う ように なった って

まあ ね

フッ じゃあ

1 人 暮らし 始めた の 私 を 避ける ため じゃ なかった んだ

何で そんな こと の ため に

ここ まで 面倒くさい こと し なきゃ いけない んだ よ

1 人 暮らし って 結構 大変な んだ ぜ

今 まで 実家 で

どれほど 甘やかさ れて きた か 思い知ら さ れた よ

そっか

でも …

その せい で こんな こと に なって

今 まで 俺 お前 に 迷惑 かけ られ っぱなし だった けど

今日 は 俺 が 迷惑 かけ ちゃった な

フフ …

そんな こと …

私 は

そんな こと くらい しか でき ない から

入江 君 は 天才 だ から 何でも でき ちゃう けど

今日 病院 で 思った んだ

人 の 命 って 一瞬 の 判断 に 懸かって る ん だって

ちょっと した こと で

簡単 に 治せる もの も 治せ なく なっ ちゃう

それ くらい 人 の 命 って もろい もの な んだ なって

( 医師 ) 本来 なら 治る 病 な のに 命 に 関わる 事態 に ―

なって しまう こと も ある んです よ ―

特に 小さな 子供 の 場合 は ―

今回 だって もし 朝 まで 待って いたら …

俺 も 怖かった

今 まで 命 なんて 神様 が 決めた もん で

人 に は どうにも でき ない って 思って いた から

でも 入江 君 に は どうにか でき ちゃい そう

いろんな 薬 発明 したり

お 医者 さん に なって 病気 ぺろ って 治したり ―

入江 君 に は いっぱい いろんな 可能性 が ある んだ よ ね

その 可能性 を 見つける ため に 1 人 暮らし した んだ よ ね

どんなに 可能性 が あって も

何 を やり たい の か 分かって なかったら

意味 が ない から ―

今 まで 何 を やって も 余裕 が あった

逆に いえば 暇 だった んだ よ

忙しく なって みて

自分 に とって 大切 な もの 興味 が ある こと

少しずつ だ けど 分かって きた 気 が する んだ …

( 琴子 の 寝息 )

( 琴子 の 寝息 )

お前 って ほんと 大事 な とき に こう だ もん な

♪~

( 琴子 )“ 先 に 裕樹 君 の 病院 に 行って ます ”―


イタズラ な Kiss 〜 Love in TOKYO #10 (2) いたずら||||| Mischievous Kiss - Love in TOKYO #10 (2) Озорной поцелуй - Любовь в ТОКИО #10 (2)

お前 の 弟 が 倒れた ん や おまえ||おとうと||たおれた||

今 琴子 と 一緒に 高尾 病院 に おる ん や いま|ことこ||いっしょに|たかお|びょういん||||

( 直樹 ) すいません ちょっと 抜け ます なおき|||ぬけ|

( 店員 ) オーケー てんいん|おーけー

( 金之助 ) すいません すいません きんのすけ||

( 直樹 ) タクシー !― なおき|たくしー

すいません 高尾 病院 まで お願いします |たかお|びょういん||お ねがい します

入江 君 早く 来て … いりえ|きみ|はやく|きて

入江 君 … いりえ|きみ

( 直樹 ) すいません 入江 裕樹 は ? なおき||いりえ|ひろき|

( 戸 が 開く 音 ) と||あく|おと

入江 君 ! よかった いりえ|きみ|

裕樹 君 が 手術 し ない と いけなくて 親族 の 同意書 が … ひろき|きみ||しゅじゅつ|||||しんぞく||どうい しょ|

今 手続き して きた もう 大丈夫 いま|てつづき||||だいじょうぶ

もう 大丈夫 だ 待たせて 悪かった な |だいじょうぶ||また せて|わるかった|

( 裕樹 ) ぼ … 僕 死ぬ の ? ひろき||ぼく|しぬ|

死な ない 簡単 な 手術 だ すぐ 終わる しな||かんたん||しゅじゅつ|||おわる

頑張れ よ がんばれ|

( 戸 が 開く 音 ) と||あく|おと

( 医師 ) それ じゃあ 準備 が でき ました ので ― いし|||じゅんび||||

手術室 に 運び ます しゅじゅつ しつ||はこび|

( 看護師 ) ご 家族 の 方 は 手術 が 終わる まで こちら で 待機 して いて ください かんご し||かぞく||かた||しゅじゅつ||おわる||||たいき|||

