クモ に された 女の子
クモ に さ れた 女の子
むかし むかし 、 ギリシア の 国 に 、 たいそう はたおり の 上手な 女の子 が い ました 。 女の子 の 名前 は 、 アラクネ と 言い ます 。 アラクネ は 、 毎日 毎日 、 はたおり 機 の 前 に 座って 、 色々な もよう の 布 を おり ました 。 アラクネ の おる おり物 の 美し さ は 大変な 評判 ( ひょうばん ) で 、 国 中 に 知れ 渡り ました 。 いや 、 国 中 どころ か 、 外国 に まで 有名に なり ました 。 そして 遠く の 国 から も 、 わざわざ アラクネ の はたおり を 見 に 来る 人 も いた のです 。 「 まったく 、 アラクネ の おり物 と きたら 、 すばらしい 」 「 もよう の 美し さ は 、 目 が 覚める 様 ね 」 「 世界 一 の おり物 だ 」 みんな が ほめる ので 、 アラクネ は 得意に なって 、 いばる ように なり ました 。 「 その 通り 。 世界 中 で 、 あたし ぐらい はたおり の 上手な 者 は い ない でしょう 。 はたおり の 神さま の アテナ さま だって 、 あたし ほど 上手に おる 事 は 出来 ない わ 」 その うわさ を 聞いた アテナ は 、 「 なんて うぬぼれ の 強い 子 だろう 。 よし 、 わたし が 行って 、 たしなめて やろう 」 と 、 言い ました 。 そして おばあ さん に 姿 を 変える と 、 アラクネ の 家 へ 行き ました 。 「 なるほど 、 お前 さん は なかなか はたおり が 上手だ ね 。 大した もん だ 。 でも ね 、 いくら 上手だ から って 、 神さま を バカに して は いけない よ 」 アテナ が 言う と 、 アラクネ は いばって 言い 返し ました 。 「 だって 、 あたし は アテナ さま より うまい んです もの 。 うそ だ と 思う なら 、 競争 ( きょうそう ) して も いい わ 」 「 何 を 、 なまいき なっ ! 」 アテナ は 、 パッと 元 の 姿 に なり ました 。 「 さあ 、 わたし と はたおり の 竸争 を しよう 」 「 いい わ 。 あたし の 腕前 を 見せて あげる 」 アテナ と アラクネ は 、 はたおり の 競争 を 始め ました 。 二 人 と も 、 ものすごい 勢い で 布 を おり はじめ ました 。 どちら も 負ける もの か と 、 夢中で 布 を おり ます 。 やがて 二 人 と も 、 すばらしい 布 を おり あげ ました 。 アテナ の おった もよう は 、 美しい 神さま の 姿 でした 。 ところが アラクネ の おった もよう は 、 神さま たち が けんか を して いる 様子 でした 。 「 お前 は 、 よくも 神さま を バカに した ね ! 」 アテナ は カンカンに 怒って 、 アラクネ の おった 布 を ズタズタ に 引き裂く と 、 アラクネ の 頭 を つえ で 三 回 叩き ました 。 する と 、 どう でしょう 。 アラクネ の 体 は みるみる うち に 小さく なり 、 フサフサ と 美しかった 髪 の 毛 も なくなり 、 お腹 が ふくらんで き ました 。 そして 、 手 や 足 は 八 本 に なり ました 。 おまけに 、 毛むくじゃらです 。 アラクネ は 、 みにくい クモ に さ れて しまった のです 。 「 うぬぼれ の お バカ さん 、 そんなに じまん する の なら 、 いつまでも はた を おって いる が いい 」 アテナ は そう 言って 、 クモ に なった アラクネ を にらみ つけ ました 。
クモ に なった アラクネ は 今 でも 銀色 の 糸 を 出して 、 一生懸命 はた を おって いる のです 。
おしまい