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小学校 サファリ
2012 年 2 月 19 日 、南 小学校 にて 、
「みんな ドウゲン 先生 に 会う の を 凄く 楽しみに して いる よ 。 今日 は スーパー 元気 だ わ 」
1年生 の 教室 に 向かう 途中 、大田 先生 は そう 言って にこり と 笑った 。 大田 先生 は イングリッシュ を よく 使う 40 代 後半 と 思しき 黒髪 の 女性 だ 。 人生 の 大半 小学生 と 一緒に 過ごして きた せい か 、 レインボー 小学校 国語 辞典 に 乗って いる 言葉 しか 使わ ず 、「 すご 〜〜 い 」 と 言う ふうに 形容詞 を よく 伸ばす 。 たとえ 相手 は 郵便局 の 配達員 であっても だ 。
「皆 昨日 から ドウゲン 先生 に 早く 会いたい って 言って いる わ 」 「そう です か ? 楽しみ です ね 」笑い ながら も 僕 は 動機 が 激しく なる の を 感じた 。 小学校 1 年生 の 授業 初めて だ 。 どう なる か 分から ない 。
「ドーゲン 先生 、ここ です 。 ヒヤー 」
1A と 書かれて いた 教室 の 前 で 立ち とまる 。 ふっと 思い出して 僕 は 大田 先生 に 話 かけた 。
「あっ、アルファベットの練習のことなんです・・・」 「 レッツゴー ! 」太田 先生 は いきなり ガツ ポーズ を して 僕 の 言葉 を 遮り 、ガラガラ と 教室 の ドア を 左 へ と 滑らせた 。 中 を 見て 、僕 は 呆気 に とられた 。
アフリカ の サバナ 。 見渡す 限り 、人気 の ない 草原 。 中央 に は 大きな 水たまり が あって 、その 中 に 歯 の 掛けた カバ と 巨大な 蛇 が 暴れている 。 尿 と 血 は 四方 に 飛び散って いる 。 水たまり の 右側 で は ハイエナ が 走り回っている 、7・8 頭 が いそうだ 。 その 横 で は ボクシング する ように 後ろ足 で 立って 格闘 している ライオン 。
「おはよう ございます !」
帰りたい 、今 すぐ 帰りたい と 思い つつ 、仕方なくて 狂気 に 足 を 踏み入れる 。 動物園 の 匂い が 鼻 を つく 。 とにかく 暑い 。
僕 は 水たまり の 左手 に 目線 を 移す 。 落葉 しきった 大木 、その 枝 に よじ登る 三匹 の 猿 。 梢 の てっぺん に は でっかい ウランウータン 。 ライオン たち に 向かって 糞 を 投げて いる 。 何 です か 、これ ?
僕 は 思わず そういう と 大田 先生 の 方 へ 向く 。 そこ で 自分 の すぐ 後ろ に 象 が 歩いている こと に 気付き 心臓 が 飛び出し そうに なる 、
「 うん ? ワンモアータイム 」
笑み を 倒さ ない 大田 先生 。 象 が 去って いく の を 見計らい づつ 、僕 は もう 一度 聞く 。
生徒 たち は どこ です か ?」
大田 先生 は ぐ ふ ふと 笑った 。
「道元 先生 の 、そういう ジョーク を 言う ところ 、いい です ね 」
答え に なって いない 答え に 不安 が 募る 。 水たまり の 方 に 目 を やる と 、カバ が 蛇 に 噛み付いて いた 。
では 、今 から 道元 先生 が 体 の 部分 を 紹介 して くれます 」 思わず と 、大田 先生 の 方 に 視線 を 戻す 。
「道元 先生 の ソング を しっかり 聞きましょう 」 自分 の 歌 が あった こと に 驚く と ともに 、授業 計画 に ない こと を 遠回しに 指示してくる 大田 先生 に 内心 むっとする 。
猿 の 一匹 が 、バク宙 して 水たまり に 飛び込む 。 「 道 元 先生 、 言う の を 忘れた けど 、 ヘッドショルダーズニーズアンドトーズ 歌って くれます か ? 」 「 ヘッドショルダーズニーズアンドトーズ を 蛇 に 歌え と ? もちろん いい です よ 」笑って 答える 僕 。 大田 先生 は 手 で メガフォーン を 作った 。
「皆 立って 、スタンティングアップ !」
いつの間にか 横 に なっていた ライオンたち は 、興味 なさそうに こちら を 見て 、しばらく する と また 視線 を 外して あくびをした 。
「じゃあ 、お 願い します ね 、道元 先生 」 深呼吸 する 。
「Head,shoulders.Kn..」
「 ファイト ! 」
「・・・・ 」
「次の サビ 、お 願いします 」 「and eyes and ears and mouth and nose ...」
オランウータン が こちら を 向かって 糞 を 投げ 始めた 。
「knees and toes 、knees and toes ….」
「やっぱり 楽しい ね 。 道 元 先生 に 拍手 」
大田 先生 は 僕 の 鼻先 で 手 を 打ち鳴らした 。 無性に 腹 が 立って 僕 は 思わず その シワ の よった 指 に 噛み付き そうに なった 。
「では 、もう 一回 やって みましょう 。 今度 は 速く 。 さあ 、準備 は いい です か ? 行っき ま 〜 す 、 レッツゴー ! 」動物 たち に そう 叫ぶ と 、大田 先生 は 僕 の 方 に 向き直り 、
「じゃあ お 願い します ね 」 と 小声 で 言った 。 教室 の 向こう で は 、象 が 足湯 を 使う みたいに 、水たまり に 前足 を 浸した 。 僕 は もう 一 度 息 を 吸った 。
「Head ,shoulders knees and toes ,knees and toes ...」
ライオン は 一頭 立ち上がり 、急に まっすぐ こちら へ 突進 して くる 。 大田 先生 は 笑って 「ダメ よ 」と 指 を 振った 。
「コウキ くん 、道元 先生 を 触っちゃ いけない よ 。 ノー 」
コウキ くん と 思しき ライオン は 一旦 足 を 止める 。 じっと こちら 見て いる 。
「knees and toes ...」
再び 動き 始める 。
「こうき くん って ば 、もう ・・・あっ 、どうぞ 、続けて ください 道元 先生 」 「Head ,shoulderskneesandtoes ,kneesandtoes ...」
ライオン は 足 を 速めに ・・・
「and eyes and ears and mouth and nose 」
・・・空中 へ 飛び上がり ・・・
「Head ,shoulderskneesandtoes ,kneesandtoes ...」
僕 の 膝 に 牙 を 突っ込んだ
「knees …..knees …..」