( 直樹 ) 分かり ました ありがとう ございます なおき|わかり|||

( 金之助 ) はぁ …― きんのすけ|は ぁ

これ で 琴子 も 一安心 や な ほな わし もう 行く わ ||ことこ||ひとあんしん|||ほ な|||いく|

今日 大将 おら ん で 小田原 さん 1 人 や し きょう|たいしょう||||おだわら||じん||

いっぱい いっぱい や と 思う から ||||おもう|

ほんとに ありがとう

小田原 さん に も よろしく 伝え といて ね おだわら|||||つたえ||

おう ほんま 大事 に 至ら ん で よかった またな |ほん ま|だいじ||いたら||||

( 琴子 ) うん ことこ|

( 直樹 ) 池沢 なおき|いけさわ

ありがとう

お前 ちょっと 自分勝手 すぎる ん ちゃう か ?― おまえ||じぶんかって|||ちゃ う|

1 人 暮らし す ん の は 勝手 や けど じん|くらし|||||かって||

家族 に 連絡先 ぐらい ちゃんと 教え とか ん かい !― かぞく||れんらく さき|||おしえ|と か||

その せい で 裕樹 君 に もしも の こと が あったら ― |||ひろき|きみ||||||

どない す ん ねん

わし かて 大阪 出て 1 人 で 東京 に 来た 男 や ||おおさか|でて|じん||とうきょう||きた|おとこ|

お前 が 1 人 で おり たい っちゅう の は おまえ||じん||||||

何か 深い 訳 が ある ん やろ なん か|ふかい|やく||||

せや けど その せい で 万が一 の こと が 起き たら せ や|||||まんがいち||||おき|

自分 も 周り の 人間 も 傷つく ん や で じぶん||まわり||にんげん||きずつく|||

そう なって から で は 遅い ねん ― |||||おそい|

ふう

人 は 1 人 で は 生き られ へん の や じん||じん|||いき||||

自分 の 思って る こと と か 考えて る こと と か じぶん||おもって|||||かんがえて||||

周り の 人間 に 話す ん は 大事 な こっちゃ で ― まわり||にんげん||はなす|||だいじ|||

ふう

ほな 琴子 またな ほ な|ことこ|

ほんとに ありがとう

( 琴子 ) はぁ … ことこ|は ぁ

入江 君 ? いりえ|きみ

そう だ 私 おば 様 に 連絡 する の 忘れて た ||わたくし||さま||れんらく|||わすれて|

おお よし

あっ 大変 だ いっぱい 着信 ある |たいへん|||ちゃくしん|

ここ 病院 だ ぞ |びょういん||

そっか

♪~

( 携帯 電話 の 呼び出し音 ) けいたい|でんわ||よびだし おと

( 紀子 ) あっ やっと つながった わ ! 琴子 ちゃーん ! としこ|||||ことこ|ちゃ - ん

おば 様 あの ゆ … 裕樹 君 が 急きょ 手術 する こと に なって |さま|||ひろき|きみ||きゅうきょ|しゅじゅつ||||

( 紀子 ) え えっ !? え … 手術 !? としこ||||しゅじゅつ

あの 腸閉塞 の 一種 らしい んです けど あの … |ちょう へいそく||いっしゅ||ん です||

あの 発症 して から すぐに 手術 する こと が できた ので |はっしょう||||しゅじゅつ|||||

あの 大事 に は 至らない だろう って はい |だいじ|||いたらない||| That's not going to happen Yes

あっ もう すぐ あの 手術 終わり ます ||||しゅじゅつ|おわり|

そいで あの 入江 君 が 来て くれて ||いりえ|きみ||きて|

あの それ で 付き添って くれて る ので |||つきそって|||

( 紀子 ) ああ と … とにかく ! 私 も すぐに 戻る から ! としこ||||わたくし|||もどる|

あ … すぐに 戻る って 九州 です よ ね ? ||もどる||きゅうしゅう|||

あの 飛行機 と か 新幹線 と か もう 終わって ます よ … |ひこうき|||しんかんせん||||おわって||

