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百物語 - Yōkai​ Stories, くわしや

くわしや

くわし や

むかし むかし 、ある 殿さま の 家来 に 、渡辺 民部 左衛門 と いう 男 が いました 。

ある 日 の 事 、殿さま の 娘 である 姫 が 急に 亡くなった ので 、姫 の 弔い に お城 の 人々 は お寺 へ 向かった のです が 、その 途中 で 急に 空模様 が 悪く なり ました 。 「むっ 、あれほど の 晴天 で あった のに 」弔い の 葬列 を 守っていた 民部 が 空 を 見上げる と 、突然 の 雷鳴 とともに 空 から 黒い 影 が 落ちて きて 姫 の 棺 に 取り付いた の です 。 「無礼 者 ! 」民部 が 刀 で 黒い 影 を 切りつける と 、「ウギャーーー ! 」と 、黒い 影 は 叫び声 を あげて 逃げて 行きました 。 その 黒い 影 は 、人 の 死体 を 食べる 妖怪 『くわしや 』だった のです 。

「よくぞ 、姫 を くわしや から 守って くれた 。 全く 、見事な 太刀 筋 よ 」くわしや を 退治した 民部 は 、殿さま に 大変 ほめられました 。

それから 数年 後 。 民部 は 体調 を 崩した ので 、草津 温泉 へ 湯治 に 出かけました 。 民部 が 湯 に つかっている と 、どこ から か 額 に 刀傷 の ある 山伏 が 現れて 、民部 の 隣 で 湯 に つかり はじめました 。 やがて 山伏 は 民部 に 顔 を 向ける と 、こう 言い ました 。 「わたし は 以前 、ある 高貴な 若い 娘 の 死骸 を さらって やろう と した のです が 、ある 武士 に 切りつけられて この 様な 傷 を 負って しまい ました 。 あの 時 の 武士 の 顔 は 、決して 忘れ は しません 」「・・・なに ? 」「その 仇 を 取って やろう と 、ここ へ やって来た の です 」「する と 貴様 は 、あの 時 の くわしや か ! 」「はい 」山伏 の 言葉 を 聞いた とたん 、民部 は 湯船 の 近く に 隠していた 刀 で 山伏 を 斬りつけました 。 しかし 山伏 は ひょいと 刀 を かわす と 、「あの 時 の 仇 、確かに 取らせて いただきました 」と 、民部 に 言って 、そのまま どこか へ 消えて しまいました 。 「逃がした か 。 今度 あった 時 は 、必ず ・・・、うっ 、うぅ 」

その 直後 、民部 の 具合 が 急に 悪く なり 、そのまま 寝込んで 死んで しまった のです 。

おしまい

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