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百物語 - Yōkai​ Stories, 猫 絵 十兵衛

猫 絵 十兵衛

猫 絵 十兵衛

むかし むかし 、ある ところ に 、猫絵 十兵衛 (ねこえ じゅうべえ )と 呼ばれる アメ 売り が いました 。 なぜ 猫絵 十兵衛 と 呼ばれて いる か と 言う と 、十兵衛 は 猫 の 絵 を 書く の が とても 上手 で 、十兵衛 の 描いた 猫 の 絵 から は 、夜 に なる と 猫 の 鳴き声 が 聞こえてくる と 言われている から です 。

ある 日 の 事 、十兵衛 は アメ を 売り ながら 村々 を 歩いている うちに 、見た 事 の ない 町 へ と 迷い込みました 。 道 の 両側 に は 立派な 家々 が 建ち並んでいます が 、どこ に も 人 の 気配 が ありません 。 (変 だ な 。 こんな 昼間 に 、人 が 一人 も いない なんて ・・・ 。 おや ? )十兵衛 が 歩いている と 、前 から 人 が 現れました 。 それ は 、黒い 着物 を 着た きれいな 娘 です 。 娘 は 上品 に 、♪カランコロン ♪カランコロン と 、下駄 (げた )を 鳴らして やって来ます 。 十兵衛 は 、娘 に 声 を かけました 。 「あの 、もし 。 そこ の 娘 さん 」「きゃっ あ ! 」娘 は びっくり して 、猫 の 様 に 大きな 目 を まん丸 に しました 。 「いや 、驚かして すみません 。 わたし は 、ただ の アメ 売り です 。 あの 、ちょいと 物 を 尋ねます が 、ここ に は 人 が 住んでいる の でしょう か ? 先ほど から 歩いています が 、そんな 気配 が ありません ので 」すると 娘 は 、急に オイオイ と 泣き出しました 。 「あの 、娘 さん ? 何か 気にさわりましたか ? 」娘 は 涙 を ふく と 、十兵衛 に 言い ました 。 「いえ 、すみません 。 実は 少し 前 まで 、ここ に は たくさんの 人 が 住んで い ました 。 ですが 、ある 日 大きな ネズミ が 現れて 、町 の 人 を 次から次へと 食べていった のです 。 それで とうとう 、生き残った の は わたし 一人 に なってしまいました 。 残った わたし も 、今日 食われるか 、明日 食われるか と 、毎日 を おびえて 暮らしていました 。 けれど そんな 毎日 に たえきれず 、いっそ 早く 食われて しまおう と 、わざと 下駄 を 鳴らして 歩いて いた のです 。 旅 の お 人 、どうか お 助けて 下さい 」「そう か 、話 は よく 分かった 。 ここ に 迷い込んだ の も 、何か の 縁 です 。 相手 が ネズミ なら 、こっち に も 考え が あり ます 。 娘 さん 、ちょっと わたし に 、紙 と 筆 を 貸して くだされ 」そこ で 十兵衛 は 紙 と 筆 を 借りる と 、そこ に 強そうな 猫 を 次々 と 描いて いきました 。 とても 上手な 絵 で 、今にも 紙 から 飛び出てきそう です 。 「さて 、あと は ネズミ が 出る の を 待つ だけ だ 」

やがて 夜 に なる と 、どこからともなく 馬 ほど も ある 大きな 大 ネズミ が 現れました 。 大 ネズミ は におい を かぎ ながら 、二 人 が 隠れて いる 屋敷 へ と 近づいて 来ます 。 「くんくん 。 人間 の におい が する ぞ 。 それ も 二人 だ 」大 ネズミ は 屋敷 の 中 に 入って 来る と 、二人 の いる 床 の 前 へ と やって 来ました 。 「 人間 め ! ここ に おった か ! 」大 ネズミ は まっ赤 な 目 を 光らせる と 、今にも 飛びかかろう と して います 。 そこ で 十兵衛 は 、自分 の 描いた 絵 の 猫 に 命令 し ました 。 「猫 たち よ ! あの ネズミ を やっつけて しまえ ! 」 「 ニャーン ! 」絵 の 猫 は 一声 鳴く と 絵 の 中 から 次々 と 飛び出してきて 、大 ネズミ に 飛びかかりました 。 「ニャン 、ニャン 、ニャーン ! 」 猫 たち は 勇敢 ( ゆうかん ) に 戦います が 、 やはり 大 ネズミ は 強くて 、 猫 たち は 次々 と 大 ネズミ に 食べられて しまいます 。 「娘 さん 、はやく 次 の 紙 を ! 」娘 が 紙 を 差し出す と 、十兵衛 は 次 から 次 へ と 猫 の 絵 を 描きました 。 「出ろ 出ろ 。 みんな で あの 大 ネズミ を 、やっつけろ ! 」「ニャン 、ニャン 、ニャーン ! 」これ に は さすが の 大 ネズミ も 疲れてしまい 、その うち 猫 に 首 を 噛み切られて 死んでしまいました 。 それ を 見た 娘 は 、涙 を 流して 十兵衛 に お礼 を 言い ました 。 「ありがとう ございました 。 おかげ で 、父母 や 町 の みんな の かたき を 討つ 事 が 出来ました 」そして 娘 は 、顔 を 桃色 に 赤らめる と 、「身寄り の ない わたし です が 、どうぞ 、お 嫁 に もらってください 」と 、お願いした のです 。 でも 十兵衛 が 、「いや 、わたし に は 、可愛い 妻 も 子 も い ます 。 ない の は 、お金 だけ です 」と 、言う と 、娘 は 助けてくれた お礼 に と 、山 の 様な 小判 で 十兵衛 の アメ を 全部 買い取ってくれました 。 十兵衛 は アメ の 代り に 小判 を 入れる と 、重たく なった アメ 箱 を 背負います 。 「おお っ 、さすが に 小判 は 、重い わ 」その 時 、十兵衛 は 目覚めました 。

「あれ 、娘 さん は ? 小判 は ? ・・・ありゃ 、夢 か 」アメ 売り の 途中 で 昼寝 を していた 十兵衛 の 背中 に 、重い アメ 箱 が のしかかっていた と いう 事 です 。

おしまい

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