( 紀子 ) 東京 プリーズ ! としこ|とうきょう|

( 琴子 ) おば 様 たち 今 どこ に いる んです か ? ことこ||さま||いま||||ん です|

( 紀子 ) 私 たち の こと は 心配 いら ない わ ― としこ|わたくし|||||しんぱい|||

( 紀子 ) 私 たち の こと は 心配 いら ない わ ― としこ|わたくし|||||しんぱい|||

( 重雄 ) おーい しげお|お - い

( 紀子 ) 私 たち の こと は 心配 いら ない わ ― としこ|わたくし|||||しんぱい|||

( 紀子 ) 私 たち の こと は 心配 いら ない わ ― としこ|わたくし|||||しんぱい|||

( 重樹 ) エブリバディ う う … しげき|||

( 重樹 ) エブリバディ う う … しげき|||

( 重樹 ) エブリバディ う う … しげき|||

何と して でも 絶対 必ず ― なんと|||ぜったい|かならず

東京 に たどりつく から ー ! とうきょう||||-

東京 に たどりつく から ー ! とうきょう||||-

( 重雄 ) 何で 博多 ? しげお|なんで|はかた

東京 に たどりつく から ー ! とうきょう||||-

東京 プリーズ !― とうきょう|

私 が 帰る まで あと 少し 裕樹 を よろしく ね ! わたくし||かえる|||すこし|ひろき|||

私 が 帰る まで あと 少し 裕樹 を よろしく ね ! わたくし||かえる|||すこし|ひろき|||

はい あの おば 様 たち も あの 気 を 付けて |||さま||||き||つけて

私 が 帰る まで あと 少し 裕樹 を よろしく ね ! わたくし||かえる|||すこし|ひろき|||

私 が 帰る まで あと 少し 裕樹 を よろしく ね ! わたくし||かえる|||すこし|ひろき|||

はい … はい

はい … はい

( 携帯 電話 の 切れる 音 ) けいたい|でんわ||きれる|おと

( 携帯 電話 の 切れる 音 ) けいたい|でんわ||きれる|おと

え ? もしも … もしも … え …

え ? もしも … もしも … え …

ありがとう 琴子 |ことこ

( 鼻 を すする 音 ) はな|||おと

怖かった … こわかった

( 琴子 の 泣き声 ) ことこ||なきごえ

( 琴子 ) 怖かった …― ことこ|こわかった

入江 君 怖かった … いりえ|きみ|こわかった

( 琴子 の 泣き声 ) ことこ||なきごえ

( 琴子 の 泣き声 ) ことこ||なきごえ

もう 大丈夫 だ よ |だいじょうぶ||

( 琴子 の 泣き声 ) ことこ||なきごえ

( 医師 ) 手術 は 無事に 成功 し ました いし|しゅじゅつ||ぶじに|せいこう||

あした に は 一般 病棟 の 方 に 移し ます |||いっぱん|びょうとう||かた||うつし|

ご 家族 の 方 も 今夜 は 一度 お 戻り に なら れて ください |かぞく||かた||こんや||ひと ど||もどり||||

でも …

ICU の 方 で は 付き添い が でき ません し ||かた|||つきそい|||ませ ん|

宿泊 施設 も 用意 して い ません ので しゅくはく|しせつ||ようい|||ませ ん|

あした の 朝 来て いただければ 大丈夫です から ||あさ|きて||だいじょうぶ です|

分かり ました わかり|

先生 本当に ありがとう ございました せんせい|ほんとうに||

しかし あの お嬢さん が 素早い 判断 を して ||おじょうさん||すばやい|はんだん||

病院 に 連れて きて くれて 本当に よかった ― びょういん||つれて|||ほんとうに|

早期 に 発見 すれば 決して 大事に 至る 病 で は ない のです が ― そうき||はっけん||けっして|だいじに|いたる|びょう||||の です| If it is detected early, it is not a serious disease, but-

