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百物語 - Yōkai​ Stories, なわ

なわ

むかし むかし 、 江戸 ( え ど → 東京 都 ) に 、 池城 新左衛門 ( いけしろ しんざえもん ) と いう 侍 ( さむらい ) が 住んで いました 。

ある 晩 、 友だち の 家 から の 帰り道 、 ちょうど 墓場 ( はかば ) に さしかかる と 、 「 あっ」 と 、 新左衛門 は 思わず 声 を あげました 。 黒くて 不気味な 物 が 、道 に 転がって いた のです 。 よく 見る と 、どうやら 人間 の 様 です 。 「何者 だ ? 」声 かけて 近寄って 見る と 、それ は 手足 を なわ で しばられた 女 の 人 でした 。 「この 様 な ところ で 、何 を いたして おる ? 」新左衛門 が たずねる と 、女 の 人 は かすれた 声 で 苦しそうに 答えました 。 「わたくし は 、この世 の 者 で は ござりませぬ 」「なに 、すると 死人 か ? 」 「 はい 、 夫 を 殺した 罪 ( つみ ) で 、 手足 を しばられた まま 土 の 中 に 埋められた者 で ございます 。 この 様 に しばられた まま で は 、地獄 へ も 行けません 。 どうぞ 、わたくし の この なわ を ほどいて くださり ませ 」「・・・・・・」思い も よらない 頼まれ事 に 新左衛門 が ためらっている と 、女の人 が 涙声 で 言い ます 。 「わたくし は 毎晩 ここ に 現れて 、多く の お方 に お願い し ました が 、どなた さま も 怖がって 逃げて しまわ れます 。 それ で いまだに 、なわ の 姿 の まま で 苦しんで おり ます 。 お 侍 さま 、どうぞ 、この なわ を ほどいて くださり ませ 」話し を 聞く うちに 、新左衛門 は この 女 の 人 が あわれに 思えて きました 。 「 うむ 。 刑 ( けい ) を すました からに は 、 そな たに 罪 は ない はずじゃ 。 そなた の 望み を 、かなえて やろう 」新 左衛門 が 女の人 の なわ を ほどいて やる と 、女の人 は 涙 を 流し ながら 、「ありがとう ございます 。 ご恩 は 決して 、忘れ ませ ぬ 」と 、言って 、かき消す 様に 消えて しまい ました 。

それ から 、数 年 後 の 事 。 新 左 衛 門 は お家騒動 ( おいえそうどう → 権力 争い ) に 巻き込まれて 、 責任 を 取って 手足 を なわ で しばられた まま 、 打ち 首 に なって しまった の です 。 する と そこ へ 、どこ から とも なく 女 の 人 が 現れて 、首 の ない 新左衛門 の 死体 の なわ を ほどく と 、そのまま スーッ と 消えて しまった という 事 です 。

おしまい

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