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江戸小話, 盲目

盲目

小雪 が ちらちら と 舞う 、 寒い 冬 の 夕方 の 事 です 。 ご 隠居 さん が 銭湯 へ 行く 為 に 橋 を 渡ろう と する と 、 橋 の 上 に 一 人 の 乞食 ( こじき ) が いて 、 しょんぼり と 頭 を 下げて いる で は あり ませ ん か 。 おまけに 乞食 の そば に は 、 《 盲目 ( もうもく → 目 の 見え ない 事 )》 と 、 書か れた 札 を 首 から 下げた 犬 が 、 寄り添う ように 座って い ました 。 「 盲目の 乞食 と は 、 何とも 可愛 そうな 事 よ 」 あわれな 乞食 の 姿 に 心 を 痛めた ご 隠居 さん は 、 財布 から 小銭 を 出して 乞食 の 前 に 置いて ある かご の 中 へ 投げ入れて やり ました 。 「 お前 さん 。 気 を 落とさ ず 頑張り なさい よ 」 「 ありがとう ご ぜ え ます 」

数 日 後 、 ご 隠居 さん が また 銭湯 へ 行こう と 橋 を 通る と 、 先日 と 同じ 様 に 乞食 と 犬 が 寒 そうに 座って い ます 。 心 の 優しい ご 隠居 さん は 、 また 小銭 を 投げて やり ました 。 「 お前 さん 。 気 を 落とさ ず 頑張り なさい よ 」 「 ありがとう ご ぜ え ます 」 そして それ から も 、 ご 隠居 さん は その 橋 を 通る たび に 小銭 を 恵んで やり ました 。

ところが ある 日 の 事 、 ご 隠居 さん は 急な 用 を 思い出した ので 、 橋 の 上 に 乞食 が 座って いる の も 忘れて 急いで 通り過ぎよう と する と 、 あの 乞食 が 立ち上がって ご 隠居 さん を 追いかけて 来る で は あり ませ ん か 。 そして ご 隠居 さん の 前 に 立って 、 こう 言った のです 。 「 ご 隠居 さま 、 いつも お 恵み を ありがとう ご ぜ え ます 。 だけど 、 今日 は お 恵み を 頂け ない のです か ? 」 「 へ えっ ? 」 盲目だ と 思って いた 乞食 が 、 まるで 目 の 見える 様 に 追いかけて 来た ので 、 ご 隠居 さん は びっくり して 乞食 に 尋ね ました 。 「 お前 さん 、 目 が 見え なかった のじゃ ない の かい ? 」 する と 乞食 は 、 手 を 振って 言い ました 。 「 いえいえ 、 あっし は 盲目じゃ あり ませ ん 。 目 が 見え ない の は 、 あの 犬 でして 。 ほら 、 ちゃんと 犬 の 首 に 、《 盲目 》 と 書いた 札 を かけて いる じゃあ 、 あり ませ ん か 」 「・・・・・・」 ご 隠居 さん は 、 呆れて もの も 言え ませ ん でした 。

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )

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