単なる 腹痛 だ と 思って 我慢 さ せて しまう こと も 多くて たんなる|ふくつう|||おもって|がまん||||||おおくて

本来 なら 治る 病 な のに 命 に 関わる 事態 に ほんらい||なおる|びょう|||いのち||かかわる|じたい|

なって しまう こと も ある んです よ ― |||||ん です|

特に 小さな 子供 の 場合 は ― とくに|ちいさな|こども||ばあい|

弟 さん は 本当に 運 が よかった ― おとうと|||ほんとうに|うん||

あの お嬢さん に 感謝 し ない と いけ ませ ん ね |おじょうさん||かんしゃ|||||||

( 琴子 ) どう だった ? ことこ||

もう 大丈夫 あした に は 一般 病棟 に 移れる って |だいじょうぶ||||いっぱん|びょうとう||うつれる|

じゃあ 私 裕樹 君 の 付き添い に … |わたくし|ひろき|きみ||つきそい|

じゃあ 私 裕樹 君 の 付き添い に … |わたくし|ひろき|きみ||つきそい|

それ は でき ない って

それ は でき ない って

でも …

後 は プロ に 任せよう あと||ぷろ||まかせよう Let's leave the rest to a professional

あした から も 裕樹 の 入院 生活 は 続く んだ し |||ひろき||にゅういん|せいかつ||つづく||

お前 も 少し 休んだ 方 が いい おまえ||すこし|やすんだ|かた||

行こう 送って く よ いこう|おくって||

( 琴子 ) う ~ うわ 雪 降って る ことこ|||ゆき|ふって|

( 直樹 ) 今夜 かなり 冷え込んだ から な ― なおき|こんや||ひえこんだ||

終電 も 終わって る し ― しゅうでん||おわって||

この 雪 じゃ なかなか タクシー も 拾え そうに ない な |ゆき|||たくしー||ひろえ|そう に||

( 琴子 ) え ?― ことこ|

ああ どう しよう ―

ほんと だ 全然 車 来 ない ||ぜんぜん|くるま|らい|

俺 の マンション 来る ? おれ||まんしょん|くる

えっ ?

こっから 歩いて 10 分 ぐらい な んだ けど こっか ら|あるいて|ぶん||||

( 琴子 ) 傘 は ? 傘 は ?― ことこ|かさ||かさ|

傘 … あの 傘 は … かさ||かさ|

どうぞ

( 琴子 ) お邪魔します ことこ|おじゃま します

じろじろ 見 ん な よ |み|||

フフ …

( 琴子 ) これ が 入江 君 の 住んで る 部屋 ― ことこ|||いりえ|きみ||すんで||へや

私 今 入江 君 の 部屋 に 二人きり で いる んだ わたくし|いま|いりえ|きみ||へや||ふた ひときり|||

この 部屋 … |へや

松本 さん も 来た の ? まつもと|||きた|

( 直樹 ) いや お前 が 初めて なおき||おまえ||はじめて

冷え た だろ ? ひえ||だ ろ

シャワー 使う ? しゃわー|つかう

ほおっ

アハッ 入江 君 お 先 に どうぞ |いりえ|きみ||さき||

俺 は 後 で いい よ おれ||あと|||

おお いや 入江 君 ち なんだ から ||いりえ|きみ|||

おっ 私 おば 様 に |わたくし||さま|

無事 手術 が 終わった って 連絡 とか し ない と ― ぶじ|しゅじゅつ||おわった||れんらく|と か|||

あの 今夜 は 付き添い でき ない んだ って 言っ とか ない と |こんや||つきそい|||||げんっ|と か||

病院 に 直行 し ちゃい そう だ し ねっ びょういん||ちょっこう||ちゃ い||||

だから 入江 君 先 に どうぞ ハァ ハァ |いりえ|きみ|さき||||

( 琴子 ) 彼 は シャワー を 浴びて いて ― ことこ|かれ||しゃわー||あびて|

そして これ から 二人きり の 一夜 が …― |||ふた ひときり||いちや|

そりゃ 入江 家 で 一度 そんな こと も あった けど ― |いりえ|いえ||ひと ど|||||

今度 は 訳 が 違う ― こんど||やく||ちがう

だって この 部屋 …― ||へや

ベッド が 1 つ しか ない んだ もん ! べっど||||||

ええ ~ う おお ~

ううん 私 こんな とき 何て こと 考えて ん の もう う うん|わたくし|||なんて||かんがえて|||

ハァ ハァ …

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( 直樹 ) お先に なおき|お さき に

( 琴子 ) うん ことこ|

( 直樹 ) 着替え 俺 の しか ない けど なおき|きがえ|おれ||||

うん

ありがとう

じゃあ

じゃあ お 風呂 いただきまーす ウフフ ||ふろ|いただき ま - す|

ウフフ じゃあ

ふう

おっ 入江 君 の シャンプー |いりえ|きみ||しゃんぷー

おお 入江 君 が 使った せっけん |いりえ|きみ||つかった|

フフ …

フフ …

( ノック )

( ノック )

( ノック )

ほっ ほっ はい はい

ほっ ほっ はい はい

( 直樹 ) タオル そこ に ある から なおき|たおる||||

あ … はい

ああ … 入江 君 の タオル … |いりえ|きみ||たおる

ああ …

( 物音 ) ものおと

お 風呂 いただき ました |ふろ||

ああ

俺 そろそろ 寝る けど おれ||ねる|

うっ ああ そう ね

じゃあ 私 ここら 辺 で 寝る から 入江 君 どうぞ ベッド 使って |わたくし|ここ ら|ほとり||ねる||いりえ|きみ||べっど|つかって

そんな の 当たり前 だろ ||あたりまえ|だ ろ

へっ ?

普通 女の子 に ふつう|おんなのこ|

“ 何 言って んだ よ ”― なん|いって||

“ 俺 ここ で 寝る から 君 ベッド 使い な よ ”― おれ|||ねる||きみ|べっど|つかい||

と か 言わ ない ? ||いわ|

冗談 だ よ ベッド 使って いい よ じょうだん|||べっど|つかって||

え ?

ああっ いや いや でも

あの それ じゃ 申し訳ない から ね ? |||もうし わけない||

自分 で 言いだした くせ に どっち だ よ じぶん||いいだした|||||

いい から さっさ と 寝ろ よ ||||ねろ|

いや … いや でも …

( 直樹 ) おやすみ なおき|お やすみ

うっ はい

電気 消す ぞ でんき|けす|

は … はい

ねえ

( 直樹 ) 何 だ よ ? なおき|なん||

ちっちゃい 電気 つか ない ? ちっちゃ い|でんき||

俺 真っ暗 じゃない と 寝れ ない んだ けど おれ|まっくら|じゃ ない||ね れ|||

でも これ じゃ トイレ に も 行け ない |||といれ|||いけ|

( 直樹 ) はぁ …― なおき|は ぁ

ったく ― った く

これ で いい か ?

うん ごめん ね ありがと |||あり が と

じゃあ おやすみなさい |お やすみ なさい

( 時計 の 秒針 の 音 ) とけい||びょうしん||おと

ねえ

今度 は 何 だ ? こんど||なん|

入江 君 やっぱり 寒く ない ? いりえ|きみ||さむく|

寒い に 決まって んだ ろ さむい||きまって||

う … 私 やっぱり 下 行く よ |わたくし||した|いく|

あの だって ここ 入江 君 ち だ し さ |||いりえ|きみ||||

いい から もう 寝て くれ よ |||ねて||

え … でも だって 申し訳ない し |||もうし わけない|

だって 冷たい の も だって もう … |つめたい||||

分かった ! わかった

俺 も そっち に 行けば いい んだ ろ ? おれ||||いけば|||

へ ?―

う … ちょっ あっ 私 床 に 下 に … |||わたくし|とこ||した|

いい よ こう したら お前 も 静かに なる だ ろ ||||おまえ||しずかに|||

( 琴子 ) あ … ことこ|

( 直樹 ) おやすみ なおき|お やすみ

♪~

( 琴子 ) 私 ったら 何 を 期待 して る ん だろう ― ことこ|わたくし||なん||きたい||||

裕樹 君 が こんな とき に ― ひろき|きみ||||

当たり前 じゃない あたりまえ|じゃ ない

おやすみなさい お やすみ なさい

( 琴子 ) でも 女の子 と 1 つ の ベッド で 何も し ない なんて ― ことこ||おんなのこ||||べっど||なにも|||

ただ 私 に 女 と して の 魅力 が ない だけ な の か なあ ― |わたくし||おんな||||みりょく|||||||

そう か そう だ よ ね

( 直樹 ) 落ち込んで る ? なおき|おちこんで|

俺 が 何も し ない から お前 落ち込んで る だ ろ ? おれ||なにも||||おまえ|おちこんで|||

( 琴子 ) フ … 落ち込んで なんか … ことこ||おちこんで|

俺 おふくろ の 思いどおり に なり たく ない んだ おれ|||おもいどおり|||||

今日 お前 が ここ に 泊まり に 来た こと を おふくろ が 知って きょう|おまえ||||とまり||きた|||||しって

それ で 何か あった なんて いう こと に でも なって みろ ||なん か||||||||

あの 人 の 思うつぼ だ ろ |じん||おもうつぼ||

そしたら 俺 一生 あの 人 の 思いどおり に され ちまう そ したら|おれ|いっしょう||じん||おもいどおり||さ れ|ち まう

琴子 ちゃーん ことこ|ちゃ - ん

お 兄ちゃん の 部屋 に 泊まった の ? |にいちゃん||へや||とまった|

まあ ! ウフフ

( 琴子 ) フフ … 何となく 分かる ことこ||なんとなく|わかる

だから 家族 に も この 家 の 住所 を 教え なかった んだ |かぞく||||いえ||じゅうしょ||おしえ||

そう だった の

おふくろ って あんな ん だ ろ ? もし 住所 教えたら |||||||じゅうしょ|おしえたら

合鍵 作って 毎日 押しかけて ごう かぎ|つくって|まいにち|おしかけて

3 食 作って 置いて き そう だ もん しょく|つくって|おいて||||

それ じゃあ 1 人 暮らし の 意味 ない から さ ||じん|くらし||いみ|||

1 人 暮らし の 意味 ? じん|くらし||いみ

あの まま ずっと 家 に いて |||いえ||

大学 出て おやじ の 会社 継いで だいがく|でて|||かいしゃ|ついで

本当に そのまま で いい の か なあ と 思って ほんとうに||||||||おもって

それ じゃあ 親 の 敷いた レール どおり に 生きて る だけ じゃん ||おや||しいた|れーる|||いきて|||じゃ ん

それ が 本当に やり たい こと なら いい けど ||ほんとうに||||||

分かんなく って わか ん なく|

だから 自分 が やり たい こと を 見つける ため に |じぶん||||||みつける||

自分 の 力 だけ で 生活 して みたい って 思った んだ じぶん||ちから|||せいかつ||||おもった|

そう いえば …

入江 君 お 台場 ( だいば ) で 言って た もん ね いりえ|きみ||だい じょう|だい ば||いって|||

何の 苦労 も ない 人生 より なんの|くろう|||じんせい| Than life without any hardship

あえて 試練 に 立ち向かった 方 が 面白い って 思う ように なった って |しれん||たちむかった|かた||おもしろい||おもう|よう に||

まあ ね

フッ じゃあ

1 人 暮らし 始めた の 私 を 避ける ため じゃ なかった んだ じん|くらし|はじめた||わたくし||さける||||

何で そんな こと の ため に なんで|||||

ここ まで 面倒くさい こと し なきゃ いけない んだ よ ||めんどうくさい|||||| I have to do something that is so troublesome

1 人 暮らし って 結構 大変な んだ ぜ じん|くらし||けっこう|たいへんな||

今 まで 実家 で いま||じっか|

どれほど 甘やかさ れて きた か 思い知ら さ れた よ |あまやかさ||||おもいしら||| I realized how spoiled it was

そっか

でも …

その せい で こんな こと に なって

今 まで 俺 お前 に 迷惑 かけ られ っぱなし だった けど いま||おれ|おまえ||めいわく|||||

今日 は 俺 が 迷惑 かけ ちゃった な きょう||おれ||めいわく|||

フフ …

そんな こと …

私 は わたくし|

そんな こと くらい しか でき ない から

入江 君 は 天才 だ から 何でも でき ちゃう けど いりえ|きみ||てんさい|||なんでも||ちゃ う|

今日 病院 で 思った んだ きょう|びょういん||おもった|

人 の 命 って 一瞬 の 判断 に 懸かって る ん だって じん||いのち||いっしゅん||はんだん||かかって|||

ちょっと した こと で With a little thing

簡単 に 治せる もの も 治せ なく なっ ちゃう かんたん||ち せる|||なおせ|||ちゃ う

それ くらい 人 の 命 って もろい もの な んだ なって ||じん||いのち||||||

( 医師 ) 本来 なら 治る 病 な のに 命 に 関わる 事態 に ― いし|ほんらい||なおる|びょう|||いのち||かかわる|じたい|

なって しまう こと も ある んです よ ― |||||ん です|

特に 小さな 子供 の 場合 は ― とくに|ちいさな|こども||ばあい|

今回 だって もし 朝 まで 待って いたら … こんかい|||あさ||まって|

俺 も 怖かった おれ||こわかった

今 まで 命 なんて 神様 が 決めた もん で いま||いのち||かみさま||きめた||

人 に は どうにも でき ない って 思って いた から じん|||||||おもって||

でも 入江 君 に は どうにか でき ちゃい そう |いりえ|きみ|||||ちゃ い|

いろんな 薬 発明 したり |くすり|はつめい|

お 医者 さん に なって 病気 ぺろ って 治したり ― |いしゃ||||びょうき|||なおしたり

入江 君 に は いっぱい いろんな 可能性 が ある んだ よ ね いりえ|きみ|||||かのう せい|||||

その 可能性 を 見つける ため に 1 人 暮らし した んだ よ ね |かのう せい||みつける|||じん|くらし||||

どんなに 可能性 が あって も |かのう せい|||

何 を やり たい の か 分かって なかったら なん||||||わかって|

意味 が ない から ― いみ|||

今 まで 何 を やって も 余裕 が あった いま||なん||||よゆう||

逆に いえば 暇 だった んだ よ ぎゃくに||いとま|||

忙しく なって みて いそがしく||

自分 に とって 大切 な もの 興味 が ある こと じぶん|||たいせつ|||きょうみ|||

少しずつ だ けど 分かって きた 気 が する んだ … すこしずつ|||わかって||き|||

( 琴子 の 寝息 ) ことこ||ねいき

( 琴子 の 寝息 ) ことこ||ねいき

お前 って ほんと 大事 な とき に こう だ もん な おまえ|||だいじ|||||||

♪~

( 琴子 )“ 先 に 裕樹 君 の 病院 に 行って ます ”― ことこ|さき||ひろき|きみ||びょういん||おこなって|